Page 1 32 O 小野澤繁雄 N 布宮 慈子 K 河村 郁子 撓 ふ ほ ど 実 り し

〉
2014 – 2015
K
PART 53
〈
O
N
小野澤繁雄
布宮 慈子
河村 郁子
日 K
月
月
月
月
月
月
月
月
月
月
月
月
O
対詠 ごきげんいかが?
日 15
そ が ひ
撓ふほど実りし柿の背向には住む人のなきままのアパート
日 16
日
日
日
日
日
日 日 日 N
N
日 N
N
日 28
K
道の先に首垂れている黒き影犬連れている人とししりぬ
日 31
O
4
K
31
O
杉並の迷路のやうな道を行く盲導犬と人とは一体
5
K
9
O
お隣の飼い犬ナウへのお歳暮はオリゴ糖入りビスケットなり
26
24
年
月
2
30
201
7
12
12
日 12
日 月
12
16
月
12
日 1
1
1
1
2
3月
2
18
対岸に子の上げている凧の影鳥のごとくに土手をうごいて
つつつーとセグロセキレイ動きたり雪の舞ふ日の音符のごとく
わが庭に紅梅咲きて久方の天より雪の降り積もりくる
東京の開花しらせは梅の花当地開花は来週のことか
へ
母の家の雪下ろし済みアクセルを踏めば思へり紅梅白梅
から う め
唐梅の咲き満つる庭に招かれて色と香りに囚はれてゐる
何かこう待つ間もなしに咲き出でぬ団地のみちは小木梅に
皺の寄るやうな天気図みてをれば風の息して雪女来つ
い
2
K
早春の陽ざしにこぶしの和毛立ち終活ひとまづ憇息に入る
砂を吐く浅蜊おもひてゐる夜は雨の音して春めきてをり
2
O
元気とも云うはならねど吐く息の身を包むさまあるうれしさに
3月
2
32
展景 No. 77
展景 No. 77
33
雨あがりの庭におり立ち息深く生気うけたり如月の尽
2
K N O
晴れ切るという間もなくてまた雨に雲間明るむ日もうつりゆく
2
22
5
山 形 に キ ャ ン ド ル 灯 れ り 四 年 め の 三・一 一 は 雪 の 一 日
ス ー パ ー の レ ジ の 前 に て 黙 禱 す 三・一 一 の 夜 は 湯 豆 腐
初 め て 習 っ た 漢 字 曜 日 名 で 好 き に な っ た が〈 水 〉と 安 西 水 丸
カウカウと鳴き渡りゆく白鳥か雪に繊月みえ隠れして
3月
3月
3月
3月
日 N
日 日 O
日 N
34
展景 No. 77
展景 No. 77
35
K
11
13
15
24