no1

論 文
論 文
ピタゴラスの定理の一つの証明法
ピタゴラスの定理の一つの証明法
∗
原
憲昭 工藤 友裕
工藤 友裕
原 憲昭
*
下田
道成∗∗∗
下田 道成
**
∗∗
***
Another Method for Proving the Pythagorean Theorem
Another Method
for Proving the∗∗Pythagorean Theorem
∗
∗∗∗
*
**
***
Noriaki
Kudou
, Michinari
Shimoda
NoriakiHara
Hara , ,Tomohiro
Tomohiro Kudo
, Michinari
Shimoda
this
paper,
describe
a method
new method
for proving
the Pythagorean
theorem.
As isthis
method
fulfilled
InInthis
paper,
we we
describe
a new
for proving
the Pythagorean
theorem. As
this method
fulfilled
onlyisusing
by
only
using
by
simple
elementary
geometry,
it
may
be
useful
of
understanding
the
Pythagorean
theorem
for
simple elementary geometry, it may be useful of understanding the Pythagorean theorem for beginners.
beginners.
キーワード:ピタゴラスの定理,証明法,初等幾何学
キーワード:ピタゴラスの定理,証明法,初等幾何学
Keywords:Pythagorean
theorem, method for proving, elementary geometry
Keywords: Pythagorean theorem, method for proving, elementary geometry
1. まえがき
まえがき
1.
数学の定理の中でも,ピタゴラスの定理は最も馴染み深
数学の定理の中でも,ピタゴラスの定理は最も馴染み深
い定理の代表格ではないだろうか。そのために古今東西多
い定理の代表格ではないだろうか。そのために古今東西多
数の人々がその証明に取り組み,現在ではその証明法は
数の人々がその証明に取り組み,現在ではその証明法は 100
100種を超しているとも,300種を超しているとも言われて
種を越しているとも, 300 種を越しているとも言われてい
いる。ここで述べる証明法も,著者の一人があるふとした
る。ここで述べる証明法も,著者の一人があるふとした機
機会に見出し,他の著者と共に検証したものである。ピタ
会に見出し,他の著者と共に検証したものである。ピタゴ
ゴラスの定理関連の文献等を調べても同様な証明法は見当
ラスの定理関連の文献等を調べても同様な証明法は見当た
たらなかったので,ここに発表する次第である。
らなかったので,ここに発表する次第である。
2.
2. ユークリッドによるピタゴラスの定理の証明法
ユークリッドによるピタゴラスの定理の証明法
ユークリッドによるピタゴラスの定理の最もよく知られ
ユークリッドによるピタゴラスの定理の最もよく知られ
た証明法は,
『ユークリッド原論』の第1巻命題47に記載さ
(1)
た証明法は,
『ユークリッド原論』の第1巻命題
47 に記載
れている。以下ユークリッド原論の和訳
から,それを
(1)
されている。以下ユークリッド原論の和訳 から,それを
引用する。
ABΓ を角 BAΓ を直角とする直角三角形とせ
ABΓを角 BAΓを直角とする直角三角形とせよ。
よ。BΓ 上の正方形は BA,AΓ 上の正方形の和
BΓ上の正方形は BA,AΓ上の正方形の和に等し
に等しいと主張する。
いと主張する。
Θ
Κ
Η
Α
Ζ
Γ
Β
引用する。
直角三角形において直角の対辺の上の正方形は
直角三角形において直角の対辺の上の正方形は
直角をはさむ2辺の上の正方形の和に等しい。
直角をはさむ 2 辺の上の正方形の和に等しい。
∗
熊本高等専門学校名誉教授
〒 860–0862 熊本市中央区黒髪2丁目 21-17
*
熊本高等専門学校名誉教授
Professor Emeritus of Kumamoto National College of Tech 〒860-0862 熊本市中央区黒髪2丁目21-17
nology
Professor Emeritus of Kumamoto National College of Technology
2-21-17, Kurokami, Chuuou-ku, Kumamoto City, Ku 2-21-17, Kurokami, Chuuou-ku, Kumamoto City, Kumamoto,
mamoto, 860-0862
860-0862
∗∗ 共通教育科
**
共通教育科
熊本県合志市須屋 2659–2
〒 861–1102
〒861-1102
熊本県合志市須屋2659-2
Faculty
Liberal
Studies,
2659–2,
Suya,Kumamoto,
Koshi, Kumamoto
Faculty
of of
Liberal
Studies,
2659-2,
Suya, Koshi,
861–1102
861-1102
***
∗∗∗ 情報通信エレクトロニクス工学科
情報通信エレクトロニクス工学科
〒861-1102
熊本県合志市須屋2659-2
熊本県合志市須屋 2659–2
〒 861–1102
Department
of Information,
Communication
and Electronic
Department
of Information,
Communication
and Electronic
Engineering,
2659-2,
Suya,Suya,
Koshi,Koshi,
Kumamoto
861-1102861–1102
Engineering,
2659–2,
Kumamoto
熊本高等専門学校 研究紀要 第5号(2013)
熊本高等専門学校 研究紀要,第 5 号 (2013)
p001-006.indd
1
∆
Λ
Ε
図1 ユークリッドによるピタゴラスの定理の
図 1 ユークリッドによるピタゴラスの定理の
証明
証明
BΔEΓが,BA,AΓ上に正方形
BΓ 上に正方形
B∆EΓ が,BA ,AΓ 上に正
BΓ上に正方形
HB,ΘΓが描かれ,A
BΔ,ΓE
を通りA
のどちら
方形 HB ,ΘΓ が描かれ,
を通り B∆
,ΓE
AΛがひかれたとせよ。そして
AΔ,
かに平行に
のどちらかに平行に
AΛ がひかれたとせよ。そし
ZΓが結ばれたとせよ。そうすれば角
BAΓ,BAH
て A∆ ,ZΓ が結ばれたとせよ。そうすれば角
BA に対し
の双方は直角であるから,任意の線分
BAΓ, BAH の双方は直角であるから,任意の
A
AΓ,
てその上の点
において同じ側にない2線分
線分 BA に対してその上の点 A において同じ側
―1―
2014/02/18
19:35:45
ピタゴラスの定理の一つの証明法
ピタゴラスの定理の一つの証明法
ピタゴラスの定理の一つの証明法
(原 憲昭)
にない 2 線分 AΓ, AH が接角を 2 直角に等し
にない 2 線分 AΓ, AH が接角を 2 直角に等し
くする。それゆえ ΓA は AH と一直線をなす。同
くする。それゆえ ΓA は AH と一直線をなす。同
じ理由で
BAも
も AΘ と一直線をなす。そして角
AH
が接角を2直角に等しくする。それゆえΓA
は
じ理由で
BA
AΘ と一直線をなす。そして角
∆BΓ
は角 ZBA に,共に直角であるがゆえに等
AH
BA
AΘと一
と一直線をなす。同じ理由で
も
∆BΓ は角 ZBA に,共に直角であるがゆえに等
しいから,双方に角 ABΓ が加えられたとせよ。
ZBA に,共に直
直線をなす。そして角ΔBΓは角
しいから,双方に角
ABΓ が加えられたとせよ。
そうすれば角 ∆BA 全体は角 ZBΓ 全体に等し
ABΓが
角であるがゆえに等しいから,双方に角
そうすれば角 ∆BA 全体は角 ZBΓ 全体に等し
い。そして ∆B は BΓ に等しく,ZB 全体は角
は BA に
加えられたとせよ。そうすれば角ΔBA
い。そして ∆B は BΓ に等しく,ZB は BA に
ZBΓ全体に等しい。そしてΔB
等しいから, 2 辺 ∆B , BA は
はBΓに等しく,
2
辺 ZB ,BΓ
等しいから, 2 辺 ∆B , BA は 2 辺 ZB ,BΓ
ZB
ZB,
は BA に等しいから,2辺ΔB,BA
は2辺
にそれぞれ等しい。そして角
∆BA は角
ZBΓ
に
にそれぞれ等しい。そして角 ∆BA は角 ZBΓ に
BΓにそれぞれ等しい。そして角ΔBA
ZBΓ
は角に等し
等しい。したがって底辺 A∆ は底辺 ZΓ
等しい。したがって底辺 A∆ は底辺 ZΓ に等し
ZΓに等し
に等しい。したがって底辺
く,三角形 AB∆ は三角形AΔは底辺
ZBΓ に等しい。そし
く,三角形 AB∆ は三角形 ZBΓ に等しい。そし
ABΔは三角形
ZBΓに等しい。そして
く,三角形
て平行四辺形
BΛ は三角形
AB∆ の 2 倍である。
て平行四辺形 BΛ は三角形 AB∆ の 2 倍である。
BΛは三角形
ABΔの2倍である。なぜ
平行四辺形
なぜならそれらは同じ底辺 B∆ をもちかつ同じ
なぜならそれらは同じ底辺 B∆ をもちかつ同じ
BΔをもちかつ同じ平行線
ならそれらは同じ底辺
平行線 B∆ ,AΛ の間にあるから,そして正方形
平行線 B∆ ,AΛ の間にあるから,そして正方形
BΔ,AΛの間にあるから,そして正方形
HB は
HBは三角形
は三角形 ZBΓ の 2 倍である。なぜならこれ
HB
ZBΓ の 2 倍である。なぜならこれ
ZBΓの2倍である。なぜならこれらもまた
三角形
らもまた同じ底辺
ZB をもちかつ同じ平行線 ZB
らもまた同じ底辺 ZB をもちかつ同じ平行線 ZB
ZB をもちかつ同じ平行線 ZB,HΓの間
同じ底辺
, HΓ の間にあるから,それゆえ平行四辺形
BΛ
, HΓ の間にあるから,それゆえ平行四辺形 BΛ
BΛは正方形
にあるから,それゆえ平行四辺形
は正方形 HB に等しい。同様にして AE ,BK
は正方形 HB に等しい。同様にして AE ,BK
HB
に等しい。同様にして AE,BK
が結ばれれば,
が結ばれれば,平行四辺形
ΓΛ が正方形
ΘΓ に等
が結ばれれば,平行四辺形 ΓΛ が正方形 ΘΓ に等
平行四辺形Γ
Λ
が正方形Θ
Γに等しいことも証明
しいことも証明されうる。ゆえに正方形 B∆EΓ
しいことも証明されうる。ゆえに正方形
B∆EΓ
されうる。ゆえに正方形 BΔEΓ全体は二つの正
全体は二つの正方形 HB , ΘΓ の和に等しい。
全体は二つの正方形
HB , ΘΓ の和に等しい。
方形 HB,ΘΓの和に等しい。そして正方形
BΔ
そして正方形 B∆EΓ は BΓ 上に描かれ, HB ,
そして正方形
B∆EΓ
は BΓ 上に描かれ,
HB ,
EΓは BΓ上に描かれ,HB,Θ
Γは BA,AΓ上に
ΘΓは
は BA , AΓ 上に描かれている。したがって
ΘΓ
BA , AΓ 上に描かれている。したがって
BΓ上の正方形は辺
描かれている。したがって辺
辺 BΓ 上の正方形は辺 BA ,AΓ 上の正方形の
辺
BΓ
上の正方形は辺
BA
,
AΓ 上の正方形の
BA,AΓ上の正方形の和に等しい。
和に等しい。
和に等しい。
よって直角三角形において直角の対辺の上の正
よって直角三角形において直角の対辺の上の
よって直角三角形において直角の対辺の上の
方形は直角をはさむ2辺の上の正方形の和に等し
正方形は直角をはさむ 2 辺の上の正方形の和に等
正方形は直角をはさむ
2 辺の上の正方形の和に等
い。これが証明すべきことであった。
しい。これが証明すべきことであった。
しい。これが証明すべきことであった。
同様にして
同様にして
正方形 AF GC = 長方形 AN JE · · · · · · · · · · · · · · (5)
GC= =
長方形
AN JE · · · · · · · · · · · · · · (5)
正方形 AF
AFGC
ANJE���������(5)
正方形
長方形
ゆえに
ゆえに
ゆえに
正方形 BCHI + 正方形 AF GC = 長方形 BDEA(6)
AF GC= 長方形
= 長方形
BDEA(6)
正方形 BCHI
BCHI+
BDEA��(6)
正方形
+ 正方形 AFGC
したがって
したがって
したがって
·(7)
bbb2= =
c=�����������������(7)
a
aa2 +++
cc2 · ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ··(7)
2
2
2
2
2
2
)
*
*
.
%
+
+
C
$
.
(
- DD
0
0
/
&
(
%
C
$
&
)
,
E
E
#
#
/
,
'
'
図 2 初等幾何学のみで証明する方法
図2 初等幾何学のみで証明する方法
図
2 初等幾何学のみで証明する方法
3.2
比例関係を利用して証明する方法
3.2 比例関係を利用して証明する方法
比例関係を利用して証明する方法
3.2
3. ピタゴラスの定理の証明法の分類
3. ピタゴラスの定理の証明法の分類
ピタゴラスの定理の証明法の分類
3.
多数のピタゴラスの定理の証明法が存在するが,証明の
方法で大きく分類すると,
多数のピタゴラスの定理の証明法が存在するが,証明の
多数のピタゴラスの定理の証明法が存在するが,証明の
• 初等幾何学のみで証明する方法
方法で大きく分類すると,
方法で大きく分類すると,
•• 比例関係を利用して証明する方法
初等幾何学のみで証明する方法
• 初等幾何学のみで証明する方法
••計算を援用する方法
比例関係を利用して証明する方法
• 比例関係を利用して証明する方法
(2)
~
(4)
以下,それぞれの系
の3系統に分類できそうである。
•
計算を援用する方法
• 計算を援用する方法
(2)
統の代表的な証明法を外観してみる。
の 3 系統に分類できそうである。 ~ (4) 以下,それぞれの
の 3 系統に分類できそうである。(2) ~ (4) 以下,それぞれの
3.1
初等幾何学のみで証明する方法
系統の代表的な証明法を外観してみる。
系統の代表的な証明法を外観してみる。
ユークリッドによる証明法はその代表的なものであるが,
3.1 初等幾何学のみで証明する方法
初等幾何学のみで証明する方法
3.1
他の例としては以下のような証明法がある。
ユークリッドによる証明法はその代表的なものであるが,
ユークリッドによる証明法はその代表的なものであるが,
図2において
他の例としては以下のような証明法がある。
他の例としては以下のような証明法がある。
図 2 において
平行四辺形
図 2 において BAKI = 正方形 BCHI�������(1)
平行四辺形 BDMC = 長方形 BDJN�������(2)
平行四辺形 BAKI = 正方形 BCHI · · · · · · · · (1)
平行四辺形 BAKI = 正方形 BCHI · · · · · · · · (1)
一方 平行四辺形 BDM C = 長方形 BDJN · · · · · · · · (2)
平行四辺形 BDM C = 長方形 BDJN · · · · · · · · (2)
BAKI ≡平行四辺形 BDMC�����(3)
平行四辺形
一方
一方
アインシュタインの証明法といわれる,相似三角形の面
アインシュタインの証明法といわれる,相似三角形の面
アインシュタインの証明法といわれる,相似三角形の面
積比が相似比の2乗に等しいことを利用した以下のような
積比が相似比の 2 乗に等しいことを利用した以下のような
積比が相似比の 2 乗に等しいことを利用した以下のような
証明法がある。
証明法がある。
証明法がある。
%
%
C
C
D
D
#
E
$
E
#
$
図3 比例関係を利用して証明する方法
図 3 比例関係を利用して証明する方法
図 3 比例関係を利用して証明する方法
図3において三角形 ABC,三角形 CBK,三角形 ACK は
ABC ,三角形
,三角形 CBK
,三角形
図 3 cにおいて三角形
ABC,三角形
相似比
: a : b の相似三角形である。三角形
ABC
CBK
,三角形
図 3 において三角形
ACK は相似比
は相似比
の相似三角形である。三角形
CBK,三角形
ACK
S1,S2,S3とする
ACK
ccのそれぞれの面積を
: : aa : : bb の相似三角形である。三角形
ABC
,三角形
CBK
,三角形
ACK
のそれぞれの面積
と
ABC
,三角形 CBK ,三角形 ACK のそれぞれの面積
2 ,S3 とすると
を S1
,S2
a ,
を
S1S2,
S2
S3 とすると
=
2 ������������������(8)
S1
S2 c a22
S2 = a2
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (8)
S3 = b
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (9)
ゆえに
平行四辺形 BAKI ≡ 平行四辺形 BDM C · · · · · (3)
平行四辺形 BAKI ≡ 平行四辺形 BDM C · · · · · (3)
S3
S1 = b c2· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (8)
S1 = c2 2������������������(9)
S1
S3 c b22
同様にして
正方形 BCHI = 長方形 BDJN · · · · · · · · · · · · · · (4)
正方形 BCHI = 長方形 BDJN · · · · · · · · · · · · · · (4)
一方
一方 + S3 = S1����������������(10)
S2
BCHI = 長方形 BDJN���������(4)
正方形
ゆえに
ゆえに
S1 = cc22· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (9)
一方
S1
―2―
p001-006.indd
2
Research Reports of Kumamoto-NCT. , Vol.5 (2013)
Research Reports of Kumamoto-NCT. , Vol.5 (2013)
Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5(2013)
2014/02/18
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S2 + S3 = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (10)
ゆえに
S2 + S32 = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (10)
aS2 + S3b = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (10)
2
(11)
ゆえに
2 S1 +
2 S1 = S1�������������
c
c
ゆえに
ゆえに
a2 2
b2 2
したがって
a (図5)
> b とする。(図 5)
こでは
とする。
こでは a > b とする。(図 5)
こでは a > b とする。(図 5)
#
#
#
aS1 + 22bS1 = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (11)
ca22 2 S1
c2b S1 = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (11)
+
2
c2S1 = S1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (11)
b =+c �����������������
a 2c+2S1
(12)
c
c2
したがって
したがって
したがって
a2 +
b2 = c2 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (12)
3.3 計算を援用する方法
a2 2 + 2b2 = 2c2 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (12)
a + b = c · · · · · · · · · · · · · · · ·Garfield
· · · · · · · の証明法として
· · · · · · · · (12)
アメリカ合衆国の第20代大統領
3.3
計算を援用する方法
3.3 計算を援用する方法
知られている以下のような証明法がある。
20 代大統領 Garfield の証明法とし
アメリカ合衆国の第
3.3
計算を援用する方法
アメリカ合衆国の第 20 代大統領 Garfield の証明法とし
て知られている以下のような証明法がある。
アメリカ合衆国の第 20 代大統領 Garfield の証明法とし
て知られている以下のような証明法がある。
て知られている以下のような証明法がある。
D
(
(
C
C
(
D
&
D
&
E
D
D
D
$
$
$
%
C
%
C
%
C
図 5 新しい証明法(その0)
図5 新しい証明法(その0)
図 5 新しい証明法(その0)
図 5 新しい証明法(その0)
&
直角三角形 ABC の直角を挟む 2 辺 BC , AC をそれ
直角三角形
の直角を挟む2辺
をそれぞれ1
直角三角形ABC
ABC
の直角を挟む 2BC,AC
辺 BC ,
AC をそれ
ぞれ
1 辺とする正方形
BDEC ACFG
,正方形
ACF
G を図の
直角三角形
ABC
の直角を挟む
2 辺を図のように描く。
BC
, AC
をそれ
BDEC,正方形
辺とする正方形
ぞれ 1 辺とする正方形 BDEC ,正方形
2 ACF
2 G を図の
2
2
ように描く。それぞれの正方形の面積は
a
,
b
である。
ぞれ 1 辺とする正方形 BDEC
,正方形 ACF
G を図の
a ,b である。
それぞれの正方形の面積は
ように描く。それぞれの正方形の面積は
a2 , b2 である。
ように描く。それぞれの正方形の面積は a2 , b2 である。
C
E
E
E
E
E
#
#
'
# '
'#
#
E
E
D
D
E
D
E
E
$
$
$
C
D
C
C
C
(a + b)2=
ab
1+
1 + ab
· · · · · · · · · · · · · · · · (13)
2c
(
%
.
C
$
%
C
$
%図
図4 計算を援用する方法
4 計算を援用する方法
図 4 計算を援用する方法
図 4 計算を援用する方法
21 ab +
21 ab +2c · · · · · · · · · · · · · · · · (13)
(a 2+ b) =
したがって
2 = 2ab + 2ab + 2· · · · · · · · · · · · · · · · (13)
22 2 2
2
2
したがって
2
a
+ b = c �����������������(14)
したがって
したがって
2
2
2
)
D
%
$
ABC
図4において三角形
と合同な直角三
DEFは三角形
は 三角形
ABC
と合同な直
図 4 において三角形 DEF
図 4 において三角形 DEF は 三角形 ABC と合同な直
角形である。
角三角形である。
図 4 において三角形 DEF は 三角形 ABC と合同な直
角三角形である。
FCBD の面積は,上底が b,下底が a,高さが a + b
台形
台形 F CBD2 の面積は,上底が b ,下底が a,高さが
角三角形である。
台形 F+CBD
の面積は,上底が b ,下底が a,高さが
b)/2 である。
だから(a
a +台形
b だから
(a +の面積は,上底が
b)2 /2
である。 b ,下底が a,高さが
F CBD
2
ABC,三角形 DEF,三角形
a + b だからFCBD
(a + b)
/2 である。
一方,台形
は三角形
は三角形
ABC ,三角形 DEF ,三
a一方,台形
+ b だから F
(aCBD
+ b)2 /2
である。
DEB一方,台形
ab)
で構成されているからその面積は(ab)
/2 +
(
/2,三
+
F CBD は三角形 ABC ,三角形
DEF
角形
DEB で構成されているからその面積は (ab)/2 +
2 一方,台形 F CBD は三角形 ABC ,三角形 DEF ,三
c /2
である。
角形
DEB で構成されているからその面積は (ab)/2 +
(ab)/2
+ c2 /2で構成されているからその面積は
である。
角形 DEB
(ab)/2 +
ゆえに
(ab)/2 + 2c2 /2 である。
ゆえに+ c 2/2 である。
(ab)/2
2
c
ゆえに
(a
+ b) 1
1
ab + 1 ab + c2 ���������
(13)
ゆえに
(a +2 b)2 =
1
2
2 2
2 2
)
D
E
.
%
)
#
%
-
-
.
+
(
+
(
+
,
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&
',
*
*
'
,
'
*
図 6 新しい証明法(その1)
図 6 新しい証明法(その1)
図6 新しい証明法(その1)
6 新しい証明法(その1)
図
B を通って,直線 BA に垂直な直線と DE との交点を
を通って,直線BABA
に垂直な直線と
との交点を
DEDE
H
BB
を通って,直線
に垂直な直線と
との交点を
H とする。また,
A を通って,直線
AB に垂直な直線と
B を通って,直線
BA に垂直な直線と
DE との交点を
H とする。また,
A を通って,直線
AB に垂直な直線と
AB に垂直な直線と
GF
とする。また,A
を通って,直線
GF
の延長との交点を
I とする。直線 AB
CE に垂直な直線と
と直線 HI と
H とする。また,
A を通って,直線
I とする。直線
CE と直線
HI との交点
の延長との交点を
GF の延長との交点を
I とする。直線
CE と直線
HI と
の交点を
J , 直線 CFI と直線
AI との交点を
K HI
とす
GF の延長との交点を
とする。直線
CE と直線
と
J,直線 J
CF,
をの交点を
と直線
とする。さらに,
直線 AI
CFとの交点を
と直線 AIK との交点を
K とす
る。さらに,点
から直線
CE に下ろした垂線の足を
L
の交点を J , I直線
CF と直線
AI との交点を K とす
I から直線 CE に下ろした垂線の足を
L とする。
点る。さらに,点
I から直線 CE に下ろした垂線の足を
L
とする。
る。さらに,点 I から直線 CE に下ろした垂線の足を L
△ABC
とする。と△HBD において
△ABC と △HBD において
とする。
△ABC と △HBD において
BC
= BD��������(15)
△ABC と △HBD において
BC = BD · · · · · · · · · · (15)
∠ABC = ∠R ∠CBH = ∠HBD��������
BC = BD · · · · · · · · · ·(16)
(15)
BC
= BD· · · · · · · · · · (16)
· (15)
∠ABC
=
∠R
−
∠CBH
=
∠HBD
∠ACB = ∠HDB = ∠R��������
(17)
a +
b = c · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (14)
a2 2 + 2b2 = 2c2 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (14)
a + b = c · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (14)
∠ABC = ∠R − ∠CBH = ∠HBD · · · · · · · · · · (16)
4. 新しい証明法
∠ABC =∠ACB
∠R − ∠CBH
= ∠HBD
· (16)
= ∠HDB
= ∠R· · · · · · · · · · (17)
4. 新しい証明法
4.1
辺の長さが異なる場合
ゆえに
∠ACB = ∠HDB = ∠R· · · · · · · · · · (17)
新しい証明法
4. 直角を挟む2
∠ACB = ∠HDB = ∠R· · · · · · · · · · (17)
4. 新しい証明法
直角三角形
において,直角∠BCA を挟む2辺,BC,
ゆえに
4.1
直角を挟むABC
2 辺の長さが異なる場合
△ABC
≡
△HBD��������������
(18)
ゆえに
4.1
直角を挟む
2 辺の長さが異なる場合
CA
a,b
AB の長さを
の長さを
直角三角形
ABC
において,直角 ∠BCA
を挟む c2 とす
辺,
ゆえに
4.1
直角を挟む
2とする。また,斜辺
辺の長さが異なる場合
△ABC ≡ △HBD · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (18)
直角三角形
ABC において,直角 ∠BCA を挟むa 2> 辺,
b としても一般性は失わないので,ここでは
b
る。a
それゆえ
BC
,>
CA
の長さを
,b とする。また,斜辺
AB の長
△ABC ≡ △HBD · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (18)
直角三角形
ABC aにおいて,直角
∠BCA を挟む
2 辺,
△ABC ≡ △HBD · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (18)
BC ,CA の長さを a ,b とする。また,斜辺 AB の長
さを
c
とする。
a
>
b
としても一般性は失わないので,こ
それゆえ
BC ,CA の長さを a ,b とする。また,斜辺 AB の長
さを
c とする。a > b としても一般性は失わないので,こ
それゆえ
熊本高等専門学校 研究紀要 第5号(2013)
さを c とする。a > b としても一般性は失わないので,こ― 3 ― それゆえ
熊本高等専門学校 研究紀要,第 5 号 (2013)
熊本高等専門学校 研究紀要,第 5 号 (2013)
熊本高等専門学校 研究紀要,第 5 号 (2013)
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3
2014/02/18
19:35:47
ピタゴラスの定理の一つの証明法
ピタゴラスの定理の一つの証明法
ピタゴラスの定理の一つの証明法 (原 憲昭)
HB = AB · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (19)
HB = AB · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (19)
同様に △ABC と △AIG において
HB
= AB������������������
(19)
同様に
△ABC と △AIG において
AC = AG· · · · · · · · · · · · (20)
同様に△ABC と△AIG において
AC = AG· · · · · · · · · · · · (20)
∠CAB = ∠R − ∠CAI = ∠GAI · · · · · · · · · · · · (21)
AG���������
AC
=
(20)
∠CAB = ∠R − ∠CAI =
∠GAI · · · · · · · · · · · · (21)
∠ACB = ∠AGI = ∠R· · · · · · · · · · · · (22)
∠CAB = ∠R ∠CAI = ∠GAI ���������
(21)
∠ACB = ∠AGI = ∠R· · · · · · · · · · · · (22)
∠ACB
= ∠AGI = ∠R ���������
(22)
ゆえに
ゆえに
ゆえに
△ABC ≡ △AIG· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (23)
△ABC
△AIG·
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (23)
△ABC
≡≡
△AIG
��������������
(23)
それゆえ
それゆえ
それゆえ
AI = AB · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (24)
ABAB
AI
������������������
(24)
AI= =
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (24)
式 (19) と式 (24) から四辺形 ABHI
を1辺
ABHIは,辺
AB を1辺と
式(19)と式(24)から四辺形
は,辺AB
2 c2 である。
式 (19) と式 (24) から四辺形 ABHI
は,辺 AB を 1 辺
とする正方形であり,その面積は
する正方形であり,その面積は c である。
とする正方形であり,その面積は c2 である。
∠JHE = ∠R − ∠HJE = ∠R − ∠IJA
∠JHE = ∠R − ∠HJE = ∠R − ∠IJA
= ∠JAI = ∠KIF · · · · · · · · · · · · · · · · · (28)
= ∠JAI
· · · · · · · · · · · · · · · · · (28)
∠JHE = ∠R
∠HJE== ∠KIF
∠R ∠IJA
= ∠JAI = ∠KIF �������������(28)
∠JEH
������������
(29)
∠JEH ==∠KFI
∠KF=I∠R
= ∠R·
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · (29)
∠JEH = ∠KF I = ∠R· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (29)
ゆえに
ゆえに
ゆえに
△JHE ≡ △KIF ����������������(30)
△JHE ≡ △KIF · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (30)
△JHE ≡ △KIF · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (30)
それゆえ三角形 JHE のチェックを三角形 KIF に移すこ
それゆえ 三角形 JHE のチェックを 三角形 KIF に移
とができる。(図8)
それゆえ 三角形
すことができる。
(図JHE
8) のチェックを 三角形 KIF に移
すことができる。(図 8)
)
#
)
#
)
#
)
#
$
(
-
%
$
%
-
.
.
$
(
%
+
(
-
%
$
+
-
.
.
(
+
+
,
&
'
*
&
*
,
,
&
'
図 7 新しい証明法(その2)
図7 新しい証明法(その2)
図
7 新しい証明法(その2)
&
BDEC
を構成する三角形
図 7 に示すように,正方形BDEC
HBD,
図7に示すように,正方形
を構成する三角形
7
に示すように,正方形
BDEC
を構成する三角形
図
HBD
JHECBHJ
,四辺形
CBHJ にチェックを入れ
JHE,四辺形
三角形,三角形
にチェックを入れる。同様に正
HBD
,三角形
JHE
,四辺形
CBHJ
ックを入れ
る。同様に正方形
ACF
ACK
,四辺
AKFG
方
形 ACFG
を構成
す るG
三を構成する三角形
角 形 ACK,
四 にチェ
辺形
にも
る。同様に正方形
G を構成する三角形 ACK ,四辺
形
AKF G にもチェACF
ックをいれる。
チェックをいれる。
形
AKF
G にもチェックをいれる。 ABHI
ABHI が過不足なく
チェ
ックを入れられた図形で正方形
が過不足な
チェックを入れられた図形で正方形
チェックを入れられた図形で正方形 ABHI が過不足な
埋めつくされれば,定理が証明されたことになる。
く埋めつくされれば,定理が証明されたことになる。
く埋めつくされれば,定理が証明されたことになる。
△JHE
において
△JHEと△KIF
と △KIF
において
△JHE
と
△KIF
HD =
式(18)から
= bbにおいて
だから
式 (18) から HD
だから
式 (18) から HD = b だから
b b·
HE
�����������������
(25)
HE ==a a −
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (25)
HE = a − b· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (25)
式(23)から IG = a だから
式 (23) から IG = a だから
式 (23)
IG = a だから
IF
= a から
b������������������
(26)
IF = a − b· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (26)
IF = a − b· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (26)
式(25)と式(26)から
式 (25) と式 (26) から
HE
= IF
������������������
(27)
式 (25)
と式
(26) から
HE = IF · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (27)
HE = IF · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (27)
'
*
*
,
'
図図8 新しい証明法(その3)
8 新しい証明法(その3)
図 8 新しい証明法(その3)
△ACK と△ILJ において
△ACK と △ILJ において
△ACK と △ILJ において
AC
= FC = IL ���������(31)
∠KAC = ∠R ∠AIL = ∠JIL ���������(32)
AC = F C = IL· · · · · · · · · · · · (31)
AC = F C = IL· · · · · · · · · · · · (31)
∠KAC = ∠R − ∠AIL = ∠JIL· · · · · · · · · · · · (32)
∠KAC = ∠R − ∠AIL = ∠JIL· · · · · · · · · · · · (32)
∠ACK = ∠ILJ = ∠R· · · · · · · · · · · · (33)
∠ACK = ∠ILJ = ∠R· · · · · · · · · · · · (33)
ゆえに
∠ACK = ∠ILJ = ∠R ���������(33)
△ACK
≡ △ILJ ���������������(34)
ゆえに
ゆえに
それゆえ三角形 ACK のチェックを三角形 ILJ に移すこ
△ACK ≡ △ILJ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (34)
とができる。(図9)
△ACK ≡ △ILJ · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (34)
それゆえ三角形 ACK のチェックを三角形 ILJ に移す
それゆえ三角形
のチェックを三角形 ILJ に移す
ことができる。
(図 9ACK
)
ことができる。(図 9)
Research Reports of Kumamoto-NCT. , Vol.5 (2013)
―4―
p001-006.indd
4
Research
Reports
of of
Kumamoto-NCT.
Vol.5
(2013)
Research
Reports
Kumamoto-NCT., Vol.
5(2013)
2014/02/18
19:35:47
#
)
#
)
# ##
) ))
# ##
) ))
$
-
%
.
$ $$
% %%
- --
(
$
+
( ((
$ $$
%
% %%
図9
& &&
&
,
図 11
' ''
& &&
図図
9 99新しい証明法(その4)
図9 新しい証明法(その4)
図
新しい証明法(その4)
新しい証明法(その4)
△IGA と △ALI において
'
*
,,
新しい証明法(その4)
* **
,
,,
新しい証明法(その6)
' ''
* **
図図
1111
図11 新しい証明法(その6)
図
11新しい証明法(その6)
新しい証明法(その6)
新しい証明法(その6)
BDEC
+ 正方形 ACF G = 正方形
したがって正方形
ABHI ,すなわち直角を挟む 2 辺の長さが異なる場合に
IG = AL· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (35)
△IGA
と△ALI
において
△IGA
とと
△ALI
において
△IGA
△IGA
と
△ALI
△ALI
において
において
∠GIA = ∠LAI · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (36)
IG = AL �������������
(35)
IG
==
AL·
· ····························································(35)
∠IGA
= ∠ALI
==
∠R·
(37)
IG
AL·
AL·
···(35)
(35)
∠GIA
=IG
∠LAI
�������������
(36)
∠LAI
· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· (36)
∠IGA∠GIA
=∠GIA
∠ALI====
∠R
�������������
(37)
∠GIA
∠LAI
∠LAI
· ·(36)
(36)
ゆえに
∠IGA
=
∠ALI
=
∠R·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
(37)
∠IGA
∠IGA==∠ALI
∠ALI==∠R·
∠R·· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · ·(37)
(37)
ゆえに
△IGA ≡ △ALI · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (38)
△IGA
ゆえに
ゆえに
ゆえに ≡ △ALI ���������������(38)
したがって正方形
+ 正方形 ACFG = 正方形 ABHI,
ついて a2 + b2 = c2BDEC
が証明できた。
BDEC
+++
正方形
ACF
GGG
===
正方形
したがって正方形
BDEC
BDEC
正方形
正方形
ACF
ACF
正方形
正方形
したがって正方形
したがって正方形
2
a +
すなわち直角を挟む2辺の長さが異なる場合について
4.2
直角を挟む 2 辺の長さが等しい場合
ABHI
,すなわち直角を挟む
2
辺の長さが異なる場合に
ABHI
,すなわち直角を挟む
,すなわち直角を挟む22辺の長さが異なる場合に
辺の長さが異なる場合に
2ABHI
2
b =直角三角形
c が証明できた。
ABC2 の直角 ∠BCA を挟む 2 辺,BC ,
2 c2 2が証明できた。
ついて
a2aa2+2++
b2bb2=
ついて
ついて
=
=
c
c
が証明できた。
が証明できた。
4.2
直角を挟む2辺の長さが等しい場合
CA直角を挟む
の長さが等しい場合,すなわち a = b の場合を考え
4.2
22辺の長さが等しい場合
4.2
4.2 直角を挟む
直角を挟む
2辺の長さが等しい場合
辺の長さが等しい場合
直角三角形
る。(図 12) ABC の直角∠BCA を挟む2辺,BC,CA の長
直角三角形
ABC
の直角
∠BCA
を挟む
2 2辺,
BC
直角三角形
直角三角形
ABC
ABC
の直角
の直角
∠BCA
を挟む
を挟む
2辺,
辺,
BC
BC,,,
a =∠BCA
b の場合を考える。
さが等しい場合,すなわち
(図12)
CA
の長さが等しい場合,すなわち
a
=
b
の場合を考え
CA
CAの長さが等しい場合,すなわち
の長さが等しい場合,すなわちaa==bbの場合を考え
の場合を考え
る。
(図
12)
#
る。
る。
(図
(図
12)
12)
それゆえ三角形
のチェックを三角形
に移すこ
それゆえ三角形 IGA
IGA
のチェックを三角形ALI
ALI
に移す
△IGA
≡≡≡
△ALI
· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·· ·(38)
△IGA
△IGA
△ALI
△ALI
·(38)
(38)
とができる。
(図10)
ことができる。
(図 10)
###
E
それゆえ三角形
IGA
のチェ
ックを三角形
ALI
に移す
それゆえ三角形
それゆえ三角形
IGA
IGA
のチェ
のチェ
ックを三角形
ックを三角形
ALI
ALI
に移す
に移す
ことができる。
(図
10
)
ことができる。
ことができる。
(図
(図10
10))
D
)
#
EEE
$
-
%
.
% %%
$ $$
(
$$$
- --
'
,
* **
' ''
図図
1010
図
10新しい証明法(その5)
新しい証明法(その5)
新しい証明法(その5)
式(18)だから三角形 HBD のチェックを三角形 ABC に
式 (18) だから三角形 HBD のチェックを三角形 ABC
移すことができる。
(図11)
に移すことができる。(図 11)
(18)
だから三角形
HBD
のチェ
ックを三角形
ABC
式式
(18)
(18)
だから三角形
だから三角形
HBD
HBD
のチェ
ックを三角形
ックを三角形
ABC
ABC
式
熊本高等専門学校 研究紀要,第
5のチェ
号 (2013)
に移すことができる。
(図
1111
))
に移すことができる。
に移すことができる。
(図
(図
11
)
熊本高等専門学校 研究紀要 第5号(2013)
熊本高等専門学校 研究紀要,第
5 5号
熊本高等専門学校 研究紀要,第
熊本高等専門学校 研究紀要,第
5号号(2013)
(2013)
(2013)
p001-006.indd
5
新しい証明法(その7)
CCC
%%%
ぞれ 1 辺とする正方形 BDEC ,正方形 ACF G を図 13
+ ++
,,
図
10 新しい証明法(その5)
図10 新しい証明法(その5)
& &&
図 12
%
図図12 新しい証明法(その7)
1212
図
12新しい証明法(その7)
新しい証明法(その7)
新しい証明法(その7)
ABC
の直角を挟む
2 辺 BC , AC をそれ
直角三角形図
( ((
,
*
C
+
. ..
&
DDD
) ))
# ##
$
+ ++
,
'
*
- --
. ..
,
&
+
( ((
.
+ ++
. ..
(
-
のように描く。それぞれの正方形の面積は a2 , b2 = a2
ABC
の直角を挟む
2 2辺
BC
,,
AC
をそれ
直角三角形
ABC
ABC
の直角を挟む
の直角を挟む
2辺
辺
BC
BC
,
AC
AC
をそれ
をそれ
直角三角形
直角三角形
ABC
BC,AC
直角三角形
の直角を挟む2辺
をそれぞれ1
である。
ぞれ
1
辺とする正方形
BDEC
,正方形
ACF
G
を図
1313
BDEC,正方形
ACFG
ぞれ
ぞれ
1
1
辺とする正方形
辺とする正方形
BDEC
BDEC
,正方形
,正方形
ACF
ACF
G
G
を図
を図
13
辺とする正方形
を図13のように描く。
前節4.1『直角を挟む 2 辺の長さが異なる場合』におけ
2 22
2 22 2 22
2
2
2
のように描く。それぞれの正方形の面積は
a
,
b
=
a
a ,b = a である。
それぞれの正方形の面積は
のように描く。それぞれの正方形の面積は
のように描く。それぞれの正方形の面積は
aa ,,bb ==aa
る 2 点 H と I に相当する点は,
『直角を挟む 2 辺の長さが
である。
前節4.1『直角を挟む2辺の長さが異なる場合』における
である。
である。
等しい場合』においては,それぞれ E と F とに重なるこ
前節
『直角を挟む
2 2辺の長さが異なる場合』におけ
H4.1
I 『直角を挟む
2点
と
に相当する点は,
『直角を挟む2辺の長さが等し
前節
前節
4.1
4.1
『直角を挟む
2辺の長さが異なる場合』におけ
辺の長さが異なる場合』におけ
とが予想される。すなわち斜辺 BA に垂直な 2 辺は正方
るい場合』においては,それぞれ
2
点
H
と
I
に相当する点は,
『『
直角を挟む
2 2辺の長さが
E直角を挟む
と F とに重なることが
る
る22点
点HHと
とIIに相当する点は,
に相当する点は,
『
直角を挟む
2辺の長さが
辺の長さが
形 BDEC ,正方形 ACF G のそれぞれの対角線 BE と
等しい場合』においては,それぞれ
E
と
F
とに重なるこ
予
想 さ れ る。 す な わ ち 斜 辺 BA にE
垂
直
は正方形
等しい場合』においては,それぞれ
等しい場合』においては,それぞれ
Eと
とな2辺
FF とに重なるこ
とに重なるこ
F A となることが想定される。このことを念頭に置いて以
とが予想される。すなわち斜辺
BA
に垂直な
2 2と
辺は正方
BDEC,正方形
ACFG のそれぞれの対角線
BE
FA とな
とが予想される。すなわち斜辺
とが予想される。すなわち斜辺
BA
BA
に垂直な
に垂直な
2辺は正方
辺は正方
下のようにした。
形ることが想定される。このことを念頭に置いて以下のよう
BDEC
,正方形
ACF
G
のそれぞれの対角線
BE
とと
形
形BDEC
BDEC,正方形
,正方形ACF
ACFGGのそれぞれの対角線
のそれぞれの対角線BE
BE
と
Fにした。
となることが想定される。このことを念頭に置いて以
FA
FAA
となることが想定される。このことを念頭に置いて以
となることが想定される。このことを念頭に置いて以
下のようにした。
下のようにした。
下のようにした。
―5―
2014/02/18
19:35:48
ピタゴラスの定理の一つの証明法 (原 憲昭)
ピタゴラスの定理の一つの証明法
#
)
BE は正方形 BDEC の対角線だから,
ある。
△BED ≡ △BEC ��������������(51)
BE は正方形 BDEC の対角線だから,
また AF は正方形 ACFG の対角線だから,
△BED ≡ △BEC · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (52)
E
△FGA ≡ △FAC ��������������(52)
また AF は正方形 ACF G の対角線だから,
一方△FCE は
D
$
C
%
(
△F GA ≡ △F AC · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (53)
FC = CE = a ����������������(53)
一方 △F=CE
は
∠FCE
2π
[rad]
3∠R = ∠R ��������(54)
F C = CE = a· · · · · · · · · · · · · (54)
ゆえに
△FCE
��������������
(55)
∠F CE≡=△ABC
2π[rad]
− 3∠R = ∠R· · · · · · · · · · · · · (55)
&
'
図13 新しい証明法(その8)
図
13 新しい証明法(その8)
B と E を結ぶ。同様に A と F を結ぶ。
B と E を結ぶ。同様に A と F を結ぶ。
△ABC と △BEC において
△ABC と△BEC において
AC
= BC
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (39)
AC
= BC
������������
(39)
BC
= EC
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (40)
BC
= EC
������������
(40)
∠ACB
= ∠BCE
= ∠R
������������
(41)
∠ACB
= ∠BCE
= ∠R·
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · (41)
ゆえに
ゆえに
△ABC ≡ △BEC ��������������
(42)
△ABC ≡ △BEC · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (42)
それゆえ
それゆえ
BE = AB ������������������
(43)
BE = AB · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (43)
また,△ABC,△BEC は直角二等辺三角形だから
また,△ABC , △BEC は直角二等辺三角形だから
∠ABE = ∠ABC + ∠CAE = ∠R ��������
(44)
∠ABE = ∠ABC + ∠CAE = ∠R· · · · · · · · · · (44)
同様に△ABC と△FAC において
同様に △ABC と △F AC において
BC = AC ������������
(45)
BC
=
AC
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
·
(45)
FC
AC =
������������
(46)
∠BCA = ∠ACFAC
= ∠R
(47)
= F������������
C · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (46)
ゆえに
∠BCA = ∠ACF = ∠R· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (47)
△ABC ≡ △FAC ��������������
(48)
· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (48)
それゆえ
ゆえに
FA
= AB ������������������
(49)
△ABC
≡ △F AC · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (49)
また,△ABC,△FAC
は直角二等辺三角形だから
それゆえ
∠FAB = ∠FAC + ∠CAB = ∠R ��������
(50)
F A = AB · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (50)
また,△ABC
,,式(44)
△F AC は直角二等辺三角形だから
式(43)
,式(49)
,式(50)から四辺形 ABEF
2
は,辺 AB を1辺とする正方形であり,その面積は c である。
ゆえに ,式(48),式(51),式(52)から正方形 BDEC,
式(42)
ACFG,正方形 ABEF を構成するすべての三角形は
正方形
△F
CE ≡ △ABC · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (56)
三角形 ABC 合同である。
式 (42),式 (49),式
(52)+,式
(53)ACFG
から正方形
BDEC
,
BDEC
ABEF,
したがって正方形
正方形
= 正方形
正方形 ACF G,正方形 ABEF を構成するすべての三角
すなわち直角を挟む2辺の長さが等しい場合についても
2
2
2
ABC と合同である。
a形は三角形
+ b = c が証明できた。
したがって正方形 BDEC + 正方形 ACF G = 正方形
5.
むすび
ABEF
,すなわち直角を挟む 2 辺の長さが等しい場合に
ピタゴラスの定理を初等幾何学のみで証明する方法のほ
ついても a2 + b2 = c2 が証明できた。
とんどは面積が等しい,あるいはその2倍,1/2等の他の図
5. む す び
形に移し変えて比較する方法を取っている。ユークリッド
による証明法もその一つである。このことが,初心者に
ピタゴラスの定理を初等幾何学のみで証明する方法のほ
とっては,理解しがたい印象を与えているのではないだろ
とんどは面積が等しい,あるいはその 2 倍,1/2 等の他の
うか。
図形に移し変えて比較する方法を取っている。ユークリッ
ここで述べたピタゴラスの定理の新しい証明法は,初等
ドによる証明法もその一つである。このことが,初心者に
幾何学のみで証明する方法であるが,使用する知識は直角
とっては,理解しがたい印象を与えているのではないだろ
三角形の合同条件のみなので,初心者にとっても理解しや
うか。
すい証明法になっていると思われる。また,図形の変形は
ここで述べたピタゴラスの定理の新しい証明法は,初等
いっさい行わないので,鋏で切り離し,貼り合わせること
幾何学のみで証明する方法であるが,使用する知識は直角
で理解を助けることができるかもしれない。
三角形の合同条件のみなので,初心者にとっても理解しや
すい証明法になっていると思われる。また,図形の変形は
(平成25年9月3日受付)
いっさい行わないので,鋏で切り離し,貼り合わせること
(平成25年11月6日受理)
で理解を助けることができるかもしれない。
(平成 25 年 8 月 25 日受付)
参考文献
(平成 25 年 10 月 1 日受理)
�������������������������������������������������������
(1)訳解説 中村幸四郎,寺坂英孝,伊藤俊太郎,池田美
恵,“ユークリッド原論,”共立出版社,pp.33-34.
(2)森下四郎,
“ピタゴラスの定理100の証明法 ——幾何の
参考文献
散歩道——,”プレアデス出版,pp.152-193.
( 1Roger
) 訳解説 中村幸四郎,寺坂英孝,伊藤俊太郎,池田美恵,
“ユーク
(3)
B. Nelsen,“Proofs Without Words: Exercises
in
” 共立出版社,pp.33——34.
リッド原論,
Visual
Thinking,
”The Mathematical Association of
( 2 ) 森下四郎,“ピタゴラスの定理 100 の証明法 ——幾何の散歩道
America,
——,pp.3-9.
” プレアデス出版,pp.152–193.
(4)
Without
Words
II: More
) RogerB.B.Nelsen,
Nelsen,“Proofs
“Proofs Without
Words:
Exercises
in Vi( 3Roger
sual Thinking
,” TheThinking,
Mathematical
Association
of America,
Exercises
in Visual
”The
Mathematical
pp.3–9.
Association of America,pp.3-8.
( 4 ) Roger B. Nelsen,“Proofs Without Words II: More Exer-
∠F AB = ∠F AC + ∠CAB = ∠R· · · · · · · · · · · (51)
式 (43),式 (50),式 (44),式 (51) から四辺形 ABEF
は,辺 AB を 1 辺とする正方形であり,その面積は c2 で
―6―
cises in Visual Thinking,” The Mathematical Association
of America,pp.3–8.
Research Reports of Kumamoto-NCT. Vol. 5(2013)
Research Reports of Kumamoto-NCT. , Vol.5 (2013)
p001-006.indd
6
2014/02/18
19:35:48