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同潤会江戸川アパートメント建替え事業に関する売渡し請求訴訟判決
東京地方裁判所平成16年2月19日判決(旭化成勝訴)
当社が事業施行中の同潤会江戸川アパート建替え事業に関連して、建替え決議に最終的
に不賛成であった8名の従前区分所有者(以下、ここでは「建替え不参加者」とよびます。
)
を相手取って提訴していた売渡請求訴訟(東京地方裁判所平成14年(ワ)第27896
号建物明渡等請求事件)について、本年2月19日に判決が言い渡されました。この判決
は、区分所有法63条4項に基づく売渡し請求(マンション建替えに際して、建替え決議
に賛成せず、建替えに参加しない区分所有者に対して、その区分所有権及び敷地共有持分
権の売渡しを請求すること)を行う場合の「時価」について、裁判所が具体的且つ明快な
基準を示した画期的なものであるので、以下にその概要を説明させていただきます。
江戸川アパートは、昭和9年に建築された RC 造の集合住宅で、2棟建て総戸数258戸
の集合住宅でしたが、建物老朽化等の理由から平成14年3月23日に棟別の区分所有者
集会により区分所有法62条に基づく建替え決議が可決されておりました。その後、区分
所有法63条に定められている催告手続により、区分所有者集会で賛成の意思表示を行わ
なかった区分所有者の多くが最終的には建替えに参加する旨の意思表示をなさいましたが、
最終的に9名の区分所有者が建替え参加の回答をされず、建替え事業に参加しないことが
確定しておりました。
今回の訴訟は、平成15年10月の会社分割による事業承継前の旭化成株式会社(以下、
「旭化成」と申します。
)が提起したものですが、同社は、提訴前に、建替え不参加者であ
る9名に対し、区分所有法63条4項に定められている売渡請求権を行使しつつ、早期着
工のため、これと並行して、円満な解決としての和解を成立させるべく交渉を行いました。
その結果、建替え決議そのものの有効性については、建替え不参加者に理解していただく
ことができましたが、建替え不参加者サイドには売渡請求の時価(以下、ここでは単に「時
価」と呼びます。)についての強いこだわりがあり、話し合いが平行線となってしまったた
め、裁判所に判断をゆだねるほかないと判断し、平成14年12月、やむなく提訴するこ
とになった次第です。
売渡請求における「時価」については、従来、①建替えが完成した場合における再建建
物及び敷地利用権の価額から建替えに要した経費を控除した額、とも考えられるし、②再
建建物の敷地とすることを予定した敷地の更地価額から現存建物の取壊し費用を控除した
額、とも考えられると言われてきておりました。しかし、①と②の額は論理的には一致す
るはずであるものの、実際にこれらの価額を不動産鑑定の手法によって算出した場合には、
両者に差異が生じることのあることが指摘されていました。また、時価の算定にあたって
は、(a)現に可決された建替え決議における再建建物の建築を前提とするべきなのか、それ
とも、(b)現に可決された建替え決議による再建計画とは別の、およそ考え得る最有効利用
を尽くした建物の建築を前提とするべきなのか、ということについては、特に議論もなく
定かではありませんでした。これらのことにつき、旭化成は、今回の訴訟において、(ア)
「時価」の算定にあたっては、①、②双方の額を算定して総合的に判断するべきである。(イ)
不動産鑑定の方法としては、①の額につき「開発法」を、②の額については「取引事例比
較法」を、それぞれ用いるべきであるが、両者の額のうち、①の額を重視するべきである。
(ウ)「時価」の算定に際しては、現に可決された建替え決議における再建建物の建築を前
提とするべきであり、当該建替え決議における事業計画とは異なる建物の建築を前提とし
てはならない、と主張してきました。
これに対して、被告建替え不参加者は、(ア)「時価」の算定にあたっては、②の額の算
定のみで十分である。(イ)不動産鑑定の方法とは「取引事例比較法」を用いるべきである。
(ウ)「時価」の算定に際しては、建替え決議賛成者らが支持した現に可決された建替え決
議における再建建物の建築を前提とするべきではなく、およそ考え得る最有効利用を尽く
した建物の建築を前提とするべきである、と主張しました。
これらの問題につき、今回の判決は、まず、「建替え決議による建替え制度は、複数の区
分所有者の意見が集約されないことで老朽化したり一部が滅失した区分所有建物及びその
敷地のもつ社会経済的価値の有効利用が著しく妨げられることを防ぐことを目的とするも
のであり、個々の区分所有者の私的権利の保護に尽きるものではなく、建物の区分所有と
いう制度自体の合理性を維持して限られた社会資源の有効利用を図るという公益的、社会
的観点をも包含する」ものであると述べたうえで、区分所有法63条は、こうした観点か
ら、
「建替えへの参加不参加にかかわらず全ての区分所有者の利害を調整してその保護を図
る趣旨であるとするのが相当」であり、「もっぱら不参加者の保護を目的とするものである
ものとはいえない」、と判示しました。そして、上記各問題点については、(ア)より客観的
且つ合理的な「時価」の算定のためには、①及び②の各価額についてそれぞれ相当な算出
方式により具体的数値を算出し、その各数値を比較考量すべきであるが、その後、さらに
当該建替えにおける個別的事情も加味した総合判断を行ったうえで、最終的な「時価」の
算定を行うのが相当である、(イ)①の額については「開発法」によって算出するのが、②
の額については「取引事例比較法」によって算出するのが、それぞれ相当であるが、さら
に、そのうえで、①、②両者の数値を比較考量するに当たり、両者の数値の価値を全く同
等とみるのは妥当でなく、①の額を相対的に重視すべきであると判示し、また、(ウ)①の
額の算定のための鑑定方法としての「開発法」における算出の前提となる再建建物の新築
販売価格の総額は、現に決議された再建事業計画に従って算出すべきであり、当該建替え
決議における事業計画とは全く別のマンションを想定してはならないとの旨を判示してい
ます。
このように、今回の東京地裁判決は、(ア)、(イ)、(ウ)の各問題点についての旭化成の
主張を全面的に認めたものとなっています。
もっとも、江戸川アパートにおいては、建替え決議から1年を経過しない時点で住民の
退去が完了し、その時点で旧建物についての管理の必要がなくなったため、管理組合会計
余剰金を従前の持分割合に応じて建替え参加区分所有者らに返還しておりましたが、今回
の判決は、このような管理組合会計余剰金についても、その発生が相当程度の蓋然性をも
って見込まれ、その額が特定できるのであれば売渡請求における「時価」の算定において
も、個別的事情として、合理的範囲内でこれを考慮するのが相当であると判示したうえで、
被告建替え不参加者それぞれの持分割合に応じた余剰金返還額をも考慮して、最終的な「時
価」の算定を行っています。
以上のほか、9名の被告不参加者のうち1名の方とは、訴訟の早い段階で訴訟外の和解
が成立しております。
今回の東京地裁判決は、旭化成の主張をほぼ全面的に認めたものですが、この判決は弊
社や江戸川アパート建替え参加区分所有者にとって意義深いものとなっただけでなく、従
来明らかになっていなかったところをも含めて、論理的にして明快で、且つ、具体的妥当
性のある判断を下した、画期的な判決として、高く評価されることと思います、そして、
私ども旭化成ホームズ株式会社は、今後もマンション建替え事業についての先駆的役割を
果たすことができるよう、総力をあげてこの問題に取り組んで参りたいと存じます。
なお、今回の訴訟は、先にご説明申し上げましたように、旭化成株式会社が提起したも
のですが、訴訟継続中に旭化成株式会社の不動産事業部門は、会社分割によって、私ども
旭化成ホームズ株式会社が承継致しました。このため、判決を受ける際には、私ども旭化
成ホームズ株式会社が、訴訟引受による原告として当事者に加わっておりますので、その
旨申し添えさせていただきます。
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