ゼオローラ®H ゼオローラ ®HTA

GSC賞環境大臣賞受賞
EPAオゾン層保護賞受賞
地球環境対応型フッ素系溶剤
ゼオローラ®H
ゼオローラ®HTA
「ゼオローラ®」
とは
C-HFC(環状HFC)
ゼオローラ®は、日本ゼオンと産業技術総合研究所
が開発した炭素、
フッ素、水素からなる不燃性のフッ素
F
F
F
F F
H
H
系溶剤で、環境への影響が極めて小さい溶剤です。
F
F
ゼオローラ®Hシリーズにはゼオローラ®Hとゼオロ
ーラ®HTAの2グレードがあり、主にゼオローラ®Hは
H
溶剤用途、ゼオローラ®HTAは洗浄剤用途に使用され
ています。
「ゼオローラ®H」の構造式
「ゼオローラ® HTA」の洗浄性イメージ図
高
洗浄性
低
ゼオローラ®HTA
コ・ソルベント洗浄
ゼオローラ®HTA洗浄
HCFC-225
他社
HFC、HFE系溶剤
軽質
中質
重質
被洗浄物(加工油)
「ゼオローラ® H/HTA」の特徴
●
●
消防法:非危険物
●
蒸気洗浄可能
不燃性
沸点が82℃と比較的高く
● フッ素系
・臭素系洗浄機の
揮発ロスを大幅低減可能
● ランニングコスト低減
踏襲が可能
高沸点
ゼオローラ
H/HTA
®
地球環境
対応
●
SNAP収載
温暖化係数極小
●
EPAオゾン層保護賞、GSC賞環境大臣賞
●
TSCA、化審法、REACH収載
●
液管理が容易
高溶解力
● オゾン層破壊係数ゼロ
●
一 液
●
油脂類に優れた溶解力
●
HCFC-225,nPBの
代替に最適
● フッ素系オイル、
シリコーン
オイルも洗浄可能
2
「ゼオローラ® H/HTA」の基本物性
成 分
洗浄剤組成物
ゼオローラ®H
ゼオローラ®HTA
比重〔25℃〕
1.58
1.50
沸点(℃)
〔25℃〕
82.5
82.0
粘度(cP)
〔25℃〕
1.56
1.47
項 目
表面張力(mN/m)
〔25℃〕
19.6
19.2
0.289
0.303
蒸気圧(mmHg)
〔20℃〕
62.0
62.0
蒸発潜熱(cal/g)
〔沸点〕
34.5
36.1
蒸気密度(air=1)
6.81
6.65
融点(℃)
20.5
6.0~10.0
比熱(cal/g℃)
〔25℃〕
引火点(℃)
爆発範囲(Vol%)
なし
なし
なし(82℃)
4.9~12.9
0.0806
0.1402
水の溶解度(g/100g溶剤)
水への溶解度(g/100g水)
0.072
̶
350℃まで分解なし
̶
KB値
14
20
SP値
8.4
8.3
分解性(ARC試験)
「ゼオローラHシリーズ」
「ゼオローラ® H」の環境特性
の基本物性
分 類
C-HFC
HCFC
HFC
HFC
HFE
HFE
化合物
ゼオローラ H
HCFC-225cb
HFC-43-10mee
HFC-365mfc
HFE-449s1
HFE-347pc-f
構造式
c-C5F7H3
CF3CH2CF2CH3
C4F90CH3
CHF2CF2CH2CF3
オゾン破壊係数
(ODP)
0
0.03
0
0
0
0
大気寿命
(year)
3.4
5.9*
16.1*
8.7*
4.7*
6.0*
GWP
(100year)
195**
525*
1650*
804*
421*
889*
®
CCIF2CF2CHCIF CF3CF2CHFCHFCF3
*は気候変動に関する政府間パネル(IPCC AR5)によるデータ
(2013年)
**IPCC AR5に準じて算出
「ゼオローラHシリーズ」
フッ素系溶剤の対象法令
の基本物性
名 称
ゼオローラ®H/HTA
HCFC-225cb
HFC-43-10mee
HFE-449s1
オゾン層保護法
非該当
特定化学物質
非該当
非該当
地球温暖化対策推進法
非該当
非該当
該当
非該当
労働安全衛生法
非該当
非該当
非該当
非該当
PRTR法
非該当
第1種指定化学物質
非該当
非該当
消防法
非該当
非該当
非該当
非該当
大気汚染防止法
非該当
非該当
非該当
非該当
3
「ゼオローラ®H」の毒性データ
魚類への影響
低魚毒性、魚体濃縮性なし
急性吸入毒性
LC50=14,
213ppm
(ラット4時間)
急性経口毒性
LD50>2g/kg
(ラット)
変異原性試験
陰性
染色体異常試験
陰性
(マウスの生体を用いた試験)
催奇形性
異常なし
皮膚刺激性
なし
眼刺激性
弱い
エラストマー&プラスチックスへの影響
試験片
寸法変化率
(面積変化率%)
試験片
重量変化率(%)
ポリアセタール
0.3
0.0
PPS
ポリスチレン
0.1
0.0
PTFE
ABS
0.1
3.4
PU
ポリカーボネート
0.2
0.0
ガラスエポキシ
軟質 PVC
寸法変化率
(面積変化率%)
重量変化率(%)
-0.4
0.0
0
0.1
2.5
8.4
-0.4
0.0
-3.5
0.1
アクリル樹脂
溶解
-
PE
0.2
0.5
CR
0.5
-0.1
フェノール樹脂
0.0
-0.1
NBR
10.7
5.4
硬質PVC
-1.9
0.1
ナイロン66
0.0
-0.3
PP
0.3
0.1
SBR
1.0
0.4
フッ素ゴム
8.3
11.3
シリコンゴム
4.5
8.7
試験片:50×25×2mm
洗浄条件 ゼオローラ®HTA沸騰浸漬 5分 ⇒ 冷浴(25℃)浸漬 5分 ⇒ 蒸気洗浄 5分
測定条件 洗浄終了後5分以内に重量と縦×横幅を測定したABS、軟質硬質塩ビはn=2 他はn=1
「ゼオローラ®H/HTA」の主な用途
洗浄剤
コーティング溶剤
● 電機・電子部品・自動車関連部品の脱脂及びパーティクル洗浄
● セラミック部材の脱脂・パーティクル洗浄
● フラックス・ソルダーペースト洗浄
● シリコーンオイル・フッ素オイルの洗浄
● ウエハー及び装置に付着したフッ素デポ物洗浄
● エポキシ樹脂洗浄
● 色素・顔料洗浄及び分散
● 液晶材料
● 離型剤
グリコールエーテル系、
テルペン系、
シリコーン系、
● 炭化水素系、
アルコール系などの置換乾燥剤
フッ素系ポリマーの溶解性に優れています。
● 基板防湿 ● LCD反射防止 ● 離型剤
● 防錆剤 ● 感光ドラム ● HD潤滑層形成
● 摺動部 ● 医療器材
反応・重合・電子材料溶剤
● フッ素樹脂重合溶剤
● 有機反応溶剤・抽出溶剤
● 電解質溶剤
フッ素系溶剤混合剤
● HFC系・HFE系溶剤の洗浄性・燃焼性改善
● エアゾール溶剤
● インキ洗浄用混合用途(洗浄性、燃焼性、乾燥性改善)
● 検査溶剤(耐電圧テスト・気密テストetc)
4
「ゼオローラ® HTA」の洗浄システム
ゼオローラ®HTA洗浄で軽質~中質の加工油を洗浄できます。さらに汚れ分に対する溶解性の高いソル
ベント
(溶剤)で前洗浄してゼオローラ®HTA でリンス・乾燥を行うことでより高度な洗浄品質を得ることが
できます。
(コ・ソルベント洗浄:例えば炭化水素系洗浄剤などで洗浄した後に、ゼオローラ®HTAでリンス及
び精密乾燥仕上げを行うこと)
洗浄システム
「ゼオローラ®HTA」による一液洗浄の例
蒸気洗浄~乾燥
リ ン ス
洗 浄
ゼオローラ®HTA
③
③
②
①
水分分離器
超音波
H
P
H
F
P
循環ポンプ
F
濾過フィルター
H
ヒーター
洗浄方法
①温浴での超音波洗浄により付着汚れを除去
②冷浴での浸漬リンス洗浄とともに、蒸気洗浄効果を高めるためにワークを冷却
③蒸気洗浄~液切り乾燥による精密に仕上げ
「ゼオローラ®HTA」によるコ・ソルベント洗浄の例
超音波槽
コソルベント槽
冷 浴 槽
蒸 気 槽
ゼオローラ®HTA
炭化水素系洗浄剤
水分分離機
コソルベント
分離槽
超音波
蒸留再生
H
超音波
H
蒸留器
H
ヒーター
洗浄方法
①炭化水素系洗浄剤などで被洗浄物の付着汚れを除去
②「ゼオローラ®HTA」の液中に浸漬し、洗浄剤成分をリンス
③「ゼオローラ®HTA」による蒸気洗浄で仕上げ乾燥
④「ゼオローラ®HTA」
と洗浄剤成分は冷却比重分離と蒸留分離によって高純度・高効率のリサイクルが可能
5
各種加工油の溶解性①
HCFC-225 ゼオローラ®HTA
項 目
HFE-449s1
HFE-449s1+IPA
25℃ 25℃ 40℃ 沸点 25℃ 40℃ 沸点 25℃ 40℃ 沸点
ダフニーパンチオイル
100
100 100 100 100 100 100 100 100 100
G-6050
100
3.5
5.4 100 1.9
2.7
4.4
2.8
3.3
5.2
G-6040
100
2.9
3.6 100 2.3
3.5
5.6
3.0
3.7
6.7
C-126
100
100 100 100
×
×
×
×
×
P-1600
100
4.5
5.4 100 5.8
6.8
8.6
5.9
7.2
9.3
ヒマシ油
100
0.6
1.0
6.9
×
×
×
×
×
×
オリーブ油
100
0.2
0.7
3.8
×
×
×
×
×
×
メーカー
分 類
動粘度(40℃)
添加剤・その他備考
出光興産
日本工作油
日本工作油
日本工作油
日石三菱
関東化学の試薬
関東化学の試薬
打抜き油
打抜き油
打抜き油
切削油
防錆油
植物系油
植物系油
1.06
3.43
5.17
20
極圧添加剤
(リン)
油性剤、塩素化合物、防錆添加剤、防蝕剤
塩素化合物
セミドライタイプ、脂肪酸エステル系
品 名
ダフニーパンチオイル
G-6050
G-6040
C-126
アンチラストP-1600
ヒマシ油
オリーブ油
×
溶剤100gに溶解する
各種油のg数
100は相溶を意味する
シリコーングリスの洗浄
洗浄前の状態
洗浄後の状態
ゼオローラ®HTA
HFE-449s1
HCFC-225
シリコーングリスG40シリーズ(信越化学工業製 高温潤滑用)超音波洗浄 50℃×1分
エポキシ樹脂の洗浄
JU-100-5
(弘輝)
高速ディスペンサ
対応
JU-41P
(弘輝)
印刷タイプ
JU-R2S
(弘輝)
鉛フリー
対応
結 果
ゼオローラ®HTA
洗浄良好
溶解除去可
HFE-449s1+IPA
洗浄NG
溶解できず
HFC-43-10mee+EtOH
洗浄NG
溶解できず
n-デカン
洗浄NG
溶解できず
IPA
洗浄NG
溶解できず
HCFC-225
洗浄良好
溶解除去可
酢酸エチル
洗浄良好
溶解除去可
スライドグラスにエポキシ樹脂接着剤を適量塗布し、一昼夜放置後に洗浄テスト
(未硬化の状態)超音波洗浄 20℃×10秒
6
環境への排出量を大幅削減―コストと環境対策を両立―
消耗量比較(蒸気洗浄モデル)
塩化メチレン
HFE-569sf2
HFE-449s1
HFC43-10mee
HCFC-225
ゼオローラ®HTA
0
50
100
150
200
250
300
350
相対消耗量
フッ素系溶剤は、ランニングコスト低減のためにも、環境保全のためにも環境への排出ロスを極力晴らすことが求
められます。
「ゼオローラ®HTA」のリフラックス時の消耗はHCFC-225の約1/3となるほか、他のフッ素系・塩素系
溶剤に比較しても液の消耗量は大幅に削減できます。
洗浄事例
ポリゴンミラー
ハードディスク部品
各種金属電子部品
リードフレーム
プリンターローラー
ベアリング
技術サポート体制
ゼオンでは川崎の総合開発センター内に洗浄実験室を設置し、専門の
技術者による洗浄評価・技術サポート体制を整えています。
10号館
洗浄実験室
7
「ゼオローラ®」の受賞歴
2000年
1998年
日本化学工業協会
技術賞環境技術賞
米環境保護庁成層圏
オゾン層保護賞
2003年
2000年
GSC賞環境大臣賞
化学・バイオつくば賞
米環境保護庁成層圏
オゾン層保護賞
日本化学工業協会
技術賞環境技術賞
2008年
日刊工業新聞社 オゾン層保護・地球
温暖化防止大賞
GSC賞環境大臣賞
化学・バイオつくば賞
SNAP(特定フロン代替物リスト)収載
「ゼオローラ H」は米国環境保護局EPAの定めるSNAPで
“Acceptable”
(制限なしに生産
可能な物質)
として認められています。
®
本製品の開発は、開発当初
(平成元年)
から産業技術総合研究所(旧通産省
●
工業技術院物質工学工業技術研究所)
との共同研究で進めております。
本開発の一部はNEDO
(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
●
「リサイクル技術等実用化支援研究(㈼)」
(平成8年)
「即効型提案公募事業
(3次補正)」
(平成10年)
「地球環境保全開発費補助事業」
(平成12年)
により行われました。
「ゼオローラH®/HTA」取り扱い上の注意
●お取り扱いにあたり、
SDSをご参照ください。
●蒸気を長時間吸入すると呼吸困難に陥る恐れがありますので、
有機ガス用防毒
マスクを着用してください。
●皮膚、
眼等に蒸気、液が直接接触しないよう、保護眼鏡、保護手袋等を着用して
ください。
●皮膚に付着したときは、
出来るだけ早く多量の水で洗い流してください。
●目に入ったときには、
流水で15分以上洗い、医師の手当を受けてください。
●本カタログに記載した数値は標準試験法による代表的な数値であり、保証値ではありません。異なった条件下
で使用される製品にはそのまま適用できない場合もあります。
●本製品は本カタログに記載の用途を目的として開発されたものです。その他の用途に使用する場合は、弊
社化学品事業部へ必ずお問い合せください。本資料に記載のデータは必ずしも十分とは言えませんので、
テストされる際には上記〈取り扱い上のご注意〉を厳守してください。
●本カタログの内容は、改良のため予告なく変更することがありますので、
ご了承ください。
●本カタログに記載の製商品の取り扱いにあたっては、弊社化学品事業部に必ずお問い合せください。
*ゼオローラ ® /ZEORORA® は日本ゼオン株式会社の登録商標です。
化学品事業部
〒100-8246 東京都千代田区丸の内1-6-2(新丸の内センタービル)
TEL03-3216-0542 FAX03-3216-1303
http//www.zeon.co.jp/
Oct. 2014 1014010(SE)