情報数学II-A 講義のポイント 10/20 講義(10/20)の内容

情報数学 II-A 講義のポイント 10/20
講義の復習(10 月 13b 日)
定義 1 (1.2.2) (1) F を Ω 上の集合体として,F 上で定義された集合関数 μ
が
A1 , A2 , · · · ∈ F
が互いに素
⇒
μ
̰
[
Ai
i=1
!
=
∞
X
μ (Ai )
i=1
を満たすとき,μ は σ− 加法的である(または,σ− 加法性を満たす)という。
(2) (Ω, F) を可測空間とする。μ : F → [0, +∞] が μ (∅) = 0 かつ σ− 加法
性を満たすとき,μ は (Ω, F) 上の測度であるという。
(3) μ が可測空間 (Ω, F) 上の測度であるとき,(Ω, F, μ) を測度空間という。
(4) (Ω, F, μ) を測度空間とする。μ (Ω) < +∞ のとき,μ は有限測度である
といい,特に μ (Ω) = 1 のとき確率測度であるという。また,μ (Ω) = +∞ で
あっても A1 , A2 , · · · ∈ F が存在して,μ (An ) < +∞
∞
S
つ
An = Ω ならば μ は σ− 有限測度という。
(n = 1, 2, 3, · · · )
か
n=1
例 2 計数測度
例 3 δ− 測度(または,Dirac 測度)
例 4 離散確率測度
以下,(Ω, F, μ) を測度空間とする。
定理 5 (1.2.2) A, B, A1 , A2 , · · · ∈ F とする。このとき,次が成立する。
(1) μ は加法的である。
¶
µ∞
S
(2) An ↑ ⇒ μ
An = lim μ (An ) ;
n→∞
n=1
(3) [An ↓
かつ
(4) σ− 劣加法性:
∃n ∈ N; μ (An ) < +∞] ⇒ μ
μ
µ
∞
S
n=1
An
¶
≤
∞
P
µ
∞
T
n=1
An
¶
= lim μ (An ) ;
n→∞
μ (An )
n=1
講義 (10/20) の内容
定義 6 (1.2.3) (Ω, F1 , μ) , (Ω, F2 ,ν) をそれぞれ測度空間とし,F1 ⊂ F2 とす
る。ν ¹ F1 = μ (i.e., ν (A) = μ (A) , ∀A ∈ F1 ) ならば,μ は ν の制限,あ
るいは μ は ν の拡張という。
定義 7 (1.2.4) (1) μ (N ) = 0 なる N ∈ F を μ− 零可測集合という。μ− 零
可測集合 N が存在して A ⊂ N なる集合を μ− 零集合という。
(2) μ− 零集合がすべて可測であるとき,μ は完備測度であるという。
¢
¡
定理 8 (1.2.3) 任意の測度空間 (Ω, F,μ) に対して,完備測度空間 Ω, F,μ 上
が存在して μ は μ の拡張である。
¢
¡
定義 9 (1.2.5) h 定理 1.2.5i で得られた Ω, F,μ を (Ω, F,μ) の完備化測度
空間という。
1.3 測度の構成
定理 10 (1.3.1) ホップ-コルモゴロフ (Hopf-Kolmogorov) の拡張定理
A を Ω 上の集合体とする。いま,集合関数 μ0 : A −→ [0, +∞] が,μ0 (∅) = 0
および
"
#
∞
[
A1 , A2 , · · · ∈ A が互いに素 かつ
An ∈ A
⇒ μ0
Ã
∞
[
An
n=1
!
n=1
=
∞
X
μ0 (An )
n=1
を満たせば,(Ω, σ (A)) 上の測度 μ が存在して,μ ¹ A = μ0 となる。
定義 11 (1.3.1) (1) 集合関数 μ∗ : 2Ω −→ [0, +∞] が次の条件を満たすと
き,μ∗ を Ω 上の外測度であるという:
定理 12 (a) μ∗ (∅) = 0;
定義 13 (b) A ⊂ B =⇒ μ∗ (A)
≤ μ∗ (B)
µ∞
¶ ; ∞
S
P ∗
(c) A1 , A2 , · · · ∈2Ω =⇒ μ∗
An ≤
μ (An ).
n=1
n=1
(2) μ∗ を Ω 上の外測度であるとする。A ⊂ Ω が次の条件を満たすとき、A
は μ∗ -可測であるという:
μ∗ (X) = μ∗ (X ∩ A) + μ∗ (X ∩ Ac )
(∀X ⊂ Ω) .
補題 14 (1.3.2) μ∗ が Ω 上の外測度であるとき、
F ≡ {A ⊂ Ω; A はμ∗ − 可測 }
は Ω 上の σ− 集合体であり、μ∗ ¹ F は (Ω,F) 上の測度である。
1.4 ルベーグ (Lebeague) 測度空間
定義 15 (1.4.1) (1) Rn の部分集合 A が,
A=
n
Y
k=1
(ak , bk ] , −∞ ≤ ak < bk ≤ +∞ (k = 1, 2, · · · , n)
と表せるとき,A は Rn 上の長方形であるという。ただし,bk = +∞ のと
き,(ak , bk ] は (ak , +∞) を表すものとする。
(2) Rn の部分集合 A が,Rn 上の有限個の長方形の和集合で表せるとき,
A は Rn 上の基本集合であるという。
(3) Rn 上の基本集合の全体から生成される σ− 集合体を,Rn 上のボレル
(Borel) 集合体といい,B n で表す。Bn の元を,ボレル (Borel) 可測集合ま
たはボレル (Borel) 集合とよぶ。
定理 16 (1.4.1) Rn 上の長方形
A=
n
Y
k=1
(ak , bk ] , −∞ ≤ ak < bk ≤ +∞ (k = 1, 2, · · · , n)
に対して,
m (A) =
n
Y
k=1
(bk − ak )
を満たす (Rn , B n ) 上の測度 m が存在する。
定義 17 (1.4.2) (1) h 定理 1.4.1i で得られた測度 m を Rn 上のルベーグ
(Lebeague) 測度という。
(2) Rn 上の基本集合
A=
k Y
n ³
i
[
(i) (i)
(i)
(i)
aj , bj , −∞ ≤ aj < bj ≤ +∞ (j = 1, 2, · · · , n)
i=1 j=1
(1)
−∞ ≤ aj
(1)
< bj
(2)
< aj
(2)
< bj
(k)
< · · · < aj
(k)
< bj
≤ +∞ (j = 1, 2, · · · , n)
に対して,
m0 (A) =
k Y
n ³
´
X
(i)
(i)
bj − aj
i=1 j=1
0
とし,m (∅) = 0 と定義する。Rn 上の基本集合の全体を A とする。任意の
X ⊂ Rn に対して,
∗
m (X) = inf
(
∞
X
`=1
0
m (A` ) ; An ∈ A, X ⊂
∞
[
`=1
A`
)
は Rn 上の外側度であり,m∗ − 可測集合をルベーグ (Lebeague) 可測集合と
いう。ルベーグ (Lebeague) 可測集合はルベーグ (Lebeague) 測度空間を完
備化した測度空間における可測集合である。
定理 18 (1.4.2) (Rn , B n , m) をルベーグ測度空間とする。
(1) m は σ− 有限測度である。
(2) A ⊂ Rn が可測集合ならば,A ∈ Bn であり m (A) = 0.
(3) 任意の x ∈ Rn および A ∈ Bn に対して,A + x ∈ Bn であり,
m (A + x) = m (A) .
(4) 任意の α > 0 および A ∈ Bn に対して,αA ∈ Bn であり,m (αA) =
αn m (A) .
(5) T : Rn → Rn を回転とする。このとき,任意の A ∈ Bn に対して,
T (A) ∈ Bn であり,m (T (A)) = m (A) .