Page 1 Page 2 76 島根大学農学部研究報告 第 28 号 は早い中間流出

Bu11Fac Agr Sh1mane Um▽,28
75−81,December20.1994
長短期流出両用モデルに流域地形効果を組入れた流出解析例
福島 晟
AnExamp1e ofRunoffAna1ys1smc1udedthe Topograph1ca1Effects
of a Watershed to the Long a叫d Short Terms RunoffMode1
Ak1ra FUKUSHIMA
Ab就醐ct Th1s report descr1bes a mod1f1ed method of runoff ana1ys1s by
the1ong and short terms rmoff mode1(LST−II),wh1ch1s proposed by Kadoya
and Naga1The mod1f1ed method1s atempted.t01ntroduce the effect of basm
character1st1cs to the LST−II m−ode1
The out11ne1s as fo11ows
(1)The1nput sequence ofarea1meanra1nfa111n abasm1stransformedto
the de1ayed one as a method of mode11ng the de1ayed and progat1on process
ref1ectmg watershed character1st1cs1n f1ood runoff In mode1mg the format1on
process of a hydrograph of f1ood runoff,1t1s assumed that the topographlca1
effects of a watershed1s1umped by the d1str1but1on character1st1cs of concen−
trat1ons1ope1engthwh1ch1sapproxmatedw1thga㎜aprobab111tydens1ty
funct1on w1th two parameters
(2)In the f1ood routme system the de1ayed ra1nfa11sequence1s used as
mput cond1t1on to the LST−II mode1and1s transformed to the ca1ucu1ated
d1scharge sequenceby the LST−II mode1generat1ngthe effects ofstorage type
prOcesS一
(3)As a case study,th1s method1s app11ed to the f1ood1n the Masuda
rec1amat1on basm of029k㎜2 And1t1s shown that the reproduc1b111ty of
observed hydrograph1s mproved about1O%by the mod1f1ed method than the
Origina10ne.
Key word.s:Runoff mode1;f1ood runoff;runoff ana1ysis;hydrograph;wa−
tershed character1st1cs
1。長短期流出両用毛デル(LST−II)
ま え が き
角屋1永井は長短期流出両用モデノレLST−IIを提案1)し
ている。本流出モデルは,図1に示すように、三段のタ
タンクモデルあるいは貯留関数法などの貯留型流出モ
デルを利用した洪水流出モデルの総合化については,
ンクで構成され、第1段目タンクは上層と下層に分かれ
様々な試みによって多その研究成果が実用に供されてい
ている蓼各段タンクの連続の式は次式で表されている。
るが,流域地形特性,あるいは流域内の土地利用形態の
dS./dt=r−E。一f−Q1−Q。 ・・…………・…(1)
分布特性とモデル定数との関連についてはなお検討の余
dS./dt=f−Q。一9。……………・・…………・(2)
地が残されていると思われる。本報告では,貯留型流出
dS./dt=9。一E。一Q。一9。 ・………………・・(3)
モデノレに分類される角屋1永井の長短期流出両用モデ
dS./dt=9。一E。一Q。 ・・・・・・・・・・・……………・(4)
ル1)に,流域内の斜面長分布特性と雨水伝播特性を考慮
ここに,S。∼S。(mm):第1段上層∼第3段タンクの
した流出解析手法を導入し,流域地形効果との関連で貯
貯留量(mm)t:時間(h),r:流域平均降雨強度(mm/
留型流出モデルの適用性を向上させることを意図した若
h),f:第1段タンク上層部からの浸入強度 (mm/h),
干の検討例について述べる、
Q1∼Q。:流出量(強度)(mm/h)で,Q、は表面流出、Q。
75
島根大学農学部研究報告第28号
76
は早い中間流出,Q。は遅い中間流出,Q。とQ。は地下水流
出が想定されている。E。∼E。:各段タンクからの蒸発散
表層の透水係数,λ:表層有効間隙率)に対応する定数
(cm/s),a。,a。帯水層の斜面方向の透水係数,動水勾
強度(mm/h)で,月平均日蒸発量の値を利用して,各段
配に規定される定数(cm/s)。b。,b。,b。:鉛直方向の浸
タンクのE。∼E。の算定法が導入されている、
透量を規定する定数(cm/s)画
■■
丁(Z。)
2。長短期流出両用モデルヘ遅れ時間の導入
永井は,長短期流出両用モデノレによる流出解析では,
亨 1a l
一一→Q1
・1匝11)
一一⇒Q2
一;「↓r
ζ2)
一一→Q3
∵ム)
以下のような点を指摘している,2)すなわち,計算ピー
ク流量発生時においては,計算ピーク流量は,その時の
降雨強度よりも大きくならないこと,したがって,たと
えば,降雨終了後または降雨が小降りになってから実測
洪水ピーク流量の現れる場合には,長短期流出両用モデ
ルは実測洪水ピーク流量をうまく再現しにくいことが予
想されるとし,この難点を改善する一方策として,洪水
時に遅れ時問の導入した検討を行っている。そして,岡
山県の吉井川水系の湯郷流域(490km2)、久木流域(979
卜二」、、、
km2),岩戸流域(1717km2)の遅れ時間t1として,それ
ぞれ1,6,2.4,3.6hの最適平均値を得ている、これらの
検討結果から婁洪水の遅れ時間はラ出水規模と流域面積
図1 長短期流出両用モデル(LST−II)
に左右されるのではないかと推察している。
一方多自然丘陵山地流域の洪水到達時問推定式,ある
また,Qラgは貯留量が孔の高さを越える場合のみ流出
いは貯留関数法で定義されている遅滞時間推定式はいず
があるものとして,次式で与えられている固なお,ここ
れも流域面積及び有効降雨強度の関数として定式化され
では,LST−IIモデルで定義されているモデル定数A1
ている、
∼A。,B。∼B。を,以下のようにa。。(またはa。。),a。∼a。,
筆者も,長短期流出両用モデノレを斐伊川流域及び益田
b。∼b。に変換したモデル定数による表示も併記する、
開拓農地造成域に適用した結果雪計算ピーク流出量が観
Q。:A。(S。一z。)m ……………・・……・(5)
測値よりもやや過小評価され,その発生時刻は実測値よ
=α、花(S1一・1)・/a1。
り早くなる傾向にあることを指摘している、そして,こ
:α1{(S1−z1)/a1k}m
のような点は,長短期流出両用モデルを含めた貯留型流
Q。=A.S。=α、a.S。………一・・……………(6)
出モデルを洪水流出予測に適用するに際して,解消され
f=B1(z2+z3−S2) ・・…………………・…(7)
るべき課題であるとし亨洪水到達時間の概念を応用した
:α1b1(z2+z3−S2)
遅延効果を導入した手法について報告3)している。しか
Q。=A。(Srz。) ……………一・・………(旺)
し雪本手法により,観測ハイドログラフピーク部の再現
=α1a3(S2−z3)
性は改善されるものの多降雨変換過程に含まれる2つの
91:B2S2:α1b2S2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…(9)
Q。=A.S。=α1a.S。一一………・…………㈹
g2=B3S3;α1b3S3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…㈹
Q。:A.S。=α。a.S。・……・一………………ω
パラメーターと流域斜面部及び河道部における流域特性
との関係については残された検討課題であった。
そこで,上述の研究成果を参考にしつつ,角屋1永井
の長短期流出両用モデルは,i)直接流出成分への有効降
雨が自動的に算定できるヲii)複数の流出サイクルにおけ
ここに,A。∼A。,B。∼B。:定数,α。:換算係数でα。=
る直接流出成分と低水流出成分が同時に評価される等の
α、/B,α、=36,B:流域平均斜面長,s:流域平均斜面勾配,
特長を持っていることを活用し、本流出モデルの応用を
a。。,a。。:それぞれ表面流モデノレの等価粗度N(m■1/31s),
考えることとする、すなわち,以下3。のような手法で
斜面流定数k=(N/^)帆6(m■1151s315)に対応する定数,
長短期流出両用モデルに流域地形効果を組入れて流出解
m1定数(:5/3),a。,a。:中間流モデルの定数kI⑧s/λ(kI:
析を行い,本法の適用性の向上を図ることとする、
福島:長短期流出両用モデルに流域地形効果を組入れた流出解析例
藪。流域地形効果を考慮した遅延降爾系列
77
なお,実際の流出計算に応用するに際し,㈹式で表さ
さて,洪水流出過程は流域に降った雨水の移動⑧伝播
れる形状母数n,尺度母数1/λ=1とするガンマ分布の確
遇程と理解し,巨視的観点から雨水の流出過程は斜面域
率密度関数f。(y)を利用して,P(B。)に対応するW(y)
における雨水から流出水への変換過程と河道系における
の値を㈹式により算定しておく、
流出水の伝播⑧変形過程とで表現されるものとする。す
㌔(・)一、と)〃…(一・)パ… 仰)
なわち,流域への入力降雨はこうした斜面域及び河道系
における雨水伝播過程の特性を受けた後に,流域最下流
W(・)一、と)∬…(一・㈹・
端の流出高を形成することとなる。そこで,こうした遅
れ過程を長短期流出両用モデルに取込むために,次の仮
定(i)∼(iV)が成立するものとして検討を進める。
(i)斜面域における雨水伝播過程に対する流域地形
効果は斜面域の斜面長分布特性に集約できるものとす
る。そして,河遺に付随する斜面域の斜面長Bはガンマ分
布で近似できるものとする。
すなわち,次式で斜面長の分布関数が与えられるとす
十亨赤)ポ…(一・)州・一刈⑧
ここに,y:λB,yo:λBo,y≦zB。
ここに,z。は形状母数n、尺度母数1/λ=1とするガン
マ分布関数F。(y)の値がO.99999となる値とする、ここ
では,角屋1福島1佐合の研究成果4)を参考にして、斜面
長分布が形状母数n=3で近似できるとすると,n=3に
対し,z。:16.55となる。
る固
・(・)一、そ三)∬…(一λ・)H・・個
ここに,n;形状母数,1/λ:尺度母数田
(ii)洪水到達時間に関する角屋らの研究成果1)を利
用し,最遠斜面から斜面最下流端部までの雨水伝播時間
(1V)河道部における雨水擾乱の伝播時間の確率分布
はヲ河道配列構造等の河道網特性に左右されるが,ここ
では斜面長分布と同様にガンマ分布で近似されるものと
する。
流域への入力降雨系列は上述の(i)∼(iy)に示す仮定
tm、,及び河道最上流端から河道最下流地点までの雨水流
に基づく遅延効果を受けた降雨系列に変換した後争長短
伝播時間tm、が雪次式のように表現できるものとする田
期流出両用モテノレに入力され,さらに長短期流出両用モ
tm。:C。⑭A帆24⑧ro・40一……・……一………O功
デル構造による貯留型変換過程を経て流域最下流端の流
tm。=C。⑧Ao・30⑧ro・30………・…一…………・(1⑤
出高を形成することになる。
ここに,C。,C。:定数,A:流域面積(km2),r:降雨強
さて,このような仮定のもとに,長短期流出両用モデ
度(mm/h)、
ルヘ入カする遅延降雨系列の算定法を考えると以下のよ
(iii)河道から斜面に沿い距離B。の斜面長と斜面域
の雨水擾乱の伝播時間が1対1で対応するものとする。
うになる、
いま,入カ降雨単位時間を△tとし,時刻ti一。∼t澗の降
この仮定により,斜面域の雨水擾乱の伝播時間の確率
雨強度をriとする。このriは,集中斜面長分布に対応した
分布は,以下に示す集中斜面長図に対応した分布となり,
確率分布を有する遅れ時間の効果を受けて茅河道に到達
斜面域の流域地形効果はこの集中斜面長図に集約される
するものとする。すなわち,riを,雨水擾乱の集中時間を
ことになる、
考慮した遅延作用素(重み関数)により,次式のような
いま,河道から斜面に沿い距離B。をとったとき,そこ
降雨系列r、(j1△t)1に変換する、
に含まれる斜面面積の流域面積に対する比率P(B。)は
r。(jl△t)i:ri1△W(t。)…一…・一・……一㈹
次式で表される田
ここに,i=1,2,……N.j;i,i+1,……,i+n。一1.
・(民)一、そ三)∬…(一λ・)H・
n、=tm,/△t. △W(t、)二W(y、)一W(y、一1)。y、=α1t、、
α=zB/tm、, t、=s黎△t, s=1う 2, ・・・…ns)、
・予鈴∼(一!・帥・㈹
っいでヲr、(]1△t)iを,河道系での伝播時間の確率分布
に対応する遅れの効果を受けたr、(nl△t)i,jに変換する。
ここに,Bj:(2Bj+△B)/2,Bj=j歯△B, (j=o,1,2,
なお,この河道系での遅れ時問の確率分布は前述の仮定
・)
(iV)に示したようにガンマ分布で表現できるものとす
ここで,斜面長B。とP(B。)との関係を図示したものを
る。
集中斜面長図と呼ぶことにする、
rc(n⑤△t)1,j:r、(j薗△t)i⑧△Y(t。)……………⑫Φ
78
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( i: f A=0.2963km')
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Cc = 30 . O
Cc = 15 . O
Cs tns (min) t . (min)
t p (min)
tme (min)
p
tms (min)
t (min)
lOO . O
19 . 2
3.8
22 . 9
19 . 2
7.5
26 . 7
200 . O
38 . 3
3.8
42 . 1
38 . 3
7.5
45 . 8
300 . O
57 . 5
3.8
61 . 2
57 . 5
7.5
65 . O
400 . O
76 . 6
3.8
80 . 4
76 . 6
7.5
84 . 1
500 . O
95 . 8
3.8
99 . 5
95 . 8
7.5
103 . 3
600 . O
115 . O
3.8
118 . 7
ll5 . O
7.5
122 . 5
700 . O
134 . 1
3.8
137 . 9
134 . l
7.5
141 . 6
800 . O
153 . 3
3.8
157 . O
153 . 3
7.5
160 . 8
900 . O
172 . 4
3.8
176 . 2
172 . 4
179 . 9
1000 . O
191 . 6
+ 3.8
195 . 3
191 . 6
7.5
7.5
199 . 1
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1
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(b) r=50.0 (mm/h)
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t , i) tL jt
Cs
t * (min)
79
f
=1
Cc = 15 . O
tms (min)
EI
Cc = 30 . O
t p (min)
tms (min)
t . (min)
t*p (min)
100 . O
15 . 6
3.2
18 . 8
15 . 6
6.4
22 . 1
200 . O
31 . 2
3.2
34 . 5
31 . 2
6.4
37 . 7
300 . O
46 . 9
3.2
50 . 1
46 . 9
6.4
53 . 3
400 . O
62 . 5
3.2
65 . 7
62 . 5
6.4
68 . 9
500 . O
78 . 1
3.2
81 . 3
78 . 1
600 . O
93 . 7
3.2
96 . 9
93 . 7
6.4
6.4
100 . 1
84 . 5
700 . O
109 . 3
3.2
112 . 5
109 . 3
6.4
115 . 8
800 . O
124 . 9
3.2
128 . 2
124 . 9
131 . 4
900 . O
140 . 6
3.2
143 . 8
140 . 6
1000 . O
156 . 2
3.2
159 . 4
156 . 2
6.4
6.4
6.4
147 . O
162 . 6
(c) r=100 .O (mm/h) (Z) f ''
Cc = 30 . O
Cc = 15 . O
Cs
tms(min)
t * (min)
t p (min)
tms(min)
tmc (min)
t p(min)
100 . O
11 . 8
2.6
14 . 5
11 . 8
5.2
17 . 1
200 . O
23 . 7
2.6
26 . 3
23 . 7
28 . 9
300 . O
35 . 5
38 . 1
35 . 5
400 . O
47 . 3
2.6
2.6
5.2
5.2
50 . O
47 . 3
5.2
52 . 6
500 . O
59 . 2
61 . 8
59 . 2
5.2
64 . 4
600 . O
71 . O
2.6
2.6
73 . 6
71 . O
5.2
76 . 2
700 . O
82 . 9
85 . 5
82 . 9
5.2
88 . 1
97 . 3
94 . 7
5.2
99 . 9
106 . 5
5.2
111 . 8
ll8 . 4
5.2
123 . 6
800 . O
94 . 7
2.6
2.6
900 . O
106 . 5
2.6
l09 . 1
1000 . O
118 . 4
2.6
121 . O
40 . 7
2 t *, t**, t ,a)
g (
:
A 1000km )
(a) r=30.0 (mm/h) q) fl
Cc = 30 . O
Cc = 15 . O
Cs
t * (min)
t** (min)
t p (min)
tms (min)
tme (min)
t p (min)
100 . O
134 . 6
42 . 9
177 . 6
134 . 6
85 . 9
220 . 5
200 . O
269 . 3
42 . 9
312 . 2
269 . 3
85 . 9
355 . 2
300 . O
403 . 9
42 . 9
446 . 8
403 . 9
85 . 9
489 . 8
400 . O
538 . 5
42 . 9
581 . 5
538 . 5
85 . 9
624 . 4
500 . O
673 . 2
42 . 9
716 . 1
673 . 2
85 . 9
759 . 1
600 . O
807 . 8
42 . 9
850 . 7
807 . 8
85 . 9
893 . 7
700 . O
942 . 4
42 . 9
985 . 4
942 . 4
85 . 9
1028 . 3
800 . O
1077 . 1
42 . 9
1120 . O
1077 . 1
85 . 9
1163 . O
900 . O
1211 . 7
42 . 9
1254 . 6
1211 . 7
85 . 9
1297 . 6
1000 . O
1346 . 3
42 . 9
1389 . 3
1346 . 3
85 . 9
1432 . 2
島根大学農学部研究報告第28号
80
(b)r:50.O(mm/h)の場合
C。=30.O
C。=15.0
C. tm。(min)
tm。(min)
tm、(min) tm、(min) tmP(min)
tmP(min)
100.0
109.8
36,8
146.6
109.8
73,7
183.4
200.0
219.5
36,8
256.4
219.5
73,7
293.2
300.0
329.3
36,8
366.1
329.3
73,7
402.9
400.0
439.0
36,8
475.9
439.0
73,7
512.7
500.0
548.8
36,8
585.6
548.8
73,7
622.5
600.0
658.5
36,8
695.4
658.5
73,7
732.2
700.0
768.3
805.1
768.3
73,7
842.0
800.0
878.0
36,8
36,8
914.9
878.0
900.0
987.8
36,8
1024.6
73,7
73,7
1061.5
36.8
1134.4
73.7
1171.2
1000.0
1097.5
987.8
1097.5
951.7
(・)r=100.O(mm/h)の場合
C。=30.O
C。=15.O
C. tm、(min)
tm。(min)
83.2
tm、(min) tmC(min) t㎜P(min)
tm。(min)
29,9
113.1
59,9
143.0
200.0
166.4
29,9
196.3
166.4
59,9
226.2
300.0
249.5
29,9
279.5
249.5
59,9
309.4
400.0
332.7
29,9
362.6
332.7
59,9
392.6
500.0
415.9
29,9
445.8
415.9
59,9
475.7
600.0
499.1
29,9
529.0
499.1
558.9
700.0
582.2
29,9
612.2
582.2
59,9
59,9
800.0
665.4
29,9
695.3
665.4
59,9
725.3
900.0
748.6
29,9
778.5
748.6
59,9
808.4
831.8
29.9
861.7
831.8
59.9
891.6
100.0
1000.0
83.2
642.1
表3 遅延降雨系列の算定例
(流域面積A=O.2963km2,C。=15)
t(min)
10 20 30 40 50 60 70 80 90
C。:100 9.81
O.19 −
C。=300 4.68
4,15 0,99
0,16
0.02 一 一 一 一
C。=600 1.39
3,29 2.66
1.50
〇.70 0,29 0,11 0,04 0.02
7時に,8.17m3/sが記録されている、また,出水Bの総雨
差で13%,計算ピーク流量は7.20m3/sでその発生時刻は
量は519mmである、
出水Aに対し,10分毎の観測降雨をそのまま長短期流
観測値と一致した結果が得られた。
出両用モテルヘ入カした場合,観測ハイドログラフの再
両用モデノレヘ入力した場合,観測ハイドログラフの再現
現性は相対誤差で23%,計算ピーク流量は観測時刻より
性は相対誤差で37%であった。
10分早く発生し,7.23m3/sとなった固これに対し,前項
一方,遅延降雨系列を用いて長短期流出両用モデルを
黎、で述べた遅延降雨系列を用いて長短期流出両用モテ
同定した場合、図2に示すように相対誤差で23%の再現
ノレを同定した結果,C、=600,Cc=15とした解析結果が最
性が得られた。
も良好で,出水A観測ハイドログラフの再現性は相対誤
このように,長短期流出両用モテルに流域平均降雨系
出水Bでは,10分毎の観測降雨をそのまま長短期流出
福島:長短期流出両用モデルに流域地形効果を組入れた流出解析例
一
昌
冒
σ
α
81
120
80
40
0
40
80
120
+2.
十1.
0.
一1.
一2.
10.0
一 〇〇 言06SERV1三〇
〇 . o Oo :C^LCuL^TE■〕
。。 R u D −E
.0
.〉
昌
α
0.
α
噌
駕
0.01
0.002
1215−812103691215182一
(7.20−7.23.1983)
図2
036912151921 0369121518210
流出解析例(音無川流域)
列をそのまま入力するよりも,上述竪、に示した手法で
ル定数は対象出水によって異なる結果となったため,本
遅延効果を組入れた降雨系列を入カすることにより,観
解析法の適用性については,今後なお流域特性及び出水
測ハイドログラフの再現性が10数%改善されることが示
規模を踏まえた検証の必要があると言える固
された倒
引 用 文 献
あ と が き
本報告では、雨水流出過程のモデリングに際し、まず
雨水流出現象に及ぼす流域地形効果を集中斜面長分布の
特性で集約し,この集中斜面長分布が斜面域及び河道系
での雨水伝播時間を想定した遅れ過程に反映するものと
1)角屋 睦泳井明博、長短期流出両用モデルの開発改良研
究。農土学会論文集,136:31−38.1988.
2)永井明博,長短期流出両用モテルの総合化に関する研究。
昭和63年度科研費(一般研究C)研究成果報告書,65PP,
1989.
して,流域平均入力降雨を遅延降雨系列に変換する手法
3)福島 晟④田中礼次郎,遅延降雨系列の貯留型流出モデル
を示した。次いで本遅延降雨系列を長短期流出両用モテ
ヘの応用。島大農研報,24:152−157.1990.
ノレヘの入力降雨系列とすることにより,さらに雨水流出
4)角屋 睦田福島 晟④佐合純造,丘陵山地流域モデルと洪
過程における貯留型変換過程の効果を受けるとする流出
水流出モデル。京大防災研年報,21(B−2):219−233.1978.
解析手法を導入することによって,長短期流出両用モテ
5) 1福島晟,中小河川の洪水到達時問。同,19
ルの応用を図った固益田開拓農地造成域の出水例で検討
(B−2):143−152.1976.
した結果,本解析法により出水ハイドログラフの再現性
6) 1土地利用変化に伴う流出特性の変化.農土誌,
が向上することが認められた。しかし雪同定されたモデ
56(ll):5−9.1988。