DM、NST 以外の分野での臨床検査技師の活動紹介

全体の総括及び未来への展望として ICT、DM、NST 以外の分野での臨床検査技師の活動紹介
(検査説明、内視鏡、POCT などについて)
◎竹浦 久司 1)
社会医療法人 きつこう会 多根総合病院 中央検査部 1)
はじめに
ることで、他の検査技師には無いやりがいや楽しみ
チーム医療といえば ICT、NST、糖尿病療法指導な
を見出すことができる。チーム医療の一員であるこ
どを多くの方が思い浮べるであろう。これらのチー
とから、現場の意見を改善につなげる風通しの良い
ムはどれもが 10 年以上チーム医療を実践してきた
職場環境が感染や安全対策を充実させている。
からである。ここで紹介するのは1.チーム医療の
(3)検査相談
定義、2.上記以外のチーム医療3.チーム医療の
検査相談は、臨床検査の幅広い知識とコミュニケ
効果に関して私見を述べる。
ーションスキルが求められ、院内でのコンセンサス
1.チーム医療の定義
を持ち、責任の所在を明確にすることが大切である。
「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、
各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、
患者が納得できる相談と説明を行い、患者へ安心感
と信頼感を得るようにする。
業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者
検査相談の対象者をすべての患者にするか、外来
の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一
患者あるいは入院患者のどちらかにするかを決める
般的に理解されている。
必要がある。検査相談を担当するスタッフにより専
チーム医療の構成は①各職種の強み(専門性志向)
任または兼任で異なり、手始めとしては、外来から
②良い意味にも悪い意味にもなる仕事の垣根(職域
曜日時間を決めスタートすることが望ましい。担当
構成志向)③.患者を中心(患者志向)④協力し合
者の人選においても予めどのような検査相談が多い
って仕事をする(協働志向)の4つに分類される。
かを確認し、その分野を熟知しているベテラン技師
この4つはほぼ同じウエイトでスタートしたとして
で人の話を聴く能力のある方を配属することが望ま
も最終的に連携・補完し合い、患者の状況に的確に
しい。
対応した医療を提供することから自ずと患者志向と
3.チーム医療の効果
協働志向の2つのウエイトが大きくなる。
チーム医療がもたらす具体的な効果としては、
2.その他のチーム医療
①疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医
(1)眼科病院手術室
療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による
2年前に眼科病院にて看護師不足が起こり臨床工
学士か臨床検査技師かの選択を求められ臨床検査技
師が従事することになった。後に述べる2つに比べ
ると医師中心のチーム医療ではあるがどのような業
務を行っているかをご紹介する。
(2)内視鏡検査
臨床検査技師が内視鏡室のメディカルスタッフの
中心的役割を担う病院が増えてきた。内視鏡室は、
コスト管理や新しい技術を積極的に勉強し、その知
識を現場に生かしている。また臨床検査技師は、看
護師とは異なる視点を持って内視鏡室の業務にあた
医療従事者の負担の軽減、③医療の標準化・組織化
を通じた医療安全の向上、等が期待される。
(連絡先:06-6581-1071)