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後期(熟年)高齢者に対する
オンラインHDF
援腎会すずきクリニック
鈴木一裕 鈴木翔太
2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会
【目的】
• オンラインHDFは、診療報酬改訂にて評価されたこと
もあり急速に広がってきている。
• オンラインHDFは、若年者の合併症予防として行わ
れていることが多い。
• 当院では、オンラインHDFは高齢者を含めた全ての
患者に対し行い、透析時間延長、血流量増加と共に
しっかり透析として施行している。
• 後期高齢者に対するオンラインHDFとしっかり透析に
ついて検討したので報告する。
2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会
【対象と方法】
• 対象:当院の75歳以上の透析患者
• 転院後1年以上経過した20名
(平成25年11月時点で74歳以上の21名中癌死した1名を除く)
• オンラインHDFを9ヵ月以上行った11名
及びそれ以外の9名
• 過去1年間におけるalb、DW、GNRI、
Inbody720※)で測定した筋肉量と脂肪量の推移を検討
※ Inbody720:体成分分析装置
2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会
【対象】
on-lineHDF
継続群
on-lineHDF
非継続群
対象患者
11名
9名
年齢[歳]
79.5±2.6
80.4±3.7
DW[kg]
56.8±10.6
51.3±11.1
透析歴[ヶ月]
40.4±35.3
54.6±25.5
透析時間[時間]
4.8±0.3
4.7±0.3
血流[mL/min]
314.5±38.0
290.0±20.0
Kt/V
2.15±0.38
2.10±0.42
(全ての項目で有意差無し)
非継続理由
on-lineHDF 非継続群 9名
人数(人)
栄養状態低下
6
貧血
2
その他
1
平成26年10月現在
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【DWの経過】
※:
P<0.05
58.0
※
57.0
56.0
55.0
DW[kg」
54.0
53.0
継続群
離脱群
52.0
51.0
50.0
49.0
48.0
47.0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
H26.4
H26.5
H26.6
H26.7
H26.8
2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会
H26.9
H26.10
【Albの経過】
4.0
3.8
Alb[g/dL」
3.6
継続群
離脱群
3.4
3.2
3.0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
H26.4
H26.5
H26.6
H26.7
H26.8
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H26.9
H26.10
【GNRIの経過】
100.0
98.0
96.0
94.0
GNRI
92.0
継続群
90.0
離脱群
88.0
86.0
84.0
82.0
80.0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
H26.4
H26.5
H26.6
H26.7
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H26.8
H26.9
H26.10
【筋肉量の経過】
25.0
骨格筋量[kg]
20.0
15.0
継続群
離脱群
10.0
5.0
0.0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
H26.4
H26.5
H26.6
H26.7
H26.8
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H26.9
H26.10
【脂肪量の経過】
24.0
22.0
脂肪量[kg]
20.0
18.0
継続群
離脱群
16.0
14.0
12.0
10.0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
H26.4
H26.5
H26.6
H26.7
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H26.8
H26.9
H26.10
【考察1】
• 過去1年間に当院で透析治療を受けた後期高齢透
析患者についてオンラインHDF施行の有無で比較検
討した。
• 1年間の検討ではあるが、オンラインHDF継続群で
DWの有意な増加が見られた。しかし、非継続群にお
いても明らかな栄養状態の悪化は見られなかった。
• 後期高齢者でも、栄養面からもしっかり透析は有用
であると考えられた。
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【75歳以上全患者の透析方法】
25
20
15
10
18
18
HDF
HD
on-line
19
14
13
13
13
H26.3
H26.4
H26.5
14
12
13
14
14
H26.9
H26.10
5
0
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.6
H26.7
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H26.8
【今回対象とした20名の透析時間と血流量の分布】
血流
透析時間
15%
5%
15%
n=20
25%
4-4.5h未満
250-300未満
4.5-5h未満
300-400未満
5h
400
60%
80%
( 4.16〜5.0時間 )
( 250〜400ml/min )
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【転院から現在までのDWの推移】
n=20
15
10
DW差[kg]
5
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
転院歴[ヶ月]
-5
-10
-15
●:継続群 ●:非継続群
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【考察2】
• 高齢者の透析は、検査データが良好なことから、透析
時間を短く、低い血流量で行われる事が多い。
• しかし、今回の検討では高齢者でも状態のいい患者
に十分な透析を行えば、体重が増加していた。
• 高齢者でも可能な患者にはオンラインHDFを含めた
十分な透析を行う事が望ましい。
• 高齢者と言うだけで透析量を少なめに設定する根拠
はなく、十分な透析を行い、摂食不良や透析時に状
態が変化する患者に対してはその都度対応していく
方法も考慮すべきである。
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演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある
企業などはありません。
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