Document 566076

4.いろいろな半導体レーザとカオス 4-1 構造の違いによるレーザダイナミクス
4-2 縦多モード半導体レーザ
4-3 自励発振半導体レーザ
4-4 縦モードと横空間モードのおさらい
4-5 面発光半導体レーザ − VCSEL −
4-6 ブロードエリア半導体レーザ − BAL −
4-7 レーザアレイ
4-8 量子ドット半導体レーザ − QDL −
4-9 量子カスケード半導体レーザ − QCL −
構造の違いによるレーザダイナミクス おさらい 狭ストライプの半導体レーザ 活性層幅
~2~3 µm
LD
活性層厚
~0.2 µm
光出力
~200 µm
~300 µm
共振器長
端面発光半導体レーザ
異なる構造の半導体レーザ − 狭ストライプ単一モード半導体レーザに対して - ・多モード発振 ・過飽和吸収層付き ・基板に垂直発光 ・ブロードストライプ ・レーザアレイ ・量子ドット活性層 ・サブバンド光遷移 などなど 付加的構造 → 自由度の追加 狭ストライプ半導体レーザは2変数安定系であるが 自由度の追加により3変数以上のカオス系 したがって、外部要因がなくても不安定になる 縦多モード半導体レーザ P o = 5m W
多モード半導体レーザ
構造は、狭ストライプ半導体
レーザと同じ 相対光出力
P o = 3m W
P o = 1m W
たとえば利得導波路などでは、
縦多モード化しやすい P o = 0.5m W
778
780
波長 λ (nm )
光スペクトル 782
レート方程式 光電場 キャリア密度 多モードレーザの光スペクトル モードごとの発振 5縦モード発振の数値計算 Power [mW]
2
total
mode 3
mode 2
mode 4
(a)
1.5
1
0.5
0
0
100
200
300
400
Time [ns]
単独発振 戻り光によるカオス発振 自励発振半導体レーザ 自励発振半導体レーザ 戻り光雑音を軽減する目的で 開発され一時期使われた 自励発振レーザ
(SPL: Self-Pulsating Laser)
活性層
キャリア密度
光プロファイル
過飽和吸収層
活性層
過飽和吸収層
光出射端、活性層の断面 SPL レート方程式
光電場
dE(t) 1
= (1 − iα )[Gn1{n1 (t) − n th1} + Gn 2 {n 2 (t) − n th 2 }]E (t) + E sp1
dt
2
活性層キャリア密度
€
dn1 (t) J n1 (t) n1 (t) − n 2 (t)
=
−
−
− Gn1{n1 (t) − n 01} | E(t) |2
dt
ed
τ s1
τ12
過飽和吸収層キャリア密度
€
€
dn 2 (t)
n (t) n (t) − n1 (t)
=− 2 − 2
− Gn 2 {n 2 (t) − n 02 } | E (t) |2
dt
τ s2
τ 21
SPLの時間波形(実験)
I nt e ns i ty [ a . u .] ある電流値での単独発振
異なる電流値での単独発振
戻り光があるとき
0 2 5 T i m e [ n s ] 5 0 相対雑音(RIN)
縦モードと横空間モードのおさらい 縦モード c
2L
λ
2
ν
レーザ共振器 利得分布と縦モード 利得分布内の縦モードがレーザ発振可能 横(空間)モード (1,5)
(2,5)
(3,5)
(1,4)
(2,4)
(4,5)
(1,3)
(3,4)
(2,3)
(1,2)
1次元空間モード
スラブ導波路 2次元空間モード
2次元導波路 空間モード 点対象共振器の場合 1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0
面発光半導体レーザ − VCSEL −
面発光半導体レーザ(VCSEL)
Top View
16µm
Light output
Index guided region
Active region
端面発光半導体レーザ 特徴 ・ 低しきい値
・ 広帯域変調
・ 対称なビーム波形
etc…
DBR mirror
VCSEL
実際にレーザプリンタなどで使われている VCSELー実際の構造 電流狭窄層
活性領域
VCSEL断面 VCSEL断面図
活性層厚 λ 以下 VCSELチップ(top view) VCSEL の特性
☞ 他のレーザと異なり…
空間多モード発振
偏光スイッチング特性
空間・偏光ダイナミクス ☞ 戻り光にも敏感
高い共振器内部光反射率 ~99%
しかし
共振器内のフォトン数は少ない
少ない戻り光量でも影響がでる
戻り光効果は、他の半導体レーザと同じ程度 VCSEL レート方程式 (空間モードモデル) 各空間モードの電場 トータル電場(偏光を含む) eˆ j : 偏光ベクトル キャリア密度 €
VCSELsの空間モード発振 6µm VCSEL. (a) 3.0mA, (b) 6.2mA, (c) 14.7mA, and (d) 18mA.
活性層における電子スピン状態の違い J
Conduction Band
-1/2
1/2
1/
1/
s
s
E+
E-
-3/2
3/2
Valence Band
Left (-) circular light
Right (+) circular light
活性層厚がきわめて薄いため (z<<l/4)、 z方向に沿った電子スピンの縮退が解ける スピンフリップ(Spin-Flip)モデル レート方程式
偏光電場
dE x (t) 1
= (1− iα )Gn [{n(t) − n th }E x (t) − in J (t)E y (t)] − (γ a − iγ p )E x (t)
dt
2
dE y (t) 1
= (1− iα )Gn [{n(t) − n th }E y (t) + in J (t)E x (t)] + (γ a − iγ p )E y (t)
dt
2
€
キャリアの合計密度
€
2
dn(t) J n(t) − n 0
2
=
−
− Gn {n(t) − n 0 }{ E x (t) + E y (t) }
dt
ed
τs
*
*
+ iGn n J (t){(E y (t)E x (t) − E x (t)E y (t)}
Spin-Flip を考慮したキャリア密度差
€
2
dn J (t)
n(t)
2
=−
− Gn n J (t){ E x (t) + E y (t) }
dt
τJ
*
*
+ iGn {n(t) − n 0 }{(E y (t)E x (t) − E x (t)E y (t)}
L-I 特性
x-mode
y-mode
0.8
0.4
0
2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0
Injection Current [mA]
実験
1.2
Intensity [a.u.]
Output Power [mW]
1.2
x-mode
y-mode
0.8
0.4
0
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
μ (Injection Current)
計算値
1.8
2.0
高次モードの励起
(free running laser)
(a)
(b)
(a)
(c)
(d)
(c)
(d)
(e)
(f)
(e)
(f)
y 偏光モード
(a) → (f): 低電流→ 高電流
(b)
x 偏光モード
逆位相発振はカオスの特徴
VCSELにおける戻り光効果
y-polarization
x-polarization
(a)→(f) increase of feedback
高反射率DBRミラーを備えているが → 戻り光に弱い フォトニック構造による空間制御
高次空間モードを抑制 VCSELの課題
・空間モード制御
・偏光制御
・出力パワーの増大
・高密度アレイ化
・さらなる低しきい値化
・戻り光対策
ブロードエリア半導体レーザ − BAL −
ブロードエリア半導体レーザ (BAL)
z
y
x
Bottom B
Electrode
ストライプ幅 Ws ~ 100 µm
レーザ加工で使われる High Power Semiconductor Laser
(Laser Package)
BAL は高出力レーザではあるが…
☞ ストライプ幅は広い ~100 µm
ストライプ幅に沿った空間依存性 (自由度の追加)
時空間カオス ☞ 発振ビームの質の低下
低コヒーレンス
空間多モード発振
縦多モード発振
ピコ秒フィラメント発振 etc. 基本特性
50 µm インデックスガイドBAL (1.5Jth)
Intensity
Intensity [dBm]
0
-25
Width [μm]
時間平均近視野像(NFP)
ビーム特性は悪い 25
-10
-20
-30
-40
-50
-60
774
776
778
780
Wavelength [nm]
光スペクトル
戻り光による瞬時光学損傷(COD)
出射端面 50µm
出射パターン 近視野像 (NFP) (時間分解ダイナミクス)
フィラメント発振
理論
実験
(ストリーク像)
電球の二重
フィラメント構造
電場の式の導出について y
Maxwell 方程式 (Starting Point) z
x
Coordinates
分極 伝搬定数 SVWA (Slowly Varying Wave Approximation:ゆっくり波近似) and RWA (回転波近似)
z 方向への一定振幅伝搬 → BAL 狭ストライプの場合 (x 依存は省略可能) → 狭ストライプレーザ レート方程式
光電場
∂E(x,t)
∂2 E (x,t) 1
= iDe
+ (1 − iα )Gn {n(x,t) − n th }E(x,t) + E sp
2
∂t
∂x
2
光の回折効果
€
キャリア密度
∂n(x,t)
∂ 2 n(x,t) J n(x,t)
2
= Dn
+
−
−
G
{n(x,t)
−
n
}
|
E(x,t)
|
n
0
∂t
∂x 2
ed
τs
キャリア拡散
€
ストライプ方向の空間特性が重要 BALのフィラメント発振
30.0
Intensity[a.u.]
1
29.6
0
29.4
29.2
29.0
-25
0
Width[µm]
25
-8
1.2
1.2
1.0
1
Intensity [a.u.]
Intensity [a.u.]
Time[ns]
29.8
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-25
-6
-4
-6
-4
-2
0
2
4
6
Angle[degree]
8
0.8
0.6
0.4
0.2
0
Stripe Width [µm]
25
0
-8
-2
0
2
Angle [degree]
4
6
8
近視野像NFP 遠視野像FFP
戻り光を用いたBALのビーム整形
partial mirror feedback
1.2
30.0
Intensity [a.u.]
1
0.8
29.8
0.6
0.4
0.2
0
-25
0
25
Stripe Width [µm]
Time[ns]
NFP
Intensity [a.u.]
1
29.6
0
29.4
1.2
29.2
FFP
Intensity [a.u.]
1
0.8
0.6
29.0
-25
0.4
0
Width[µm]
25
0.2
0
-8
-6
-4
-2
0
2
Angle [degree]
4
6
8
時間平均ビームプロファイル
高分解フィラメント発振パターン (NFP)
光注入によるBALのビーム整形
(numerical) J=1.5Jth, rinj=1.2, Δf=0 GHz
1.2
30.0
0.8
29.8
0.6
0.4
0.2
0
-25
0
Stripe Width [µm]
25
Time[ns]
NFP
Intensity [a.u.]
1
29.6
29.4
1.2
FFP
Intensity [a.u.]
1
0.8
29.2
0.6
0.4
29.0
-25
0.2
0
-8
-6
-4
-2
0
2
Angle [degree]
4
6
8
時間平均ビームプロファイル
0
25
Width[µm]
高分解発振パターン (NFP)
量子ドットBALおけるフィラメント抑制
平均 NFP
理論
平均 NFP
実験
Gehrig et al. APL Vol.84 p.1650 (2004)
フォトニックBAL
(b)
Output power [W]
2.0
60
50
1.5
40
1.0
30
20
0.5
0.0
Patterned
Reference
0.0
0.5
1.0
Current [A]
活性層上面の構造
L-I 特性
1.5
10
2.0
0
Efficiency [%]
(a)
レーザアレイ VCSELアレイ 1次元アレイ 250 µm
2次元アレイ 高出力BALレーザ・バー レーザー
ダイオード
バー
水冷
〜1cm
レーザ加工に応用 レーザアレイにおけるカオス発振と制御 34
Contact Stripes
Active
Layer
t [ns]
32
w
s
Cladding
30
x
ストライプ・レーザ・アレイ 戻り光制御on 28
-30 -20
-10
0
x [ m]
10
20
5レーザ・アレイ 30
量子ドット半導体レーザ − QDL −
量子ドット半導体レーザ
(QDL: Quantum Dot Laser)
Dot
Structure
レーザ共振器 QDs ドット層 活性層
20 nm
50 nm
(a)
(b)
Top View
Cross-Section View
量子ドットレーザの特性 ☞ エネルギー状態の量子化
高コヒーレンス発振
高帯域変調
低周波数チャープ
低 α パラメータ値
戻り光耐性
広い光注入領域
☞ 作成の難しさ
自己集積法 将来の光通信用レーザとして期待されているが... QDとQW レーザのバンド構造
QD Laser
QW Laser
量子ドット半導体レーザのレート方程式
光電場
dE(t) 1
1
= (1− iα )[g0ϑ {2 ρ (t) −1} −
]E (t)
dt
2
τ ph
ドットにおけるキャリア占有率
€
dρ(t)
ρ (t)
=−
− g0 {2 ρ (t) −1)} | E |2 +F
dt
τd
Carrier Exchange Rate:
€キャリア密度
dn(t) J n(t)
€
= −
− 2N d F
dt
e
τs
€
F = Rcap (1− ρ ) − Resc ρ
戻り光による分岐図
Intensity [a.u.]
QD Laser
QW Laser
0
0.1
0.2
Optical Feedback [%]
0.3
J=2.0Jth, 外部共振器長=30 cm
QDLは戻り光耐性がある! 光注入特性マップ(安定境界)
Stable 実験 Stable 理論 光注入特性はクラスAレーザに近い → 安定なレーザ より詳しい解析には、5変数モデルが必要 ΔEe:190meV
ΔEh:69meV
バンド構造
厳密なレート方程式
(5変数モデル)
e-Density in WL
e-Density in QD
Photon
n-Density in QD
n-Density in WL
Sin, Sout
NQD
Nsum
Rind
Rsp
: Scattering Rates
: Number of Active QDs
: Total QD density
: Linear Gain
: Spontaneous Emissions
量子カスケード半導体レーザ − QCL − 量子カスケード半導体レーザ
(Quantum Cascade Laser)
導波路 高ARコート 共振器 ~mm 超格子構造 4 QW×N ~10µm 電極 基板 THz 光 金属層 THz 光放出 量子カスケードレーザ ☞ サブバンド間光遷移
THz光発振
高速キャリア緩和 (~ps)
高変調帯域特性
低 α パラメータ値
狭発振線幅
クラスAレーザのような振る舞い
☞ 光検出器、光学部品の入手が難しい
☞ 広い応用範囲(通信、計測、特に薬物検査など)
光の遷移
伝導帯 光 禁止帯 光 荷電子帯 Quantum-Cascade Laser
サブバンド間遷移
Quantum-Well Laser
バンド間遷移
電子 サブバンド間遷移
Barrier
4
3
2
hν
4
1
Active
Region
Injection
Region
One Period
超格子構造におけるサブバンド間遷移モデル
レート方程式
光電場
dE(t) 1
1
= (1− iα )[N p G{n 3 (t) − n 2 (t)} −
]E(t)
dt
2
τ ph
Level 3 におけるキャリア密度
€
dn 3 (t) J n 3 (t)
=
−
− G{n 3 (t) − n 2 (t)} | E(t) |2
dt
ed
τ3
Level 2 におけるキャリア密度
€
€
dn 2 (t) n 3 (t) n 2 (t)
=
−
+ G{n 3 (t) − n 2 (t)} | E(t) |2
dt
τ 32
τ2
QCL と QWL の相違
QWLs
光の遷移
キャリア
バンド間
電子とホール
α parameter
大
発振波長幅
広 (~10 MHz)
偏光モード
TE
光出力
電流に比例
ストライプ幅*
few µm
活性層厚*
less than 1 µm
キャリア緩和時間
~1 ns
* 幅、厚は発振波長に強く依存
QCLs
サブバンド間
電子
小
狭 (~100 kHz)
TM
電流と層数に比例
larger than 10 µm
larger than 10 µm
~1 ps
Normalized Modulation Response [dB]
小信号変調特性
0
3.0
-4
2.0
-8
J=1.2Jth
-12
-16
0.1
1
10
Frequency [GHz]
100
緩和振動がない 光注入マップ
光注入特性は、クラスAレーザに近い Stable
Injection
Locking
λ=9 µm, α=1
課題2:レーザ以外のカオス系について、具体的例を
挙げ、その系のカオス的振る舞いや、カオスの特徴
について調べよ。物理的モデル式などもある場合には、
その式のそれぞれの項の意味について説明せよ。 平成26年2月4日(第3回特別講義のときに提出)