抗リン脂質抗体症候群を合併したループス腎炎に対する生体腎移植施行後

一般講演抄録
研究会名 :
第83回研究会
平和 伸仁 (横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧
座長名
:
内科)
演題名
: 11.抗リン脂質抗体症候群を合併したループス腎炎に対する生
体腎移植施行後、血栓性微小血管障害を来した一例
○堀川通弘(ほりかわみちひろ)、丸井祐二、早見典子*、
冨川伸二、乳原善文 *
講 師
:
所 属
: 虎の門病院分院 腎センター外科 、同腎センター内科*
【症例】
症例】SLEにループス腎炎と抗リン脂質抗体症候群(以下APS)を合併した38歳男性。36
歳時にABO適合生体腎移植施行後、タクロリムス(以下FK)を含む免疫抑制剤とワーファ
リンの内服(PT-INR: 2-3)を継続していたところ、2012年1月に肺炎、腎機能悪化および貧
血を認め入院となった。腎機能障害は遷延し移植腎生検目的でワーファリン中止、ヘパ
リン投与による抗凝固療法に切替えたところ、発熱を伴う急激な血小板減少と腎機能悪
化、貧血の進行およびADAMTS13活性の低下を認め、血栓性微小血管障害(以下TMA)
と診断された。ステロイドパルス及び連日の血漿交換とワーファリン投与、FKからシクロ
スポリンへの切替えを行い、徐々に血小板は増加したが、腎機能悪化により血液透析導
入となった。
【考察】
考察】本症例におけるTMAの病因はSLE、APS、FKが考えられるが、ワーファリン中止直
後の急激な病状進行は、入院時既に血管内皮障害による潜在的血栓形成状態であった
ことを示唆しており、APSの活動性が主原因と考えられた。血漿交換が有効であった理由
として抗体除去、凝固異常の是正が考えられた。