第5回レポート問題 - 電気通信大学数学教室

レポート作成にあたっての注意
• 配布する解答用紙を使用すること.原則としてそれ以外の様式での提出は認めない.
• レポート作成にあたって,
– まずは自分ひとりで考えてみること.
– その上でよく分からなければ,いろいろな書籍を手に取って参考にしてみる,あるい
は友人や先輩に相談しにいって教えてもらうということは構わない.
– 但し,他の教員の方々はお忙しいのでこのレポートの問題について質問しにいかない
こと.もちろん数学演習の時間に担当教員に質問するのも NG とする.
• 文献や謝辞を明示すること.
– もし教科書以外の書籍を参考にした場合は,どのような書籍を参考にしたのか文献名
と著者名を明記すること.
– また友人や先輩と相談した場合には,その人たちの氏名を漏らさず明記し,謝辞を述
べること.
これが守られていない疑いがある答案を見つけた場合には,別途事情を聴く可能性がある.
参考にした文献や相談した人がいるにも拘わらずそれを明記していないことが発覚した場
合,厳正に対処する.
• なお,このレポートの内容は,成績評価に加味する.
但し,たとえ参考文献や相談した人の名前が明示してあっても,中身を理解しないまま
丸写ししていると思われるレポートに対してはわずかな加点しか行われないことに注意し
て欲しい.文献を読んだり教えてもらったりすることは大いに推奨するが,あくまでも答
案においては,自分の理解を自分の言葉で記述するように心がけること.
電気通信大学 2014 年度 線形代数学第二 (担当:榎本直也)
第 5 回レポート(2014.11.18 配布)2014.11.25 講義開始時締切
テーマ「線形写像」
1
m × n 行列 A を左から掛ける x 7→ Ax によって定まる線形写像 Rn → Rm を fA と書く.
(1)



A=


3
1
0
3 −3 −2 


−3 −1 0 
−3 1
1
のとき,線形写像 fA : R3 → R4 の核 Ker fA と像 Im fA の次元をそれぞれ求め,さらにそれ
ぞれの基底を 1 つ求めよ.
(2)

 

x1
4x1 + 2x2 + x3 + 6x4

 

f  x2  =  2x1 + 2x2 + 4x4

x3
5x1 + x2 + 2x3 + 6x4
で定まる線形写像 f : R4 → R3 を fB の形で表したとき,B はどのような行列になるか求め
よ.また,線形写像 fB の核 Ker fB と像 Im fB の次元をそれぞれ求め,さらにそれぞれの基
底を 1 つ求めよ.
(3) (1) の fA と (2) の fB について,2 つの写像の合成 fA ◦ fB : R4 → R4 と fB ◦ fA : R3 → R3 を
考える.Ker(fA ◦ fB ) と Im(fA ◦ fB ) の次元をそれぞれ求め,さらにそれぞれの基底を 1 つ
求めよ.また,Ker(fB ◦ fA ) と Im(fB ◦ fA ) の次元をそれぞれ求め,さらにそれぞれの基底
を 1 つ求めよ.
(4)
([
φ
−5
4
])

1


=  −1  ,
2

([
φ
−1
1
])


3


=  −2 
−5
によって定まる線形写像 φ : R2 → R3 を考える.
[ ]
x
∈ R2 をどのような R3 の元に移すか求めよ.
(i) 上の線形写像は,
y
(ii) φ を fC の形で表したとき,C はどのような行列になるか求めよ.
2
次の写像 φ : V → W が線形写像であるかどうかを理由をつけて答えよ.さらに,もし線形
写像である場合には,その像と核について,次元と基底をそれぞれ一組求めよ.
(ヒント:線形写像でないものは 1 つだけです.
)


x1
 x2  √


(1) n ≧ 2 とする.φ  .  = x21 + x22 + · · · + x2n で定義される φ : Rn → R.
.
 . 
xn
(2) φ(f (x)) =(f (x) を x2 + x + 1 で割った余り)で定義される φ : R[x]n → R[x]1 .
(3) V = ⟨sin x, cos x, sin 2x, cos 2x⟩ という C ∞ (R) の部分空間とし,
[
]
f (0)
φ(f (x)) =
f ′ (0)
で定義される φ : V → R2 .
(4) φ(f (x)) = (x2 + 1)
df
− 2xf (x) で定義される φ : R[x]3 → R[x]4 .
dx
(5) φ(f (x)) = f (−x) + f (x) で定義される φ : R[x]n → R[x]n .
∫ x
′
(6) D(f (x)) = f (x) と I(f (x)) =
f (t)dt で定義される写像 D : R[x]n → R[x]n と I : R[x]n →
0
R[x]n の合成写像 D ◦ I : R[x]n → R[x]n と I ◦ D : R[x]n → R[x]n .