ガスクロマトグラフ質量分析装置購入仕様書

ガスクロマトグラフ質量分析装置購入仕様書
1. 適用範囲
(1)本仕様書は、名張市(以下「発注者」という)が購入する「ガスクロマトグラフ質量
分析装置購入」に関し、発注者及び納入業者(以下「契約者」という。)が遵守すべき
事項を示すものである。
(2)本仕様書は、本購入に関する特有な仕様事項を示すものである。
(3)契約者は、本仕様書は勿論のこと、諸関係法規等を遵守し、延滞なく誠実に契約を履
行すること。
2. 機器概要
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)は、有機化合物の定性・定量分析を行う装置
である。装置の分離カラムに試料を送ることで、親和性・溶解性・吸着性などの違いによ
り試料中の各成分は分離され、質量分析計(MS)にて各成分の質量数(m/z)を検出する。
得られたクロマトグラムやマススペクトルから、主に有機成分の定性(同定)及び定量分
析が可能となる。そのため、環境分析、医療分析等幅広い分野で多く用いられている。
水道分析では、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)の前にパージ・トラップ濃縮
導入装置を付加させることにより、水中に含まれる極微量の揮発性有機化合物等(発ガン
性物質、臭気物質)が測定出来る。
3. 購入機器の仕様
水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成 15 年 7 月 22
日厚生労働省告示第 261 号(最近改正使用))に規定する検査方法及び平成 15 年 10 月
10 日付建水発 1010001 号(最近改正使用)の検査方法に準じたガスクロマトグラフ質量
分析装置であること。
また、本購入は、限られた人数で、基準項目等を手間なく測定出来る装置を購入するこ
とを目的としているため、現在保有するガスクロマトグラフ質量分析装置との組み合わせ
により、以下のシステムを構築させること。
4. ガスクロマトグラフ質量分析装置システムの内容
(1)かび臭分析及びハロ酢酸等液打ち分析システム
①ガスクロマトグラフ質量分析装置本体型式
Agilent5977A(MS部)+Agilent7890B(GC部)(アジレントテクノロジー社製)
又は、GCMS-QP2010 Ultra(島津製作所社製)
②パージ・トラップ濃縮導入装置型式
AquaPT6000(ジーエルサイエンス社製)
③ガスクロマトグラフ部の仕様
オーブンは、室温+4℃∼450℃の温度範囲を1℃刻みで制御でき、10段階
以上の昇温プログラムを持ち、周囲の温度変化に安定であること。
注入口は、2個あること。
1
1個は、パージ・トラップ濃縮導入装置を使用したかび臭分析システムの
注入口とし、もう1個は、ハロ酢酸等液打ち分析システム(スプリット/
スプリットレス)の注入口とする。
内径0.25mm長さ30m(かび臭分析用)のキャピラリーカラム等を両方
の注入口に同時に装着できる構造であること。
ハロ酢酸等液打ち分析システム(スプリット/スプリットレス)の注入
口は、50サンプル以上が、連続測定できるオートサンプラーを設置する
こと。
キャリアーガスのヘリウム用ガス精製器を有すること。
④質量分析部の仕様
電子イオン化法を備える四重極型質量分析計であること。
イオン化電圧は、30∼200eVの範囲で設定でき、質量範囲は、2∼1000amu
で、設定できること。スキャン速度は、10,000amu以上であること。
スキャン測定とSIM測定が、同一分析内で可能であること。
長期間運転可能な大排気量のターボ分子ポンプを備え、オイルミストフ
ィルター付の補助ロータリーポンプを備えること。
オートチューニング、マニュアルチューニングを有すること。
⑤パージ・トラップ試料導入装置の仕様
サンプル流路が、不活性化処理されていること。
PCより各種パラメータの設定と制御ができること。
50サンプル以上が搭載でき、サンプルバイアル冷却装置付オートサンプ
ラーを備えること。
オートサンプラーおよびパージ管の自動洗浄装置(洗浄用水容器・排水
受器付)を備えること。
内部標準液を自動添加できること。
⑥データ処理及び制御部の仕様
日本語Windows7または8を用いた制御ソフトであること。
ソフトウェアとしてMS-Exce1を備え、定量結果(濃度、面積儂等)を
MS-Exce1(測定に支障がない最新版を用いる事)に転送できること。
化学物質検索用ソフトウェア(NISTマススペクトルライブラリ)の最新
版が使用できるようにしておくこと。
定量分析・定性解析が、簡単に行え、前回の検量線を用いた定量分析が
でき、報吉書として印刷できること。
機器操作及び保守並びに解析を行うにあたり必要となる下記物品を付
属すること。
マウス、キーボード、外付HDD(1000GB以上)、リカバリー用ソフトウェ
ア、プリンター(機器標準プリンター)
2
(2)揮発性有機化合物分析システム
①ガスクロマトグラフ質量分析装置本体型式
現有機器のAgilent5973N(MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレントテクノロジー
社製)又は、GCMS-QP2010 Ultra(島津製作所社製)
②パージ・トラップ濃縮導入装置型式
AquaPT6000(ジーエルサイエンス社製)
揮発性有機化合物分析システムの場合は、上記仕様に加え、自動希釈機能を備えて
いること。
③システムの構成について
現有機器(Agilent5973N(MS部)+Agilent6890(GC部))とAquaPT6000のシステ
ムで、据付調整が出来ないと判断した場合は、GCMS-QP2010 UltraとAquaPT6000
のシステムとすること。
④GCMS-QP2010 Ultra(島津製作所社製)の基本仕様は、上記記載内容とするが、
注入口は、1個であり、詳細な仕様は、揮発性有機化合物の測定に影響がない様に
すること。
(3)漏水判定用揮発性有機化合物分析システム
①ガスクロマトグラフ質量分析装置本体型式
Agilent5973 (MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレントテクノロジー社製)
(現有機器)又は、Agilent5973N(MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレントテクノ
ロジー社製)(現有機器)
②ヘッドスペースサンプラー(試料導入装置)
Agilent7964(アジレントテクノロジー社製)(現有機器)
③システムの構成について
揮発性有機化合物分析システムにおいて、GCMS-QP2010 Ultraを納入した
場合は、Agilent5973N(MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレントテクノ
ロジー社製)(現有機器)を漏水判定用揮発性有機化合物分析システムと
する。その際、上記Agilent5973N(MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレ
ントテクノロジー社製)
(現有機器)のサンプリング用電磁弁等を設置し、
Agilent7964(アジレントテクノロジー社製)(現有機器)の接続を行い、
揮発性有機化合物を測定出来るようにすること。その時は、Agilent5973
(MS部)+Agilent6890(GC部)(アジレントテクノロジー社製)が不要と
なるため、適切な処分を実施すること。
据付に際し、据付実験台を本購入に含むものとする。
5. 測定項目
ガスクロマトグラフ質量分析装置システムで測定する項目は、かび臭成分、ハロ
酢酸類(基準 3 項目)、ホルムアルデヒド、フェノール類、抱水クロラール、ジク
ロロアセトニトリル、フタル酸ジエチルヘキシル、農薬類(固相抽出 GCMS で規定
されている項目)、揮発性有機化合物(和光純薬工業製 25 種揮発性有機化合物標準
3
液に入っている物質)、漏水判定用分析システムは、和光純薬工業製 25 種揮発性有
機化合物標準液に入っている物質の 1,4 ジオキサンを除く、揮発性有機化合物とす
る。
6. 納入場所
名張市上下水道部水質試験室
7. 測定に際し必要なもの(予備品及びカラム等)
ガスクロマトグラフ質量分析装置システムで測定する項目の必要な消耗部品等を
下記のとおりとする。なお、本仕様書に記載されていない事項であっても、機能上
当然必要となる備品等は、誠意をもって納入すること。
(1) カラム
上記測定項目に際し、必要なカラム(メーカーが推奨するカラム)を各システ
ムに備え付けること。(ただし、漏水判定用揮発性有機化合物分析システムを除
く)
また、ハロ酢酸等液打ち分析システムのカラムは、メーカーが推奨する別カラ
ムを納入すること。
(2) パージ・トラップ濃縮導入装置の消耗部品
専用バイアル瓶及びキャップ
200 個以上(メーカーが推奨するもの)
専用キャップ用セプタム 3,000 個以上(メーカーが推奨するもの)
トラップ管(カビ臭分析用、VOC 分析用)
各2本
パージ管(カビ臭分析用、VOC 分析用) 各2本
(3) メソッド
上記項目の測定メッソドについては、メーカーが保有する測定メソッドを納品
すること。また、測定メソッドにおける発注者の質問事項については、誠意をも
って対応すること。
8. その他
(1)当該機器の設置
当該機器の設置に係わるガス配管工事及び電気工事等のすべての経費は、本購
入に含むものとする。なお、漏水判定用揮発性有機化合物分析システムの工事概
要は、既存電灯盤内にブレーカーを2個新しく取付(単相 200V)、新設ブレーカ
ーにより既設配管(天井へ)通り、天上内にある電気ラックを利用しケーブル布
設行なうこと。また、天井に2箇所穴をあけ壁面に沿ってメタルモールでケーブ
ルを立下げ、床より 1.3mの位置にコンセント BOX を2個、取付すること。
(2)据付調整及びサポート
据付調整を実施し、その後担当職員に対して十分な取扱説明を実施すること。
また、据付調整時にかび臭成分、揮発性有機化合物の測定を実施し、メー
カーの標準検収を実施すること。その時の標準試薬は、契約者が準備する
こと。
4
漏水判定用揮発性有機化合物分析システムは、発注者が準備する和光純薬
工業製 25 種揮発性有機化合物標準液(1,4 ジオキサンを除く)に入ってい
る物質を測定出来る状態にすること。
納入機器について、メーカー主催の研修に2名の無償参加を認めること。
(3)保証
納入された機器の能力内で使用中発生した 1 年間以内の故障については、修理調整
等を、責任を持って無償で行うこと。
(4)納入機器の性能及びシステム構成の確認書類
契約締結後、納入機器の性能及び各システム構成の仕様内容を満足することが確認
できる書類を提出すること。
(5)その他の事項
この仕様書に定めない事項及び疑義の生じた事項については、双方協議の上決定す
るものとする。
(6)納入期限
納入期限は、平成 26 年 6 月 30 日とする。
5