シリコン系先進デバイス技術 Silicon-Group Advanced Device

シリコン系先進デバイス技術
Silicon-Group Advanced Device Technology
(工学研究院・電気電子工学専攻)須田良幸*
塚本貴広 須田研究室
*連絡先 E-mail: [email protected]
0.70
0.30
30 nm
ドレイン電流 (mA/mm)
Ge FET,
Si FET,
1.はじめに
III‐V FET
歪Si FET,
Ge MOS
Si HBT, III‐V HBT
歪Si MOS
Ge sensor
Si MOS
半導体成膜法として、現行のガスソー
Ge 仮想基板
歪Si
ス法(CVD法、GSMBE法)に代えて、資源利
Si 基板
用効率が高く、環境に優しい環境軽負荷
1.図 1 の Si 基板上の歪 Si 層や Ge 層を用いて、Si、歪 Si、
型のスパッタ(エピタキシー)法を開発し、図
Ge、Ⅲ-Ⅴ系の各デバイス(素子)の複合集積化が期待される.
さらに、資源が豊富なSiを中心とした、
-1.6
最上曲線 Vgs = -0.5V, +0.5V/ステップ
ソース ゲート ドレイン
-1.4
: 理論
Si系材料を用いた高速の論理デバイス
Au
Al
Au
: 実験
-1.2
真性Si
(素子)、高密度メモリ、太陽電池の開発
40 nm
-1
p型Si Ge
など、環境軽負荷型の次世代半導体素子
-0.8
30 nm
-0.6
技術の研究・開発を進めています。
真性Si
-0.4
3-4 Ω cm
n型Si (100)
-0.2
2.Si 系先進素子技術
0
0
-2
-4
-6
-8
-10
ソース対ドレイン電圧 (V)
(1) 従来のガスソース法では実現が難し
かったトランジスタの高速化ための平坦 図 2.本スパッタで作製した高速型 DCFET の構造と特性.
な歪Si膜やSi基板直上のGe膜の形成(Ge
Au
仮想基板)をスパッタ法で実現しました。
Ge 15 nm
E
d
E
Si 2 nm
4
Ge d nm
これによりSi基板上にSi、歪みSi、Ge、
Si 2 nm
Ⅲ-Ⅴ系素子を複合集積化した、高速高機
Ge 65 nm
3
能素子の実現が期待されます(図1)。
0.015 -cm
2
p型Si(001)
(2) 本スパッタを用いて、高速型の不純
Al
物ドープしたSi1-xGex チャネルを用いた
+V
電界効果形トランジスタ(DCFET) (図2)、 図 3.Si/Ge 積層トンネルダイオード(RTD)の作製に世界で
初めて成功.
また、平坦Ge膜形成技術(Ge仮想基板)を
40
用いた高速型のSi/Ge共鳴トンネルダイ
30
オード(RTD)の試作に成功しました(図3)。
Al
20
また、ドーパント層の活性化に熱アニー
p ‐Si n型Si
ルの不要なスパッタ法と室温清浄化技術
10
Al
を組み合わせた低コスト太陽電池の作成
0
技術の研究も進めています(図4)。
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
電圧 (V)
(3) 大容量化に対応する2端子型で、PN
+
ダイオード型などの抵抗変化型不揮発性 図 4.スパッタ法で p 活性層を形成した太陽電池の作製.
メモリ(ReNVM)を提案し(図5)、スパッタ
Au
法を用いて、200 ℃以下の低温プロセス
p-Cu O
SiO
のみを用いた作製にも成功しています。
500
Si/Ge/Si 単一井戸共鳴トンネルダイオード
RTD
電流密度 (A/cm2)
400
室温
井戸幅 (nm)
lh1
hh1
300
200
ベースライン
100
0
ベースライン
0
0.5
1
1.5
印加電圧 (V)
成膜温度
o
370 C
電流密度 (mA/cm2)
o
+
390 C
o
410 C
o
450 C
o
490 C
o
520 C
700
600
2
x
n-SiC
謝辞:本研究の一部は文部科学省科学研
究費補助金基盤(B)、若手研究(B)、およ
び、挑戦的萌芽研究の支援を受けて進め
ました。
Al
n-Si
(111)
電流密度 (A/cm2)
500
: (a) 室温SiC/SiOxスパッタ成膜
: (b) 1114K SiCスパッタ成膜
+ 1073K SiOx熱酸化
400
300
200
100
0
-100
-6
-4
-2
0
2
4
6
印加電圧 (V)
図 5.提案した 2 端子型不揮発性メモリの構造と特性.