ITプラットフォーム事業本部 - Hitachi Smart Navigator

世界を、
拓こう
地球規模で、新たな社会基盤を生み出す。
世界にあふれるデータを、蓄積し活用するITプラットフォームを築く。
地球上のあらゆる場所で、
日々膨大なデータが生まれ続けている。
そしていま、これらすべてのデータを収集・蓄積し、
リアルタイムな分析を図ったり、活用したり…、
そんなビッグデータ時代が幕を開けた。
私たちは、世界中にあふれる膨大なデータを簡単かつ効率的に格納し、
知識化されたスマートな情報として、
いつでもどこからでも、
活用できる世界を築こうと考えている。
しかも、その活用は極めてセキュアで、
INDEX
3.4
願う未来をデータで導く
事業概要
ITプラットフォーム事業本部の役割
5.6
変化の中で私たちが求める人財「Lead the self」
∼夢に向かって挑戦し続ける人財∼
製品紹介
7.8
THE STRATEGISTS' STORY
地域や国境を越え、
地球規模の市場を舞台とした
ビジネス戦略で、
社会イノベーションに貢献する
9.10
PROJECT STORY
厳しい信頼性と堅牢性が求められる
社会インフラシステムの
サーバ管理を実現し、国際社会に貢献
11.12
柔軟かつスピーディなものでなければならない。
前人未踏の挑戦への高らかな決意表明なのだ。
ソフトウェア設計開発:
ミドルウェア
HAKIZABERA
UWERA ALINE
私たちが掲げる“One Platform for All Data”は、
そんな次代の社会基盤を築く
〈社員紹介〉
13.14
〈社員紹介〉
ソフトウェア設計開発:
組込
越智 隆
15.16
〈社員紹介〉
17.18
〈社員紹介〉
19.20
〈社員紹介〉
21
〈社員紹介〉
22
〈社員紹介〉
23.24
ITプラットフォーム事業本部の
「夢と挑戦」
ハードウェア設計開発
山崎 達誌郎
サービス・ソリューション
八木 裕司
製品企画・マーケティング
熊谷 奈緒子
品質保証
矢島 信行
販売促進
小嶋 洋輔
最先端技術
「エンジニアの意地。」
シンボルスポーツ
「ストイックに鍛える。」
新興国「留職」プログラム
グローバル人財育成
「未来を変えるイノベーター。」
技術者育成
「リーダーシップを養う。」
25
26
〈事業本部長メッセージ〉
岩崎 秀彦
教育研修/福利厚生
2
ITプラットフォーム事業本部について
願う未来をデータで導く
交通機関の利用者数、インターネットの閲覧履歴、為替の変動、世の
事業概要
世界トップレベルの技術によるITプラットフォーム事業をグローバルに展開、
公共、金融、産業、流通など幅広い分野で事業や業務を支える。
中すべての活動からデータは生まれ、その量は爆発的に増大していま
す。しかし、ただ膨大なデータを伝達したり蓄積したりしただけでは新
経済活動を支える金融分野、工場の生産管理や物流などの産業分野、国
たな価値を生み出すことはありません。
や自治体のサービスや交通、通信、医療といった身近な分野に至るまで、
私たちはお客様がこうありたい、この問題を解決したいと思う課題に
情報システムは必要不可欠です。ITプラットフォームとは、これらの情報
対して、問題はどんなデータとして現れているのか?解決のためには
システムにおけるさまざまなアプリケーションプログラムを稼働させる装
データをどう活用するべきか?を一緒に考え、ソリューションとして提供
置やソフトウェア(ミドルウェア)群の総称です。主な構成要素は、情報処
することに日々取り組んでいます。このような活動によってお客様はも
理の中核を担うサーバ、データを蓄積するストレージなどの装置、情報シ
ちろん、その先の人々の生活をより豊かで快適なものにする、それが私
ステム共通の汎用的な機能を提供するミドルウェアです。
たちのミッションです。
日立の ITプラットフォームは、情報システムの安定稼働を支える最先
例えば、次から次へと生まれる新製品の中で、ヒット商品をいち早く
端で高信頼・高性能な共通基盤として、グローバルに事業を展開してい
皆様にお届けしたいと願うスーパーマーケット(お客様)に対して、SNS
ます。先進の仮想化技術、大量のデータを蓄積・管理・処理する技術な
のデータを分析し、ヒット商品の兆しを提供できれば、お客様の売上を
どの世界トップレベルを誇る技術を駆使したサービス・ソリューションを
向上させ、さらには新商品を購入したお客様の満足を高めることができ
開発し、国内外のお客様・パートナーとの協創活動を通じて、スマートな
ます。また製造業や交通関係のお客様が使う機械装置では、利用年数
社会の実現に向けて貢献します。
ビッグデータ
や時間に基づく単一的なメンテナンスだけでなく、音、電流、温度など
の多様なデータを取得して部品の劣化や故障の予知をすることで、保守
費用や、装置故障による業務停止時間の削減が可能になります。一見関
係なさそうな、誰も着目しないような視点から、事実をデータに語らせ
ることでお客様に新たな価値を提供する。これが私たちの考える社会イ
ノベーションです。
ITプラットフォーム事業本部の役割
市場ニーズはビッグデータを活用したソリューションの提案やクラウド
お客様
によるIT基盤の仮想化、初期費用を抑えた統合プラットフォーム製品の
また、SEのいないグローバル市場へと打って出るために開発者中心の
事業部である私たちも直接お客様の元へ出向き、お客様自身も気づいて
いない課題や潜在的なニーズに応える一手を誰よりも早く提供すべく、
海外販社であるHitachi Data Systemsとの一体運営の強化や、海外
のパートナー企業との密な連携を進めています。
今後も、グローバル市場での顧客視点を意識しニーズをくみ取ること
で、よりマーケットイン型のソリューション事業へのシフトを加速させ、
日立の情報 通信事業を担う中核として、社会イノベーションを支える
プラットフォーム事業を拡大させていきます。
業種事業部
SE
ソリューション提案からシステム構築・
メンテナンスまでを一貫して対応
・金融・公共・製造業
・流通業・通信キャリア
ーズの抽出
題・ニ
課
それにあわせ、今まで以上に営業・SEとの連携を強化していきます。
製
品
・ソ
リューション提供
提供などへと変化し、価値をお客様と共に創造する時代へ変化しました。
ITプラットフォーム事業本部
サーバ、ストレージ、ソフトウェア(ミドルウェア)
統合製品等のシステムを支える
製品設計・開発と
製品サービスを提供
情報
・通信システム社
社内
社
カンパ
プ会
ニー・事業
グルー
部 研究開発グループ 3
4
製品紹介
ITプラットフォーム事業本部について
変化の中で私たちが求める人財「Lead the self」
Social Innovation
∼夢に向かって挑戦し続ける人財∼
グローバルに広がる社会イノベーション
「リーダーシップ」
・・・。この言葉を聞くと皆さんはきっと社長とか、行
やりとりがそれらを支えています。一瞬のうちにデータを処理し、記録する。情報通信ネットワークが発達した現在、膨大な
政の長とか、スポーツチームのキャプテンとか、いわゆる世間でリーダー
データ処理が世界中で便利で快適な生活を実現するにつれ、
その影響範囲も拡大しています。万が一システムが止まるよう
私たちが鉄道を利用するとき、病院で診察を受けるとき、コンビニエンスストアで買い物をするとき、実は数々のデータの
なことがあれば、一秒ごとに数億ドルが失われ、多くの人命すら危機にさらしてしまうこともあり得るのです。
と言われる人だけが持っている何か特別な要素だと考えられる方が多い
日立の ITプラットフォームは、
このようなデータ処理を高い性能と信頼性で支えることを使命としています。大切なデータ
と思います。
を決して失わず、24時間365日止まることなく動き続けるために、徹底的に考え抜いて設計し、
考えられる限りのテストを実
しかし、私たちは「リーダーシップ」を単にリーダーだけに求められる資
施する。そうして世に出た製品・サービスが、
世界中の交通、金融、流通などさまざまな社会インフラを支えています。
Cloud Computing
質とは考えていません。私たちの考える「リーダーシップ」とは、自分が人
生を賭けて実現したい夢や目標に向けて、自分自身をリードする「Lead
クラウドコンピューティングを実現するITプラットフォーム
the self」というマインドそのものだと思っています。従ってそれは年齢や
所有から利用へと ITのパラダイムシフトを起こしたクラウドコンピューティング。そのクラウドコンピューティングは、企業
立場、経験に関係なく、誰もが有することができる力と信じています。
活動のさまざまな現場で生まれる大容量データを収集・蓄積・分析することで、新たな価値を創造するビッグデータ時代の
製品であれ技術であれ、社会を変革し未来をも変えようとする革新的
基盤としても注目されています。
日立のITプラットフォームは、ハードウェアの信頼性やサポートのきめ細かさなどで高い評価を得ており、高信頼なクラウ
な社会イノベーターは、時に“異能・異端”
と見られることもあるかもしれ
ドサービスをつくる基盤としてお客様にご利用いただいています。すでに新規ビジネスから開発業務、大規模な基幹業務ま
ません。しかし成功するためには、周囲に踊らされることなく、主体的に
で、幅広い分野・用途への導入が進んでいます。例えば、入手困難なチケットをWebで予約する、限定商品をインターネットで
行動力を発揮しながら、変化や失敗を恐れることなく、己の信念のまま
購入するなど大勢の人が同じデータに殺到したときにも、アクセスが遅くなったり、
システムがダウンしたりすることなく柔軟に
に挑戦し続けることがとても重要となります。
対応するシステムを構築できます。つまり、
社会インフラを支えクラウドサービスを実現している ITプラットフォームは、
さまざ
まなニーズに対して柔軟であることが重要です。
ではその原動力とは何でしょうか?それは自分自身の内なる衝動、想
必要なときに、必要なだけの処理能力や記憶容量を割り当てて使うことができる柔軟なITプラットフォームを、ハード
いそのものなのです。そして想いを周囲に語りかけ、仲間を作り、最後ま
ウェア、
ソフトウェア、
サービスを緊密に統合した
“One Platform for All Data”で実現しています。
Solutions
で決して諦めることなく前例の無いイノベーションを実現させること。そ
れこそが「Lead the self」のマインドそのものなのです。
“One Platform for All Data”を実現する製品群
私たちはそんな「Lead the self」のマインド溢れる人財を待っています!
!
誰もが安全・安心に暮らせる社会を支えるために、ITプラットフォーム事業本部ではより多くのデータを柔軟に、
簡単に扱うことのできる最先端の技術開発に取り組み、製品やサービスに活かしています。
グローバルにユーザ視点のビジネスを推進していくには今まで以上に幅広い、
多種多様な人財を必要としています。さまざまなフィールドの中で、
皆さんの活躍を期待しています。
ソフトウェア設計開発:ミドルウェア
ハードウェア設計開発
運用管理製品やアプリケーション基盤製品などのミドル
ウェアの開発や技術コンサルティングの提供、オープン
ソースのサポートサービス提供などを行います。
製品企画・
マーケティング
品質保証
サーバおよびストレージ 装 置 の 筐体 設
計、電源設 計、LSI設 計、性能評価、論
理設計など、多岐にわたった業務があり
ます。また熱シミュレーション技術を
活用した大 規模高密度装置の実
装設計も行います。
長年蓄積した信頼性技術をもと
に、開発段階から製品出荷まで
製品・サービスの品質向上活動
を行います。出荷後もお客様
視点で問題解決に取り組み
ます。
お客 様のニーズや業界動向
の調査、自社技術をもとに、
次世代製品の企画や事業化
を行います。
■統合プラットフォーム分野
■ストレージ分野
■ミドルソフトウェア分野
■サーバ分野
クラウド構築の最新統合
プラットフォーム
Hitachi
Unified Compute Platform
最先端の仮想化ストレージを
簡単に活用
お客様のビジネス革新や
業務品質・効率の向上を柔軟
に実現
高信頼・高性能な製品で
24時間365日止まらない
情報インフラを支える
高度で複雑な運用を、誰もが簡単に実
行できる統合システム運用管理ソフト
ウェア「JP1」は、
15年連続国内シェア
トップを堅持しています。またクラウド
サービスプラットフォーム 「Cosminexus」はクラウド環境下のITシステムを業
務視点で「見える化」することでサービ
スのすばやい提供と改善を可能にし、
ビ
ジネスの発展に寄与しています。ノンス
トップデータベース「HiRDB」は、
「止め
ない」設計思想に基づいて日立が自社開
発する純国産RDBMS(リレーショナル
データベース管理システム)です。
日立が長年培ってきた技術・ノウハウを
幅広く提供し、これらの高信頼ミドルソ
フトウェアとサービスで社会の基幹シス
テムの安定稼働を支えています。
日立のサーバは豊富なラインナップを
持ち、安定稼働が求められるミッショ
ンクリティカル分野で多くの実績があ
ります。
高 集 積 / 高 性 能 なブレードサーバ
「BladeSymphony」は、柔軟な構成
変更や一元的な運用管理が可能であ
り、日立独自のサーバ論理 分割機構
「Virtage」を搭載する先進的な製品
です。
また、さまざまなワークスタイルの実
現に対応するため、強固なセキュリ
ティ機能を備えたシンクライアント製
品や、高効率なデータセンタの構築や
運用を可能にするモジュール型データ
センタなど、お客様のニーズに応じた
ソリューションも提供しています。
交通機関、銀行、官公庁など
で今も活躍する大型メインフ
レームコンピュータ。この技術
を受け継ぎ、最新の高性能ス
トレージ、日本No.1※1のシェア
を持つJP1などの運用管理ソ
フトウェア技術を組み合わせ
た、クラウド構築のための最
新統合プラットフォームです。
Hitachi
Unified
Compute
Platform
高速データアクセス基盤
Hitachi
Advanced Data Binder
プラットフォーム※2
販売促進
お客 様やパートナー のシステムニーズに
合った形で製品を提供できるよう、営業・
SE部門の受注活動を支援します。
ソフトウェア設計開発:組込
サーバおよびストレージの仮想化、データの読み書きの制
御、装置間のデータコピー・移動機能など、サーバおよびスト
レージ装置に組み込まれるソフトウェアの開発を行います。
5
サービス・
ソリューション
お客 様のニーズに基づき、IT
プラットフォーム製品を用い
たサービスやソリューションの
企画および提供を行います。
超高速でのビッグデータ利活用を実現
する基盤です。データ処理の飛躍的な
高速化により、タイムリーな分析が可能
となり、お客様のビジネス革新に貢献し
ています。データ検索性能は自社従来
比約100倍に向上。
「T P C - H」※3で 最 大 の
データベース規模100テ
Hitachi
ラバイトクラス性能 測定
Advanced
Data Binder
結果リストに世界で初めて
プラット
登録されました。
フォーム
世界をリードする仮想化技術で、国内外
に350を 超える特許を持つ日立スト
レージ。ミッドレンジディスクアレイの
ハードウェアに仮想化機能を搭載し、運
用管理負担を軽減しつつも、高い運用性
や 高 信 頼 なデ ー タ保 護 を 実 現 する
「Hitachi Unified Storage VM」。進化
した仮想化・自動化技術により、クラウド
環境に最適なストレージ基盤を提供する
「Hitachi Virtual Storage Platform」。
この先端技術の結晶を、特別な訓練や
経験がなくても自在に扱うことを可能に
した 運 用管 理ソフトウェア「Hitachi
Command Suite」。利用者の視点で徹
底した検証と改善を繰り返し、巨大な
データセンタの稼働状況をひと目で把
握し対処できるユーザインターフェースを
実現しています。
Hitachi
Command
Suite
Hitachi
Unified
Storage VM
BladeSymphony
Hitachi
Virtual
Storage
Platform
※1 2012年度国内運用管理ソフト市場での売上シェア(テクノ・システム・リサーチの調査による)
※2 内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」
(中心研究者:喜連川 東大教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用。
※3 「TPC-H」は、非営利団体であるTransaction Processing Performance Councilが仕様を定めているデータベースシステムの標準的なベンチマーク。
6
マーケットドリブンな姿勢で、
グローバル市場で選ばれる製品や
ソリューションの提供を実現。
地域や国境を越え、
地球規模の市場を舞台とした
ビジネス戦略で、
社会イノベーションに貢献する
∼明日のグローバル戦略をデザインする
プロフェッショナル群像∼
グローバル化が進むこの時代の情報通信システムは、
当初から国際社会を見据えたものとならざるを得ない。
ここには、企業活動や社会形成のための重要な資源である
データを、収集し・蓄積し・価値ある情報として活用するための
ITプラットフォームのあり方をグローバルな視点で俯瞰し、
具体的なソリューションとして提案する。
そんなプロフェッショナルたちが存在している。
ここでは、彼らの活動の一端を紹介したい。
7
※この記事の内容、登場人物の所属は取材時のものです。
̶̶はじめに、皆さんが所属しているITプラット
フォーム事業本部、事業統括本部のPFビジネス
本部について、さらにその中での皆さんのミッ
ションを簡単に教えてください。
長谷川:サーバ、ストレージ、ソフトウェア製品
ごとの個別最適ではなく、当初からそれらが一
体となったプラットフォームとしてのあるべき姿
を描くことが、私たちPFビジネス本部の使命で
す。そのために、市場ニーズと開発シーズを摺り
合わせ、高品質な製品を活用してさまざまなビ
ジネス課題の解決に導くソリューションを提案
して いま す。ま
た、サーバ、スト
レ ージ、ソ フト
ウェアが 一 体と
なったソリュー
ションをご 提 供
することで、お
客様は既にその
安定性や動作性
が検証され確認されたシステムを、導入したそ
の日から即戦力化することができます。これに
より、製品を個別に導入する際にかかる構築・
確認の時間と労力を、ビジネス戦略やシステム
戦略の策定など、より生産性の高い仕事に振
り分けていただけることが、私たちのソリュー
ションが選ばれている理由です。
伊東:市場とものづくりの架け橋たる私たちの
基本姿勢は、
『お客様のビジネスへの寄与を第
一に考えた製品提供』。まさに、グローバルな
市場にしっかりと立脚して「お客様が求めるも
の」を先読みしてご提 供しよう、ということで
す。長谷川さんからも「個別最適ではなく全体
最適を」というお話がありましたが、以前から
製品ごとに企画部門があり、市場のニーズに
沿った『マーケットイン』を進めてきました。し
かし2012年4月のサーバ、ストレージ、ソフトウェ
ア組織の統合を機に、プラットフォームとしての
トータルな視点でビジネス戦略を立案できる体
制を整えました。私たち自身がグローバル市場
にさらに一歩深く入り込むことで、そもそもお客
様ご自身も気づいていない潜在ニーズを発掘・
顕在化させて、次世代/次々世代の製品やソ
リューションのあ
り方を開発部門
にフィードバック
したり、逆に 新
しい技術を市場
に紹介 すること
で用 途 開 発を
図 ったり… 、そ
ん なインタラク
ティ ブ な 動 き
が、私たち統合PFビジネス推進部の役割です。
さらに、費用対効果を考え、最終的な「収益責
任」を負っているという点が、この仕事の難し
さであり、やりがいでもあります。
砂田:グローバル市場に立脚した「マーケットイ
ン」な姿勢を製品づくりに還元しようというベ
クトルは、ストレージビジネス推進部も一緒で
す。私たちは、ストレージ製品の市場の動向を
見つめながら、製品企画や機能拡充・追加な
どの仕様定義プロセスに販売最前線の声を還
元。サーバやソフトウェアのチームとも連携しな
がら、バリューチェーンの上流∼下流を貫くポジ
ティブなスパイラル構造を確立して、製品をより
市場に求められるものとして磨き上げる役割を
担っています。
佐山:皆さんはエンジニアのご出身ですが、私は
文系出身で、入社以来ストレージ製品の海外向
け拡販施策や価格戦略に関わってきました。
これまでのお話にもあったように、今回の組織
統合には「グローバル市場の現状やトレンドを見
つめ、その成果をバリューチェーンの上流過程に
フィードバックしよう」という思想が色濃く貫か
れています。狭義の専門性や分野を超えたボー
ダレスな立ち位置でグローバル市場をカバーし
ようという意思が、組織の末梢神経や毛細血管
に至るまで、しっかりと貫徹されているのをひし
ひしと感じますね。
グローバル市場で活躍するための
ポイントとは…。
̶̶具体的な市場ニーズの吸い上げや新技術
の提案は、どのように進められていますか?
伊東:私たちが担当しているエンタープライズ
システムの市場
は、国内はもと
よ り 北 米・南
米・ 欧 州・中
東・アジア/パシ
フィック・アフリ
カの 全 域 に 広
がり、国 際ビジ
ネスを牽引する
大手企業や政府、公共団体などがお客様です。
その中で、エンドユーザの要件を収集すること
は、それほど容易ではありません。だからこそ、
北米を中心にグローバル市場をカバーする海外
販社Hitachi Data Systemsとの連係プレイが重
要になってきます。日々のメールや電話会議はも
ちろん、1∼2ヶ月に1回、日米のスタッフを一堂に
会した会議を開催。毎回、丁々発止のそれこそ
口角泡を飛ばす議論を繰り広げています。
長谷川:特にビジネス戦略や製品戦略立案な
どの最上流フェーズで、私たちがHitachi Data
Systemsに同行して世界のお客様を訪問する
機会も増えました。そのおかげで、リアルタイム
な市場ニーズを皮膚感覚で捉えることができる
ようになりました。お客様からも「自らの要求
や提案に耳を傾けるために、技術とビジネスの
双方が分かる人間がわざわざ日本から来てくれ
た」と歓迎していただいています。
砂田:私も改善提案などで海外のお客様先を
訪 れ ると、お 客 様 が 私 たち“ H i t a c h i +
Hitachi Data Systems”という、国境を感じさせ
ないチームとして捉えておられるのを感じます。
就職活動期には漠然と「国際的な活躍をする
には外資系日本法人」と考えていましたが、実
際これらの企業の活動は国内が主で、国際的
な仕事とは少し違う気がします。その点で私た
ちは、海外販社と一体となって戦略策定した
り、海外のお客様やパートナー企業とのやりと
りも多く、世界を相手にビジネスを展開してい
るということを強く実感できています。
̶̶国際ビジネスを担うために大切な条件や資
質は、何でしょう?
佐山:私はこの部署に異動してまず、驚いたの
は、伊東さんが言われていたように、グローバ
ル会議などでも、端で見ていてハラハラするく
らいにお互いの主張を戦わせている場面を目
にしたときです。大切なのは単なる語学力では
なく、言葉を道具としてどれだけ自己の意見を
理解してもらい、同時に相手の主張を理解する
か…。そんな人間力なんだと感じています。
長谷川:その通りですね。実は、私も入社時に
は英語が苦手でしたが、語学研修やHit achi
Data Systemsへの出向などのチャンスをいただ
き、いつの間にか慣れていったという気がしま
す。いま話があったように、語学はただの道
具。それを使って何を伝えるかがなければ、意
味がありませんね。
伊東:私も客員研究員というカタチで留学させ
ていただきましたが、国 際ビジネスの基 本は
「どこまで自分を信用してもらえるか」。つまり
ブレない確固たる核を保ちながら、相手の意見
を聞くことのできる柔軟さをあわせ持つこと、
じゃないでしょうか。
砂田:私はHitachi Data Systemsへ出向し、自
分の意見を言わなければ相手にされないとい
う環境の中で、鍛えられていった気がします。
皆さんが言われるように揺るぎない自己を保ち
つつ、
「分かろう、分からせよう」とする情熱こ
そが最も大切で、語学力なんてその後からつい
てくるものだと思います。
国際社会の機能そのものを
支えているのだ、
というプライドを原動力に。
̶̶どのような想いを持って日々の業務に取り
組んでいますか?
長谷川:私たちの仕事は、さまざまな部署の人
たちとの連携が不可欠ですから、常に強い熱
意や意思を堅持しながら、相互を調整しあう態
度を意識していたいですね。
事業統括本部 PFビジネス本部
統合PFビジネス推進部
伊東 隆介
組込ソフトウェアのエンジニアを経て客員
研究員として北米に留学。技術とビジネス
の架け橋となる役割を担う。
事業統括本部 PFビジネス本部
統合PFビジネス推進部
長谷川 里美
ソフトウェア開発、サーバ開発を経て
Hitachi Data Systemsに出向。
「作り手」と「売り手」の視点を武器とし
た参謀役を担う。
佐 山:調 整とい
う意 味では 、社
内 外 、そ れも国
内 だけでなく多
くの海 外の関係
部 署・関 係 者に
動いていただか
なけれ ばいけな
い場面も多いので、
「一つひとつのアクションが
どんな意味を持つのか」を理解してもらった上
で、いかに気持ちよく動いてもらうかに、気をつ
かっています。
砂田:私は最近まで開発を行う部署に所属して
いたため、開発部門に改善要望や機能追加の
提案を出す際に今後彼らが直面するであろう課
題や苦労が想像できちゃうんです(笑)。でもそ
れを承知で、何よりもお客様の利益に直結し、
結果としてHitachi Data Systemsや各国のチャネ
ル企業のビジネスを加速させ、ひいては日立への
評価や今後のビジネス展開へのメリットになるの
だ、ということを伝えたいと思っています。
長谷川:社内の部門を超えた調整も、グローバ
ルなやりとりも、結局は“Transparency(透明
性)”と“Open Mind”であることが大切なので
はないでしょうか。先ず自分自身を包み隠さず
開示する。こちらが心を開かなければ相手は決
して心を開いてくれませんからね…。もちろん、
自分自身に相応の自信と裏付けがなければ、怖
くてとても透明になどなれるものではありません
(笑)。つまり、それができるように「常に成長
し続けよう」という意欲を保って、自己形成の努
力を怠ってはいけないということなんです。
伊東:実際、Fortune誌のGlobal 100 Companiesにランクインしている企業の8割以上にスト
レージを中心とする日立のI T 製品やソリュー
ションをご採用いただいているわけです。私た
ちは、まさに世界の金融や証券取引、鉄道やエ
アライン、エネルギーや公共サービスを牽引する
基幹企業や団体、政府機関などの機能そのもの
を支えているのだ
という誇りと責任
感を持って、今後
とも自己を鍛え
続けていきたい
ですね。
事業統括本部 PFビジネス本部
ストレージビジネス推進部
砂田 曜児
ストレージ開発で培った知識や、Hitachi
Data Systemsへの出向経験を生かし、
開発部隊との協調体勢で、国際ビジネス
を進める。
事業統括本部 PFビジネス本部
ストレージビジネス推進部
佐山 麻子
ストレージ製品の販促や拡販を担ってき
た経験を生かし、グローバル市場の動向
を捉えた戦略立案を進める。
8
開発統括本部 統合PF開発本部
ユーザエクスペリエンス設計部
開発統括本部 統合PF開発本部
ITマネジメント開発2部
的池 玲子
内田 智斉
実際のユーザの視点から見た切り口
で、開発の各段階でユーザの視線を採
り入れたアドバイスや提言を実行。
厳しい信頼性と堅牢性が求められる
社会インフラシステムの
サーバ管理を実現し、
開発全体を取りまとめてインドの実装
部隊や米国市場とをつなぐ架け橋を
築いた。
国際社会に貢献
∼日・米・印の三局体制による開発で、
「24時間眠らない開発」を実現∼
グローバル戦略を進めるITプラットフォーム事業本部は、
多様化する国際市場ニーズの中で、政府・自治体等の公共機関や
金融、交通、エネルギーなど、24時間/365日・寸断も許されない
厳しいミッションクリティカルでの運用が求められる社会基盤のための
強固なプラットフォームの構築に注力している。
ここでは、その一例として日本・北米・インドの三局体制で
開発スピードと質の両立を実現したプロジェクトを紹介する。
ミッションクリティカルな
国際システムニーズに応えるために
̶̶まず、今回のプロジェクトの中身について
教えてください。
内田:今回開発に取り組んだのは、海外で提供
している“Hitachi Compute Systems Manager”
というソリューションです。これは、サーバの運
用を効率的に行うソフトウェアで、サーバの構
成をはじめ、リソースを仮想化して割り当てるプ
ロビジョニング、稼働状況等を監視し、ライフサ
イクルを含めたトータルなマネジメントが図れる
というものです。
山口:Hitachi Compute Systems Managerは、
すでに国内トップシェアを誇る統合システム運
用 管 理ソリュー
ション“J P1”を
ベースに、さらに
グローバル・マ
ーケットを意 識
して、より大 規
模化を実現。数
万台レベルのサーバ管理を可能にします。例え
ば金融機関やエアライン、エネルギー関連企業
や国家機関、自治体など、高頻度で大量のデ
ータをハンドリングしつつ、しかも24時間/365
日寸断も許されない厳しいミッションクリティカ
ルさが求められるシーンで活躍し、国際経済や
社会の安定や成長に貢献するものです。
̶̶それでは、本プロジェクトにおける皆さんの
立場や役割を、簡単に教えてください。
的 池:私は、ユーザエクスペリエンス(Us e r
Experience)の立場から、開発の各段階でユ
ーザの視線を採り入れたアドバイスや提言を行
9
いました。具体
的にはサーバ管
理 経 験 者など、
文字通り「実 際
のユーザ」を被
験 者としたモニ
ター 調 査 を 実
施。その中で、使い勝手の良いユーザフレンド
リなソリューション形成を支えていきました。
内田:私は対インドのマネジメントや開発全体
をとりまとめ、逐次米市場とのやりとりを行う
という役割を担ってきました。
山口:私の場合は日本の技術部門をとりまとめ
ながら、システムを構成する各要素の機能分担
や相互のデータ流通等に関わる全体的なアー
キテクチャ形成を担ってきました。
神原:私は米国に駐在しています。北米市場の
フロントラインに立ち、海外のユーザニーズを吸
い上げて、それを日本の開発ベースにフィードバ
ックしてきました。
国際間の連携で、
変化に適応した開発手法を進める
̶̶今回の開発は、日・米そしてインドの三局
体制で進められたそうですが…。
内田:それぞれの時差を利用して、日本での開
発成果をインドに送って、そのまま実装を行って
もらう。そして、夜 間は17 時 間の時 差がある
米・西海岸(San Jose)にバトンタッチして開発
を継続してもらう、というループを回しながら、
国際的連携によるノンストップの開発を進めま
した。
神原:距離を超えて意思統一を図るために、常
に電話会議やT V会議、メールなどを駆使しな
がら、リアルタイムなコミュニケーションを図っ
てきましたね。
的池:今回は、次代の市場ニーズを先読みしな
がら新しい機能を織り込んだり、開発の各段
階でユーザエクスペリエンスを吟味したりする
必要があったので、開発手法も旧来とは大分異
なっていました。
山口:旧来のシステム構築は、まず詳細な設計
書や仕様書をしっかりと作成し、それを基に順
序だって構築を進める「ウォーターフォール手
法」が一般的でした。まさに滝(Waterfall)の
ように、上流から下流に向かって各工程の完了
を確認してから、段階的に次工程に進むわけ
です。これは工程を後戻りすることが難しく、
変化対応ができない。そこで今回は、システム
の一部を完成させては評価・導入を繰り返し、
短いスパンでその工程を繰り返しながら、シス
テムを成長させていく「反復型製品開発」を進
めました。
内田:めまぐるしく変化する時代背景や市場ニ
ーズの中で、よりユーザフレンドリなシステムを
築くために、今後は短いスパンでプロトタイプ
を提示しながらシステムをより良いものに磨い
ていく反復型製品開発手法が、さらに主流にな
っていくものと思われます。
̶̶いま、市場ニーズの変化というお話しがあ
りましたが、例
えば日本と北米
間で、何かユー
ザニーズに違い
はありますか?
神 原:アメリカ
のユーザは、分
厚いマニュアル
開発統括本部 統合PF開発本部
ITマネジメント開発2部
開発統括本部 統合PF開発本部
ITマネジメントソリューション開発部
山口 明彦
神原 康之
システムを構成する各要素の機能分担
や相互のデータ流通等に関わる全体
的なアーキテクチャ形成を推進。
を歓迎しない…というか、マニュアルを読まず
にまず自分でアクションを起こす傾向があるよ
うに思います。
山口:そうですね。何かトラブルがあったり操
作が必要になったりした時には、マニュアルを
読むよりは、画面上にメッセージを出すことが
求められますので、今回もその辺りを配慮しま
した。
的池:例えば、何か障害が起こった場合、日本/
米国のお客様ともシステムを復旧することが最
重要事項となりますが、日本のお客様は原因
究明、他にも同件がないかの調査なども重視し
ます。それに対して米国のお客様は復旧すれ
ば原因究明に
ついてはあまり
重視しないとい
うスタンスです
ね 。こ の 辺 り
は、民族性や文
化に根ざした違
いなのかも知れ
ません。
内田:また、日本国内ですと、大規模なシステ
ムを導入して頂いているお客様には、日立から
もエンジニアが常駐しています。これに対して、
海外では必ずしもそんな環境が揃っていない
ので、有事にもお客様ですぐに対応できる仕組
みを担保しておく必要がありました。
あらゆる事態を想定した万全の開発を
̶̶その意味では、お客様が誤った操作をした
り、不適切な扱いをしたりする可能性もあるとい
うことを、考慮しておかなくてはいけませんね?
北米市場の渦中に身を置き、リアルな
海外のユーザニーズを吸収。その結果
を日本の開発部門に還元。
山口:イレギュラ
ーな操作があっ
た場 合には、エ
ラーメッセージを
流してその旨を
知らせる。あるい
は警告を表示し
て、ガードをかけるなどの対応を図っています。
内田:そもそも、設計上の前提条件があります
ので、それを逸脱する操作などに対しては、ど
こまで許容するのかを見極め、ファイルの上書
きや消去など不適切な処理に関しては、その処
理に進めないようにブロックしておくなど、プラ
イオリティに沿った設計が大切です。
的池:その一方で、開発者や設計者は「当然の
こと」として見逃してしまいがちなポイントにユ
ーザから気づかされることも多いものです。そ
の意味からも、ユースケースを想定したユーザビ
リティテストは、とても重要なんです。
神原:日本とアメリカのユーザでは、画面レイア
ウトや色使いなどの好みも大分異なってきま
す。画面の見やすさや直感的な親しみやすさ
は、操作しやすさとシンクロしている面もありま
すので、エンジニアやマーケターだけでなく、調
査結果をデザイン本部などとも精査し合って、
国際市場で受け入れられるカタチを築いていき
ました。
いております。今後さらに、市場への波及効果
などを見据えながら、日立以外のサーバや他の
管理ツールとの組み合わせなどを包含し、さら
にさまざまな現場で活用されるソリューションに
育てていきたいですね。
的池:今後とも実際のユーザニーズや業務に基
づいて、ユースケースのドリルダウンを進め、ユ
ーザ軸の視点から反復型製品開発ならではの
スピード感や品質向上を支えていきたいと思い
ます。
山口:三局間での開発は、もどかしさを感じる
ことはないわけではありません。だからこそ、
電 子 的 な コミ ュ ニ ケ ー ションと とも に
“Face-to-Face”の交流も大切になります。プ
ロジェクトのスタート時には、インド側から10名
ほどの人財を日本に招き、1年以上滞在して貰
って価値観を共有。現在そのメンバーがキーマ
ンとなってインドの現場をまとめています。本プ
ロジェクトは、これからの国際連携体制の雛形
を築くことができたのではないか、と自負して
います。
内田:このプロジェクトにおいても、サーバとス
トレージ、ソフトウェア部隊が連携し、統合的な
I Tプラットフォームを形成することをめざした
私たちの組織改編の成果が実を結びました。
今後さらにお互いのシナジーを効かせながら、
国際市場を獲得していきたいですね。
̶̶既に、国際市場からの引き合いも多いと思
いますが、これまでの苦労を振り返って、今後の
抱負を聞かせてください。
神原:おかげさまで、すでに北米の電力会社や
ロシアの鉄道会社など、社会基盤を形成する
立場にあり、厳しい信頼性の下に大量データ
の処理が求められるお客様からの受注をいだ
※この記事の内容、登場人物の所属は取材時のものです。
10
開発統括本部 統合PF開発本部
ITマネジメント開発2部
ハキザベラ ウウェラ アリン 2013年入社
(HAKIZABERA UWERA ALINE)
工学研究科 情報・制御工学専攻課程修了
ソフトウェア
設計開発:
ミドルウェア
ソフトウェア設計開発:
ミドルウェア
品質保証
ソフトウェア
設計開発:
組込
ハードウェア
設計開発
サービス
・
ソリューション
運用管理製品やアプリケーション基盤製品などのミドルウェアの開発や技術
コンサルティングの提供、オープンソースのサポートビジネス提供などを行う。
販売促進
設計開発
ハキザベラの担当業務
先行検討
要望
・
調整
外部仕様策定
内部仕様策定
Hitachi
Data
Systems
海外ベンダ
コーディング
テスト
グローバルな視野で課題を解決したい。
出荷検査
将来はグローバルに通用する災害復旧(Disaster Recovery)と
ストレージマネジメントのスペシャリストとなり、
日立のキーパーソ
ンとしてさまざまな国との架け橋になりたいと思っています。
出 荷
要望
・
調整
メンテナンス
お客様
好奇心
新しいことを学ぶ姿勢を大切に、
“Think outside the box ! ”
―自由な発想がモットーだ。
研修
プライマリサイトのデータをバックアッ
プサイトのストレージにコピーし、常に
同期を保つ方法についてのレクチャー。
災害復旧(Disaster Recovery)の根幹
となる技術なので、みんな真剣だ。
[メインフレームOSの手引き書]
オペレーションから、アセンブラ、
ハードウェア・ソフトウェアのアー
キテクチャ、管理業務に至るすべ
てが概説されている。
[電子辞書]
分からない日本語に出会っ
たり、表現したい日本語が
思い浮かばなかったりした
場合には、すぐにチェック。
検証
プログラムにミスやバグがないか、厳し
いまなざしで一行ずつプログラムを追っ
ていく。見落としがないように、
「必ずミ
スがあるはずだ」という、鋭い観察眼で
見つめる姿勢が大切だ。
[ハキザベラの一日のスケジュール]
11:00∼12:00
9:00
勉強会
国際電話会議。
Hitachi Data Systemsと 13:00∼16:00
海外ベンダのマーケッター 検証作業。
やエンジニアを交え、国際 「バグがあること」を前 提 17:00∼18:00
ニーズに応える内部仕様に に、ミスを見つける厳しい眼 報告書作成、
明日の段取り後退社
ついて検討を重ねる。
でチェックを行う。
8:30
出社。
メールチェックと
スケジュールの確認。
11
12:15∼13:00
社員食堂で同僚
と昼食
16:00∼17:00
チーム内の
ミーティング
18:00∼
ジムで い い 汗を
流す
観察力
バグの発見には、注意深い見極
めとともに、ひらめきや第六感を
磨く必要もある。
アクション
[ペンケース]
大学院時代にバングラディ
シュの同級生からもらった
お土産。片時も手放せない
お守り的な存在だ。
My Dreams and Challenges
HAKIZABERA
UWERA
ALINE
いま、不慮の災害発生時にもシステムへの影響を最小限に
留め、ビジネスの継続性を担保する事業継続管理(Business Continuity Management)が企業経営上急務の課題
となっている。ハキザベラは、上位の業務アプリケーション
への影響を抑制しながら、メインサイトとバックアップサイ
トのストレージ間でデータをコピーし、万一システムやデー
タが致命的なダメージを受けた場合にも、迅速な災害復旧
(Disaster Recovery)を可能にするためのミドルウェア開
発を担っている。
「まだOJT(on-the-job training)期間中なので、設計・開
発に必要な知識を学びながら、検証などの業務に取り組ん
でいます。私が担当しているのは、いま大学でもあまり教え
ていない大型メインフレーム向けの製品です。そこで、OSや
開発言語も初めて出会うものばかり…。その難度の高さが
逆に面白く、やりがいともなっています」
当初から国際市場を睨んで開発される日立のストレージ製品は、
海外販社 Hitachi Data Systems やOEM(Original Equipment Manufacture)契約先との連携によって、常にリアルタ
イムな市場の声を吸収。ユーザニーズと使い勝手の良さを強
く意識し、
マーケットインの製品開発を堅持している。
「時差や距離を超えて、Hitachi Data Systems、海外ベン
ダ、私たちの三者で隔週レベルの電話会議を実施。また、
実際に膝を交えた会議を四半期ごとに開催して、技術と
マーケティングの両面から『世界市場が求める最適な仕様
の姿』を浮き彫りにしています。そんな姿勢が、日立の強さの
秘密ですね」そう語る彼女は、さまざまな背景を持った優秀
な技術者やマーケッターと共に将来にわたって製品を磨き
続ける姿勢を持つ、国際的に活躍するエンジニアをめざした
い、と夢を語る。
母国・ルワンダの大学卒業後、「世界をリードする革新的な
技術が学びたい」と文部科学省の奨学金を受けて来日。大学
院でソフトウェア開発を学ぶ。就職に際しては、国際社会の
基盤整備を加速させる優れた製品を輩出していることに惹か
れて、日立を志望した。
・
HAKIZABERA's profile
言葉の壁を越えるために、身振
りや手振りなど、全コミュニケー
ション手段を総動員。
多様性
人々を幸せにするソリューション
形成のために、さまざまな文化や
価値観の理解に努める。
フットワーク
OJT
研修員の期間は、指導員の先輩が一対
一で指導に当たってくれる。
「まず、自分
で調べてから質問すること」を教えられ
たが、それでも分からない時には、背景
までを示した丁寧な解説で深く納得!!
同僚や先輩、他部門の人たちか
らも学ぶ姿勢で、人的ネットワー
クの拡大を心がけている。
12
[付 箋]
確認事項や懸案事項、直近の
“to do”などをディスプレイに
貼って、即対応を実現している。
ソフトウェア設計開発:
組込
ソフトウェア
設計開発:
ソフトウェア
組込
設計開発:
ミドルウェア
品質保証
ハードウェア
設計開発
サービス
・
ソリューション
サーバおよびストレージの仮想化、データの読み書きの制御、装置間のデータ
コピー・移動機能など、サーバおよびストレージ装置に組み込まれるソフト
販売促進
ウェアの開発を行う。
開発統括本部 ストレージ開発本部
システム第2設計部
越智 隆 2007年入社
情報科学研究科 情報システム学専攻課程修了
設計開発
越
智
の
担
当
業
務
先行検討
新機能の検討
研究所と事業所が
協力して行う
外部仕様策定
仕様の交渉
内部仕様策定
コーディング
My Dreams and Challenges
設計内テスト
世界中の産業や生活を変えていきたい。
出荷検査
そもそも私は「大きなことがやりたい」、
と日立を志望しました。
ハードウェアの進化と歩調を合わせ、ある時は競い合いをしなが
ら、
そんな願いを実現する製品を生み出していきたいですね。
出 荷
探究
求められる機能やスペックを実
現するために、常に最良のパスを
追求する姿勢を堅持。
評価
本格的なビッグデータ時代を迎え、スト
レージの役割は益々拡大している。
サーバルームのストレージ群と向き合
い、組み込まれたソフトウェアが試験
環境の中で十全の動作をすることを、
最終チェック。
発信
自分の考えや理想をしっかり伝
えるところから、議論が始まる。
発言する姿勢が大切だ。
受容
[越智の一日のスケジュール]
10:00
9:00
開発関係者への
メールに返信
自席で仕様検討。ハードウェ
アの設計者との打ち合わせ事
項を念頭におきながら、ベス
トプラクティスを探る。
ミーティング
13:00
仕様検討会議。市場競争力のある
製品のあり方を巡って、それぞれの
立場から熱い議論が展開される。
20:30
退社
[書 籍]
本は頭の切り替えや移動中の相棒。目下のお気に入
りは、数学界最大の難問「nが3以上の自然数の場
合、X n +Y n = Z n の自然数 解は存 在しない」という
「フェルマーの最終定理」証明への挑戦秘話。
8:30
12:00
出社。
メールチェック&今日
のスケジュール確認。
社員食堂で
同僚と昼食
14:00
自席で仕様
検討を継続
16:00
17:00
定例会議
自席で仕様
検討を継続
[アイデアノート]
何か思いついたらすぐにメモすることがモットー。
汲めども尽きぬ“発想の泉”だ!
13
次期製品のコンセプトや仕様を巡って、
研究所やハードウェアの技術者とともに、
熱い議論を闘わせる。お互いに「市場に目
を向けた開発」を意識しつつ、国際市場
から選ばれる製品の姿を描き出す。
入社4年目に、北米のパートナー企業にサポー
ト要員として出張。当時、まだ日本では「ワー
クライフバランス」という概念が薄かったが、
初めての海外居住体験で、働き方やそれを背
後で支える生活のあり方を根底から再考。その
おかげで、ON/OFF切り替えの達人になった。
※1 Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※2 Linuxは、Linus Torvalds 氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
電話やTV会議で海外とやりとり
する機会も多いので、英語のリ
スニング力は必須だ。
誕生
“ d i g i t a l ”の 語 源は“ d i g i t
(指)”である。キータッチから
優れたプログラムが生まれる。
フットワーク
勉強会
Takashi's profile
越智 隆
R ※1やLinux R ※2
越智は、企業システムに用いられるストレージ製品に搭載され、Windows などのオープン系サーバから送られるデータのI/O(入出力)要求を処理・制御するための
組込ソフトウェアを開発している。
「スムーズなI/Oの実現は、システム全体のレスポンスやパフォーマンス向上の要です。
ユーザに与える影響も大きく、その責任の重さが仕事のやりがいの源泉でもあるのです」
特に日立のストレージ製品は、その信頼性から銀行や証券会社など、社会基盤を形成す
る企業の最前線で活用されている。それだけに高いパフォーマンスとともに、寸断も許さ
れない厳しいミッションクリティカル性が要求されているのだ。
「日立のストレージは海外への販売比率が約90%と高く、その意味では国際経済や世
界の人々の社会生活を背後で支えている存在なのです」
そう語る越智。自身の成長が加速されたと実感したのは、次期製品の開発プロジェクト
への参加経験だった。ハード/ソフトの技術者が結集し、
マーケティング部門や海外の
パートナーとも連携しながら、製品の「あるべき姿」をデザイン。お互いに技術の粋を寄
せ合いながら、ひとつの製品を生み出す「もの作り」の喜びを体感した。
「製品の機能は、ハードと組込ソフトが相互に牽引しながら成長していきます。今後、海
外販社などとの連携を一層深めて、国際的なビジネスニーズやトレンドをキャッチ。組込
側から『明日の製品の姿』を描き、世界の産業や人の暮らしに貢献する製品を生み出し
ていきたいですね」
そう夢を語る彼は、目下英語のブラッシュアップに励んでいる。
顧客先や研究所など、外に出向
くことも多い。チームワームのた
めにフットワークも必要だ。
オープン系システムは技術の進化が著
しく、テクノロジートレンドもめまぐ
るしく変化する。世界各地でイノベー
ティブな新しいソリューションが登場
するので、それらをキャッチし精査す
る姿勢が大切だ。
14
ハードウェア設計開発
開発統括本部 サーバ開発本部
x86サーバ設計部
山崎 達誌郎 2011年入社
情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻課程修了
ビジネスや社会生活にとって、ITが欠かせないものとなる中
で、その処理の司令塔となるサーバの数も増加の一途をた
どっている。そこで、刃(ブレード)のように薄いサーバを、
シャーシ(筐体)と呼ばれるモジュールに搭載していくこと
で、必要に応じてシステム拡大を図る方式が一般化してき
た。ブレードサーバは、それぞれのサーバが独立して動作し
ながら、電源や冷却ファンはシャーシに組み込まれており、
共用化による省エネ効果やスペース効率も大きな魅力だ。
山崎は、このブレードサーバの主要な電子回路を収めたマ
ザーボードの設計を担っている。
「各社が、デファクト・スタンダードとなっているx86サーバ
に準拠した製品開発を進めていますが、先端技術や高信頼
性を追求したモノづくりのこだわりとグローバルな市場ニー
ズを熟知している点が、世界中で日立製品が選ばれている
理由です」
サーバおよびストレージ装置の筐体設計、電源設計、LSI設計、性能評価、
ハードウェア
設計開発
製品企画・
マーケティング
ソフトウェア
設計開発:
組込
論理設計など、多岐にわたった業務がある。また熱シミュレーション技術を活
用した大規模高密度装置の実装設計も行う。
サービス
・
ソリューション
販売促進
仕様検討
決定
海外ODM(Original Design Manufacture)
ベンダと連携
山崎の担当業務
試作機作成
回路図・
ボードファイル決定
評
価
デバッグ
出荷検査
評価内容
・ハードウェア
・ソフトウェア
・ファームウェア
・冷却
・信頼性
・構造
出 荷
ハードウェア評価内容
・機能確認
・システム評価
・負荷試験
・電気評価
出荷検査
・Reliability:信頼性
・Availability:可用性
・Serviceability:保守性
My Dreams and Challenges
信頼性で世界から選ばれる喜びを…
インテル※・アーキテクチャに準拠した製品づくりは、
ある意味で各
社が同じスタートラインに立っています。だからこそ、
スペック、
省エ
ネ性、
コストなどあらゆる面で「日立らしく技術で勝つ開発」に挑戦
しています。
・RAS評価
[ノートPC・評価]
ブレードサーバにさまざ
まな状況を想定した過酷
な条件を与え、動作性を
確認する。
思考の整理
他者が理解できるように、考えを
整理してから発言することを、常
に心がけている。
サーバルーム
マシンがずらりと並ぶサーバルームは、
設計者にとっても主戦場のひとつ。ス
ペースをとらず、省エネ性にも優れたブ
レードサーバの設計者として、導入後の
お客様の環境に思いを馳せる。
英語耳
英語耳を育てるべく、時間を見つ
けてはCDの教材を聴き、リスニ
ング能力を鍛えている。
Tatsushiro's profile
実際の生産現場での手順や留意点などを記した指示書も、
設計者自身が作成する。山崎は、現場とのコミュニケーショ
ンの中から意見を吸い上げ、それをフィードバック。誤解を招
かない表現を心がけている。
[ノートPC・リモート管理]
多くの場合、運用状況の把握や管理も
遠隔からのリモート操作が行われる。そ
んな状況をPC上で再現してチェック。
コミュニケーション
評価
開発中のサーバにさまざまな条件を与
え、正常に動作することを確認。ユー
ザの現場ではあり得ない使い方がされ
ることもあるので、あらゆるケースを想
定して、緻密なチェックが進められる。
[山崎の一日のスケジュール]
他 部 署との 交 流も多 い ので
“face to face”の交流を大切
に、どこにでも出向く。
オープン・マインド
中国や台湾のパートナーとのや
りとりも多いので、多様性を理解
しあう気持ちが大切だ。
9:00∼10:00
打ち合わせ。
ハードウェアの基本的制御のた
めに機器に組み込まれるファー
ムウェアの開発者と仕様確認。
8:30
出社。
メールやスケジュー
ルをチェック。
フットワーク
12:00
13:00∼16:00
昼食
10:00∼12:00
評価。
開発途中の試作機にさまざまなスト
レスをかけ、正常に動作することを
確認。過去の実績から割り出され
た確認項目は、大切なノウハウだ。
評価を継続
17:00∼18:30
評価を継続
16:00∼17:00
ユニット内の打ち合わせ。
毎週定例で実施され、お
互いの進捗状況や今後
の“to do list”確認。
20:00
退社
18:30∼
評価のまとめと明日
の準備
ミーティング
山崎 達誌郎
評価完
そう語る山崎は、ビジネスを支えるエンタープライズ向け
サーバは、あらゆる面で最高水準をクリアしなければいけ
ない、と考えている。そこで処理速度はもちろん、堅牢性や
セキュリティ、さらにメンテナンスフリーで管理負荷を軽減
する製品づくりを、常に意識している。
「ビジネス最前線を担うサーバには、何よりも市場に顔を
向けた開発姿勢が大切ではないでしょうか。近い将来、海
外 の市 場と直に向かい合う海 外 販社H i t a c h i D a t a
Systemsや、オフショア開発先であるインドなどに赴任し、
国際ニーズを自らの感覚で確かめながら、それを新たな発
想や開発姿勢に組みこんでいきたいと思っています」
品質保証
ソフトウェア
設計開発:
ミドルウェア
IT業界では、新しいトレンドを掴
むことが大切。普段から情報収
集に励んでいる。
ユニット内の設計者同士は、常にお互
いの課題や進捗状況を把握し合ってい
る。ちょっとした合間の時間にも、質問
し合ったり意見交換をしたり…。イン
フォーマルなミーティングが始まる。
15
16
※ インテル.Intelは、アメリカ合衆国およびその他の国におけるIntel Corporationの商標です。
八木 裕司 2007年入社
工学系研究科 電子工学専攻課程修了
サービス・ソリューション
お 客 様 のニーズに基づき、ITプラットフォーム製 品を用いたサービスや
品質保証
ソリューションの企画および提供を行う。
営 業・
①製品紹介
情報
提供
②お客様へのヒアリング
支援
依頼
③検証支援
販売促進
設
支援
依頼
④提案支援
⑥連携
Yuji's profile
支援
依頼
計
My Dreams and Challenges
空気のような技術を生み出したい。
私たちの日常生活の中では、
さまざまな技術が使われています。
普
段は気づかないけれど、何気ない暮らしが実は日立によって支え
られている、
そんな技術を生み出したいですね。
⑤技術支援
洞察力
人の心を打つビジネスモデルや
サービスを背後から支える仕組
みを、考え続けている。
資料作成
いつも「お客様目線」を意識しながら
「求められるものを創って提供する」
マーケットインな姿勢を堅持。個別の
課題に共通する「本質」を見極めた「汎
化」を心がけ、より多くのお客様への適
用をめざす。
説得力
相互理解は、真摯な会話から生
まれる。すべては、腹を割って
「話すこと」から始まる。
身振り
ミーティング
営業やSEと顔を合わせれば、すぐにイン
フォーマルなミーティングが始まる。温め
ていた発想やアイデアを言葉にし、発表
し合うことで、それまでぼんやりとしてい
た思考の輪郭が、ハッキリしてくる。
[大学ノート]
会議の議事録や備忘録、アイデアが浮かんだ時な
ど、まさに"At Random & Memorandum"。自己の
思考の「ビッグデータ帳」だ。
9:00∼10:30
自席で資料作成。
お客様のビジネスの課題や目
標を踏まえ、そのための製品構
成などを提案。これはSEの設
計方針を支援し、営業担当者の
見積のベースともなるものだ。
[八木の一日のスケジュール]
16:30
12:30∼
社員食堂で昼食
[ノートP C]
グラフや図解などのビジュアル資料を交えながら、
相手の理解を高め提案性を増す工夫でプレゼン
テーション効果アップを図る。
17
8:45
出社
10:30∼12:30
部内のラフなミーティング
で情報共有
13:30∼15:00
開発との打ち合わせ。今後の製品動向
と市場ニーズの摺り合わせを行う。
20:00
退社
理解を促すためには、熱意が大
切。気づくと、いつの間にかボ
ディーランゲージが…。
協調心
仕事の基本は連携。部門や立場
を越えた協力体制をつなぐスク
ラムが大切だ。
フットワーク
17:00∼
今後の進捗について 自席で作業。提案資料
上長と相談
作成と翌日の準備。
八木 裕司
S
E
紹介
依頼
製品への
フィードバックも
実施
就職に際して最も意識したのは「社会への貢献度」だっ
た。仕事に就いて以来、日常生活の中で目にしたものに対
して、新鮮な驚きや感動など自己の「ユーザ感覚」を大切
にしながら、「何がどうなっているのか…」「さらに便利に
するには…」と本質を考える癖がついた。
製品企画・
マーケティング
八木の担当業務
開発統括本部 ソフトウェア開発本部
ビッグデータソリューション部 「いま加速度的な技術進化の中で、膨大なデータを収集・
蓄積し、迅速に加工・分析することが可能になりました。そ
こで、
『日々のビジネス活動の中で生まれるデータから、新
しい価値を発見して活用しよう』という気運が各業界に拡
大しているのです」
そう語る八木が所属するビッグデータソリューション部は、
そんな『宝の山』であるデータを新たなビジネス・イノベー
ションに活かしたい、と望む企業をサポートする営業やSE
と連携。プロジェクトを成功に導くための製品提案や、ア
ドバイスを進めている。その中で、八木自身がお客様への
ヒアリングシートを作成。具体的な課題を浮き彫りにし
て、より有効なデータの取り方や蓄積の仕方を提案する
ケースも少なくない。
ビッグデータの特長は、そのデータ量だけではない。これ
までビジネスシステムが蓄積してきた数値や文字列に限定
されることなく、文章や音声、静止/動画像、さらにさまざ
まなセンサデータなど、あらゆるデータを扱う多様性も魅
力だ。
「データに潜む新しい価値を見出し活用することで、いま
まで誰も想像しなかった新しいビジネスモデルやサービス
が生まれてくるはずです。そんな自由な発想を実現する舞
台を提供することが、私たちの仕事。一般事業会社はもち
ろん、プラントや重電、建設事業などを有する日立は、エ
ネルギーや交通をはじめとする社会インフラに至るまで、
全産業に関わっていると言っても過言ではありません。そ
んなオール日立のパワーをITで支え、時代変革を加速させ
ていきたいですね」
プレゼンテーション
営業やSE、お客様とのコミュニ
ケーションのために、東奔西走し
ている。
仕事場は、オフィスだけではない。営業や
SEの元へ、さらに自らお客様の元に出向
いてプレゼンテーションしたり、ヒアリン
グしたり…。
「ソリューションの伝道師」と
して忙しく駆け巡る姿勢も大切だ。
18
製品企画・マーケティング
事業統括本部 企画本部
製品戦略部
製品企画・
マーケティング
ソフトウェア
設計開発:
ミドルウェア
お客様のニーズや業界動向の調査・自社技術をもとに、次世代製品の企画
熊谷 奈緒子 2008年入社
ソフトウェア
設計開発:
組込
や事業化を行う。
都市環境科学研究科 環境調和・材料化学専攻課程修了
熊谷は世界のお客様のニーズや技術トレンド、市場動向を
睨みながら、今後グローバル市場の中で求められるストレー
ジの「あるべき姿」を探り、製品開発の戦略的方向性を打ち
出す役割を担っている。
「これまでミッドレンジ、ハイエンドの製品企画を歴任してき
ましたが、目下新分野事業として、より裾野の広いローエン
ド・モデルに携わっています。これまで、膨大なデータを蓄
積・活用するニーズは、銀行や証券会社など、一部の金融
機関に限定されていました。しかし、ビッグデータ時代の進
行によって、日々の企業活動の中で生まれるデータを収集・
分析し、ビジネス戦略に活かす動きが産業界全体に広がっ
ているのです」
旧来のヘビーユーザも加速度的に拡大するデータ量の中
で、活用頻度や重要度の高いデータは、ハイエンドなスト
レージに格納。アクセス頻度や鮮度がやや低くなったデータ
はよりローエンドな製品に移すことで、システム全体で最適
なリソース配分を図る、などの使い分けを開始している。そ
の意味でも、ローエンド製品の市場は極めて大きなポテン
シャルを秘めているのである。
「今後、海外販社Hitachi Data Systemsとの交流を一層深
め、実際のお客様の活用事例などにも目を向けながら、数
年先の国際的ビジネスニーズを予測。今まで見落としていた
データからも、新たなビジネス価値を見出すための舞台をご
提供したいですね」
そう語る熊谷は、例えば渋滞情報の分析から省エネや環境
に優しい交通計画の策定を支援して、新しい国際都市となる
スマートシティ建設に貢献するなど、
「ビッグデータで時代
を拓くお手伝いがしたい」と夢を膨らませ続けている。
お客様ニーズ
熊
谷
の
担
当
業
務
技術トレンド
市場動向
マーケティング
ビジネス戦略
製品(商品)企画
販
販売戦略
商流/ツール等
本格的なクラウド・コンピューティングが進行する中で、
ネットワー
クを経由したデータの保存・管理も進んでいます。
グローバルでの
市場ニーズを把握し、経営陣に報告、
さらに「日立ならではの価値」
を生み出していきます。
売
[プレゼン用ノート]
普段からアイデアを書き留めておくノー
ト。プレゼンの説得力を高めるワンポイン
トやキーワードもここに満載。
分析力
現在の市場や技術を見極め、明
日の姿を描いていくためにはロジ
カルな分析力が必須だ。
市場分析・資料作成
Hitachi Data Systemsや、外部市場調
査会社、Webや雑誌、書籍など、あら
ゆる情報チャネルを駆使しながら、よ
り正確で豊富なデータの収集と分析を
行う。科学的な調査とシミュレーショ
ンを基盤に、数年後の国際市場の姿
を描き、製品開発へのフィードバック
や経営層に対する報告を行う。
[レーザーポインター]
プレゼンテーション
開発や営業に対して国際的なお客様の
ニーズや競合他社の動き、技術動向な
どを提示。数年後の市場でも日立のス
トレージ製品が選ばれ続けるために、
最適なスペックや価格設定を割り出し
て、理解を促す。
[熊谷の一日のスケジュール]
会議結果を整理
8:30
出社。
メールを開いて今日の
スケジュールを確認。
19
13:00
10:00
部内での勉強会
12:00
昼食。
社員食堂で同僚
と食べる。
「ビジネスの眼」と「技術の頭」を武器として…
お客様
重要箇所をピンポイントで指し示す必要があるグラフ
や図版の説明には、レーザーポインターが大活躍。
多様性
海外とのやりとりが拡大する中
で、さまざまなローカル英語を聞
き分ける力も身についた。
視野
業界や顧客ごとのニーズとそこに
共通する根幹的要素、世界経済
を広い視野から捉える。
オープン
世界のさまざまな地域の、さまざ
まな企業にアピールするオープン
マインドがモットー。
フットワーク
16:00
20:00
資料作り、海外パートナー
とのメールやりとり
自宅でオン
ライン英会話
14:00
担当プロジェクト
の 戦 略 につ いて
チームで議論
18:30
退社
[ノートPC]
プレゼン資料や議事録など、仕事に必要なものは、
すべてここに収納。片時も手放せない「相棒」だ。
熊谷 奈緒子
My Dreams and Challenges
開発/導入/
品質保証/
製造
開発された製品のカタログ作成も、熊谷の担当。製品の機
能・特長など訴求ポイントをわかりやすく伝えるため、ビジュ
アルやレイアウトを含め検討し、まとめあげる。日立ブランド
への信頼を築くための誌面づくりに心を配っている。
海外パートナー
との電話会議
サービス
・
ソリューション
販売促進
Naoko's profile
9:00
品質保証
ハードウェア
設計開発
ミーティング
海外の販社や顧客先に出向き、
明日の製品づくりのタネを採取
する足取りの軽さが信条だ。
I/O(入出力)スループットやバックアッ
プ、セキュリティ、仮想化機能や省エネ
性、コストパフォーマンスなど、競合製
品との差別化ポイントを交えながら、
顧客のビジネス戦略に貢献する日立な
らではの魅力を訴える。
20
品質保証
品質保証
製品企画・
マーケティング
長年蓄積した信頼性技術をもとに、開発段階から製品出荷まで製品・サービスの
品質向上活動を行う。出荷後もお客様視点で問題解決に取り組む。
ソフトウェア
設計開発:
組込
ソフトウェア
設計開発:
ミドルウェア
ハードウェア
設計開発
サービス
・
ソリューション
販売促進
販売促進
製品企画・
マーケティング
係内定例会議
8:30
10:30
マイクロプログラム
評価
12:00
出社。
社員食堂で
メールの確認、
同僚と昼食
実機の状態確認。
13:00
設計部署との
レビュー
15:30
マイクロプログラム評価
14:30
ドキュメントの確認
サービス
・
営業・SE部門の受注活動を支援する。
販売促進
[小嶋の一日のスケジュール]
20:00
友人と外食
9:00∼10:00
10:30∼12:00
パートナーとの定例会。
月ごと売上状況、お客
様への提案事項、イベ
ント情報などを共有。
8:30∼9:00 10:00∼10:30 12:00∼13:00
電車移動
(自部署)
開発統括本部 プラットフォームQA本部
ストレージ品質保証部
矢島 信行 2009年入社
職場の同僚と
職場近くのお店で
ランチ
19:00
14:30∼15:30
16:30∼17:30
セミナー企画打ち合
わせ。セミナーの企
画・提案に向けた内
容確認を行う。
設計と打ち合わせ。 出張先から
パートナーへ提案 退社
するための製品機
能を確認。
小嶋 洋輔 2010年入社
情報科学研究科 情報科学専攻課程修了
開発部門での数次にわたる検証を通過し、製造工程に入る
前のストレージ製品が、仕様通りのスペックを満たし、急激
な温度変化や大量のデータが集中的に流されるなどのさま
ざまな過酷な条件下でも、安定した動作をするか…。そんな
21
チーム打ち合わ
出張者席で作業。
せで 提案事 項 15:45∼16:15 製品問い合わせメール
の情報や売上 電車移動 確認、打ち合わせ日程調
状 況を確 認。 (設計部署) 整、資料作成を行う。
開発統括本部 統合PF開発本部
パートナーソリューション開発部
工学研究科 電気電子情報工学専攻課程修了
『ユーザーズガイド』作成も矢島達の仕事だ。プロの目線を
貫きながら、「お客様軸で考える」ことを心がけている。携帯
電話等の取扱説明書などを読み、作り手の視点で書かれてい
て不親切だと感じることもあるが、「それも職業病ですね」と
笑う。
17:30∼18:30
13:00∼14:00
19:30
電車移動
Nobuyuki's profile
自席で作業。
製品問い合わせメール
確認、打ち合わせ日程調
整、資料作成を行う。
退社
(パートナー先)
最終チェックのために多角的な視点から厳しい評価をする
こと̶̶それが、矢島のミッションだ。ここで不具合や問題
点が発見された場合には、再度設計にフィードバックされ、
問題解決が図られる。検証の精度はPCL(Program Check
List:評価項目)の設定にかかっており、それが日立ブランド
の信頼性を支えているポイントのひとつだ。また、評価が設
計者に新たな『気づき』を与えるという副次効果も生まれて
おり、それが矢島の誇りでもある。
「想定外の事態が生じた時には、部門や担当の枠を越え
て、みんなが一丸となって解決のために汗を流します。なに
よりも、お客様のビジネスへの影響を最小限に抑えること
が、最優先されるからです。そんな責任感と協力体制が、企
業文化として組織全体にまでいき届いている。それが、日立
らしさだと感じています」
矢島は、一貫してメインフレーム向けの大型ストレージを担
当してきたが、現在メインフレームの若い技術者はそう多く
ない。しかし、金融機関など大量のデータをセキュアに扱
う必要がある場面では、今後もメインフレームが活躍する。
そこで彼は、若手のエンジニアを育てて、技術や文化の継
承性をキープしたいと考えている。
品質保証
ハードウェア
設計開発
お客様やパートナーのシステムニーズに合った形で製品を提供できるよう、
[矢島の一日のスケジュール]
9:30
ソフトウェア
設計開発:
ミドルウェア
小嶋は、日立のミドルウェア製品を活用して、お客様のシス
テムのインテグレーションを行うパートナー(SI企業)をサ
ポート。時には、パートナーの先にいるお客様に自ら出向
き、問い合わせに答えたり、それぞれが抱える課題に対応し
たり…、という活動を進めている。
My Dreams and Challenges
上流プロセスの視点を付加したい。
目下、
製造前段階で製品の品質を見守っていますが、
最近
『実際に製品が活
用されているフロントラインで仕事をしてみたい』
という想いが強くなってき
ました。製品品質のあり方を上流・下流の両方から見つめてみたいのです。
My Dreams and Challenges
「相手に気持ちよく動いてもらうこと」を念頭に。
パートナーとともに新しいビジネス・スキームや市場を築く夢を描き、
その
実現に向かって突き進んでもらうムードや機運の醸成こそが私の腕の見
せ所。
そんな「名演」を指揮するコンダクターをめざしています。
ストレージ製品の評価・検証
お客様への対応
担当はメインフレーム用の大型スト
レージ。金融機関や公共機関、エアラ
インなど、大量のデータをミッションク
リティカルに扱う用途が多く、厳しい
まなざしが求められる。
日立のソフトウェア製品が、お客様に選
ばれている理由は、高い信頼性と充実し
たサポート体制だ。そんな期待に応える
ために、課題をしっかり捉え、パートナー
と一緒に確かなビジネスゴールを描き、
提案する。
評価結果を設計にフィードバック
打ち合わせ
製品精度と信頼性をさらに向上させる
ために、さまざまな状況を想定した検
証を推進。不具合が見つかった場合に
は、それを設計に戻して、さらなる製品
向上に努める。
パートナーのビジネスをよりスムーズに
進めるためには、その先にいるお客様の
利益を最優先に考えなくてはならない。
常に意思統一を図り、ともにお客様に向
き合うベクトルを合わせるための努力を
重ねている。
「課題に直面したお客様へは、迅速かつ正確な回答が求め
られます。そこで、社内や日立グループのSI企業はもちろん、
日頃から周辺パートナーを含めた人脈形成を進め『誰に聞
けば最適解が得られるのか』という“Know Who”を形成し
ておく姿勢が大切です。というのも、より多角的に本質を見
つめることで、目前の問題解決が図れるだけでなく、その中
に潜む将来のビジネスの芽を見出すこともできるからです」
最近、彼が取り組んだ新しい試みに、柏レイソル・ユース
チームでの実証実験がある。これは、各選手に腕時計型セン
サを配り、心拍数や呼吸数、血圧、体温、走行加速性など、
練習中のデータを収集することで、各自の特性に即したト
レーニング方法を見出そうというものだ。
「今後、優れた技術を持ったパートナーやコンサルティング
ファームとの連携をさらに深め、ユニフォームやパジャマな
どにセンサを埋め込んで、睡眠時や覚醒時の各種データをと
るなど、アスリートだけでなく一般の人たちのヘルスケアなど
にも役立てていきたいですね」
小嶋が描く新しいビジネスの構想は、際限なく広がっていく。
Yosuke's profile
3ヵ月間のインド研修を経験し、インフラ形成に貢献する大
切さを痛感。数年後には海外に赴任して、国際ビジネスを
牽引していきたいと考えている。さらに将来は、技術とビジ
ネスの両面から、顧客企業への立体的コンサルティングが
できる存在になりたいと意欲を燃やす。
22
2009年、スタート時のプロジェクトメンバはわず
か3名。現在では100名規模のチームとなり、日・
米・印の3カ国のパートナーと開発を推進してい
る。休日は、家庭菜園で作った野菜を料理して、
家族と一緒に食卓を囲む。それが石川を多忙な日
常から解放してくれる至福の時だ。
石川 篤 1995年入社
工学研究科 機械工学科専攻課程修了
端技術
最先
グラム
ロ
プ
」
留職
新興国「
人財育成
ル
グローバ
開発統括本部 サーバ開発本部
クライアント設計部
菊池 康人 2006年入社
環境情報学府 環境システム学専攻課程修了
誰もが「不可能だ」
と口を揃えたフラッシュストレージを完成。
新興国の課題解決を通じて、
ビジネス推進のキーパーソンへ
ビッグデータ。企業システムは膨大なデータを生成/分析し、事業運営に役立て大きな価値を生み出そうとし
ている。現在、企業データを格納するストレージ製品のHDD(Hard Disk Drive)はI/O(入出力)性能の限界
や、設置スペース/消費電力などの運用管理コストが頭の痛い問題となっている。また、I/Oが早く高性能な
SSD(Solid State Drive)は企業データ向け高信頼フラッシュメモリを搭載する必要があり、非常に高価でごく
一部のシステムへの導入に限られていた。さりとて、USBメモリやモバイルなどのコンシューマ製品に広く適
用される低価格フラッシュメモリは、データの経時劣化など耐久性/信頼性の面で問題があり、重要な企業
データを格納するのは不可能だ、とされてきた。
「専門メーカが口を揃えて『不可能だ』というものを実現できたら、他社にない“勝てる”製品を作れるは
ず」。石川をはじめ、開発チームの技術者魂に火がついた。制御コントローラの内部に高性能CPUを持ち多
数のフラッシュメモリを並列制御するハードウェア、低価格フラッシュメモリ上で経時劣化するデータの状態
を診断しデータ回復をはかるソフトウェアなど、さまざまな新技術に挑戦し、アイデアと工夫を重ねた。その
結果、世界に先駆けて【高性能・大容量・省スペース・省電力】なフラッシュストレージの製品化に成功したの
である。
日立が独自に開発したフラッシュモジュール“Hitachi Accelerated Flash”は、差し替え自由な薄いブレード
状の装置一枚に最大3.2テラバイトのデータを格納。小さな2Uのラックに収納できるわずか12枚で、旧来型
エンタプライズストレージ製品のHDDの大きなラック1本分に匹敵する大容量を実現した。
「一人称で行動し、タフな環境の中でもゴールに辿り着くことができる人財。」ITプラットフォーム事業
本部は、そんな人財の育成をめざして、新興国「留職」プログラムの活用を進めている。このプログラム
の参加者は、新興国の厳しい環境の中、限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮し現地企業の
課題を解決へ導くミッションを背負っている。新興国のビジネスを肌で感じ、世界で戦えるグローバル
リーダーへと成長すべく、菊池は単身ラオスに出向き、この過酷なミッションに挑んだ。
派遣先は太陽光を利用した蓄電池を提供する企業であった。彼らは農村部の隅々に電気を普及させた
いという強い想いを持っているが、農村部は所得が低く、利用単価を下げるためのコスト低減が課題で
あった。菊池はサーバの筐体設計で培った知見にもとづき、蓄電池本体を格納する筐体が蓄電池の大
きさや重量に関わらず同じ仕様で設計されていたことに着目、筐体の強度計算や設計手法を提案し、
材料を最適化することでコスト削減を実現した。
「彼らと信頼関係を築くには、彼らの想いを尊重した上でこちらの想いとのギャップをどう埋めるか考え
ることが大切。1.5ヶ月と短日程だったが、私の提案が彼らにもたらす価値を丁寧に説明した結果、製品
に適用してもらうことができた。」と彼は語る。
「この経験を活かし、アジアのビジネスをリードする人財
になりたい」と夢を膨らませている。
未 来 を 変 える イノベー タ ー。
エンジニアの意地。
Atsushi's profile
開発統括本部 ストレージ開発本部
デバイス応用設計部 部長
Yasuhito's profile
「新興国では、実際の課題自体が不明瞭な
ことも多く、
『何が課題で、何を解決するべき
なのか』を設定するところから始めなければ
ならない」と語る菊池。その中で「最後まで
やりきること」で信頼が生まれ、結果として
自らの自信にもなっていくことを痛感した。
小薗、奥田の二人は、子供時代からクラブチーム
でソフトボールを始め、中学・高校とトッププレー
ヤーとして名を馳せてきた。「見る人を元気にす
る、日立らしい戦い方がしたい」と語る二人は、
「そのためにも、日々の練習が欠かせないんで
す」と笑顔で語る。
23
開発統括本部 プラットフォームQA本部
ストレージ品質保証部
投手
小薗 美希 2013年入社
背番号:16
(株)日立システムズ
人事総務本部 勤労部
内野手
開発統括本部 ソフトウェア開発本部
DB設計部
奥田 茉優希 2013年入社
ーツ
ポ
ス
シンボル
成
育
者
術
背番号:7
技
五十嵐 和人 2006年入社
理工学研究科 情報科学専攻課程修了
名門チームの伝統を受け継ぎ、力を合わせて日本一をめざす。
部門横断的なプロジェクトチームで、組込技術を競う
『ETロボコン』に参加。
日立ソフトボール部は、1985年の創部以来国体優勝やオリンピックチームへのコーチや選手の輩出な
ど、確かな歴史を刻んできた。小薗と奥田は、2013年このチームの一員となったルーキーだ。厳しい
練習に堪える彼女たちの姿はストイックだ。
「シーズン中、平日は毎日練習、土日は試合です。名門チームだけに選手の層が厚く、先輩に追いつい
ていくために必死で練習に励んでいます」
(小薗)
「オフシーズンは、午前中に出社して午後から練習です。土日は講演会や子供たちの指導など、県外
に出掛けるケースも少なくありません」
(奥田)
目標に向かって挑戦し続ける姿は、周囲の人たちを勇気づけ、元気にしてくれる。その姿勢は、スポー
ツでも仕事でも変わらない。ソフトボール部は、日立のシンボルスポーツとしてみんなの気持ちをひと
つにして、職場の一体感を形成することに貢献しているのである。彼女たちは「職場の人たちの期待
に応え、活力を与えることで事業の成長にも役立てれば嬉しい」と語る。
『日立の顔』として見られている存在であることを意識し、常に折り目正しく全力投球することが、
チーム全体の信条。日本一をめざす彼女たちは、今日も全力で走り続ける。
製品に内蔵され、特定の機能を実現する「組込システム」は、日本の産業競争力を牽引する重要な技術
分野だ。ITプラットフォーム事業本部では、業務部門を越えたクロスファンクショナルなチーム編成で、
「組込システム」ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)に3組が参加している。
「これは、二輪直立走行するマシンに、それぞれが設計したソフトウェアを搭載、規定コースに記され
たラインを検知し、途中でシーソーやゲートをクリアしながら、バランス感のある安定した走行を競う
競技です。ハードウェアやコースは同一なので、純粋に本体に組み込んだソフトウェアの勝負となりま
す」と語る五十嵐。彼は、自らの技術力を確かめたくて、本プロジェクトに参加。リーダー役を務めた。
「他部門のメンバによる合同チームだったので、当初は意思統一に苦労しました。しかし、チーム全体
を統率し、お互いに協力し合って仕事を進める経験を通じて、進捗管理やチームワーク形成のための
コミュニケーションや各自のモチベーションアップを図るムードづくりなど、プロジェクトに求められる
マネジメント能力が身についたと実感しています。試合直前までプログラムの書き換えやチューニング
を繰り返しましたが、後輩たちにも、ぜひ参加を勧めたいですね」
リ ー ダ ー シップ を 養 う 。
︵奥田︶
︵小薗︶
Miki's & Mayuki's profile
ストイックに 鍛 える。
ITプラットフォーム事業 本部の「夢と挑戦」
Kazuto's profile
日本中のエンジニアが、同一条件の下で技術
を競い合う「ETロボコン」は、自分自身への
挑戦でもあった。部門を越えたプロジェクト
チームの成果をみんなが見守る中、五十嵐た
ちのマシンはその期待を載せて善戦。チャン
ピオンシップ大会の晴れ舞台を踏んだ。
24
入社2年目まで研修と職場における実践の両面から、プロフェッショナルとして活躍するための素地を築きます。またその
後も各階層に沿って豊富な研修が用意されており、技術面でのスペシャリティやマネジメント能力を磨き、国際ビジネスで
活躍する人財を育成していきます。
教育概要
教育(入社∼2年目)
1年目
(実践)
(カンパニーごと)
各職場で実践型教育
各職場で実際に仕事を行いながら、
上司・指導員からの教育を受ける
⇒1年目から責任のある仕事を担当
仕事の進め方をはじめ、仕事に必要な
知識やスキルを習得することができます!
部長
課長
主任
若手
●営業実習
●現場実習
T
O
E
I
C
グローバルマインド・異文化理解
ビジネススキル 等
導入教育・実習
(各自で選択)
●語学教育
●海外専門知識・実務
選択型研修
基礎技術研修
事業
所長
グローバル人財
育成教育
●海外派遣
●社費留学
●社内英検︵
︶
●新興国﹁留職﹂プログラム
(各自で選択)
●事業開発研修
●専門技術講座
OJT
共通研修
1年間の
まとめ
ソフトウェア実践スキル
プロジェクト管理
(導入)
(研修)
全体集合
研修
(創業の地・
工場訪問)
技術教育
●ETロボコン
●社外講師講演会
全体集合
研修
階層
ヒューマンスキル
教育
●課題・目的別研修
●経営選抜研修
●階層別研修
●コミュニケーション力研修
●キャリア開発研修
OffJT
2年目
研修員論文発表
若者の成長を加速させる原動力は、プロとして
﹁プレッシャーを楽しむことができる﹂マインドです。
私たちは長年にわたって「技術の日立」と呼ばれてきまし
た。そして、加速度的な進化を続けるITの世界でも、日立に
対するこの賛辞は変わることがありません。ITプラット
フォーム事業本部は、日進月歩のITビジネスの渦中で、世
界を舞台にした活動を深化させているのです。
これからビジネスの世界に巣立つ若い人たちに申し上げた
いのは、
「『社会人としてどんな自己を形成したいか』という
明確なビジョンを描いていただきたい」ということです。自分
は何がやりたいのか…、5年後/10年後にどうなっていたいの
か…、そしてそのために、いま何をすべきなのか…を、常に考
えて欲しいのです。そんな姿勢の有無によって、今後の皆さ
んの「伸びしろ」が大きく変わってくるはずです。
若い皆さんにとって最も大切なものは、何ごとにも前向き
に取り組む向上心であり、常に高い技術をキャッチアップ
し、吸収するスタンスを堅持するということです。先輩や上
司に何でも質問できるのは、新人の特権です。ここには
サーバ、ストレージ、ソフトウェアにわたって、世界第一線レ
ベルのエキスパート達が揃っています。この人的資源を、良
い意味で利用し尽くして欲しいと思います。
目前の課題の解決を図るアプリケーション開発ではなく、
人の暮らしや産業化の発展に欠かすことのできないさまざ
まな社会基盤を、ハードとソフトの両面から支える高度な
ITプラットフォームを築く私たちの役割は、今後益々重要に
なってきます。高い技術を明確なカタチにして世界に送り
出すことこそが、私たちの使命なのです。そのためには、今
後市場が求めるものを察知し、具体的な製品として提供す
る姿勢が大切です。すなわち、世界が求める高度なソリュー
ションを他に先駆けて提供する私たちには、揺るぎない技
術とともに、市場ニーズやトレンドを察知する敏感なビジネ
ス感覚が不可欠なのです。
厳しいグローバル競争の中で、作り手が作りたいものを
作って売る“プロダクト・アウト”の時代は、既に終焉しまし
た。私たちは今後とも、お客様が望む製品やサービスを事
前に察知し、まだ世の中にない新たな価値を提供する、そ
んな究極の“マーケット・イン”を追求していきます。
世界の強豪としのぎを削りながら進められるこの大事業
は、決して楽なものではありません。だからこそ技術者とし
て、あるいはビジネスパーソンとして、
「無理難題の解決」
を楽しむことができるポジティブなマインドを持ちたいもの
です。そんな意欲に溢れる若い人財との出会いを、心から楽
しみにしています。
教育研修
●基礎技術教育
新人から管理職まで、3000を超える講座から
必要なものを選択し、学習することができます!
福利厚生
高質な仕事を支えるのは、職場環境の整備と満ち足りたオフタイムです。そこで、最良のワークライフバランスを実現する
ための制度や施策を整備。それぞれのライフスタイルや将来設計に即したサポート体制も充実しています。
仕事をサポート
カフェテリアプラン
社員一人ひとりにポイントを付与し、その持ち点の範囲内で会
社が用意したメニューの中から各自自由に選択・利用できる
制度です。
例:旅行費用補助、各種スクール費用補助 等
年間休日
完全週休2日制(土・日)を導入
年次有給休暇は24日(入社1年未満は22日)取得する事がで
き、祝日や年末年始休暇等を含めると年間130日以上休みを
取ることができます。
食堂・売店・構内診療施設
事業所内には食堂、売店が完備されています。お弁当やお菓
子、生活用品まで幅広く取り揃え、社員のリフレッシュをバッ
クアップしています。また、体調不良の際は診療施設もあり、
社員の心身を守っています。
生活をサポート
財産形成
財形貯蓄、社員持株会、団体保険、確定拠出年金制度など、社
員の生活をサポートする各種福利厚生制度を充実させ、多種
多様なライフプラン形成を応援しています。
寮・住宅手当
生活する上で必要となる「住まい」。当事業本部は事業所近辺
に寮を完備しています。また、幅広い暮らしのニーズに応える
ため、2012年4月に住宅制度を改訂し、社員の負担が大幅に
減るなど、より強力なサポート体制に生まれ変わりました。
家庭サポート
仕事と家庭の両立を推進するため、さまざまなライフステー
ジに合わせ、出産休暇、育児休暇はもちろん、短時間勤務制度
や在宅勤務、介護休暇など、社員の「働く」「暮らす」をサポー
トしています。
日立グループ託児施設 ゲン木くらぶ
ITプラットフォーム事業本部横浜事業所の近くには、日立グループ社員用の託児施設があります。
ハロウィンの時には、元気な園児たちが会社にやってくることも!
ITプラットフォーム事業本部
情報・通信システム社 事業執行役員
プラットフォーム部門COO
兼 ITプラットフォーム事業本部長
岩崎 秀彦
Hidehiko's profile
自身も化学畑出身ながら、ストレージ製品の論理設計を第一
線で担ってきた。「ここには、学生時代を数倍する密度の濃い
時間が流れており、それが人の成長を加速させてくれる」こと
を確信。日立が、今後もグローバルなトップランナーであり続
けるためには、顧客の立場で発想した『価値創造』の意識を
持ち続けることが重要だ、と訴える。
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「Hitachi Smart Navigator」
TOPICS欄にて動画掲載中!