非加速器精密測定実験による 高スケール超対称性の探索

非加速器精密測定実験による
高スケール超対称性の探索
永田 夏海
Kavli IPMU → Univ. of Minnesota
2014年7月2日
益川塾セミナー
京都産業大学
目次
1.  高スケール超対称性
2.  暗黒物質直接探索
3.  中性子電気双極子モーメント
4.  陽子崩壊
5.  結論
1. 高スケール超対称性
Introduction
LHCとSUSY
Ø  SUSY粒子直接探索
超対称性粒子,特にグルイーノ・スクォークの質量に対して
厳しい制限が課されている。
Ø  ヒッグス粒子質量 (∼126 GeV)
最小超対称標準模型 (MSSM) におけるヒッグス質量の予言
Y. Okada, M. Yamaguchi, T. Yanagida (1991), H. E. Haber, R. Hempfling (1991) J. R. Ellis, G. Ridolfi, F. Zwirner (1991)
超対称スケールは,電弱スケールよりも遥かに
高い可能性
高スケール超対称模型
超対称スケール
超対称スカラー粒子・グラビティーノ
Fine-tune
カイラル対称性
(Multiverse ??)
標準模型ヒッグス粒子
超対称性フェルミオン粒子
暗黒物質
特徴
超対称性のスケールが高い場合の超対称標準模型も現象論的に
魅力的な性質を持っている. Ø  126 GeVのヒッグス粒子質量が説明できる
(重いstopによる輻射補正の効果) Ø  超対称性スケールが低い場合にあった,いくつかの
問題を回避できる
(フレーバー・CP問題,グラビティーノ問題) Ø  暗黒物質候補を含む w/ 軽い超対称フェルミオン Ø  ゲージ結合定数の統一 (カイラル対称性) 仮定
超対称性を破るカイラル超場 Z が,何らかの対称変換の下で
変換を受ける(シングレットでは無い)ことを仮定
この時,物質場に対するスカラー質量項は以下の演算子によって
もたらされる。
(MPl: the reduced Planck scale)
スカラー質量
グラビティーノ質量
FZ:Z場のF成分真空期待値
ゲージーノ質量
超場 Z がシングレットで無いことから,ゲージーノ質量に寄与
する次の形の演算子は禁止される:
今の場合,ゲージーノ質量は
アノマリー媒介機構 (Anomaly mediation)
L. Randall and R. Sundrum (1998)
G.F. Giudice, M.A. Luty, H. Murayama, R. Rattazzi (1998)
と呼ばれる機構によって誘導される。
ウィーノが最も軽くなる。 ヒッグシーノ質量
ヒッグシーノ質量は,Supergravityの効果によりケーラー・
ポテンシャルから誘導される(Giudice-Masiero機構)。
ヒッグシーノは,グラビティーノと同じくらいの質量を
獲得する。
その他のソフト項
A-term: Anomaly mediationにより生じる
B-term: B ∼ m3/2
質量スペクトル
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
Gauginos (ループ因子の分軽くなる)
Gluino
Bino
Wino
質量スペクトル
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
MS = 10(2-­‐4) TeV
Gauginos (ループ因子の分軽くなる)
ヒッグス質量を説明
mh>127GeV
Gluino
tanb
10
Bino
135GeV
Wino
130GeV
tanβは小さい
125GeV
120GeV
mh<115.5GeV
1
10
102
MSUSY êTeV
103
104
M. Ibe, S. Matsumoto, T. Yanagida (2012) 質量スペクトル
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
MS = 10(2-­‐4) TeV
Gauginos (ループ因子の分軽くなる)
Gluino
Bino
Wino
O(1) TeV
pure gravity media.on, M. Ibe, T. Moroi, T. T. Yanagida (2007) simply unnatural supersymmetry, N. Arkani-­‐Hamed, et.al. (2012) spread supersymmetry, L. J. Hall and Y. Nomura (2012) mini-­‐split, A. Arvanitaki, et.al. (2012) 動機
高いスケールの超対称性は,階層性問題を解決するという観点から
考えるとやはり不満が残るように思われる。
一方で,非常に単純な構造のまま,現象論的に妥当な模型が構築可能。
結局実験によって決着するしかないのであるから,たとえ超対称
スケールが比較的高くても,それを検証することが可能な観測
手段を考えておくことは非常に重要。
一般に,
非加速器精密測定実験
は,加速器実験で到達しうるよりも高いスケールを調べることが可能
高い精度の理論計算が必要になる
戦略
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
MS = 10(2-­‐4) TeV
Gauginos (ループ因子の分軽くなる)
Gluino
Bino
Wino
複雑な構造を持ちうる スカラー粒子を狙う。
O(1) TeV
比較的軽いことが保証
されているLSPを狙う
2. 暗黒物質直接探索
Based on J. Hisano, K. Ishiwata, N. Nagata, Phys. Lett. B 690 (2010) 311, Phys. Rev. D 82 (2010) 115007 , and Phys. Rev. D 87 (2013) 035020. ウィーノ
標準模型粒子(Wボソン) 超対称パートナー粒子(ウィーノ) W0
˜0
W±
˜±
電弱対称性の破れ後
量子補正で質量差が
生じる。
荷電-­‐中性ウィーノ質量差 170
Heavy wino limit
by Yamada (2009)
δm [MeV]
165
160
155
•  中性ウィーノがLSPとなる
•  O(100) MeVの質量差
150
two-loop
one-loop
100
1000
mneutralino [GeV]
M. Ibe, S. Matsumoto, and R. Sato, Phys. Le[. B 721 (2013) 252.
ウィーノ暗黒物質
消滅断面積・熱残存量計算 0.3
0.2
0.1 WMAP
0
1
n
No
ive
t
a
rb
u
rt
e
P
tive
a
b
tur
r
e
−p
2
m (TeV)
3
Ø  非摂動効果(Sommerfeld効果)を取り入れる必要
Ø  の時観測量を説明できる
Ø  さらに軽い場合も,非熱的生成で説明可能
J. Hisano, S. Matsumoto, M. Nagai, O. Saito, M. Senami (2006).
ウィーノ暗黒物質
マルチバースに基づく人間原理的選択則? L. J. Hall, Y. Nomura (2012).
ウィーノ暗黒物質探索
暗黒物質探索 Ø  加速器での探索
Ø  直接検出実験
Ø  間接検出実験
これらの実験結果を全て考慮し,暗黒物質の正体に せまっていくことが重要。 ウィーノ暗黒物質探索
暗黒物質探索 Ø  加速器での探索
Ø  直接検出実験
Ø  間接検出実験
これらの実験結果を全て考慮し,暗黒物質の正体に せまっていくことが重要。 今回は,特に直接検出実験について議論する。 時間があれば他についても多少コメントする予定。 Nucleus
WIMP−nucleon cross section (cm2)
暗黒物質直接探索実験
−44
10
6
8
10
12
−40
10
−45
10
−42
10
−44
WIMP DM
Recoil energy
10
1
10
2
10
3
2
mWIMP (GeV/c )
10
[Large Underground Xenon (LUX), arXiv: 1310.8214]
• 
暗黒物質直接探索実験によって,WIMP暗黒物質と核子との弾性
散乱断面積は非常に強い制限を受けている
(for WIMPs of mass 33 GeV)
• 
数トン規模の検出器を用いた将来実験も複数計画されていて,検
出感度の飛躍的向上が今後も期待されている
動機
暗黒物質直接検出実験の結果を元に暗黒物質の性質を調べるためには,
WIMP暗黒物質・核子の弾性散乱断面積
を高精度で求めることが必要である。
■ ウィーノ暗黒物質に関する先行研究
• 
J. Hisano, S. Matsumoto, M. Nojiri, O. Saito, Phys. Rev. D71 (2005) 015007. • 
M. Cirelli, N. Fornengo, A. Strumia, Nucl. Phys. B753 (2006) 178. • 
R. Essig, Phys. Rev. D78 (2008) 015004. Ø  これらの計算は互いに一致していなかった Ø  グルーオンの寄与が抜けていた 主要な寄与を全て取り入れ,再計算を行った。
散乱のエネルギー・スケール
暗黒物質の局所平均速度 (mean local velocity)
v ∼ (2-3)00 km/s
散乱過程は非相対論的
散乱のエネルギー・スケール
暗黒物質質量 M ∼ 100 GeV とすると,
暗黒物質直接検出実験では,数十keV程度の反跳
エネルギーに感度のある検出器を用意する必要がある。
Spin-­‐dependent vs. Spin-­‐independent
非相対論的極限で,暗黒物質と核子との相互作用は次の二種類に
大きく分けられる:
• 
スピンに依存する (spin-dependent) 相互作用
• 
スピンに依存しない (spin-independent) 相互作用
後者の相互作用は,各核子同士について加算的に干渉する
ため,核子数が多ければ多いほど断面積が増大する。
質量数の大きな原子核を標的に用いることで,スピンに
依存しない散乱の断面積に対しては検出感度を上げるこ
とができる。
例)Xe (A ∼ 130) [LUX, XENON, XMASS など]
マヨラナ暗黒物質に対する有効ラグランジアン
スピンに依存する相互作用
+fq mq ¯˜0 ˜0 q¯q
LG = fG ¯˜0 ˜0 Gaµ⌫ Gaµ⌫
€
スピンに依存しない相互作用
マヨラナ条件
˜0 : DM
mq : quark mass
Twist-2 演算子
M : DM mass
核子行列要素(クォーク・スカラー)
スカラータイプのクォーク演算子の核子行列要素は,QCD格子
シミュレーションで評価されている。
mass fractions
(mN:核子質量)
ud s
残りはグルーオンの寄与に対応
X
1
fT q ⌘ fT G
gluon
q=u,d,s
H. Ohki et al. (2008) Mass frachons for proton
カイラル摂動論で評価された値と比べると,
ストレンジ・クォークの量が一桁くらい少ない。
(以前はもっと多いと思われていた。)
核子行列要素(グルーオン・スカラー)
グルーオン場の強さの核子行列要素は,エネルギー・運動量
テンソルのトレース・アノマリーを用いて評価できる。
n  エネルギー・運動量テンソルのトレース・アノマリー(Nf = 3)
µ
µ
(
=
4
s)
s
Aµ
G
+ (1
GA
µ
m)
mq qq
q
X
mN
mN f T q
q=u,d,s
N|
A
s Gµ
G
Aµ
|N =
8
mN fT G
9
M. A. Shifman, A. I. Vainshtein and V. I. Zakharov, Phys. Le[. B 78 (1978) 443.
核子行列要素(Twist-2 演算子)
Twist-2演算子の核子行列要素は,パートン分布関数(PDF)を用いて
評価される。
ただし,q(2), G(2) 等はPDFのsecond momentと呼ばれる量で,
次式で定義される。
J. Pumplin et al., JHEP 0207:012 マヨラナ暗黒物質と核子との有効結合定数
マヨラナ暗黒物質と核子とのスピンに依存しない相互作用の
結合定数は,次のように与えられる。
¯N
Lef f = fN ¯
˜ ˜N
αs で抑制される
暗黒物質とグルーオンとのスカラー相互作用は,高次の
量子効果で誘導されるにも関わらず,クォークとの相互作用
と同程度に寄与しうる。
ダイアグラム ツリー
χ
χ
χ
q
χ
χ
0
h
q
q˜
q˜
q
q
χ
q
q
これらの寄与は全て非常に小さくなる
ウィーノ暗黒物質・核子散乱はループ・レベルで生じる。
ダイアグラム 1ループ
~
~
χ0
χ0
χ-
~
~
χ0
χ0
~
~
W
W
h0
q
``Scalar” χ-
W
``twist-­‐2”
q
q
q
これらの過程は,暗黒物質の質量が電弱スケール
よりも十分重くても小さくならない.
ゲージボソン質量程度の運動量がループ積分に最も寄与することに
由来する,non-decoupling効果
J. Hisano, S. Matsumoto, M. Nojiri, O. Saito, Phys. Rev. D 71 (2005) 015007.
ダイアグラム 2ループ
~
~
χ0
χ0
~
~
χ0
χ0
~-
χ
χ~
W
h
W
0
W
Q
Q
g
``Gluon” contribuhon
g
g
g
Ø  以前の計算では抜けていた
Ø  1-loopのクォークの寄与が効くならば,2-loopのグルーオンの
寄与も同程度に効きうる
Ø  これらのダイアグラムもnon-decoupling
J. Hisano, K. Ishiwata, and N. Nagata, Phys. Le[. B 690 (2010) 311.
10-45
1e-09
SI cross section (cm2)
SI effective coupling fp (GeV-2)
結果
5e-10
0
-5e-10
-1e-09
Higgs
twist-2
gluon
1000
2000
3000
10-46
Matrix element
Higgs mass
mh = 125.9 ± 0.4 GeV
10-47
10-48
DM Mass (GeV)
1000
2000
3000
DM Mass (GeV)
• 
各々の寄与が打ち消し合っていた
• 
結果得られた散乱断面積は小さい値 O(10
47
) cm2
J. Hisano, K. Ishiwata, and N. Nagata, Phys. Le[. B 690 (2010) 311.
加速器による探索
荷電・中性ウィーノ質量は非常に縮退している。
220
1
m [MeV]
荷電ウィーノは長寿命になる(τ∼0.2 ns)。
210
200
tan = 5, µ > 0
Observed 95% CL limit (±1
theory
Expected 95% CL limit (±1
exp
)
)
Disappearing track -1
ATLAS ( s = 7 TeV, 4.7 fb , EW prod.)
ALEPH (Phys. Lett. B533 223 (2002))
χ0
Theory (Phys. Lett. B721 252 (2013))
±
‘Stable’
1
ATLAS
190
s = 8 TeV,
L dt = 20.3 fb
-1
180
χ±
π± (soft)
+ISR jet
170
160
TRT(飛跡検出器)を用いる。
150
140
100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600
m ± [GeV]
1
mW
f > 270 GeV
(95% C.L.)
ATLAS Collaborahon (2013).
暗黒物質間接探索
ウィーノの対消滅断面積は大きい。
間接検出実験が有望
ガンマ線から特に強い制限
10-22
1
v (cm3 s-1)
Dark Matter Fraction
10
10-1
10
-2
10
-3
Expectation
r
10-23
wino
10
ined (1
Comb
0.5
1.0
1.5
2.0
M2 @TeVD
2.5
3.0
D
ans
Sext
inor
M
Ursa
s)
5 dSph
4 years observation
-26
10
raco
cros
s sec
tion
-24
10-25
10-4
to
Sculp
102
103
Wino Dark Matter Mass (GeV)
H.E.S.S.(銀河中心からの単色ガンマ線) Fermi,矮小楕円銀河 (dSph)
比較的不定性の少ない制限
大きな不定性
[1307.4082]
[1405.4914]
3. 中性子電気双極子モーメント
Based on K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, and K. Tsumura, JHEP 1312 (2013) 010. フレーバー・CP
»m Bé » = »m Wé » = 3 TeV , »m gé » = 10 TeV
30
mÆ
3e
v.
nE
DM
M h = 12 5.5±1 G
eV
e le
ch arm
m ixin g
n eu tron
EDM
e le c
mÆe
con
v.
1
30
ED M
on
mÆ
eg
3
ec
mÆ
ct ro
tan b
10
Kaon
m ixin g
n eu tron
EDM
t ron
現在
10
tan b
Kaon
m ixin g
mÆ
eg
3
mÆ
3e
M h = 12 5.5±1 G
eV
将来
1
10
ch arm
m ixin g
10 2
m qé = m lé = »m» HTeVL
10 3
10 4
10 5
W. Altmannshofer, R. Harnik, J. Zupan, JHEP 1311 (2013) 202.
フレーバー・CP
»m Bé » = »m Wé » = 3 TeV , »m gé » = 10 TeV
30
mÆ
3e
v.
M h = 12 5.5±1 G
eV
g
g!
n eu tron
EDM
q!J
qj
qi
e le c
mÆe
con
v.
!
ED M
e le
ch arm
m ixin g
1
30
qj
q!I
qi
nE
DM
on
mÆ
eg
3
ec
mÆ
ct ro
tan b
10
Kaon
m ixin g
n eu tron
EDM
t ron
現在
10
tan b
Kaon
m ixin g
mÆ
eg
3
mÆ
3e
M h = 12 5.5±1 G
eV
将来
1
10
ch arm
m ixin g
10 2
m qé = m lé = »m» HTeVL
10 3
10 4
10 5
W. Altmannshofer, R. Harnik, J. Zupan, JHEP 1311 (2013) 202.
フレーバー・CP
»m Bé » = »m Wé » = 3 TeV , »m gé » = 10 TeV
30
mÆ
3e
v.
M h = 12 5.5±1 G
eV
e le
ch arm
m ixin g
n eu tron
EDM
e le c
mÆe
con
v.
1
30
ED M
on
nE
DM
ec
mÆ
mÆ
eg
3
今日のテーマ
ct ro
tan b
10
Kaon
m ixin g
n eu tron
EDM
t ron
現在
10
tan b
Kaon
m ixin g
γ (g)
g˜
mÆ
eg
3
mÆ
3e
将来
1
10
M
u
˜Lh = 12t˜5.
L 5±1 Gt˜R
eV
uL
u˜R
uR
ch arm
m ixin g
10 2
m qé = m lé = »m» HTeVL
10 3
10 4
10 5
W. Altmannshofer, R. Harnik, J. Zupan, JHEP 1311 (2013) 202.
中性子電気双極子モーメント(nEDM)
非相対論的ハミルトニアン
相対論的ラグランジアン
時間反転(T),空間反転(P)の対称性を破る
(CPT定理より,CP対称性も破っているとわかる)
CKM行列による寄与
CKM行列
… 標準模型におけるCP対称性の破れの源
フレーバーを変える相互作用であるため,nEDMへの
寄与は非常に小さい。
Leading contribution to nEDM (2 loop)
W
s
γ
π
+
c, t
c, t
d
g
n
Σ−
n
u, d
u, d
strong penguin
I. B. Khriplovich and A. R. Zhitnitsky (1982).
nEDM測定
実験による制限(Institut Laue-Langevin)
Phys.Rev.Lett. 97, 131801 (2006).
次世代実験
PSI, SNS, KEK-RCNP, … など
∼ 10-28 e cm ??
いずれにせよCKM行列による寄与は実験値(予想値)の遥か下
Ø  BG free
QCDセクターにおける,フレーバーを変えない
CP対称性の破れに非常に感度がある量。
nEDM実験制限
+
∼ 1 fm
-
∼ 10-13 fm
有効ラグランジアン
(ハドロン・スケール; 次元5まで)
θ term
quark EDMs
CP-violating parameters
(physical parameter)
quark CEDMs
有効ラグランジアン
(ハドロン・スケール; 次元5まで)
PQ対称性で消えるθ term
quark EDMs
quark CEDMs
新物理の効果はこれらの演算子で表わされる。
目標
高スケール超対称模型における,これらの
演算子に対する寄与を精度よく評価したい。
電気双極子モーメント
γ (g)
g˜
uL
u˜L
t˜L
t˜R
u˜R
uR
スフェルミオン質量項
超対称性スケールが高い時( MS O(102 ) TeV ),O(1)の
フレーバーの破れおよびCP位相が許される。
T. Moroi and M. Nagai (2013), D. McKeen, M. Pospelov, A. Ritz (2013) W. Altmannshofer, R. Harnik, J. Zupan (2013), K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, K. Tsumura (2013)
質量差と有効理論
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
Gauginos
Gluino
スケール差
Bino
Wino
ハドロン・スケール:O(1) GeV
質量差と有効理論
Scalar Par!cles Gravi!no Higgsinos
Gauginos
Gluino
スケール差
Bino
Wino
有効理論
+
くりこみ群方程式
ハドロン・スケール:O(1) GeV
QCDの効果を考える。
超対称スケール以下の有効理論
有効ラグランジアン 5
Leff =
C1q (µ)O1q (µ) +
q=u,d,s
C2q (µ)O2q (µ) +
q=u,d,s i=1
q=u,d,s
Ciq (µ)Giq (µ)
有効演算子 O1q
O2q
i
eQq mq q
2
i
gs mq q µ
2
µ
5 qFµ ,
5T
A
qGA
µ ,
quark EDMs, CEDMs
G1q
G2q
G3q
G4q
dABC
2Tr({TA , TB }TC
[TA , TB ] = ifABC TC
G5q
1
q¯q˜
g A i 5 g˜A ,
2
1
q¯i 5 q˜
g A g˜A ,
2
1
dABC q¯T A q˜
g B i 5 g˜C ,
2
1
dABC q¯i 5 T A q˜
g B g˜C ,
2
i
fABC q¯ µ i 5 T A q˜
gB
2
quark-gluino four-Fermi
µ
g˜C .
くりこみ群方程式
µ
µ
C(µ) = C(µ) ,
(C1q , C2q , C1q , C2q , C3q , C4q , C5q ) .
C
異常次元 s
=
4
0
q
,
1
g
(4 )2 q˜
s
4
g
˜
くりこみ群方程式
µ
µ
C(µ) = C(µ) ,
(C1q , C2q , C1q , C2q , C3q , C4q , C5q ) .
C
異常次元 s
4
=
0
q
,
1
g
(4 )2 q˜
q
=
8CF
8CF
16CF
0
4N
s
4
g
˜
,
quark EDMsとCEDMsとの混合
CF = 4/3, N = 3
M. A. Shifman, A. I. Vainshtein, and V. I. Zakharov, Phys. Rev. D 18, 2583 (1978) M. Ciuchini, E. Franco, L. Reina, and L. Silvestrini, Nucl. Phys. B 421, 41 (1994).
くりこみ群方程式
µ
µ
C(µ) = C(µ) ,
(C1q , C2q , C1q , C2q , C3q , C4q , C5q ) .
C
異常次元 s
=
4
0
q
,
1
g
(4 )2 q˜
g
˜
=
6CF 6N
0
0
0
24
0
6CF 6N
0
0
24
s
4
g
˜
0
0
6CF
0
12N
0
0
0
6CF
12N
2
2
(N 2 4)/2N
(N 2 4)/2N
2CF 4N
,
quark-gluino four-Fermi の混合
K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, K. Tsumura, JHEP 1312 (2013) 010.
くりこみ群方程式
µ
µ
C(µ) = C(µ) ,
(C1q , C2q , C1q , C2q , C3q , C4q , C5q ) .
C
異常次元 s
=
4
0
q
g
,
1
g
(4 )2 q˜
s
4
g
˜
g!
q
q˜
g
=
0
0
0
0
0
0
0
0
M
0 8N mqg˜
q
Ø  four-Fermi からCEDMへ混ざる効果
.
Ø  αs の因子が無い
K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, K. Tsumura, JHEP 1312 (2013) 010.
初期条件
g
!
u! L t!L
Matching condihon C3u (MS )
uR
uL
uR
=
C2u (MS )
1 gs2 mt
Im µ cot
=
2N MS4
=
C4u (MS )
1 gs2 mt
=
Im µ cot
2 MS4
C5u (MS )
C1q (MS ) = +
C2q (MS )
g!
t!R u! R
uL
C1u (MS )
g
g!
!
=
1 gs2 mt
Im µ cot
4
4 MS
16 Mg˜ q
C5 (MS ) ,
2
(4 ) 3 mq
1
1
118 Mg˜ q
=+
C (MS ) .
(4 )2 3 mq 5
eL u
Q
eR
13 13
eL u
Q
eR
13 13
eL u
Q
eR
13 13
,
,
ダウンタイプの場合は
, cotβ→ tanβ
短距離の寄与だけを含めた
(matching)
EDM・CEDM
EDM•CEDM [e⋅cm]
10-24
EDM dq
~
e⋅CEDM e⋅d q
-25
10
-26
10
M3 = 3 TeV, μ = MS , tanβ = 3$
sinθ = 1/√2, δ = 1/3$
-27
10
up
-28
10
-29
10
-30
10
dq = mq (µH )eQq C1q (µH ) ,
d˜q = mq (µH )C2q (µH )
down
102
103
MS [TeV]
104
μH: ハドロン・スケール
Ø  くりこみ群の効果は,CEDMについてはO(10) %, EDMについ
てはO(100) % だった
Ø  up-type の方が大きくなる(tanβが小さいため)
K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, K. Tsumura, JHEP 1312 (2013) 010.
中性子EDM
neutron EDM [e⋅ cm]
10-24
-25
10
-26
10
M3 = 3 TeV, μ = MS , tanβ = 3$
sinθ = 1/√2, δ = 1/3$
-27
10
10-28
-29
10
-30
10
Mg~ = 3TeV
102
103
MS [TeV]
104
QCD Sum Rule による計算 dn = 0.79dd
0.20du + e(0.30d˜u + 0.59d˜d ) ,
O(10) % の誤差
J. Hisano, J. Y. Lee, N. Nagata, Y. Shimizu, Phys. Rev. D 85 (2012) 114044.
cf.) カイラル摂動論の計算 K. Fuyuto, J. Hisano, N. Nagata, Phys. Rev. D 87 (2013) 054018.
中性子EDM
neutron EDM [e⋅ cm]
10-24
-25
10
-26
10
M3 = 3 TeV, μ = MS , tanβ = 3$
sinθ = 1/√2, δ = 1/3$
-27
10
10-28
-29
10
-30
10
Mg~ = 3TeV
2
10
3
10
MS [TeV]
4
10
近い将来の目標
Ø  中性子EDM,水銀EDM,陽子EDM,重水素EDMなどの将来実
験は,O(103) TeVの超対称性に感度あり
Ø  CP-odd π-N 結合などの再計算の必要性
4. 陽子崩壊
Based on J. Hisano, T. Kuwahara, N. Nagata, Phys. Lett. B723 (2013) 324 , J. Hisano, D. Kobayashi, T. Kuwahara, N. Nagata, JHEP 1307 (2013) 038 , N. Nagata, S. Shirai, JHEP 1403 (2014) 049. SUSY GUTと陽子崩壊
超対称大統一理論では,陽子崩壊を誘導する演算子として, 次元5のものを書くことができる。 N. Sakai, T. Yanagida (1982) S. Weinberg (1982) など。 超対称スケール MS でスフェルミオンは積分される。
超対称性スケールが電弱スケール程度の時,陽子崩壊の寿命が 短くなりすぎてしまい,実験制限に抵触すると考えられてきた。 理論予言:
H. Murayama and A. Pierce (2002) 実験制限:
Super-­‐Kamiokande 超対称スケールが高い場合にはどうだろうか? 最小超対称大統一理論
MSSMの物質場は,
S. Dimopoulos and H. Georgi (1981) N. Sakai (1981)
表現に埋め込まれる。
MSSMのヒッグス場は 表現に埋め込まれる。
カラー三重項ヒッグス
バリオン数を破る相互作用 をもたらす。 MSSMヒッグス超場
(MHC : カラー三重項ヒッグスの質量)
湯川相互作用
湯川結合 (i,j: 世代, a,b,…: SU(5) 添字)
場の再定義 自由度 2 × 6 + 2 × 9 − 9 × 2 = 6 + 4 + 2
クォーク質量
CKM
(実自由度)
新たな位相
マッチング条件 (Vij: CKM行列@GUTスケール)
拘束条件 (独立な自由度は2つ)
次元5有効演算子
Qi
Qk
HC
LLLL
Qi
Ui
HC
Uk
HC
Ll
Ej
HC
Dl
RRRR
陽子崩壊をもたらす次元5演算子はカラー三重項ヒッグス交換により誘導される。
有効ラグランジアン Wilson係数
演算子
LLLL
RRRR
特徴
演算子
LLLL
RRRR
カラー添字の反対称性により,全てのクォーク場が同世代にはなれない。
終状態に異なる世代のクォークを含む崩壊モードが支配的になる。
Wilson係数
例)p → K+ν
未知の位相を含む
3世代の湯川結合が大きいことから,フレーバーの変化を伴って3世代の 湯川結合を拾う寄与が重要となりうる。
At SUSY scale
" # #
! W
g,
, B, Hu,d
スフェルミオン質量スケール MS で,次元5演算子は上の1ループダイアグラム
を通じて4フェルミ演算子と接続される。
この時,フレーバーの変化を考慮することが重要となる。
場合分け
1.  スフェルミオン質量でフレーバーを破っていない場合
•  フレーバーの破れの源はCKM行列のみ
•  荷電ウィーノ,荷電ヒッグシーノ交換でフレーバーを破ることができる
2.  スフェルミオン質量でフレーバーを破っている場合
Minimal Flavor Violahon
qL (lL)
qL
dR (sR )
˜lL (˜
qL )
q˜L
t˜R
LLLL
(a)
τ˜R
˜u
H
˜
W
qL
uR
lL (qL)
sL (dL)
フレーバーの変化を伴うが, 3世代の湯川結合を拾うので 結果的に主要な寄与となる。 ˜d
H
RRRR
(b)
(ντ )L
T. Goto and T. Nihei (1999) V. Lucas and S. Raby (1997)
ループ関数 カイラリティ反転 [M:ウィーノ質量(M2)または
ヒッグシーノ質量(μH)]
スフェルミオン質量の2乗で減少する 特に,μH >> M2 の時,ヒッグシーノ交換過程が支配的になる。 陽子崩壊寿命
陽子崩壊寿命は,近似的に次式で与えられる(μH = MS )
tanβが大きくなるにつれ陽子崩壊寿命は急激に減少する。
超対称性スケールが高い場合
•  ヒッグス質量を説明するにはtanβが小さいほうが良い
•  カラー三重項ヒッグス質量は大きく(1016 程度に)なる傾向 省略
結果得られる寿命は,現在の実験制限を回避しうるとわかる。
実験制限:
超対称性が高い場合の最小超対称大統一理論は
現在の実験制限と無矛盾。
結果
36
5
10
β=
50
β=
tan
β=
tan
tan
10
30
β=
35
tan
tan
β
lifetime (years)
MHc = 1.0 × 1016 GeV
=3
10
MS = μ
M2 = 3 TeV
結果は位相に殆ど依らない 34
10
実験制限 33
10
102
103
104
105
MS (TeV)
超対称性スケールが高い場合,陽子崩壊の寿命は実験制限を
逃れているとわかる(特にtanβが小さい場合)。
J. Hisano, D. Kobayashi, T. Kuwahara, N. Nagata (2013).
フレーバーの破れと陽子崩壊
超対称性スケールが高い場合,O(1)のフレーバーの破れが
許される。
一方で,陽子崩壊率は,スフェルミオン質量行列でのフレーバーの
破れに大きく依存する。
目標
Ø  フレーバーの破れがある場合の陽子崩壊率を求め,
現在の実験制限を議論
Ø  フレーバーの破れを伴う陽子崩壊に特徴的な振る
舞いを調べる
Sfermion Flavor Violahon
スフェルミオン質量項
スフェルミオン質量項でフレーバーが破れている場合,グルイーノ交換 過程の寄与が重要になる。
特に,
νµ , ντ
が大きな効果をもたらす。
s
b!
t!
!
!
QL ∗
δ13
QL ∗
δ13
注:RRRRからのグルイーノ交換過程の寄与は
p → K+ν モードには影響しない。
d!
u!
g!
u
UEUD
d
荷電レプトンモードには影響する。
p → K+ν
1037
1036
1/Γ(p → K + ν¯) [year]
1035
1034
MS = 100 TeV, M1 = 600 GeV,$
M2 = 300 GeV, M3 = -2 TeV,$
μ = MS , MHc = 1016 GeV ,$
tanβ = 5$
1033
1032
1031
˜
QL
δ13
˜
1030
QL
δ12
1029
u
˜R
δ13
28
QL
δ23
10
1027
˜
SK Limit
0.01
0.1
δ
フレーバーの破れが大きくなるにつれ,陽子崩壊率は急激に上昇
特に,左巻きスクォークの質量項におけるフレーバーの破れに 感度がある。
N. Nagata, S. Shirai (2013).
崩壊モード比較
Minimal Flavor Violation
31
10
32
10
33
10
34
10
35
10
lifetime (years)
36
10
37
10
31
10
32
10
33
10
34
10
35
10
36
10
37
10
lifetime (years)
スフェルミオン質量項でフレーバーが破れている時,様々な
崩壊モードの崩壊率が上昇する。
スフェルミオン質量項におけるフレーバーの破れに感度の
感度のあるモードを考察してみる。
実験制限
Soudan Frejus Kamiokande IMB
p
e+
n
e+ -
p
n
p
0
+
0
-
+
+
n
0
p
p
n
e+
p
n
e+ 0
e+ -
p
n
p
n
p
p
n
p
n
n
p
n
Super-K
+
+
0
-
+
+
0
e+
+
e+ K 0
e+ K e- K +
+K0
+KK+
p
n
p
e+ K*(892)0
p
n
K*(892)+
K*(892)0
K0
32
10
10
33
/B (years)
34
10
35
10
Super-­‐Kamiokande
フレーバーの破れと崩壊モード
•  フレーバーの破れが無い場合,終状態に荷電レプトンを含む
モードは非常に小さい崩壊率
荷電レプトンモードに着目
•  荷電レプトンモードはXボソン交換過程でも誘導される。
Dj
Ui
Uk
X
Qk
El
X
Ll
Qi
Qj
ゲージ相互作用であり,異なる世代を外線に含むモードはCKM
行列の分抑制される。
実験制限
Soudan Frejus Kamiokande IMB
p
e+
n
e+ -
p
n
p
0
+
0
-
+
+
n
0
p
p
n
e+
p
n
e+ 0
e+ -
p
n
p
n
p
p
n
p
n
n
p
n
Super-K
+
+
0
-
+
+
0
e+
+
e+ K 0
e+ K e- K +
+K0
+KK+
p
n
p
e+ K*(892)0
p
n
K*(892)+
K*(892)0
K0
32
10
10
33
/B (years)
34
10
35
10
Super-­‐Kamiokande
フレーバーの破れと崩壊モード
•  フレーバーの破れが無い場合,終状態に荷電レプトンを含む
モードは非常に小さい崩壊率
荷電レプトンモードに着目
•  荷電レプトンモードはXボソン交換過程でも誘導される。
Dj
Ui
Uk
X
Qk
El
X
Ll
Qi
Qj
ゲージ相互作用であり,異なる世代を外線に含むモードはCKM
行列の分抑制される。
実験の精度を考えると,p → π0μ+ モードが一番見えやすそう。
p → π0μ+
1/Γ(p → π 0 µ+ ) [year]
1038
1036
1034
1032
1030
˜
MS = 100 TeV, M1 = 600 GeV,$
M2 = 300 GeV, M3 = -2 TeV,$
μ = MS , MHc = 1016 GeV ,$
tanβ = 5$
QL
δ13
˜L
Q
δ12
u
˜R
δ13
SK Limit
0.01
0.1
δ
右巻きアップ型スクォークのフレーバーの破れにも感度あり
将来実験でスフェルミオン質量行列におけるフレーバーの
破れを探りうる。
N. Nagata, S. Shirai (2013).
5. 結論
Summary
• 
高スケール超対称標準模型を,非加速器精密測定実験
で探索する試みを議論した
• 
暗黒物質直接検出率は,従来計算よりも一桁以上小さ
い値を得た
• 
くりこみの効果をきちんと取り入れることで,電気双
極子モーメントの計算を改善
• 
陽子崩壊実験が有望
• 
様々な精密測定実験を合わせて探っていくことが重要
おまけ: ウィーノ暗黒物質
Diagrams Tree-­‐level
χ˜0
χ˜0
h
q
χ˜0
``Higgs” contribuhon
h0
0
q
Q
g
Effechve coupling
g22
H
(Z12
Cq =
2
2mW mh
CqH
χ˜0
g
Z11 tan
g22 (M2 + µ sin 2 )
2m2h (M22 µ2 )
W )(Z13
cos
Z14 sin )
(Zij: Neutralino mixing matrix)
Prospects Wino-­‐proton sca[ering cross sechons
SpNlat, Sslat
-46
sHcm2L
10
10-47
QCD higher order
10-48
SpN, S0
10-49
100
Nucleon matrix
120
mhHGeVL
140
160
180
200
R. J. Hill, M. P Solon (2011) • 
Uncertainty mainly comes from the perturbahve QCD. • 
Need for higher order calculahon. J. Hisano, K. Ishiwata, N. Nagata, in progress.
Neutrino BG IC
( 2 0 1 2)
(2 0
CoGeNT
(2012)
13
)
CDMS Si
(2013)
LE
SIMP
DAMA
CR
E
SS
T
EISS (2
EDELW
COHER
EN
7
T
Be
N
Neutrinos EU TRI
)
(2012
011)
NG
E
N O SCATT RI
12)
P (20
P
U
O
C
12)
III (20
N
I
L
ZEP
09)
e (20
G
I
I
S
CDM
012)
00 (2
1
n
o
Xen
)
(2013
LUX
8B
Neutrinos
ENT
COHER
NE U
TR
I NO
1
10
EN
C O HE R
ING
pheric
SC ATTER
Atmos
100
WIMP Mass GeV c2
G
TERIN
SCAT
O
UTRI N
os
T NE
eutrin
SNB N
and D
1000
1
10
3
10
5
10
7
10
9
10
11
10
13
10
2
10
4
10
6
10
8
10
10
10
12
10
104
14
WIMP nucleon cross section pb
l it e
CDMS
DA
M
10
J. Billard, E. Figueroa-­‐Feliciano, L. Strigari [arXiv: 1307.5458].
Higgs-­‐nucleon coupling Large mass frachons (f_Tq à large)
Higgs-­‐nucleon couplings are enhanced
Input parameters
H. Y. Cheng (1989) ■ Lattice results (ours)
■ Chiral perturbation (traditional)
M. M. Pavan et al. (2002) H. Ohki et al. (2008) B. Borasoy and U. G. Meissner (1997) おまけ: GUTスケール粒子の質量スペクトル
最小超対称大統一理論
ゲージ超場 Xボソン (質量: MX)
MSSMゲージ超場
バリオン数を破る相互作用を誘導する
随伴表現のヒッグス超場 SU(5) → SU(3)C × SU(2)L × U(1)Y SMシングレット
随伴表現ヒッグス(質量: MΣ)
Xボソンの縦波成分になる
くりこみ群の方法
大統一理論に含まれる重い粒子は,ゲージ結合定数に対し
大統一スケール(μGUT)で敷居補正をもたらす。
αi-1(μGUT) = αG-1(μGUT) + 敷居補正の効果
統一されたゲージ結合定数
GUTスケールの粒子の
質量に依存
くりこみ群方程式を用いて求めることができる。
この関係式を用いて,大統一スケールの粒子の質量を 間接的に評価することができる。 J. Hisano, H. Murayama, T. Yanagida (1992).
GUTスケールでの敷居補正
敷居補正 (1-­‐loop in DR scheme) この時,次の2つの関係式を得る: 大統一スケール これらの関係式を用いて,MHC および MGUT を評価する。
1-ループの解析
定性的な振る舞いを見るため, Ø  ゲージ結合定数に対する1-ループのくりこみ群方程式
Ø  1-ループの敷居補正
を用いて関係式を求める。 結果 特徴 (MS : スカラー質量, μH = MS)
Ø  MHC は,MS が大きくなるにつれて増加する
Ø  GUTスケールはゲージーノ質量の増加に伴い低くなる
MHC vs. 超対称スケール
μH = MS
1018
17
MHc
10
/M 2
M3
/M 2
M3
=9
16
10
誤差は強い相互作用の
結合定数に由来 =3
/M 2
M3
0
=3
M2 = 3TeV
tanβ = 3
超対称スケールが低い場合
15
10
102
103
MS (TeV)
MS : スフェルミオン質量
(TeV)
• 
MHC はMS が大きくなるにつれ増大し,またM3/M2 の比が大き
くなるにつれ減少する
• 
超対称性のスケールが高い場合,MHC は1016 GeV 程度の質量
をとりうる
J. Hisano, T. Kuwahara, N. Nagata, Phys. Le[. B723 (2013) 324.
MGUT vs. グルイーノ質量
MS = 103 TeV
tanβ = 3
MGUT
μH = MS
超対称スケールが低い場合
M2 = 300GeV
16
10
M2 = 3TeV
誤差 101
M3 (TeV)
大統一スケールMGUT は,ゲージーノ質量が増加するに
つれ緩やかに減少する。 J. Hisano, T. Kuwahara, N. Nagata, Phys. Le[. B723 (2013) 324.
ゲージ結合定数の統一
超対称スケールが高い場合,MHC がGUTスケールの値を取りうる。
大統一スケールに現れる粒子がだいたい同じくらいの質量を持つ。 ゲージ結合定数の統一に必要な敷居補正の量が少なくて良い。 50
U(1)
27
SU(2)
α−1
α−1
40
30
26
20
10
High-­‐scale SUSY 28
SU(3)
6
10
8
10
10
10
Low-­‐scale SUSY 25
12
10
Scale (GeV)
14
10
16
10
Zoom
16
10
Scale (GeV)
おまけ: 陽子崩壊
Minimal Flavor Violahon
有効ラグランジアン Wilson係数
ループ関数 フレーバーを変えない相互作用が効かない理由
フレーバーを変えない相互作用で外線のスフェルミオンが
フェルミオンに変わるとする。この時p→K+νに寄与するのは
カラー添字の反対称性により,この演算子は,SU(3)L の下でも
一重項になっているとわかる。
スフェルミオンを積分する際の相互作用がフレーバーを変化さ
せない場合,結果得られる4フェルミ演算子もSU(3)L 一重項。
3つのスピン1/2フェルミオンを,添字の交換について完全
対称に組まねばならないが,そのような演算子は書けない。
以上の寄与はゼロでなければならない。
ハドロン行列要素
直接計算 vs. 間接計算
0
p>
-< |(ud)RuL|p>
>
< |(ud)LuL|p>
>
<K |(us)RuL|p>
>
<K |(us)LuL|p>
0
0
0
p>
Nf=2+1,
+ "direct"
|(us)
d |p>
-<K
Quench,
"direct"
R L
>
<K |(us)LdL|p>
p>
-<K |(ud)RsL|p>
>
<K |(ud)LsL|p>
p>
-<K |(ds)RuL|p>
p>
-<K |(ds)LuL|p>
Nf=2+1
"direct"
Nf=2+1,
"direct"
Nf=2+1
"indirect"
Quench,
"direct"
+
Nf=2+1 "direct"
Nf=2+1 "indirect"
+
+
+
+
両者の値は誤差の範囲内で 一致している。 < |(ud)RuL|p>
< |(ud)LuL|p>
0
0.05
0.1
0.15
2
W0(µ=2GeV) [GeV ]
0.2
00
0.05
0.05
0.1
0.1
0.15
0.15
2
]2
WW0(µ=2GeV)
(µ=2GeV)[GeV
[GeV ]
0
0.2
0.2
0
0.05
0.1
0.15
2
0.2
W0(µ=2GeV) [GeV ]
Y. Aoki, E. Shintani, and A. Soni, arXiv:1304.7424
誤差
lifetime (years)
1036
Super-Kamiokande
Yukawa coupling
Matrix element
1035
1034
1033
MS = 100 TeV, M1 = 600 GeV,$
M2 = 300 GeV, M3 = -2 TeV,$
μ = MS , MHc = 1016 GeV $
1032
10
tan
誤差
Γ−1 (p → K + ν¯)[year]
1035
1034
1033
Long-Distance
Theory
Short-Distance
1032
0.01
˜L
Q
δ13
0.1
N. Nagata, S. Shirai (2013).
超対称性を破る演算子による寄与
ντ
s
"
B
s!
ν!τ
!L ∗
Q
δ23
b!
b!
t!
!
!
QL ∗
δ13
QL ∗
δ13
d!
u!
g!
u
d
次元6有効演算子
陽子崩壊をもたらす次元6演算子はXボソン交換により誘導される。
有効ラグランジアン Wilson係数
演算子
Xボソン交換による陽子崩壊
ηµ+
ηe+
K + ν¯
MS = 100 TeV, M1 = 600 GeV,$
M2 = 300 GeV, M3 = -2 TeV,$
μ = MS , MX = 1016 GeV ,$
tanβ = 5$
K 0 µ+
K 0 e+
π + ν¯
π 0 µ+
π 0 e+
1030
1032
1034
1036
−1
Γ [year]
1038
1040
p→e+π0の崩壊寿命は近似的に次式で与えられる:
実験制限:
Xボソン交換による陽子崩壊
37
M2 = 3 TeV MS = 103 TeV
lifetime (years)
10
1036
1035
34
10
実験制限 33
10
101
M3 (TeV)
Xボソンの質量は,RGEを用いて計算したMGUTから決定。
ここで,1/2<λΣ<2の範囲を青帯で示した。
ヒッグス質量
10
9
˜
QL
δ23
8
Theory
Experiment
u
˜R
= δ23
= 0.9
˜L
Q
∆3 = 4
tan β
7
6
5
4
3
2
1
101
102
103
m0 [TeV]
104
105
N. Nagata, S. Shirai (2013).
Dim-­‐5 proton decay via Planck suppressed operators
⌅⇥Mscalar, no f mixing
12
mh excl
11
tan⇤⇥1
H
K
⌥p
K⇧
excl
⌥p
⌃e
excl
mh excl
9
tan⇤⇥2
H
er
yp
K
Log10 MScalar GeV
er
yp
10
8
7
6
4
2
0
2
4
Log10 Mino MScalar
M. Dine, P. Draper, W. Shepherd, arXiv: 1308.0274.
フレーバーの破れに対する制限
Uppuer bound
1
0.1
0.01
MS = 100 TeV, M1 = 600 GeV,$
M2 = 300 GeV, M3 = -2 TeV,$
μ = MS , MHc = 1016 GeV ,$
tanβ = 5$
˜
QL
δ13
˜
QL
δ12
˜
QL
δ23
u
˜R
δ13
0.001
101
102
103
104
m0 [TeV]
N. Nagata, S. Shirai (2013).
電気双極子モーメント
Uppuer bound
1
0.1
|
|
|
0.01
|
101
102
d˜R
12 | = |
u
˜R
12 | = |
d˜R
13 | = |
u
˜R
13 | = |
103
˜L
Q
12 |
˜L
Q
12 |
˜L
Q
13 |
˜L
Q
13 |
104
m0 [TeV]
γ (g)
g˜
uL
u˜L
t˜L
t˜R
u˜R
uR
N. Nagata, S. Shirai (2013).
メソン混合
qj
q!I
qi
g!
g!
q!J
qj
qi
1
0.1
Uppuer bound
Uppuer bound
1
˜
dR
| (K 0 )
|δ12
u
˜R
|δ12
| (D0 )
˜
˜
dR
dR
|δ13
| = |δ23
| (K 0 )
0.1
˜
QL
u
˜R
|δ12
| = |δ12
| (D0 )
0.01
˜
˜
102
103
m0 [TeV]
˜
˜
˜L
Q
d˜R
|δ13
| = |δ13
|
˜L
Q
d˜R
| = |δ23
|
|δ23
˜
101
˜
QL
QL
u
˜R
u
˜R
|δ13
| = |δ23
| = |δ13
| = |δ23
| (D0 )
dR
|δ13
| (Bd0 )
0.01
˜
QL
QL
dR
dR
|δ13
| = |δ23
| = |δ13
| = |δ23
| (K 0 )
u
˜R
u
˜R
|δ13
| = |δ23
| (D0 )
d˜R
|
|δ23
˜
˜
QL
dR
| = |δ12
| (K 0 )
|δ12
(Bs0 )
0.001
104
101
102
103
(Bd0 )
(Bs0 )
104
m0 [TeV]
N. Nagata, S. Shirai (2013).