1冬季・大熊沖流況観測による [PDFファイル/351KB]

福島水試研報第 3号 昭 和 50年 7月
Bull
.F叫mshima Pref
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h
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xp.Stat
.,
N
o
.3
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y
. 1975
福島県沿岸の流況解析-1.
冬期@大熊沖流況観測による
中 村 義 治
Flow A
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nFukushima-l
Current Observation o
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f Okuma Coast i
nt
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e Winter o
f 1973.
Yoshiharu NAKAMURA
冨
緒
原子力発電所,冷却水による温排水拡散の機構を把握する事は、温排水による生態系の影響を調べ
るうえで、必要条件である。東京電力福島第 1原子力発電所(大熊〉は福島県沿岸の中央部に位置し
その前面海域の海岸線は太平洋に直接面していて、ほぼ南北 l
このびている。海底勾配は約 1/100で
、
300=沖に破波帯がある。底質は砂泥が広く分布している。
本県における温排水拡散機構は、同海域が上記の地形条件を呈しているので、流れによる移流効果
が大きな意味をもっている。む「説j特性を調査する目的で、前面海域( 1図)の各 st. (ステーション〉
で
、 48年 2月 16 日から約 2週間観測した流れと、風のデータを使って統計解析したので、この一部
を報告する o
各 st. の流向,流速は N 0 -n
型流速計
を使い、サンプリング間隔は 20分である o
'
'
'
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e
e
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N1
τ
u
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3
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ST-]
1
1
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1
である。流速の平均値は約 20cm/s∞.で
流向はほぼ南流である O 一方、平均風速は
5~6 乱/
s
e
c
.で風向は北西である。
ILST-s
〈漁 I
I筒 俊
κ昼夜》
1
設置水深は海面下 2 m
である。
この時期の一般的な流況は表 1のとおり
ロ
ST-6
風向,風速は発電所屋上のタワーで観測し、
サンプリング間隔は同じである。流速計の
:
.
.
一
一
←
告
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1ST'4
11 ST-2
I~
、
正
毛
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IST→
'
Fig 1
.
Table 1
.
時系列解析の各項目
ランダム解析は、通常次に述べるような
ST-6
2
各種の方法があり、それら一連の統計解析を時系列解析とよんでいる。今回は従来から広く使われて
いる、 B1ackman-Tukeyの方法を使って解析し T
。
ょ
計算機は三菱総合研究所の 1BM - 370を使用した。
1
. 自己柑闘閥数 (Auto Correlation Function)
r
=Iim 土
0.. (τ)
T→ ∞
x(t)・x(t十 τ )dt
角川
ここで x ( t )は時系列データで、 Tはタイムラグである。実際の数値計算は次式で行なう。
=
起〈
0.. (1)
I)一三)(x(s)-X)
1 X ( S十
ここで, xは xの時間的平均値である。以下、パー記号はすべて、時間的平均を意味する。
N
守
豆=去1: x(s)
,
.
J 5=1
叉、自己相関係数は次のように定義される o
0
.
.(τ) = 0
.
.(r )/Oxx(O)
つまり、自己相関係数は自己相関関数を、その時系列 x ( s )の分散値で割ったものである。
2
. 相互相関関数 (Cross Oorrelation Function)
,T
OyX (T)で Iim手
伝
y ( t + T ) ・x(t)dt
T→∞晶ノ 0
I
実際の数値計算は次式で行なう。
玄
ここで Pは
、
y 時系列の分散値と x 時系列の分散値の平均値である。
p
=
士
(Oyy(0)十 Oxx (0) )
、,ノ
q
M
、、,,
A
唱
Oy (τ) =OyX (T)/ p
一x
唱且
q
d
W
〆,、、
y
a
凡
1一
NZ=
一
一
一
一Y
相互相関係数は次のように定義される。
、‘,,
qu
f
/E
、
、
‘
x
、,ノ
一Y
2ノ
、
十
〆
a
c
u
〆E
、
、
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M
m
z
=
一
1N
一
一
J
,
、ft
、
、
v
'
x
O
ここで 1
7は7
Jと同じ時間的平均値である。
3
3
. 流向と風向の相関関数
流向と風向の相関関数は直接に角度時系列を使って、計算することはできない。つまり、同じ方向〆
.とおよとは、数値上では大きく異っている。そこで、向どうしの相関関数を計算するために、次
のo
のような方法をとった。
ある方向を 2図に示すような単位円上の点として、角度を位置ベクトルに表現する o
風向時系列。玄(t)を{ ax (t ) • bx ( t) }に変換する o 同様に流向時系列 o
y(t)を{ ay
(1
)
,by ( 1 ) }に変換する。
向どうしの相互相関関数は次のようになる。
ら
(
r
)=十
f
o
¥Oy(t十 r)
-Oy)(8
x(
=f
.
J
0
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一
y(
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.)dt
一 x
1 +r)0
x(t ) d t - 8y• 8
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t
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(
山
け
)
け) 山
付
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b
E
E
ここで、 e" e2は互に直交する単位ベクトルである。
それらの内積をとると、グロネッカーの 8になる。
(e
・
, e2)
=dlJ (グロネッカーの
d)
m の値については次のようになる。
N
m
=
+
j
F
M
)・ 刊(
y
中 e
川・
÷j;(ax(I)・e
,+ bx(
1
)・e
2)d1
=(a1 •
w
=ay•
Fig2. 単 位 円
e,+b7 '
e2) ・(a
・
玄 e2)
x・e,+b
ax十 by・b
x
4
. パワー・スベクトル(P0wer SpeC tra Functi0 n )
パワー・スペグトルは自己相関関数をフーリエ変換したものと定義される。
=[
0
.x(~ )e-Iω rdr
Pxx(ω)
.
0
x みgxW
(r)=
(Wiener-Knintchinの関係式〉
ここで ω は角周波数である。自己相関関数は偶関数であるので上式はフーリエ Oosine変換とし
て表現できる。
1
2
P山 )
=
00
0xx( '
l
')
c0 S ω τ d'
l
'
つまり、スベタト I~鰍, P
xx(ω)は実数になる。実際の数偏十算は上式を、台形測を使い数値積分をし
て、それに、ハミング・ウインド一関数を作用させている o
,圃圃圃園周囲
4
5
. クロス・スベクトル (Oross .Spectra Fllnct ion)
グロス・スペクトル関数は椙互柑閥嗣数をフーリエ変換したものと定義される。
py
x(
臼
〉 =jo
も
--00
=A (ω)十 iB(ω 〉
上式のクロス・スベクトル関数の右辺の A(ω) ,B (
ω 〉は次のようになる。
A (ω)=
B(
ω 〉ニ
J
∞Oyx(τ)c
0
J
∞ αx(r)si
sωrdr (Pyx (
ω 〉の実数部分)
l
1
ω
τ dT (Py玄(臼〉の虚数部分)
クロス・スベクトノレ関数は、パワー・スベクトノレ関数と異って、相互相関関数が、一般的には偶関
ω 〉は普通零にならない。
数でも奇闘数でもないため、上式の B (
一般的には入力と出力{X (t)
と Y(t ) )との聞に、次に定義されるような、位相差
o(ω
〉が
存在する o
。(臼)= ta11-1{B (ω)/A(ω) }
叉、入出力聞の周波数応答関数 G (ω)は次に示される。
G (ω)=p Y X (ω)/ P
x
x(臼)
周波数応答関数は、線型システムのゲイソと位紺の情報を含んでいる。
計算結果とその考案
1.流れ及び風の自己柑関係数
3図は各 stの流れの X
J
!
X
;分 (N方向)と Y成 分 (E方向〉の自己相関係数である o 流れの X成分
は Y成分より相関度が高い、このことは風の場合にも同様である。また、 4図から、流速の自己相関
係数は、風速の自己相関係数より高相関度をもっていることがわかる。
各 stの流況の遠いについて、 3図から、流れの X成分を指標にとフてみると、 st3,1,2の i
阪に
相関度が悪くなっているのがみられる。
4図の流速の自己相関係数のグラブからも、
st2が低U相関
度であることがわかる。岸から 1~こ向けて、相関度が高くなるなかで、 s t2だけが何らから原因で相
関度が低下しているものと考えられる。
st2の相関係数が低い理由は、この時期の流向が平均的に、
南流であることから防波堤の影響を受けて、その結果樹関係数の収束度を早めていると推定される。
相関係数の定量的な意味については、物理現象と直接結びついているので、重要である。 1 タイム
ラグが 20分(以下の相関係数の 1タイムラグはすべて、 20分)であることを考えると、各図の自己
相関係数はかなり長い間、相関度を保っている o 各データの X成分については、だいたい 1日以下の
現象である。また、 4図から、 t
l
t
速の持続性は風速に比べて 3倍以上も長い o 5図は風の X ,Y成分
の自己相関係数である。
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2. 流れと風の相互相関係数
6図は流れの X成分と、風の X成分の粧互相関係数である。この図からみると、 グラフの最大ピー
クまでのタイムラグは防波堤の北側も南側も約 1~3 時間である。
l""・圃・町四
6
最大ピークのタイムラグとは、この場合、風が吹き始めてからvii.れが反応を起すまでの時間を統計
的にさす値である。 7図は風速と流速との樹互相関係数のグラフである。向図からは、グラフの最大
ピークは約 1時間前後である。風と流れの X成分どうしの場合と比べるとかなり早いところにピーク
がでている。
8凶は流れと風の Y成分どうしの相互相関係数のグラフである o y万向は X方向と比べ
てランダム性が強いので、グラフもそれの影醤を受けて不規則である。
相互相関係数のプロッター出力で最大ピークの位置がマイナス側に出ているのは、風を標準関数に
して流れの方のタイムラグをマイナスにしているためである。次に最大ピークの値が 1 を超えている
のは、相互相関係数を計算するときに、
回
"
干
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Oy%
(0)でノーマライズしているためである。
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判例
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- Fig7-2
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1
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Fig8
7
3
. 流れと風のスペクトル
9図は流れの X成分と Y成分のスベクトルのグラフである o 各 stに共通していることは、 X成分
が Y成分より大きなパワーレベルをもっていることである。同図から、 st 3 • 5 を除く各 stでX成
分のスベクトルが約 13時間にピークをもっていて、さらに、高周波側では、不規則な振動をしているの
がみられる。このピーク周波数が半日周潮流であるとは断言できない。同海域が太平洋に直接面して
いて、聞かれた海域であるので、潮流成分はあまり強くないと考えられる。
1
0図は風の X成分と流れの X成分の各パワースベクトルと、それらのクロス・スベクトルのグラブ
である。同図より風の X成分のスベクトルは卓越周期をもっていない。また流れの X成分と、風の X
成分のスベクトルとは、ほぼ相似形である。
次に風を入力として、流れを出力にとると、その X成分どうしのクロス・スベクトルから入出力間
(システム〉の周波数応答関数が計算され、その結果 14~18 時間にかけてピークがみられる。ジステ
ムゲインの最大値の周波数が直流成分(周波数が零〉以外の周波数に存在することは、今後の興味あ
る研究対象である。
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Fig9-1
Fig9-2
Fig 1~1
Fig10-2
1
1図は、風速と苦F
U
車の各パワー・スベクトルと、それらのクロス・スベクトルのグラフである。風
速のパワー・スベクトルは、 6時間のところに最初の小さなピークがみられ、それより高周波側で不
規則な振動をしている。流速のパワー・スペクトルは、流れの X成分のパワー・スベクトルと同様な
型をしている。 1
0図と 1
1図を比べてみると、各速度(流速,風速〉のスベクトル(11図〉がそれら
の X成分のスベクトル(10図〉に比べるとパワーレベルが小さい。これは、コンポーネント分けした
時系列が角度(流向,風向)の情報を含んでいるためである。つまり、各速度の時系列が角度の変動
により、その分散値を増大させている結果でできた現象である o
1
1図のクロス・スベクトルのグラブから計算すると、約 2
8時間のところに周波数応谷関数の最大
0図の場合と比べると、各速度の周波数応答関数は、 X成 分 ど う し の 場 合 よ れ 低
値があらわれる。 1
周波側にゲインの最大値が存在する o
o
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Fig 11-1
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Fig 11-2
諮
問
結
一
一
、
川
iiil
原子力発電所の温排水拡散を調べるために、必要な流況解析を行なった。
流況解析の主な目的は流動の主要因を推定するためである。自己相関関数,スベクトル等の時系列
解析を行なって、次のようなことがわかった。
①流動のスベクトルから、潮流等の規則変動があまりみられない。
@風のスベクトルと、流れのスベクトルが相似形をしている o
@岸に平行な成分が岸に垂直な成分に比べて、はるかに大きな相関度をもっo
@風が吹き始めてから、流れが起きるまでに、長時間~、要としない。
@流れの持続性は 1日以下である。
@風と流れの周波数応答関数が直祈品分以外に最穴値をもっ。
①風と流れの聞のコヒーレンジー(12図 ) ,及び位相特性( 13図〉が各周波数で不規則である。
以上の中で①,@,@,@,@等の結果より、流動の主要因は潮流や海流の分校流ではない。
流速計の置かれている位置が砕波帯の外であるので、波による沿岸流でもな u
、。結局、変動のラ γ
ダム性から、風による吹送流が}番有力であるコ
Fig12
Fig 13
「
2
9
今後、観測データの量と質を向上させて、さらに精度を増していくつもりである。
その他、今回新しい方法として、向どうし(流向と風向〉の相関関数を直接計算するアルゴりズム
を考案して、その結果を得た。( 14図 ) ,次に流れの変動の様子を一般的にいうと、
その変動曲線
が滑らかでなく、システム同定で入力信号として使われる M 系列信号のような矩形状をしている。そ
のために変動現象の周期性を調べる目的には、各成分のフーリエ係数を求める方法はあまり適当では
ない。
Sine,00sine 関数とはちがう流動現象に似た
直交関数系で変換すると、周期成分の検出精度が向上
'
t
京
一
位
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するものと期待される o この点についても、今後の研
Eト一一一一一「時幽品目,.......
- - - , 日 目 叩 → ,.
.
究課題である。
最後に、この研究を推めるにあたり、常に重要な示
唆を与えて下さった日本原子力研究所の福田雅明氏に
心から感謝の意を表します。
Fig 14.
文
献
1) 宮脇一男雑音解析,朝倉書届, (1969 。
)
2
) 宮川洋,今井秀樹訳
不規則信号論〈上) .東京大学出版会. (1973 )
。