2014年度 センター試験・数学ⅠA 解答解説

2014 センター試験 数学Ⅰ・数学 A
第1問
[1]
解答解説
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(1) a = 1 + 3 , b = 1 - 3 に対して, ab = 1 - 3 = 2 ………①
1-2
1- 2
1+ 2
a +b =
(1 + 3 )(1 - 2 ) + (1 - 3 )(1 + 2 )
= -( 2 - 2 6 ) = 2( -1 + 6 )
1-2
a 2 + b2 = ( a + b )2 - 2ab = 4(7 - 2 6 ) - 4 = 8( 3 - 6 )
(2) a 2 + b2 + 4( a + b ) = 8( 3 - 6 ) + 8( -1 + 6 ) = 16 ………②
②に, ①から b = 2 を代入すると, a 2 + 42 + 4 ( a + 2 ) = 16 となり,
a
a
a
a 4 + 4 + 4a3 + 8a = 16a 2 , a 4 + 4a3 -16a 2 + 8a + 4 = 0
[2]
(1) U = { n | nは 5 < n < 6を満たす自然数 } より, 25 < n < 36 となるので,
U = { 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35 }
よって, U の要素の個数は 10 個である。
(2) 条件より, P = { n | n Î U かつ nは 4 の倍数 } , Q = { n | n Î U かつ nは 5の倍数 }
R = { n | n Î U かつ nは 6の倍数 } , S = { n | n Î U かつ nは 7 の倍数 }
これより, P = { 28, 32 } , Q = { 30, 35 } , R = { 30 } , S = { 28, 35 } となり,
P R =
P
P  S = { 28 }
Q
Q  R = { 30 }
R
P  Q = { 28, 32 }
S
28
30
35
30
28
R Q =
(3)
32
35
P  R = { 28, 30, 32 } より P  R Ë Q , S  Q = { 28 } より S  Q Ì P
Q  S = Q  S = { 26, 27, 29, 31, 32, 33, 34 } より Q  S Ë P
P  Q = P  Q = U より P  Q Ë S
R  S = R  S = { 26, 27, 29, 31, 32, 33, 34 } より R  S Ì Q
[解 説]
無理数の計算と集合という小問の 2 題構成です。[2]の(3)では, ド・モルガンの法則
を利用せずに, 数直線を見ながら判断しても OK です。
-1-
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2014 センター試験 数学Ⅰ・数学 A
第2問
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2
2
2
2
y = x + 2ax + 3a - 6a - 36 … … ① に 対 し て , y = ( x + a ) + 2a - 6a - 36 よ り ,
①のグラフ G の頂点の座標は, ( - a, 2a 2 - 6a - 36 ) となる。
また, G と y 軸との交点の y 座標 p は, p = 3a 2 - 6a - 36 である。
(1)
p = -27 のとき, 3a 2 - 6a - 36 = -27 より, 3a 2 - 6a - 9 = 0 から,
a 2 - 2a - 3 = 0 , ( a - 3 )( a + 1) = 0
よって, a = 3, -1 である。
ここで, a = 3 のとき G の頂点の座標は ( - 3, - 36 ) , a = -1 のとき G の頂点の
座標は (1, - 28 ) なので, a = 3 のときの①のグラフを x 軸方向に 1 - ( - 3 ) = 4 , y 軸
方向に -28 - ( - 36 ) = 8 だけ平行移動すると, a = -1 のときのグラフに一致する。
(2) G が x 軸と共有点をもつ条件は, 2a 2 - 6a - 36≦0 より, ( a - 6 )( a + 3 )≦0 から,
-3≦a≦6 ………②
このとき, p = 3( a -1)2 - 39 より, p は a = 1 で最小値 -39 , a = 6 で最大値 36
をとる。
さらに, G と x 軸とのすべての共有点の x 座標が -1 より大きくなる条件は,
- a > -1 , a < 1 ………③
また, f ( x ) = x 2 + 2ax + 3a 2 - 6a - 36 とおくと, f ( -1) > 0 から,
3a 2 - 8a - 35 > 0 , ( 3a + 7 )( a - 5 ) > 0
よって, a < - 7 , 5 < a ………④
3
すると, ②③④より, -3≦a<- 7
3
[解 説]
2 次関数のグラフに関する基本的な問題です。そして, これまでも頻出してきたタ
イプです。
-2-
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第3問
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△ ABC において , AB = 4 , BC = 2 , cos ABC = 1
4
A
から , A から BC に下ろした垂線の足を H とおくと ,
BH = 4 ´ 1 = 1 となり, H は辺 BC の中点である。
4
F
すると, △ABC は二等辺三角形となり,
CA = AB = 4
2
2
ま た , 余 弦 定 理 よ り , cosBAC = 4 + 4 - 2 = 7 ,
2⋅ 4⋅ 4
8
2
sinBAC = 1 - 72 = 15
8
8
E
D
2
×
×
H
B
C
さらに, △ABC の外接円 O の半径 R は, 正弦定理より,
2 = 16 , R = 8 = 8 15
15
15
15
15
8
(1) BE は∠ABC の二等分線より, AE : EC = BA : BC = 4 : 2 = 2 : 1 となり,
AE = 2 AC = 8
3
3
2R =
ここで, △ABE に余弦定理を適用すると,
2
BE2 = 42 + ( 8 ) - 2 ⋅ 4 ⋅ 8 ⋅ 7 = 40 , BE = 2 10
3
3 8
9
3
AD は∠BAE の二等分線より, BD : DE = AB : AE = 4 : 8 = 3 : 2 から,
3
BD = 3 BE = 2 10
5
5
(2) △EBC と△EAF は, EBC = EAF , BEC = AEF より相似になる。
すると, △EBC : △EAF = BE2 : AE2 = 40 : 64 = 5 : 8 となり, △EBC の面積は
9
9
△EAF の面積の 5 倍となる。
8
(3) まず, ABF = CBF より, FA = FC である。
ま た , FAD = FAE + EAD = CBF + BAD = ABD + BAD = ADF と
なり, FA = FD である。
よって, FA = FC = FD となる。
[解 説]
三角比の平面図形への応用問題です。(3)では, 問題文中の「角度に注目すると」に
従えば, そのまま結論へと導かれます。
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第4問
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(1) 4 回移動して A→B である場合は, 3 の向きの移
動, 4 の向きの移動がそれぞれ 2 回ずつであるので,
4! = 6 通りある。
2! 2!
A
P
Q
R
(2) 3 回移動して A→C である場合は, 右図の交差点
C
P, Q, R に対して,
A→P→C のとき
1´ 2 = 2 通り
(ii) A→Q→C のとき
1´ 2 = 2 通り
(iii) A→R→C のとき
2 ´1 = 2 通り
(i)
B
D
(i)~(iii)より, 2 + 2 + 2 = 6 通りある。
(3) 3 回移動して A→C である場合は, (2)より 6 通り, 3 回移動して C→D である場合
も, 同様に考えて 6 通りとなる。
これより, 6 回移動して A→C→D である場合は, 6 ´ 6 = 36 通りあり, その確率
= 1 である。
は, 36
66 1296
(4) 6 回移動して A→D である移動の仕方は,
(i)
1 の向きの移動を含むとき
1 の向きの移動, 4 の向きの移動が, それぞれ 1 回, 5 回より, 6! = 6 通りある。
5!
(ii) 2 の向きの移動を含むとき
2 の向きの移動, 4 の向きの移動, 5 の向きの移動が, それぞれ 1 回, 4 回, 1 回よ
り, 6! = 30 通りある。
4!
(iii) 6 の向きの移動を含むとき
(ii)と同様に 30 通りある。
(iv) 1, 2, 6 の向きの移動を含まないとき
3 の向きの移動, 4 の向きの移動, 5 の向きの移動が, それぞれ 2 回ずつである
6! = 90 通りある。
ので,
2! 2! 2!
(i)~(iv)より, 求める移動の仕方は, 6 + 30 + 30 + 90 = 156 通りある。
[解 説]
場合の数と確率の問題です。(4)は(3)と切り離し, 誘導にのっていく必要があります。
また, 問題文に「矢印の方向」と「矢印の向き」という言葉が混在し, ちょっと気に
なりました。
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