Windows 8.1 タブレットを SV が活用することで本部から店舗

株式会社ローソン
Windows 8.1 タブレットを SV が活用することで本部から店舗ま
での情報共有を促進し、施策の PDCA サイクルを効率的に回して
生産性の向上を実現
競争の激しいコンビニエンス業界や流通小売業界では、顧客のニーズにすばやく対応し、コスト
ソリューション概要
○プロファイル
2015 年に 40 周年を迎 える株 式会 社ローソン
は、店舗ごとの商圏の客層に合わせた品ぞろえを
実現する「ネイバーフッドストア」として、
「ローソ
ン」をはじめ、女性や健康志向のお客様を意識
した「ナチュラルローソン」、生鮮食品を中心とし
た「ローソンストア 100」や「ローソンマート」の多
フォーマットを展開しています。また、2013 年か
らはお客様の健康で長寿な暮らしをサポートし
たい、との想いから、
「マチの健康ステーション」
のスローガンを掲げ、地域の健康一番店を目指し
ています。
○導入ソフトウェアとサービス
・Windows® 8.1 Enterprise
・Microsoft® Office 2013 ProPlus
・マイクロソフト コンサルティング サービス
○導入メリット
・Windows 8.1 を 6,500 台導入し、SV 用の端
末 1,500 台をコンバーチブル型にすることで、
スーパーバイザー (SV) が従来から利用してい
たタブレットとノート PC を 1 台に 集 約し、
Windows 環境での管理やアプリ配信が行いや
すくなる。
・SV の業務を支援するアプリ「SV Pit 」を短期間
で開発でき、本部、支社・支 店、SV、店舗の
情報共有を促進して、SV の生産性向上を実現。
・Microsoft® Excel® の Power BI を 活 用 して、
独自 BI を開発することなく、柔軟に角度を変
えた分析を行うことを可能にする。
○ユーザー コメント
「全社的なクライアント PC の入れ替えに合わせ
て、SV に Windows 8.1 タ ブレット を 提 供し、
PC とタブレットの両方の使い方をさせて、生産
性の向上を目指すことができました。情報共有
ややるべき業務がすぐに確認できるアプリを短
納期で SV にわかりやすいインターフェイスで開
発することができ、情報共有や情報を基にした
PDCA サイクルの実施に役立てています。また、
店舗巡回時に SV が実施するオペレーション確
認業務の実施状況などを支社や支店の管理職が
Power BI で多角的に分析できるようになりまし
た 」 株式会社ローソン
IT ステーション システム基盤
部長
高原 理彦 氏
の削減、販売機会の拡大、品揃えの強化などの課題を解決するために、さまざまなシーンで IT を
活用しなければなりません。株式会社ローソンは、社員が利用する端末 6,500 台を Windows 8.1
に刷新し、それぞれに Microsoft Office 2013 ProPlus を導入。スーパーバイザー (SV) 用の端末
1,500 台には、ディスプレイとキーボードが脱着できるコンバーチブル タイプの PC を採用し、業
務支援用アプリを開発して、業務の効率化や生産性の向上を実現しています。
導入の背景とねらい
ビジネスと店舗数が拡大する中で
業務プロセスの改善と生産性向上を目指す
株式会社ローソン ( 以下、ローソン ) は、社員約 6,500 人、国内店舗約 1 万 2,000 店、店舗売上
約 2 兆円の業績を持ち、コンビニエンス業界大手として着実に業績を伸ばしています。
「ローソン
の店舗は全国 47 都道府県にあり、毎日約 1,000 万人が来店しています」と株式会社ローソン IT
ステーション システム基盤 部長の高原 理彦 氏は話します。
少子高齢化の社会となってくる中で、ローソンでは環境変化に合わせて女性やシニア層、ファミリー
をターゲットにして、さまざまなフォーマットを展開しています。女性や健康志向の方に向けたナ
チュラルローソン、生鮮やプライベート ブランドを充実させたローソンストア 100、ローソンマー
トなどの店舗を展開し、街や商圏、顧客ニーズに合わせて、フォーマットを変えながら対応するこ
とで競合他社との差別化を図っています。また、6,500 万人以上の Ponta データを分析した施策
立案なども行っています。
「我々の業務は、IT をしっかり活用してサービスを作っていく必要があります。何が売れているの
か、品揃えはどうするかなど、仮説を立てて店舗や商品を開発し、データを基に次の施策を考え
る PDCA サイクルを高速に回す必要があります。しっかりと IT を積極的に活用していかなければ、
販売を高度に行っていくことはできません」と高原 氏は話します。
社員が利用する端末を最新の OS である Windows 8.1 に刷新し、6,500 台の PC を導入したロー
ソンでは、Windows 8.1 をベースにワーク スタイルの変革のプロジェクトを立ち上げます。毎年
店舗が拡大しているローソンでは、常に生産性を上げるための施策を考えており、フランチャイズ
の店舗の経営指導を行う SV の業務効率化に Windows 8.1 が役立つのではないかと考えたと言
います。
「本社にはさまざまな部署があり、
それぞれがメー
ルや社内文書、電話などのさまざまな手段で SV
に情報を伝達していました。また、SV 自身が判
断してポータルや BI から情報を取りにいく必要
もあったため、情報を一元管理する必要があり
ました 」と株式会社ローソン IT ステーション 情
報活用推進 アシスタントマネジャーの本田 恵美
氏は話します。IT で生産性を向上させることで
SV の働き方を変え、店舗オーナーと一緒に考え
株式会社ローソン
株式会社ローソン
現場の状況をタブレットから吸い上げることで施策や運営の改善に活用
することができます。
ローソンでは、3 か月の短期間でわかりやすいアプリを開発できたこと
も高く評価しています。IT 部門である IT ステーション、SV を統括する
CVS カンパニー、マイクロソフトのコンサルタントが 1 つのチームとなっ
て、実際に触りながら開発することで短納期のプロジェクトを成功させ、
直感的でわかりやすいアプリを開発できたと本田 氏は話します。
「導入
株式会社ローソン
IT ステーション システム基
盤
部長
高原 理彦 氏
株式会社ローソン
IT ステーション
情報活用推進
アシスタントマネジャー
本田 恵美 氏
後に操作がわからないといった声は、まったく出ていません。マニュア
ルがなくても使えるアプリを提供することで、最初の段階でつまずくこ
となく導入できたのは非常に良かったと思います」。
る SV 部隊へと変革させ、より多くのコミュニケーションを行うために
また、高原 氏も、短納期でのマイクロソフトのサポートを次のように評
業務プロセスを見直すことが求められていました。
価しています。
「Windows 8.1 のアプリ開発を初めて行う中で、どうや
導入の経緯
Windows 8.1 タブレットを活用し
SV の業務を支援するアプリを開発
ローソンでは、これまでも積極的にスマートフォンやタブレットを活用
れば効率的に開発できるかなどでマイクロソフトの知見を活かすことが
でき、ユーザー目線でわかりやすいアプリを短い期間で作ることができ
ました 」。
SV Pit は、SV が担当する店舗が表示され、店舗ごとの巡回時の実施事
項施策をドリルダウンして確認することができ、ToDo リストのように
した施策を行ってきました。2 年前には SV 用に Android タブレット
利用することが可能となっています。SV 自身が行わなければならない
を導入し、情報共有やコミュニケーションの向上を図ってきましたが、
業務がリスト化されており、漏れなくオーナーに効率よく伝えることが
Windows 8.1 の導入を機に、SV 用にノート PC としてもタブレットとし
できるような作りとなっています。
ても使える、コンバーチブル型の Lenovo ThinkPad Helix を 1,500 台
導入し、活用しています。
「さまざまなタイミングがうまく重なって、SV
用のタブレットを Windows 8.1 に入れ替えることができました。テクノ
ロジーの進化が激しい中で、2 年前のタブレット端末は新しいものに更
新しなければならなくなっていましたし、社内の PC を Windows XP か
ら入れ替える時期にも来ていました 」と高原 氏は話します。
導入効果
Excel の Power BI を活用して
柔軟かつ、わかりやすい分析を行う
Windows 8.1 タブレットと SV Pit を活用することによって、SV が業務
の優先順位を付けやすくなることで、効率的かつスピーディに施策立案、
Android タブレットでは、VDI を入れてひととおりの業務を行えるよう
店舗巡回、情報の吸い上げなど PDCA を回すことができるようになり
にしていましたが、Microsoft Excel や Microsoft® PowerPoint® を活用
ます。
「タブレットを持ったまま店舗でオーナーやクルーとコミュニケー
する業務ではやはり PC が必要となります。Lenovo ThinkPad Helix を
ションが取れ、ビジュアルで見せながら新製品情報や商品配置などにつ
導入することで、PC とタブレットを使い分けることができ、これまで両
いて話し合えるようになりました。また、支社や支店では、タブレット
方を持ち歩いていた SV の負担を軽くし、活用率が上がるというねらい
上の情報を見ながら、販売戦略やオペレーション改善についての会議を
もありました。また、既存の Windows 環境での管理が行え、アプリの
行っています」と本田 氏は話します。
配信などが容易に行えるようになることも、Windows 8.1 をタブレット
として活用しようと考えた理由の 1 つとなります。
「Android や iOS な
コンパチブル型の端末で、SV がそれぞれのスタイルに合わせて使いやす
ども便利になってきていますが、やはり企業ユースには Windows のほ
い形で利用できることも好評のようです。通常の社内業務と外回りの両
うが適していると感じます」と高原 氏は話します。
方で使え、キーボード入力が得意な人はノート PC として持ち歩き、キー
ボード入力が不得意な人はタブレットにペンで手書き入力して印刷して
ワーク スタイルの変革プロジェクトでは、まずフェーズ 1 として 2014
店舗オーナーに渡すといった使い方がされています。
年 1 月から 4 月の期間で情報の一元化を目的に「SV Pit 」というアプリ
を開発しました。
「SV が 1 週間で行うべき施策やキャンペーンを SV Pit
2014 年 7 月からは、フェーズ 2 としてさらなる業務改善をテーマに新
で確認でき、売り上げ目標を達成するためのポイントを全社レベルで目
たなプロジェクトにも挑戦しています。SV Pit がより業務の起点となる
線を合わせて SV に伝達して、オーナーに効率よく伝えられることがア
ような動線を作り、販売戦略の実績と目標を確認でき、また後方業務
プリ開発の目的です」と話す本田 氏。SV が見るべき情報をタブレット
を効率よく実施できるようなアプリへ改善するような取り組みが行われ
上の SV Pit に集約し、シンプルに情報伝達を行うことで生産性を向上し、
ています。
「後方集計業務は、従来はメールや Excel を使って行っていま
株式会社ローソン
店舗一覧が表示される SV Pit トップ画面
SV Pit では、SV がやるべきことや、店舗ごとの施策を確認することができ、店舗のオーナーや
クルーと画面を確認しながら、商品配置の変更などを話し合うことができる
したが、SV Pit に入力して情報共有することができれば、より効率化や
「最新の Windows や Office を導入してまだ半年ですが、しっかり使い
生産性向上を図れます。人がやっている業務をできるだけ IT で行えるよ
こなせていない部分もあると思うので、新機能をしっかりとユーザーが
うにしたいと考えています」と高原 氏は話します。
利用して業務の生産性を上げていくことに今後も挑戦していかなければ
なりません。IT の技術が進化していく中で、コミュニケーションやデー
Excel 2013 の Power BI を使った分析を行えるようにすることも、フェー
タ共有などは、もっとさまざまなことができるようになってくるはずで
ズ 2 の目的の 1 つです。
「店舗巡回時に SV が実施するオペレーション
す。新しいテクノロジーを享受しやすい環境ができてきているので、よ
確認業務の実施状況などを支社や支店の管理職が Power BI で可視化
り企業価値の向上につなげられる環境を作っていく必要があります」と
できるようにしています」と話す本田 氏。
高原 氏は話します。
「PDCA サイクルを効率的に回すためには、効果やデータをまとめる、
「エンタープライズ領域でクラウドにチャレンジしていくことは、もはや
見る、分析するといったしくみが必要でした。従来は、Excel を駆使し
あたり前の時代となってきていることも感じ出ています。クラウド化して
てピボットテーブルを作ったり、BI システムを独自に開発する必要でし
コスト構造を変えていくためには、思い切った振り幅の施策を行う必要
た。しかし、情報を見る角度にはさまざまなものがあり、そのときどき
があるので、しっかりとマルチ クラウド戦略を考える中で、Microsoft®
で必要となる分析が異なります。そのたびに BI を開発することはできな
Azure™ などのクラウド サービスの進化にも注目し、期待していきたい
いので、分析システムには柔軟性が求められますが、Power BI があれ
ですね 」と話す高原 氏。ローソンでは、今後も IT を積極的に利用しな
ば、Excel で十分な分析が行え、個人のスキルで簡単に見方を変えてさ
がら、PDCA サイクルを回してお客様に喜んでいただける店舗の実現を
まざまな角度で分析できるようになります」と高原 氏は話します。また、
目指していきます。
「Power BI の画面を見ると、みんな驚いて、いろんな活用案が出てきま
す」と本田 氏が話すように、分析の用途を広げ、お客様分析に役立てる
ことも将来的には考えることができます。
今後の展望
Windows や Office の新機能で
さらなる生産性向上を目指す
「今後は、欲しい情報がすべてタブレットから手に入れることができ、個
店のデータを知りたいときにすぐに見られるように SV Pit を改善してい
きたいですね。タブレットを起点として、業務を行えるようにしたいと
思います」と本田 氏は、SV Pit の機能をさらに向上させ、情報共有やコ
ミュニケーションの向上、業務効率化、生産性向上を高度に実現したい
と考えています。
株式会社ローソン
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