第6章(3)(植物、動物、生態系)(PDF形式 9.7MB)

6.1-9 植物
6.1-9.1
調査結果の概要
1)調査項目
a 事業区域及びその周辺における植物相及び注目すべき種の状況
b 植生及び注目すべき群落の状況
2)調査方法
(1)植物相
調査地域を踏査し、調査地域内に生育する植物(維管束植物を対象とした)の出現種を記録し
た。現地で同定できなかったものは標本を作製して後日同定し、合せてリストを作成した。
また、踏査中に、表 6.1-9-1 に示す注目すべき種及び特定外来生物等が見つかった場合は、種
名及び確認地点を記録した。
表 6.1-9-1 注目すべき種等の選定根拠
選定根拠
区
分
略
文化財
注
目
す
べ
き
種
注
目
す
べ
き
群
落
カテゴリー
名称
記号
特
天
国内
国際
緊急
EX
EW
CR
EN
VU
NT
DD
LP
EX
EW
CR
EN
VU
NT
DD
特
天
特別天然記念物指定種
天然記念物指定種
国内希少野生動植物種
国際希少野生動植物種
緊急指定種
絶滅
野生絶滅
絶滅危惧ⅠA 類
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅危惧Ⅱ類
準絶滅危惧
情報不足
絶滅のおそれのある地域個体群
絶滅
野生絶滅
絶滅危惧ⅠA 類
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅危惧Ⅱ類
準絶滅危惧
情報不足
特別天然記念物指定群落
天然記念物指定群落
「第2回自然環境保全基礎調査特定植物群落調査報告書」
(環境庁 1979 年)及び「第3回自然環境保全基礎調査特
定植物群落調査報告書(追加・追跡調査)」(環境庁 1988
年)
特定
特定植物群落
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する
法律」(平成 16 年 6 月法第 78 号)
特定外来
要注意
「文化財保護法」
(昭和 25 年 5 月 30 日
法第 214 号)
種の保存法
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法
律」
(平成 4 年 6 月 法律第 75 号)
国 RDB
絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(平成 24 年 8 月
28 日版)
県 RDB
「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物
改訂版」
(平成 24 年 群馬県)
文化財
「文化財保護法」
(昭和 25 年 5 月 30 日
自然環境保
全基礎調査
外来生物
区分
植物編 2012 年
法第 214 号)
6.1-9-1
特定外来生物
要注意外来生物
(2)植生
植物社会学に準拠した方法により植物群落の区分を行った。
調査地域内に成立している植物群落を確認しながら踏査し、均質で代表的な植分を選んで調査
地点を設定した。植分の広がりに応じてコドラート調査枠を設定し、調査票に必要事項を記入し
たのち、図 6.1-9-1 に示す階層毎に出現種のリストを作成した上で、階層毎かつ種毎にブラウン
-ブランケ(Braun-Blanquet)の全推定法に従って、被度と個体数を組み合わせた階級である優
占度を測定した。また同時に種毎の生育状況(個体の集合・離散の状態)を判定する指標の群度
を測定した。
以上の方法により、合計 84 地点で植物群落調査を実施し、群落組成表を作成して群落を区分し
た。
上記群落区分と現地での植生境界区分、空中写真判読と合せて現存植生図を作成した。
高木層(林冠)
亜高木層(~約 10m)
低木層(~約 4m)
草本層
コケ層
図 6.1-9-1 階層の判断基準
被度 5
被度 4
被度 3
被度 2
被度 1
図 6.1-9-2 被度(優占度)の判定基準
6.1-9-2
群度 5
群度 4
群度 3
群度 2
群度 1
図 6.1-9-3 群度の判定基準
3)調査地域・調査期日等
調査地域は、事業区域の周辺 200mの範囲とし、群馬の森の立入禁止区域や原子力研究所等の
立ち入りができない場所は踏査を除外した。
調査期日は表 6.1-9-2 に示す通りである。
表 6.1-9-2 調査期日
項目
植物相
植生
季節
調査期日
春季
平成 24 年月 5 日 23、29、30 日
夏季
平成 24 年 7 月 13、18 日
秋季
平成 24 年 10 月 4~5 日、11 月 22 日、12 月 5 日
秋季
平成 24 年 9 月 4~7 日、11 月 22 日
6.1-9-3
図 6.1-9-4 植物調査範囲図
6.1-9-4
4)調査結果
(1)生育確認種
調査地域は、井野川を挟んで農耕地が広がる区域を中心に事業区域があり、周辺の街道沿いに
は住宅地や工場などが連なるところである。事業区域に森林性の植物が生育するようなまとまっ
た森林は少ないが、井野川に合流する広沢川沿いの赤城神社社叢林及び周辺の林分、井野川左岸
のスギ植林・竹林がそれに該当する。また、周辺区域は主に住宅地が広がっているが、南部に群
馬の森があり、北部には旧専修学校裏の残存林分と河岸段丘上のスギ植林・竹林が見られる。
現地調査で記録された植物は 114 科 588 種類(品種などを含む)である。調査結果を、河川区
域を含まない事業区域、宅地等も分布する周辺区域及び井野川の河川区域に分けてみると、事業
区域 94 科 381 種類、周辺区域 102 科 408 種類であり、河川区域では 83 科 423 種類である。
確認種でみると、事業区域、周辺区域、河川区域に共通の種群が 242 種類あり、アブノメなど
一部の種を除いて、市街地、農耕地、空地などの草地に普通に見られるものが多い。事業区域、
周辺区域に共通の種群は 65 種類あり、
これらの多くは河川区域にない森林を構成しているもので
ある。事業区域、河川区域に共通の種群は 41 種類あって、これらは水田耕作地と河川の湿性地に
生育するものが多い。周辺区域、河川区域に共通の種群は 34 種類あり、井野川と関越自動車道脇
の水路といった河川・堤防法面に共通するものが多い。事業区域のみで確認されたものは 33 種類
で、主に森林性の種群である。周辺区域のみで確認されたものは 67 種類あり、逸出種などが多く
見られた。住宅地の道路際でオグルマが確認されるなど特殊な例も見られた。河川区域のみで確
認されたものは 106 種類と比較的多く、河川や堤防に特有な種類の他、低水路には外来種や逸出
種が多く見られた。
(2)注目すべき種等
注目すべき種は、9 科 12 種が挙げられる。主に井野川河川敷や水田周辺などの水辺で生育する
種であり、そのほか、林床に生育するラン科も確認されている。なお、文化財保護法及び種の保
存法により選定される種は無かった。
また、特定外来生物は、オオカワヂシャ、アレチウリが井野川河川敷の広い範囲で確認され、
オオキンケイギクが計画地外で確認されている。
表 6.1-9-3 注目すべき種の確認状況
カテゴリー
国 RDB 県 RDB 水田 畑地
ウキゴケ科
イチョウウキゴケ
NT
○
タデ科
コギシギシ
VU
NT
●
●
ユキノシタ科
タコノアシ
NT
EN
マメ科
マキエハギ
CR
ミソハギ科
ミズマツバ
VU
VU
○
シソ科
ミゾコウジュ
NT
NT
○
アブノメ
EN
●○
ゴマノハグサ科
カワヂシャ
NT
NT
カヤツリグサ科 ミコシガヤ
NT
●
シラン
NT
EX
ラン科
エビネ
NT
EN
タシロラン
NT
VU
9科
12 種
9種
11 種
注 1)●:事業区域内
○:事業区域外
注 2)注目すべき種等の選定根拠は、表 6.1-9-1 のとおりである。
科
種
6.1-9-5
樹林
確認環境
河川区域
路傍・市街地
備考
○
●
●
●
●
●○
●
○
○
植栽?
植栽
表 6.1-9-4(1)
科
種
特定外来生物の確認状況
水田
畑地
樹林
ウリ科
アレチウリ
ゴマノハグサ科 オオカワヂシャ
キク科
オオキンケイギク
3科
3種
注)●:事業区域内
○:事業区域外
表 6.1-9-4(2)
種名
注1
我が国にお
ける分布注 2
生育環境注 2
花期注 2
水田や池の水面に浮遊、
水を抜いた水田
全国
コギシギシ(タデ
科)
越年草
(H)
水田のあぜや畑、道ばた
などに生える
本州(関東以
西)~九州
5-8 月
タコノアシ(ユキ
ノシタ科)
多年草
(HH)
泥湿地、沼、水田、川原
などで、水位の変動する
場所に多い
本州~奄美
大島
8-10 月
本州~琉球
8-9 月
本州~琉球
8-10 月
ミズマツバ(ミソ
ハギ科)
ミゾコウジュ(シ
注 ソ科)
目
す
べ アブノメ(ゴマノ
き ハグサ科)
種
路傍・市街地
備考
●
○
注目すべき種等の生育状況及び一般生態
イチョウウキゴ
苔類
ケ(ウキゴケ科) (HH)
マキエハギ(マメ
科)
特
定
外
来
生
物
生活型
確認環境
河川区域
●○
●○
丘陵地や低山地の日当た
夏緑低
りの良い乾いた道端や岩
木(N)
地などの草原
1 年草
水田や湿地に生える
(Th)
-
生育状況
周辺区域東部の放棄水田の 2 箇所に散生的に
生育している。
事業区域では南部の休耕田と北部の荒地に、
周辺区域では、道路予定地の荒地に、どちら
も多数生育している。休耕田の個体は耕され
て以降不明である。
井野川区域中央部の低水路の数箇所に 2~3
本の茎を立てて生育している。なお、
「群馬県
の絶滅のおそれのある野生生物植物編」によ
ると、当該区域では絶滅または絶滅した可能
性が高い種とされている
井野川区域中央部の堤防中ほどにややまとま
って生育している。
周辺区域東部の水田内や休耕田の 6 箇所に比
較的普通に生育している。
井野川区域中央部と北部の低水路に 1 箇所ず
つ、周辺区域東部の北川堤防川裏に 2 箇所、1
株ずつ生育している。
事業区域では南部と東部の水田及び休耕田の
2 箇所に、周辺区域では東部の放棄水田の 1
筆に普通に生育し、井野川区域では、中央部
の低水路に 1 株見られた。井野川の確認個体
は、自然増水後消失した。
2 年草
(Th)
湿った草地やあぜに生え
る
本州~琉球
5-6 月
1 年草
(Th)
湿地に生える
本州(福島県
以南)・四
国・九州・琉
球
8-9 月
カワヂシャ(ゴマ
ノハグサ科)
1~2 年
草
(Th)
川岸、溝のふちや田に生
える
本州(中部以
西)
・四国・
九州・琉球
5-6 月
井野川区域の上流から下流までの水際などに
群生、あるいは散生している。
ミコシガヤ(カヤ
ツリグサ科)
多年草
(H)
平地や河川の縁などの草
地に生える
本州(近畿以
北)
5-6 月
(果実
が熟
す)
事業区域南部で麦に転換される前の休耕水田
に 3 株生育していた。しかし、耕されて以降
不明である。
シラン(ラン科)
多年草
(G)
日当たりのよい湿り気の
ある斜面に生える
本州中南部
~琉球
4-5 月
エビネ(ラン科)
多年草
(G)
雑木林の下などに生える
北海道西南
部~琉球
4-6 月
タシロラン(ラン
科)
多年草
常緑林下に生える
(G?)
本州(関東南
部)
・九州・
琉球
5-7 月
アレチウリ(ウリ
科)
1 年草
(Th)
-
夏~秋
河川敷などに大群落をつ
くるほか、飼料作物の畑
等に発生
事業区域中央部で、井野川左岸川裏のスギ植
林の林縁に生育している。
周辺区域北部、井野川左岸にある私有林のス
ギ植林内に植栽起源の株が広がっている。
(所
有者から確認)
周辺区域、群馬の森の道路脇樹林下に数箇所
あり、複数個体がかたまって生育している。
なお、
「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物
植物編」によると、確認地点は群馬県内で唯
一の生育地ではないかとみられる。
井野川の堤防を中心に上流から下流に群生し
ている。また、広沢川河畔にも所々群生して
いる。
オオカワヂシャ
多年草
春~
井野川区域の上流から下流までの水際や低水
(ゴマノハグサ
水辺
関東以西
(HH)
秋?
路の泥湿地などに群生している。
科)
オオキンケイギ
多年草 河川敷や道路沿いなどに
周辺区域西部で道路予定地の荒地に数株かた
初夏
ク(キク科)
(H)
大群落をつくる
まって生育している。
注 1)生育形と同時にラウンケア(Raunkiaer)の生活型を付記した。主な生活型は次の通りである
N:矮型地上植物、H:半地中植物、G:地中植物、HH:水生植物、Th:1 年生植物
注 2)生育環境、我が国における分布、花期については「改訂版日本植生便覧」 北川政夫監修 1983 年 至文堂 を参照しなが
ら、以下の文献に従った
「日本の野生植物 コケ」 岩槻善之助 2003 年 平凡社
「日本の野生植物 草本Ⅰ」 佐竹義輔他 1982 年 平凡社
「日本の野生植物 草本Ⅱ」 佐竹義輔他 1982 年 平凡社
「日本の野生植物 草本Ⅲ」 佐竹義輔他 1981 年 平凡社
「日本帰化植物写真図鑑」 清水矩宏他 2001 年 全国農村教育協会
「レッドデータプランツ」 谷原徹一監修 2003 年 山と渓谷社
6.1-9-6
図 6.1-9-5 注目すべき種位置図
貴重種・特定外来生物の確認位置
6.1-9-7
6.1-9-8
図 6.1-9-6 特定外来生物位置図
(3)植生
調査地域は、標高 65~77mで、井野川流域の平坦地にあり、農耕地と住宅地からなっている。
樹林地は小面積で、主に井野川の周辺部や調査地域南部の群馬の森、関越自動車道法面の植栽
樹林に見られ、住宅地の屋敷林、社寺林などが点在している。
草地は井野川及び関越自動車道東部にある水路の河川敷や堤防法面、耕作放棄地、休耕地、耕
作地の畔、路傍・空地、観音山古墳などに形成されており、樹林、草地ともに、人為的影響を強
く受けた植生が広がっている。
種の組成から区分された植生により、樹林地 9、篠地・低木群落 3、草地 22、土地利用区分 8
に河川裸地、開放水面の 2 つを合せた 44 区分の凡例で現存植生図を作成した。
注目すべき植物種の生育環境としての植物群落でみると、植栽起源とみられるエビネ、シラン
の 2 種を除き、イチョウウキゴケ、コギシギシ、ミゾコウジュ、アブノメ、ミコシガヤの 5 種は
放棄水田・休耕田に、ミズマツバ、アブノメの 2 種は水田耕作地に、コギシギシ 1 種は荒地に、
タコノアシ、ミゾコウジュ、アブノメ、カワヂシャの 4 種は井野川低水路に、マキエハギ1種が
井野川堤防のクワモドキ群落内に、タシロラン1種は群馬の森のケヤキ植林内にみられる。
井野川低水路については人為的影響よりも河川の水位に左右される自然的な立地であるが、極
めて不安定であり、生育種においても一時的な出現として捉えられる。群馬の森のケヤキ林につ
いては、公園内の樹林地であり、現在と同様の保全管理がなされるものとみられる。
(4)注目すべき群落
表 6.1-9-1 の選定根拠に示されている注目すべき群落は成立していない。
6.1-9-9
表 6.1-9-5 確認群落及び凡例
種類
森林
篠地
低木
ヒルムシロクラス
流水辺 1 年生
堤防草地
クワ畑など
放棄水田・休耕田
放棄畑・休耕畑
水田
畑
改変地・荒地
植栽樹群・屋敷林
住宅地・道路
工場等
公園緑地
自然裸地(河川裸地)
開放水面
凡例番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
k
m
p
r
w
群落名
ケヤキ林(群馬の森)
ケヤキ群落(社寺林)
コナラ群落
コナラ群落アカマツファシス
ニセアカシア群落
カジノキ群落
スギ植林
クロマツ植林
竹林
アズマネザサ群落
クズ群落・フジ群落
イタチハギ群落
ホゾバミズヒキモ群落
マコモ群落
ヨシ群落
オギ群落
ジュズダマ群落(河川内)
キシュウスズメノヒエ群落
オオイヌタデ群落
ミゾソバ群落
河川湿地(コゴメガヤツリ群落)
ヒロハホウキギク群落
メヒシバ群落(河川内)
セイタカアワダチソウ群落
セイバンモロコシ群落
キクイモ群落
チガヤ群落
ウシノシッペイ群落
クロカワズスゲ群落
クワモドキ群落
コセンダングサ群落
アレチウリ群落
クワ畑・ウメ畑
放棄水田(ミズワラビ群落他)
放棄畑(メヒシバ群落他)
水田
畑
改変地・荒地
植栽樹群・屋敷林
住宅地・道路
工場等
公園緑地
自然裸地(河川裸地)
開放水面
6.1-9-10
6.1-9-11
図 6.1-9-7 植生図
6.1-9.2
予
測
1)工事及び存在による影響(土工及び改変後の地形)
(1)予測内容
工事及び供用の直接的・間接的影響による植物相及び注目すべき種の変化の程度とした。
(2)予測地域及び予測地点
予測地域は、植物相及び植物群落に対する影響が想定される地域とし、調査地域と同様に、事
業区域及び周辺 200m の範囲とした。
予測地点は、調査地域全域とした。
(3)予測時期
工事による影響が最大となる時期及び工事が完了した時期とした。
(4)予測方法
調査結果により得られた注目すべき種及び群落等に関する情報と事業計画の内容を照らし合わ
せて、種及び群落の変化の程度について予測を行った。
(5)予測結果
ア.植物相及び注目すべき種等
植物相では、事業区域内(井野川河川区域を除く)のみで確認された種は全確認種数 588 種中
33 種(約 5.6%)である。事業区域内はほぼ全域が改変されるものの、赤城神社とその周辺の樹
林地等、一部が残存するため、赤城神社を中心とした区域で確認された樹林性の種類は温存され
る。改変区域は、水田耕作地、畑耕作地、荒地と一部の樹林であり、改変区域だけで見出された
種類はノミノフスマ、トウダイグサ、ミソハギ、フタバムグラ、ウリクサ、ミコシガヤ、クロテ
ンツキ、シランの 8 種である。またこれらは大滝小学校の東部対岸にある小段丘斜面の露頭で確
認されたフタバムグラ及び井野川左岸川裏のスギ植林林縁で確認されたシランを除き、耕作地上
の生育種であり、水田、休耕地から麦への転作の際にこれらの生育地は耕されて、確認個体は秋
季において不明となっている。
注目すべき種の予測結果を表 6.1-9-6 に示す。
確認された注目すべき種 12 種のうち、エビネについては、現地の状況から植栽と判断されるた
め、予測評価の対象としない。またタシロランについても事業区域外の管理された公園内にある
ため、予測評価の対象としない。
ウキゴケ、イチョウウキゴケ、タコノアシ、マキエハギ、ミズマツバ、ミゾコウジュ、カワヂ
シャについては周辺区域に個体が生育しており、改変による直接的影響はないものと考える。
改変により、事業区域に生育するコギシギシ、アブノメ、ミコシガヤ、シランの 4 種は消失す
るが、コギシギシ、アブノメについては周辺区域や井野川にもあって種自体が消失することはな
い。改変区域のみにあって消失すると見られるミコシガヤについては、生育していた休耕地が耕
作されて既に消失している。また、シランは植栽起源の可能性が強く、消失しても自然立地に即
した植物相への影響は小さいものと推察される。
6.1-9-12
図 6.1-9-8 確認位置と事業の関係
図 6.1-9-3 確認位置と事業の関係
6.1-9-13
表 6.1-9-6 予測結果
種名
確認状況
事業区域内
改変
非改変
範囲
範囲
イチョウウキゴ
ケ(ウキゴケ科)
コギシギシ(タ
デ科)
○
○
○
タコノアシ(ユ
キノシタ科)
○
マキエハギ(マ
メ科)
○
ミズマツバ(ミ
ソハギ科)
○
ミゾコウジュ
(シソ科)
アブノメ(ゴマ
ノハグサ科)
事業
区域
外
○
カワヂシャ(ゴ
マノハグサ科)
ミコシガヤ(カ
ヤツリグサ科)
○
シラン(ラン科)
○
○
○
○
○
○
○
エビネ(ラン科)
○
タシロラン(ラ
ン科)
○
個体数、確認状況等
予測結果
事業区域外であり、工事等による影響
をほとんど受けないと予測する。なお、
耕作放棄地であり、別の要因で消失す
る可能性があると見られる。
事業区域では南部の休耕田 事業区域内の個体はすでに耕作によっ
と北部の荒地に、周辺区域 て不明である。なお、周辺区域の個体
では、道路予定地の荒地に、 群の規模は大きいものの、東毛広域幹
どちらも多数生育してい
線予定地の荒地にあって、調査範囲で
る。休耕田の個体は耕され の生育地については将来的に消失する
て以降不明である。
と見られる。
井野川区域中央部の低水路
井野川低水路が改変されなければ残さ
の数箇所に 2~3 本の茎を立
れるものと予測する。
てて生育している。
井野川区域中央部の堤防中
井野川堤防が改変されなければ残され
ほどに複数株がまとまって
るものと予測する。
生育している。
周辺区域東部の水田内や休
事業区域外であり、事業による影響は
耕田の 6 箇所に比較的普通
ないものと予測する。
に生育している。
井野川低水路が改変されなければ残さ
井野川区域中央部と北部の れるが、やや不安定な湿った荒地など
低水路に 1 箇所ずつ、周辺 に出ることから、一旦改変されても再
区域東部の北川堤防川裏に び出現する可能性があると予測する。
2 箇所、1 株ずつ生育してい 周辺区域に生育する個体は関越自動車
る。
道を挟んで東部にあり、工事による影
響はほとんどないものと予測する。
事業区域では南部と東部の 事業区域内の個体は消失すると見られ
水田及び休耕田の 2 箇所に、 るが、周辺区域の水田にも普通に生育
周辺区域では東部の放棄水 しており、個体群としてはほとんど影
田の 1 筆に普通に生育し、 響を受けないものと予測する。なお、
井野川区域では、中央部の 井野川の確認個体は偶発的に出現した
低水路に 1 株見られた。
ものとみられ、自然増水後消失した。
越年草であり、改変されても出る可能
井野川区域の上流から下流 性がある。むしろ、立地で競合関係に
までの水際などに群生、あ あるオオカワヂシャ(特定外来生物種)
の増加によって追われて減少する可能
るいは散生している。
性の方が高いと予測する。
事業区域南部で麦に転換さ
れる前の休耕水田に 3 株生 事業区域内の個体は消失すると見られ
育していたが、耕されて以 るが、すでに耕作によって不明である。
降不明である。
事業区域中央部で、井野川
消失すると予測する。なお確認個体は
左岸川裏のスギ植林林縁に
植栽起源の可能性が強い。
生育している。
周辺区域北部、井野川左岸
事業区域外であり、また植栽と判断さ
のスギ植林内に植栽起源の
れるため、予測対象としない。
株が広がっている。
周辺区域、群馬の森の道路
事業区域外であり、また管理された公
脇樹林下に数箇所あり、複
園内にあるため、予測対象としない。
数個体がかたまって生育し
ている。
周辺区域東部の放棄水田の
2 箇所に散生的に生育して
いる。
6.1-9-14
イ.植生及び注目すべき植生
改変範囲の植生は、畑地及び水田が広く占め、その他はコセンダングサ群落、セイタカアワダ
チソウ群落、セイバンモロコシ群落、クズ群落・フジ群落等の草地が主体で、一部に竹林やスギ
植林、コナラ群落等の樹林が小面積分布する。
なお、注目すべき植生は確認されておらず、また赤城神社周辺の樹林植生については極力保全
し、井野川左岸沿いには緑地を整備する計画であることから、植生及び注目すべき植生に与える
影響は小さいと考える。
6.1-9-15
6.1-9.3
環境保全措置
1)工事及び存在による影響(土工及び改変後の地形)
工事の実施及び改変後の地形の存在による、植物相、注目すべき種及び注目すべき群落の消滅
の有無・変化の程度を予測した結果、事業区域内の改変区域に生育する種が影響を受けると予測
された。本事業の実施にあたっては、このうち特に注目すべき種を対象に、本事業の実施による
影響を最小限度にすることを保全方針として以下の環境保全措置を講じることとする。
表 6.1-9-7 工事及び存在による影響(土工及び改変後の地形)に対する環境保全措置
保全措置
の 種 類
低減
代償
代償
回避
低減
工事中の大
気・水質に係る
環 境 保全 措置
を 確 実に 実施
する。
事 業 の実 施に
よ り 消滅 を免
れ な い注 目す
べ き 種に つい
ては、適切な場
所に移植する。
外 来 生物 の拡
散 の 恐れ のあ
る土砂の搬
入・搬出の無い
よう留意する。
工事実施期間
中
事 業 区域 及び
周 辺 の植 物種
の 生 育に 対す
る 影 響を 軽減
できる。
工事実施前
新 たに 整備 す
る 公園 や緑 地
には、
周囲とつ
な がり を持 た
せ るよ うな 配
置や、
植物現地
調 査結 果を 基
に 地域 に自 生
す る種 を植 栽
樹種に選定し、
新 たな 環境 を
創出する。
事 業計 画立 案
時
動 物の 新た な
生 息空 間の 創
出 が期 待さ れ
る。
事業区域内に位置する井野川河川
区域や残存地となる赤城神社につ
いては 1 号、2 号、3 号橋梁建設に
よって一部が改変されるが、改変
域を最小限にとどめ、現状を維持
する。また、換地設計は現状の土
地利用を考慮し、減歩等の緩和を
行い、保全に努める予定である。
また、公園についても、陸域に
生育している在来種に対して消失
地を補えるような土地利用を勘案
し、保全に努める。
事業計画立案時
なし。
なし。
実施内容
実施期間
効果及び
変
化
なし。
副次的な
影 響 等
自 生 地で の保
全 は 出来 ない
が、同様の環境
で の 存続 を図
る こ とが 出来
る。
移 植 先に 生育
す る 個体 に影
響 が 生じ ない
よう、移植方法
を 検 討す る必
要がある。
工 事 実施 期間
中
外 来 種の 拡散 注目すべき種の他に在来種につい
を回避できる。 ても保全することが出来る。
なし。
2)移植の方針検討
(1)移植対象種の検討
注目すべき種のうち、事業区域の改変予定地で確認された生育種として、コギシギシ、アブノ
メの一部個体群とミコシガヤ、シランの 4 種があげられ、特に、改変範囲以外で確認のないミコ
シガヤ、シランの 2 種については保全に対しての代償措置が必要であると判断される。ただし、
ミコシガヤについては、
耕作により確認個体は不明になっており、今後新たに確認された場合に、
移植を行うこととする。シランについては植栽起源の可能性が強いものの、最善策として移植を
行うこととする。また、コギシギシについては周辺区域にも多数個体群が生育しているが、東毛
広域幹線道路の路傍にあり、将来的に拡幅される場合、生育地は消失する。種の消失を抑えるた
めには種子採取を行なって、適地に播種するなどの措置をとることが望ましいと考える。
周辺区域や事業区域内の中での残存区域に生育しており、事業の実施により消失する可能性の
低い種として、タコノアシ、マキエハギ、ミゾコウジュ、カワヂシャの 4 種があげられる。タコ
6.1-9-16
ノアシ及びマキエハギについては、群馬県の当該地域における分布が絶滅または絶滅した可能性
が高いもしくは分布が非常に限られているとされており、非改変区域に生育しているものの、注
意が必要であると考える。よって、事後調査結果から影響が懸念される場合は、移植等の対応を
検討する。ミゾコウジュ及びカワヂシャは、代償措置を取らなければならないほどの減少種では
ないか、あるいは非改変区域に生育しており、特に措置を取らなくとも良いと判断される。
その他、事業区域外の確認のみでほとんど影響を受けないと見られるミズマツバ、エビネ、タ
シロランの 3 種については、
工事中に、
周辺区域に対する一般的な配慮がなされることによって、
保全が達成できるものと判断される。
(2)移植方法等の検討
保全措置をとることが望ましいと判断される 3 種について、移植方法等の検討結果を示す。
移植場所は、移植対象種の生育環境に類似した場所とするのが望ましいが、事業区域に整備
する公園・緑地等に行うよう検討する。
また、事後調査において、新たに事業による影響が懸念される注目種等が確認された場合は、
これらの種に準じて移植等の保全措置を検討する。
表 6.1-9-8 重要種等の移植の検討結果
保全
対象
コギシ
ギシ
保全
措置
内容
移植
また
は播
種
実施方法
保全措置
の効果
事業区域内の公園・緑
地、調整池の高水敷等
に移植する。または、
種子が採取された場
合、上記移植地に播種
する。
移植するこ
とにより個
体群の消失
を免れるこ
とができる。
ミコシ
ガヤ
移植
コギシギシに準ずる。 移植するこ
とにより個
体の消失を
免れること
ができる。
シラン
移植
事業区域内の公園等
で樹林の林縁に移植
する。なお移植可能な
立地が確定するまで
の間、必要に応じ仮移
植して保護する。
移植するこ
とにより個
体の消失を
免れること
ができる。
移植時期
保全措置に
伴う影響
改変前に確
なし。
認された個
体はできる
だけ移植す
る。種子は一
定保存処理
後播種する。
個体が確認
なし。
できたら適
宜行う。
晩秋、早春
なし。
回避・低減が
困難な理由
移植後の維
持管理等
事業区域及
び周辺区域
の生育地は
ほとんど改
変されるた
め生育立地
が消失する。
事業区域で、
その生育地
のみを確保
し残存させ
ることが困
難である。
事業区域で、
その生育地
のみを確保
し残存させ
ることが困
難である。
なし。
なし。
盗掘防止の
ため目立た
ない場所に
移植する。
3)植栽樹木の検討
新たに整備する公園や緑地に植栽する樹種の選定にあたっての参考とするために、現地調査
において確認された主な木本類のうち、沿道、公園、緩衝帯等への植栽に利用可能な種の検討
を行った。
調査地域の植栽に適した種として、地域に自生する種のうち一般的に植栽に使用されている
もののうち、植栽場所の条件により、より適した種を選定することとする。
なお、調査地域に生育のない樹種については、群馬県高崎区域において妥当と思われるもの
であっても生育を見ない理由があると考えられ、抽出根拠に乏しいことから検討対象としなか
6.1-9-17
った。竹林については、高頻度での維持管理が必要になると見られることから、検討の対象か
ら外した。
表 6.1-9-8 植栽樹検討表
現地調査で確認された主な木本類
科名
イチョウ科
マツ科
スギ科
ヒノキ科
クルミ科
ヤナギ科
カバノキ科
ブナ科
ニレ科
クワ科
モクレン科
クスノキ科
ツバキ科
検討基準
和名
落
葉
樹
高
在来
種
イチョウ
モミ
アイグロマツ
アカマツ
スギ
ヒノキ
オニグルミ
シダレヤナギ
マルバヤナギ
イヌコリヤナギ
オノエヤナギ
タチヤナギ
アカシデ
クリ
スダジイ
マテバシイ
クヌギ
アラカシ
シラカシ
コナラ
ムクノキ
エノキ
落
常
常
常
常
常
落
落
落
落
落
落
落
落
常
常
落
常
常
落
落
落
高
高
高
高
高
高
高
高
高
低
高
中
高
高
高
高
高
高
高
高
高
高
△
○
○
○
△
△
○
△
○
○
○
○
○
○
○
△
○?
○
○
○
○
○
ケヤキ
落
高
ヒメコウゾ
カジノキ
マグワ
ヤマグワ
コブシ
クスノキ
落
落
落
落
落
常
ヤブニッケイ
地域に即 街路樹
した森林 に利用
構成種
可能
備考(主な生育地など)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
花粉アレルゲン
花粉アレルゲン
○
○
○
○
○
○
○
○
○?
○
○
○
○
○
○
○
○
○
低
高
高
低
高
高
○
△
△
○
○
△
○
?
常
高
○
○
タブノキ
常
高
○
○?
シロダモ
ヤブツバキ
サザンカ
常
常
常
中
高
中
○
○
△
○
○
モッコク
常
高
△
落
落
常
落
常
落
落
落
落
低
低
低
低
高
低
高
高
高
○
○
○
○
△
○
○
△?
○
ユキノシタ科 ウツギ
ノリウツギ
トベラ科
トベラ
バラ科
クサボケ
ビワ
カマツカ
ヤマザクラ
トウダイグサ アブラギリ
科
アカメガシワ
その他
○
○
河川敷
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
河川敷、耕作地背後など
河川敷、耕作地背後など
群馬の森、赤城神社は自然
林に近い?
河川に増加しつつある
耕作地背後林
河川敷、耕作地背後など
赤城神社
常緑樹林下に次世代個体
生育
常緑樹林下に次世代個体
生育
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
○
○
○
逃げ出しが
よく増える
○
○
○?
○
○
○
○
○
○
6.1-9-18
赤城神社
群馬の森
赤城神社
耕作地背後
耕作地背後
河川敷
河川敷
河川敷
河川敷
河川敷
河川敷
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
現地調査で確認された主な木本類
検討基準
地域に即 街路樹
した森林 に利用
構成種
可能
落
葉
樹
高
在来
種
ナンキンハゼ
落
高
△
ミカン科
カラスザンショウ
サンショウ
イヌザンショウ
落
落
落
高
低
低
○
○
○
ニガキ科
ニワウルシ
落
高
×
センダン科
ウルシ科
センダン
ヌルデ
ハゼノキ
ウリカエデ
イロハモミジ
オオモミジ
イヌツゲ
モチノキ
ウメモドキ
マサキ
マユミ
カントウマユミ
アオギリ
イイギリ
アオキ
ヤマウコギ
タラノキ
ヤツデ
落
落
落
落
落
落
常
常
落
常
落
落
落
落
常
落
落
常
半
落
常
落
落
落
落
常
高
低
高
中
高
高
低
高
低
低
低
低
高
高
低
低
低
低
○?
○
○?
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○?
○
○?
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
低
○
○
低
高
高
低
低
高
○
△
○
○
△
○
○
科名
カエデ科
モチノキ科
ニシキギ科
アオギリ科
イイギリ科
ミズキ科
ウコギ科
和名
ツツジ科
ヤマツツジ
ヤブコウジ科
カキノキ科
エゴノキ科
ハイノキ科
モクセイ科
マンリョウ
カキノキ
エゴノキ
サワフタギ
シナレンギョウ
ネズミモチ
備考(主な生育地など)
街路樹にはよく使われて
いるが、在来ではない
○?
○
○
一旦生育はじめ
たら除去難しい
○?
○
○
○
神社、耕作地背後林など
神社、耕作地背後林など
自生でなく逃げ出し?
○
神社、耕作地背後林など
群馬の森
群馬の森、植栽逸出?
○
○
○
○
○
神社、耕作地背後林など
ネズミモチとの競合
の可能性あり
トウネズミモチ
常
高
△
イボタノキ
落
低
○
○
ヒイラギ
常
高
○
○
落
落
低
低
○
○
○
○
落
低
△
クマツヅラ科 ムラサキシキブ
クサギ
ノウゼンカズ
キリ
ラ科
ミヤマウグイス
スイカズラ科
カグラ
ニワトコ
ガマズミ
サンゴジュ
落
低
○
○
落
落
常
低
低
高
○
○
△
○
○
ヤシ科
常
低
○
シュロ
その他
○
神社に高木あり(赤城神
社、斉木神社)
林床に逸出個体あり
樹林地に普通だが、林床は
単調になる
注)凡例は以下のとおり
落葉… 落:落葉樹、常:常緑樹、半落:半落葉樹(部分的に、または気温などの条件により落葉性を示す)
樹高… 低:低木、高:高木、中:低木~高木の中間
在来種… ○:在来種 △:非在来種、×:著しく問題のある非在来種
地域に即した種… ○:地域にみられる種、?:地域にみられるが敢えて植栽には及ばないと考えられる種
6.1-9-19
6.1-9.4
評価
1)工事及び存在による影響(土工及び改変後の地形)
(1)回避・低減に係る評価
ア.評価方法
環境保全措置の検討結果を踏まえ、注目すべき種について、それらを保全するために適切な措
置を講じ、影響が、実行可能な範囲内での回避・低減が図られるか否かを評価基準とする。
イ.評価結果
事業区域及び周辺区域の生育地のほとんどが改変されるコギシギシ、ミコシガヤ、シランの 3
種は、代償措置によって個体または個体群の消失を免れることができると評価する。
(2)基準や目標との整合性に係る評価
ア.評価方法
以下の事項を目標として、整合が図られているかを判断する。
・環境省レッドリスト記載種の保全
・群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 植物編の記載種の保全
イ.評価結果
事業区域の改変区域で確認された注目すべき種のうち、コギシギシ、ミコシガヤ、シランの 3
種が消失する可能性が高いが、移植による代償措置を講じれば消失を免れ、保全を図ることが可
能であると評価する。
6.1-9-20
6.1-10 動物
6.1-10.1 調査の結果の概要
1)調査項目
事業区域及びその周辺における動物相及び注目すべき種と、注目すべき生息地の状況の把
握を行った。
2)調査方法
下記の方法により、調査を行った。なお、調査中に、表 6.1-10-1 に示す注目すべき種及
び特定外来生物等が見つかった場合は、種名及び確認地点を記録した。
表 6.1-10-1
注目すべき種の選定根拠
選定根拠
区分
略
文化財
種の
保存法
国 RDB
名称
「文化財保護法」
(昭和 25 年 5 月 30 日 法第二百十四号)
「絶滅 のお それの ある 野生動 植物 の種 の保
存に関する法律」
(平成 4 年 6 月 法律第 75 号)
絶滅の おそ れのあ る野 生生物 の種 のリ スト
(平成 24 年 8 月 28 日版)
注目
すべ
き種
県 RDB
外来生物
「群馬県の絶滅のおそれのある野生生物
動物編 2012 年改訂版」
(平成 24 年 群馬県)
「特定 外来 生物に よる 生態系 等に 係る 被害
の防止に関する法律」
(平成 16 年 6 月法第七十八号)
記号
特
天
国内
国際
緊急
EX
EW
CR
EN
VU
NT
DD
LP
EX
EW
CR
EN
VU
NT
DD
特定
カテゴリー
区分
特別天然記念物指定種
天然記念物指定種
国内希少野生動植物種
国際希少野生動植物種
緊急指定種
絶滅
野生絶滅
絶滅危惧ⅠA 類
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅危惧Ⅱ類
準絶滅危惧
情報不足
絶滅のおそれのある地域個体群
絶滅
野生絶滅
絶滅危惧ⅠA 類
絶滅危惧ⅠB 類
絶滅危惧Ⅱ類
準絶滅危惧
情報不足
特定外来生物
要注意
要注意外来生物
(1)哺乳類
<踏査>
個体の目撃及び生活痕跡(フィールドサイン)の確認を目的とした踏査を実施した。個体
の目撃や、生活痕跡が確認された場合、確認日付、種名、確認状況(目撃、死体、生活痕跡:
足跡、糞、食痕、坑道、巣など)、位置を記録した。
<捕獲調査>
小型哺乳類のうち、主にネズミ類を対象とした捕獲調査を実施した。捕獲ワナには、H. B.
Sherman Trap 社製 LFAHD Folding Trap を用い、調査地 18 箇所(春季 10 箇所、秋季 8 箇所)
に調査ラインを設け、ネズミ類の行動圏を考慮し 7-9m ごとに 10 個/ラインの密度で設置した。
ワナは鳥類の錯誤捕獲を回避するために、夕方稼働させ、早朝見回った。設置期間は、春季
1 夜、秋季 2 夜であり、使用した餌は、ピーナッツ及びサツマイモである。
<カメラトラップ>
行動圏が広く調査範囲を利用する頻度が低い種(アカギツネなど)の生息確認を主目的と
した調査を実施した。調査には、赤外線フラッシュ付き焦電型赤外線センサートリガーカメ
6.1-10-1
ラを使用し、数日設置したのち回収した。設置個所数は、のべ 12 箇所である。
<バットディテクタによるコウモリ調査>
コウモリ類の分布状況を把握するためにバットディテクタを用いた生息確認調査を実施
した。調査は、バットディテクタを 3 台使用し、それぞれ 20kHz、50kHz、65kHz にセットし
て、日没直後から調査範囲を移動しながら、生息を確認した。生息が確認された場合、位置、
周波数を記録した。
(2)鳥類
<踏査>
調査地を踏査し、出現した鳥類の種名、個体数、同定根拠(さえずり、地鳴、飛行、止ま
り目撃)を記録し、地図上に位置を記録した。調査には 8 倍の双眼鏡、20~60 倍の望遠鏡を
適宜使用した。
<ラインセンサス>
あらかじめ設定した調査ライン(3 本設定:河川、水田・畑地・市街地、畑地・樹林地)
上をゆっくりとした一定速度(時速約 2km)で歩き、ラインから両側 25m(観察幅 50m)、河
川ではラインから河川側片側 50m に出現した鳥類の種名、個体数、同定根拠(さえずり、地
鳴、飛行、止まり目撃)を記録し、地図上に位置を記録した。
<定点調査>
あらかじめ調査地点(4 地点:河川 1 箇所、河川・水田 1 箇所、樹林 1 箇所、農耕地 1 箇
所)を設定し、一定時間(30 分間)以内に出現した鳥類の種名、個体数、同定根拠(さえず
り、地鳴、飛行、止まり目撃)を記録し、地図上に位置を記録した。
<オオタカ調査>
事業区域周辺 2 箇所繁殖が示唆されたオオタカについて調査した。特に、事業区域南側周
辺約 500m で営巣が示唆される個体については、事業区域内を採餌場所として利用する可能性
が高いことから、十分にその状況を把握することとした。
実際の調査では、営巣場所と推定される場所が民有地であり、立ち入れないことから、隣
接地において、鳴声確認により営巣の継続を確認することとした。また、事業区域の利用状
況を把握するために、調査地の営巣地よりの場所で定点調査を実施した。
(3)爬虫類・両生類
<踏査>
調査地を踏査し確認された爬虫類・両生類の種名、確認状態(両生類:卵塊、幼生、幼体、
成体、鳴声、死体、爬虫類:幼体、成体、死体)を記録し、地図上に位置を記録した。
(4)昆虫類
<踏査>
調査地を踏査し確認された昆虫類の種名、確認状態(幼虫、成体、鳴声等)を記録し、地
図上に位置を記録した。 あわせて捕虫網による捕獲を行った。
6.1-10-2
<トラップ調査>
事業区域内の(2 地点:樹林 1 箇所、草地 1 箇所)に、ライトトラップ及びベイトトラッ
プを 1 昼夜設置し、誘引された昆虫を捕獲した。
3)調査地域・調査期日等
調査地域は、事業区域の周辺 200m の範囲とし、群馬の森の立入禁止区域や原子力研究所
等の立ち入りができない場所は踏査を除外した。各調査対象の生息環境を考慮し、調査地点、
ルートを設定した。
6.1-10-3
調査期日は表 6.1-10-2 に示す通りである。
表 6.1-10-2
動物群集
調査項目別調査日
調査項目
調査日
踏査
哺乳類
捕獲調査
カメラトラップ
バットディテクタ
踏査
ラインセンサス
鳥類
定点調査
オオタカ調査
両生類
踏査
爬虫類
踏査
昆虫類
踏査・ライトトラップ・ベ
イトトラップ
平成 24 年 5 月 28~30 日
平成 24 年 6 月 20~21 日
平成 24 年 7 月 2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22~25 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
平成 24 年 6 月 18~19 日
平成 24 年 10 月 24~26 日
平成 24 年 6 月 20~21 日
平成 24 年 7 月 1~4 日
平成 24 年 10 月 22~26 日
平成 25 年 1 月 15~18 日
平成 24 年 5 月 29 日
平成 24 年 6 月 19 日
平成 24 年 5 月 9~10・28~30 日
平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 8 月 1~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~26 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
平成 24 年 5 月 28~30 日
平成 24 年 6 月 19~20 日
平成 24 年 8 月 2~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~25 日
平成 25 年 1 月 16~18 日
平成 24 年 5 月 30 日
平成 24 年 6 月 18・20~21 日
平成 24 年 8 月 2~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~25 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
(踏査)平成 24 年 3 月 13~14 日
平成 24 年 4 月 19~20 日
平成 24 年 5 月 28~29 日
平成 24 年 6 月 18 日
平成 24 年 7 月 4~5 日
平成 24 年 8 月 1 日
(定点)平成 24 年 3 月 14 日
平成 24 年 4 月 19 日
平成 24 年 5 月 28 日
平成 24 年 6 月 18 日
平成 24 年 7 月 4 日
平成 24 年 5 月 9・28~30 日
平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 7 月 1~2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22~23 日
平成 24 年 5 月 9・28~30 日
平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 7 月 1~2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22・23~25 日
平成 24 年 5 月 28~30 日
平成 24 年 7 月 30~31 日
平成 24 年 10 月 22~23 日
6.1-10-4
ワナ記号
SC1
SC8
土地利用
樹林地
SC2
SC9
土地利用
土地被覆区分
樹林地
樹林地
植生・土地利用区分
スギ・ヒノキ植林
T17
樹林地
竹林
T8
低木林
ヤマグワ低木林
T2
T10
オギ・ヨシ草地
河川
クズ草地
草地
T11
オギ・ヨシ草地
T12
オギ・ヨシ草地
T14
ジュズダマ・アメリカセンダングサ草地
T1
オギ・クズ草地
T13
オギ・クズ草地
T16
クズ・アメリカセンダングサ草地
T4
T6
セイタカアワダチソウ草地
農耕地
草地
セイタカアワダチソウ・クズ草地
T7
セイタカアワダチソウ草地
T9
セイタカアワダチソウ草地
T15
アメリカセンダングサ草地
T18
T5
休耕畑
市街地
図 6.1-10-1
樹林地
社寺林
哺乳類調査位置図
6.1-10-5
ハリエンジュ林
樹林地
ハリエンジュ林
樹林地
低木林
オオハンゴンソウ・クズ草地
SC10
畑地
耕作畑
SC5
樹林地
竹林
SC6
低木林
クワ低木林
SC3
草地
オギ草地
草地
クズ・アメリカセンダングサ草地
SC4
裸地
裸地
SC12
裸地
裸地
草地
セイタカアワダチソウ草地
SC7
T3
植生・土地利用区分
樹林地
草地
SC11
ワナ記号
農耕地
土地被覆区分
河川
市街地
土地利用
距離(m)
面積(m 2 )
L1
河川
1,341
67,595
L2
農耕地、市街地
1,436
70,348
L3
農耕地、市街地
1,633
79,918
ライン記号
図 6.1-10-2
鳥類調査位置図
6.1-10-6
図 6.1-10-3
鳥類調査位置図
ワシタカ
6.1-10-7
図 6.1-10-4 昆虫類調査位置図
6.1-10-8
4)調査結果
(1)哺乳類
ア.生息確認種
現地調査で確認された哺乳類は、5 目 7 科 9 種(コウモリは少なくとも 1 科 2 種確認して
いる)である。なお、コウモリ類は、バットディテクタだけでは種を確定できないことから
注に示した通りの可能性が考えられる。なお、上越新幹線高架では、群馬県内ではヒナコウ
モリのコロニーが確認されており、また、 同新幹線の埼玉県内では、高架部にヒナコウモリ
のほかヤマコウモリの生息が確認されている(日本哺乳類学会 2012 年度大会プログラム講演
要旨)ことから、これら 2 種が確認された 20kHz のエコーロケーションである可能性がある。
種構成をみると、タヌキ、ハクビシンといった農耕地内に集落が散在するといった里山に
形成される哺乳類相が基本であるが、市街地化が進む現状を考えるとアカギツネといった行
動圏の広い種の生息は特筆される。しかし、ネズミ類をみると最も多くの環境に生息するア
カネズミ 1 種だけであり、種多様性はあまり高くない。
イノシシについては、近年、群馬県ではイノシシが市街地へ分布を拡大しているとされる
(姉崎ほか、 2009) * 。比較的交通量と住宅地・工場などが迫る当該地域であっても、河川
といったコリドーの存在が、イノシシが出現する環境となっているものと考えられる。
*姉崎智子・坂庭浩之・小野里光・戸塚正幸・中嶋薫・竹内忠義・富田公則・木滑大介、2009、群馬県にお
けるイノシシの分布拡大と繁殖状況。群馬県立自然史博物館研究報告、13、119-128。
表 6.1-10-3
生息確認哺乳類
翼手目
ヒナコウモリ科
齧歯目
ネズミ科
アズマモグラ
アブラコウモ
リ
コウモリ 20 注 4)
コウモリ 50 注 5)
アカネズミ
●
偶蹄目
5目
イヌ科
イタチ科
ジャコウネコ科
イノシシ科
7科
アカギツネ
タヌキ
ニホンイタチ
ハクビシン
イノシシ
9種
7
月
8
月
●
10
月
1
月
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
4
注 4)
注 4)
坑道
BD,目撃
●
●
●
ハタネズミ
食肉目
6
月
RDB
モグラ科
5
月
RDB
食虫目
種
外来生
物
科
注目種
県
目
確認
状態 注 2)
国
確認月
4
2
1
●
●
●
●
6
●
2
BD
BD
捕獲
アカギツネ
糞中
目撃,糞,SC
足跡,SC
足跡,SC
SC
足跡
-
DD
1
2
0
注 1)リストは、以下の文献に従って作成した。
(リスト順、種和名)Ohdachi,S.D.,Y.Ishibashi,M.A.Iwasa and T.Saitoh,eds.(2009) The Wild Mammals of
Japan.544pp.Shoukadoh Book Sellers, Kyoto, and the Mammalogical Society of Japan, Tokyo.
(目科和名)阿部永監修(1994) 日本の哺乳類[改訂版].東 海大学出版会,秦野市。
注 2)確認状態 BD:バットディテクタ、SC:センサートリ ガーカメラ
注 3)注目種の選定根拠とカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照
注 4)コウモリ 20:20kHz 付近でのエコーロケーションコールを確認
クビワコウモリ、ヤマコウモリ、ヒナコウモリ、オヒキ コ ウモリなどが考えられる。クビワコウモリ、ヤマコ
ウモリ、オヒキコウモリの場合国 RDB での絶滅危惧 II 類、ヤマコウモリ、ヒナコウモリの場合県 RDB で注目
種に該当する。
注 5)コウモリ 50:50kHz 付近でのエコーロケーションコールを確認
イエコウモリ、カグヤコウモリ、ヒゲコウモリ類、モモジ ロコウモリ、ユビナガコウモリなどヒナコウモリ科
の多くのコウモリが該当する。クロホオヒゲコウモリの場 合国 RDB での絶滅危惧 II 類に、ヒメホオヒゲコウ
モリ(シナノホオヒゲコウモリ、オゼホオヒゲコウモリ) の場合県 RDB の注目種に該当する。
6.1-10-9
図 6.1-10-5 哺乳類確認位置
6.1-10-10
イ.生息分布状況
<モグラ類>
確認されたモグラ類はアズマモグラ 1 種である。事業区域及び周辺では農耕地(特に
水田周辺)と河川敷に広く坑道がみられるが、数は多くない。乾燥した畑地では餌とな
る土壌動物が少なく、河川敷や水田といったやや湿潤な環境がミミズ類などの土壌動物
が多く、生息がやや集中する傾向がみられる。しかし当該地域の水田では冬季は麦畑と
なっており、乾燥化するために餌となる土壌動物が生息しにくく、その結果として、全
体的に生活痕跡の密度が薄くなっているものと思われる。
<コウモリ類>
確認されたエコーロケーションの周波数から、20kHz と 50kHz の種群に大別される。
20kHz コウモリは事業区域及び周辺で広く確認されたが、50kHz コウモリは事業区域南部
の水田、南東部の集落、北西部の畑地及び河川といった比較的確認位置が限られた。
<ネズミ類>
捕獲確認されたネズミ類はアカネズミ 1 種であるが、アカギツネの糞中にはハタネズ
ミ頭骨・歯が含まれていた。
捕獲数は、秋季に 3 箇所 4 頭、秋季に 4 箇所 7 頭であった。捕獲場所は、高水敷草地
(春季:T2、T10、秋季:T11、T14)7 頭、スギ植林地(春季:T3)1 頭、休耕農耕地等
(秋季:T13、16)3 頭であり、河川敷草地で多く捕獲された。
捕獲率(捕獲個体数÷のべ有効ワナ数)をみると、春季 0.040、秋季 0.039 であり時
期による違いは見られなかった。
<中・大型哺乳類>
確認された中型哺乳類は 4 種であり、このうち、アカギツネとタヌキの確認例が多か
った。アカギツネは、事業区域中央部の井野川左岸で春季に幼獣を含む複数個体を同時
に確認しており、巣穴は見つかっていないが、繁殖場所として利用している可能性が高
い。また、子供が分散する秋以降は見られなくなっており、営巣期以外は行動圏が広く
なっていると思われる。
タヌキは、河川沿いに足跡が多くみられ、その範囲は広く、カメラトラップでは 12
箇所中 9 箇所で確認されており、当該地域をよく利用する種としてあげられる。
イタチとハクビシンについては、イタチの痕跡が河川沿いに広くみられたが、ハクビ
シンについては、痕跡は確認できず、カメラトラップ調査で 1 度確認されたのみである。
大型獣については、事業区域中央部の畑地を横切るイノシシの足跡が 1 時期に確認さ
れた。現在の生息状況は哺乳類相で述べたとおりである。
ウ.注目すべき種
注目すべき種は、ニホンイタチ(県 RDB:情報不足)1 種である。コウモリ 20 の種は不明
であるが、クビワコウモリ、ヤマコウモリ、オヒキコウモリの場合、国 RDB 絶滅危惧 II 類、
ヤマコウモリ、ヒナコウモリの場合県 RDB 注目種の可能性がある。
6.1-10-11
(2)鳥類
ア.生息確認種
現地調査で確認された鳥類は 13 目 30 科 56 種及び外来種 2 種、(野生化)飼養鳥 2 種の計
60 種である
繁殖期の種構成をみると、農耕地性のツバメ、ヒバリ、セキレイ類、モズ、カラス類、水
辺性のカワセミ、アオサギ、イカルチドリ、住家性のスズメなどであり、農耕地性種を中心
とした構成になっている。しかし、河川や農耕地に点在する耕作放棄地といった草地環境で
繁殖する種は、セッカ、オオヨシキリ、ホオジロなどであまり多くはなかった。
秋の渡りの時期は、繁殖期より多様になり、キツツキ類、カケスといった樹林地性種が森
林環境の少ない事業区域にあっても確認された。これは、当該地域のほとんどが農耕地で占
められ、小面積の樹林環境が点在するため、こうした小規模な林を転々と移動して渡りをす
る種の利用環境になっていることを反映しているものと思われる。
越冬期は、冬鳥のカモ類であるマガモ・コガモや、ツグミ、ジョウビタキ、カシラダカ、
アオジといった農耕地・草地性冬鳥が主であるが、カケス、ビンズイといった森林性冬鳥も
少数みられ、繁殖期にはみられなかったアカゲラなどの森林性鳥類もみられた。
表 6.1-10-4
生息確認鳥類
カルガモ
●
●
●
オナガガモ
コガモ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ダイサギ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
NT
●
●
●
DD
●
●
●
●
●
イカルチドリ
●
●
コチドリ
●
●
●
イソシギ
●
●
●
オオタカ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
DD
●
●
●
●
●
●
ノスリ
スズメ
●
●
●
●
●
カワセミ
●
●
●
●
●
●
●
●
コゲラ
●
●
●
●
●
●
●
●
アカゲラ
●
●
●
●
●
アオゲラ
●
●
●
ハヤブサ
ハヤブサ
カササギビ
サンコウチョ
タキ
ウ
NT
●
ハイタカ
サシバ
ハヤブサ
●
●
バン
トビ
キツツキ
DD
オオバン
ツミ
キツツキ
●
●
アオサギ
カワセミ
●
●
カワウ
ウソウ
●
DD
●
●
ウ
ブッポ
●
●
カツオドリ
タカ
●
●
●
タカ
●
●
●
シギ
●
●
キジバト
チドリ
●
●
ハト
チドリ
●
●
ハト
クイナ
●
●
カイツブリ
ツル
●
●
カイツブリ
サギ
●
●
カイツブリ
ペリカン
●
●
●
●
●
6.1-10-12
NT
NT
NT
NT
VU
EN
VU
DD
VU
外来生物
カモ
●
●
マガモ
カモ
●
●
RDB
●
1月
県
●
オシドリ
月
RDB
キジ
10
国
3月 4月 5月 6月 7月 8月
注目種
踏査
キジ
種
定点
キジ
科
サス
目
方法別
ラインセン
月別
●
ハシボソガラ
ス
ハシブトガラ
ス
シジュウカ
ラ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ヤマガラ
●
ヒガラ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ヒバリ
●
●
●
●
●
●
●
●
ツバメ
ツバメ
●
●
●
●
●
●
ヒヨドリ
ヒヨドリ
●
●
●
●
●
●
ウグイス
ウグイス
●
●
●
●
メジロ
メジロ
●
●
●
ヨシキリ
オオヨシキリ
●
●
●
セッカ
セッカ
●
●
●
●
●
●
ムクドリ
ムクドリ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ツグミ
ジョウビタキ
スズメ
●
セグロセキレ
イ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
シメ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
キジ科
スズメ目
チメドリ科
カモ目
(野生化)
カモ科
飼養鳥
ハト目
ハト科
56 種
1
1
1
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
23
36
44
42
50
46
●
●
●
●
29
30
コジュケイ
●
●
●
●
ガビチョウ
●
●
●
●
アヒル
●
カワラバト
●
●
●
●
●
●
注 1)リストは、以下の文献に従って作成した。
日本鳥学会(2012) 日本鳥類目録 改訂第 7 版。日本鳥学会 、三田。
注 2)注目種等のカテゴリーは表 6.1-10-1 参照
6.1-10-13
●
8
1
●
●
カシラダカ
アオジ
30 科
●
●
カワラヒワ
ホオジロ
キジ目
●
●
ビンズイ
ホオジロ
●
●
ハクセキレイ
アトリ
●
●
キセキレイ
セキレイ
●
4
●
●
シジュウカラ
スズメ
外来種
●
●
ヒバリ
ヒタキ
13 目
●
外来生物
オナガ
●
RDB
●
1月
県
カケス
月
RDB
モズ
カラス
10
国
モズ
3月 4月 5月 6月 7月 8月
注目種
踏査
種
定点
科
サス
目
方法別
ラインセン
月別
●
●
特
定
イ.生息分布状況
ラインセンサス調査結果から、河川(L1)では、秋から冬にかけて種数・個体数とも増加し、
繁殖期に減少する傾向がみられる。これは、カモ類などの水鳥や草地性の冬鳥の越冬環境と
しての利用はあるが、草地性夏鳥が繁殖する草地環境としては貧弱な環境であることを示し
ている。
畑地・昔からの集落が分布する環境(L2)、畑地・水田などの農耕地を主体とするが、新し
い住宅地・工場など人為的環境が出現する(L3)では、種数・個体数に季節変動はあまり見ら
れなかった。
◆
図 6.1-10-6 ラインセンサス調査における出現種数の季節変化
◆
図 6.1-10-7 ラインセンサス調査における出現個体数の季節変化
6.1-10-14
ウ.注目すべき種
オシドリ、オオバン、イカルチドリ、コチドリ、ツミ、ハイタカ、オオタカ、サシバ、ハ
ヤブサ、サンコウチョウの 10 種が注目すべき種として、ガビチョウが特定外来生物としてあ
げられる。
このうち、イカルチドリ、コチドリ、ガビチョウ、オオタカは繁殖期を含む複数回確認さ
れており、調査地域周辺に定着していると考えられる。オシドリとサンコウチョウは偶発的
な確認と考えられる。
表 6.1-10-5
種名
オシドリ
カテゴリー
国 RDB:DD
県 RDB:DD
オオバン
県 RDB:NT
イカルチ
ドリ
県 RDB:NT
コチドリ
県 RDB:DD
ツミ
県 RDB:DD
ハイタカ
国 RDB:NT
県 RDB:NT
注目すべき種の確認状況
種の特徴
日本では、北海道、本州、四国、九州、沖縄で
繁殖し、冬は本州以南で過ごす。低地から亜高
山帯にかけて広くみられる。繁殖期には、大木
の多い広葉樹林内河川、湖沼にすみ、とくにミ
ズナラの多いブナ林、シイカシ林などを好む。
冬は山間の河川、ダム湖、湖沼、ため池などで
見られる。繁殖期は 4~7 月、つがいは抱卵期に
解消する。巣は大木の樹洞内や地上に作る。抱
卵日数は 28~30 日。早成性の離巣性であり、雛
は小さいうちに巣から水へ入る。
日本には夏鳥として渡来、北海道から本州で繁
殖一部越冬する。 水田、湖沼河川湿性草地に生
息し水草の根や葉を好んで食べ、昆虫類も食べ
る。
日本では本州、四国、九州で繁殖し、一部留鳥
である。河原が発達した河川にすみ、とくに大
きい川の中流域の氾濫原や扇状地の砂礫地に多
い。コチドリと共存するが、コチドリが砂地や
砂泥地に生息するのに対し、イカルチドリは粒
径の大きい砂礫地から礫地に生息する。昆虫類
を餌とする。繁殖期は 3~7 月、抱卵日数 27 日、
3~4 週後に分散する。
日本では北海道、本州、四国、九州などに夏鳥
として渡来し繁殖する。渡り期には各地に現れ、
九州以南で少数が越冬する。河川敷内の中洲、
水辺、河口の三角州や干潟、海岸の砂浜、水域
以外でも植生の疎らな荒地、道路工事現場など
でも見られる。繁殖期は 4~7 月、抱卵日数 22
~25 日、25~27 日で分散する。
日本では全国各地で繁殖し、暖地では留鳥とし
て年中生息するが、積雪の多い寒地では暖地へ
移動して越冬する。多くは平地から亜高山帯の
林に生息する。近年では市街地での繁殖例が増
えている。主に、スズメ、ツバメ、セキレイ類、
エナガ、ムクドリなどの小鳥類を捕食するが、
小型のネズミや昆虫類も食べる。産卵期は 4~5
月、抱卵日数は約 35 日、育雛日数は約 24 日。
日本では、北海道と本州で繁殖確認されており、
四国の一部で繁殖可能性があるが、中国地方で
は定期的な渡り鳥である。越冬期は北海道から
九州でみられ、沖縄でもまれに観察される。留
鳥性が強いが、冬季に餌事情が悪くなる地方で
は平地や南方に移動する。餌のほとんどが小鳥
であるが、冬季にはネズミ類が増加する。本州
の中部ではツミよりやや標高の高い山地の混交
林、スギ・ヒノキ林、アカマツ林、カラマツ林
6.1-10-15
確認状況
6 月 調査 時に 事業 区域 中央部
の井野川右岸で 1 例のみであ
り、 近く に繁 殖環 境が なく、
確認 前日 に台 風が 通過 したこ
とに よる 偶発 的な 確認 と思わ
れる。
現地調査では 1 月調査時に井
野川上流部で採餌する 1 個体
(2 例)を確認した。
現地調査では繁殖期の 5~6 月
のほか 10 月にも確認された。
確認 位置 は井 野川 の下 流域を
中心に中心域でも確認され
た。
現地調査では、繁殖期の 5、6
月に 確認 され た。 確認 位置は
井野 川中 流部 、両 岸の 農耕地
などである。
現地調査では、5 月調査時に確
認さ れた 。繁 殖期 での 確認で
ある が、 確認 頻度 が少 ないこ
と、 現況 では 周辺 に天 敵であ
るオ オタ カが 複数 営巣 してい
るこ とか ら、 当該 地域 では繁
殖していないと考えられる。
現地調査では、1 月調査時に調
査地南部および中央部の 2 箇
所で、1 個体ずつ飛翔するのが
確認された。
種名
カテゴリー
オオタカ
種の保存
法:国内
国 RDB:NT
県 RDB:NT
サシバ
国 RDB:UV
県 RDB:EN
ハヤブサ
種の保存
法:国内
国 RDB:VU
県 RDB:DD
サンコウ
チョウ
県 RDB:VU
ガビチョ
ウ
特定外来
生物
種の特徴
などで繁殖する。営巣環境は近くに狩場として
開けた土地があり、密生した樹林である。
北アフリカおよびユーラシア大陸と北アメリカ
大陸の温帯・亜寒帯南部で繁殖し、寒地のもの
は南下して越冬する。(中村ら、1995a)。日本で
の餌動物としては、スズメ、ムクドリ等の小型
鳥類やハト類、カラス類、キジ等の中型鳥類を
主に捕食する。ネズミ類、リス類、モグラ類、
イタチ、ノウサギなど哺乳類も捕食するがその
割合は鳥類と比較すると低い(尾崎ら、2008)。
日本では、夏鳥として 3~4 月頃渡来し、北海道
の一部、九州から青森県で繁殖する。低山から
丘陵の森林に生息し、周辺の水田など開けた環
境で採餌する。繁殖期は 4~7 月、4 月下旬に産
卵し、抱卵日数は 31~33 日、育雛日数 36 日。
ヘビを好んで食べるほか、ネズミ、モグラ、小
鳥、カエルのほか、バッタも餌とする。
日本では、北海道から九州北西部の島嶼にいた
るまで広く分布する。多くは留鳥として繁殖す
るが、冬の気象条件の厳しい地方の個体は移動
する。餌動物のほとんどはヒヨドリクラスの中
型の鳥類である。海岸部の崖地で営巣すること
が多いが、群馬県では内陸部の崖地に営巣する
例が多々見られる。
確認状況
現地 調査 での 確認 状況 は後述
「オオタカ調査」の項参照。
現地調査では、6 月に 1 例確認
した のみ であ る。 繁殖 期での
確認 であ るが 、確 認頻 度が少
ない こと から 、繁 殖に 失敗し
漂行 して いる 個体 か、 調査地
から 離れ た場 所で 繁殖 する個
体と考えられる。
現地調査では 6 月調査時に 1
例通過が確認したのみであ
る。繁殖期での確認であるが、
確認 頻度 が少 ない こと 、調査
区域 内の 鉄塔 等で の営 巣は確
認さ れな かっ たこ とか ら、繁
殖に 失敗 して 漂行 して いる個
体か 、調 査地 から 離れ た場所
で繁殖する個体と考えられ
る。
日本には夏鳥として 5 月頃渡来し、本州から屋 現地調査では、6 月調査時に事
久島までの各地に普通に繁殖する。平地から標 業区域中央部の社寺林で 1 例
高 1000m 以下の山地の暗い林に生息する。ハエ、 鳴声 を確 認し たの みで ある。
ハチといった飛翔性昆虫類を餌とする。繁殖期 繁殖 期で ある が、 かな り明る
は 5~8 月、オスが早く営巣地へ渡来しさえず い小 規模 な林 でサ ンコ ウチョ
る。抱卵日数は 12~14 日、育雛日数は 10~12 ウの 繁殖 環境 では ない こと、
日。
確認 が少 ない こと 、前 日に台
風が 通過 して いる こと から偶
発的な確認と考えられる。
日本国内では留鳥として生息し、南東北、関東、 現地調査では、5、6、8、10 月
中部、九州北部で見られる。丘陵地、平野部の に確 認さ れ、 抱雛 中の 巣も確
低木林に生息し、藪を好む。積雪量の多いとこ 認さ れた 。確 認場 所は 、事業
ろには分布しないのは、地上採食性であること、 区域 中央 部の 井野 川の 両岸を
渡りをしないことが原因と考えられる。産仔数 中心 にし て、 井野 川上 流部の
は 1 回に 4 卵繁殖期、原産地では繁殖期は 4~7 左 岸 の や ぶ で 多 く 確 認 さ れ
月。よく地上を走り、あまり高く飛ばない。繁 た。 巣が 確認 され た場 所は井
殖期はつがい、単独で行動し、非繁殖期は小群 野川 左岸 上流 部の スギ 林であ
で行動する。昆虫、果実を餌とする。
る。
注)注目種のカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照
6.1-10-16
図 6.1-10-8 鳥類注目種確認位置
6.1-10-17
エ.オオタカ調査
抱卵前期の予備調査(2012 年 3 月 13 日)において、営巣が示唆された 2 箇所の営巣地(営
巣地 A、B)について、その後の繁殖期の利用状況を調査した。
営巣地 A については、抱卵前の造巣求愛期から巣外育雛期にかけて、繁殖が順調に進んで
いることが伺える行動等が確認された。巣外育雛期後期(7 月)には公園内で餌乞声を発す
る幼鳥も確認されるようになり、これは成長とともに幼鳥の行動範囲の広がりを表すもので
ある。最終的には 8 月上旬には確認されなくなっており、かなり営巣場所から離れてしまっ
たか、分散期となったかのどちらかである。
しかし、非繁殖期にも事業区域内でオス成鳥が確認されており、営巣地 A のなわばり雄は
通年なわばり内に生息しているものと思われる。
営巣地 B については、造巣求愛期から抱卵期にかけて警戒声が聞かれたのみであったが、
巣外育雛期後期に餌乞声が確認された。この時期には、ここで営巣した雌は営巣地から離れ
る時期であり、聞かれた餌乞声は巣立ち幼鳥のものと判断される。
定点調査により、以上の 2 箇所の営巣地のうち、営巣地 A のなわばり雄の行動圏が事業区
域に重なる。
オオタカ以外のワシタカ類は、サシバ、ツミ、ハヤブサが確認されたが、確認例が少なく、
事業区域周辺で繁殖する可能性は低いといえる。
表 6.1-10-6
営巣場所別繁殖ステージ別確認状況
確認行動
繁殖ステージ
造巣求愛期
(2012/3/14-15)
抱卵期
(2012/4/19-20)
巣内育雛期
(2012/5/28-29)
巣外育雛期
(2012/6/18-19)
巣外育雛期
(2012/7/4-5)
分散期
(2012/8/1)
営巣地 A
営巣地 B
餌乞声
警戒声
警戒声、餌乞声、接触(餌運び)声、
林内飛翔
警戒声
警戒声、餌乞声
なし
林内で雌成鳥止まり及び飛翔
なし
餌乞声、林内で幼鳥止まり飛翔及び餌
乞声
餌乞声
なし
なし
6.1-10-18
図 6.1-10-9 オオタカ確認位置
6.1-10-19
図 6.1-10-10 その他ワシタカ確認
6.1-10-20
(3)爬虫類・両生類
ア.生息確認種
現地調査で確認された爬虫類は 4 種、両生類は 3 種である。
調査地内の水域は河川と水田及び用水路である。水田は、すべてが麦との 2 毛作であり、
麦の時期は乾燥している。また、水田に水が入る時期も遅い(6 月下旬)。こうした水環境に
あって、恒常的な水環境としては河川のみであり、止水環境は河川内のワンド部などに限ら
れ、しかも、これらも、増水により一気に流されてしまう不安定な環境となっている。
なお、スッポンは在来のものか養殖場由来のものか判断できない。在来のものであれば注
目すべき種となり、養殖場由来のものであれば外来種となる。
表 6.1-10-7
生息確認爬虫類
確認月
スッポン科
スッポン
ナミヘビ科
アオダイショウ
7
月
10
月
●
●
●
●
●
3科
4種
●
2
●
●
3
3
注 3)
注 3)
0
0
目撃
要注意
目撃
●
ヤマカガシ
2目
●
確認
状況
外来生物
アカミミガメ
6
月
RDB
ヌマガメ科
5
月
県
カメ目
有鱗目
種
RDB
科
国
目
注目種等
目撃
目撃
2
-
1
注 1)リストは、以下の文献に従って作成した。
日本爬虫類両生類学会(2011 年 10 月 9 日改訂)日本産爬虫両生類標準和名。
注 2)注目種等の選定基準及びカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照。
注 3)スッポンは、在来の場合は、国 RDB 及び県 RDB の情報不足に該当する。
表 6.1-10-8
生息確認両生類
確認月
7
月
ニホンアマガエル
●
●
●
ウシガエル
●
トウキョウダルマガエ
ル
1目
2科
3種
2
●
●
●
2
3
8
月
確認状況
10
月
●
●
声,成体,幼
生
声
●
特定
声,成体
1
注 1)リストは、以下の文献に従って作成した。
日本爬虫類両生類学会(2011 年 10 月 9 日改訂)日本産爬虫両生類標準和名。
注 2)注目種等の選定基準及びカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照。
6.1-10-21
外来生物
6
月
RDB
5
月
県
アマガエル
科
アカガエル
科
種
RDB
無尾
目
科
国
目
注目種
-
NT
VU
図 6.1-10-11 爬虫類確認位置
6.1-10-22
図 6.1-10-12 両生類確認位置
6.1-10-23
イ.生息分布状況
爬虫類のうちカメ類はアカミミガメが井野川の全域にみられ、スッポンは下流域を中心に
みられた。ヘビ類は少なく、調査地南側の水田と中央部の水路脇ではヤマカガシが、調査地
北部のスギ植林地でアオダイショウが確認されたのみである。
両生類では、ウシガエルが井野川で見られた。また、調査地南側及び北東側のほか数箇所
に散在する水田を中心にアマガエルとトウキョウダルマガエルが確認された。アマガエルは、
このほか河川敷や住宅地の植え込みにも生息していた。トウキョウダルマガエルは水田のほ
か、下流部右岸のワンド部や同中流部の橋脚下のたまり水で生息が確認された。
ウ.注目すべき種
注目すべき種は、トウキョウダルマガエル(国 RDB:準絶滅危惧、県 RDB:絶滅危惧Ⅱ類)
1 種である。なお、スッポンは在来のものか養殖場由来のものか判断できないが、在来のも
のであれば注目すべき種(国 RDB:情報不足、県 RDB:情報不足)となる。
表 6.1-10-9
注目すべき種の確認状況
種名
スッポン
カテゴリー
国 RDB:DD
県 RDB:DD
種の特徴
日本では本州、四国、九州、琉球列島に分布し、琉球列
島のものは外来種である。底が砂泥質の河川、比較的大
きな湖沼、流れの緩やかな水路などに生息する。昼行性
でよく砂泥の中に潜り、吻部と眼を出している。日光浴
も好きだが驚くとすぐに水の中に逃げ込む。野外では貝
類、甲殻類、水生昆虫、両生類などの動物質を主に摂食
しているが、飼育下では植物質も食べる。4~6 月に交尾
し、5~8 月頃に 10~40 個前後のほぼ球形をした卵を産
む。
確認状況
現地調査では、5、6、
7 月に、井野川下流
域で確認された。
トウキョ
ウダルマ
ガエル
国 RDB:NT
県 RDB:VU
本州(仙台平野、関東平野、新潟中部・南部、長野県北部・
中部)に分布する。平地に生息し、水辺をあまり離れない。
繁殖期は 4 月下旬から 7 月であるが、1 つの産卵場所で
も長く続く。主に水田で繁殖し、浅い池、沼などの止水
や、稀に緩やかな流れの小川で産卵する。変態期は 7 月
下旬から 9 月下旬で、変態したオスの一部は 10 月中旬に
は性的成熟に達する。ハエ類、甲虫類、チョウ類幼虫な
どのほとんどあらゆる昆虫類、クモなどを餌とする。
現地調査では、6、7、
10 月に確認され、
確認位置は水田の
ほか、井野川中流部
のワンドなどであ
る。
アカミミ
ガメ
要注意外来
生物
アメリカ合衆国南部からメキシコ北東部の国境地帯に自
然分布する。同種は 14 亜種を含み、アメリカ合衆国のバ
ージニア州から中米を経てブラジルに至る広大な分布域
を持つ。多様な水域。底質が柔らかく、水生植物が繁茂
する、日光浴に適した陸場の多い穏やかな流れを特に好
む。塩分への抵抗力も高く、しばしば汽水域にも進出す
る。温度選好性は寒冷地や山地をのぞく国内のほぼ全域
で越冬、繁殖可能。昼行性で日光浴を好む。雑食性だが
他のカメ類の卵を食べる習性があり、在来のカメ類との
競合のみならず、卵捕食による影響も及ぼしうる。食性
は雑食性。藻類や水草、水生昆虫、ザリガニ、エビ、貝
類、魚類等さまざまなものを採食する。
現地調査では 5、6、
7 、 10 月 に 確 認 さ
れ、井野川の広い範
囲で確認された。
6.1-10-24
種名
ウシガエ
ル
カテゴリー
特定外来生
物
種の特徴
アメリカ合衆国東部・中部、カナダ南東部に自然分布す
る。池沼などの止水、穏やかな流れの周辺。在来のカエ
ル類に比べ水生傾向が強く、成体は1年中池で見られる。
温度選好性は原産地がカナダまで達していること、北海
道南部にも定着していることから、本州産のカエルと同
程度には低温耐性があると見なされる。産卵は水草の多
い所でなされ、産出された卵塊は 50×50cm 程度のシート
状になって浮かぶ。オタマジャクシは越冬し、15cm ほど
に達する。幼生越冬することから、1 年を通して水のあ
る場所で繁殖する。産仔数:蔵卵数は 6,000~40,000 個。
繁殖期は長く、5~9 月上旬にわたる。食性は肉食性。口
に入る大きさであればほとんどの動物を食べる。昆虫、
アメリカザリガニ、他のカエル類、魚類など。小型哺乳
類や小鳥を襲うこともある。
注)注目種のカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照
6.1-10-25
確認状況
現地調査では、5、7、
8 月に、井野川上流
部と下流部のワン
ド部分で確認され
た
(4)昆虫類
ア.生息確認種
昆虫類は、15 目 141 科 427 種確認された。
イ.注目すべき種
注目すべき種は、スズムシ(県 RDB:準絶滅危惧)、キンヒバリ(県 RDB:情報不足)、コ
ガムシ(国 RDB:情報不足)の 3 種である。
表 6.1-10-10
種名
スズムシ
(マツムシ科)
選定基準
県 RDB:NT
キンヒバリ
県 RDB:DD
(ヒバリモドキ科)
コガムシ
(ガムシ科)
国 RDB:DD
注目すべき種の確認状況
種の特徴
生態:本州、九州、対馬、種子島にかけて分
布し、主に林縁部から草地にかけて生息す
る。鳴き声は特徴的な連続音で古来よりよく
知られている。
生息状況:群馬県では主に西部の丘陵部に生
息し、東部では樹林の減少と共に生息地が局
地的である。
生態:本州以南沖縄まで分布し、主に湿地上
の高茎草地に生息する。多くは初夏に成虫と
なり、一部が秋期に二化目が発生する。幼虫
で越冬する。
生息状況:群馬県では主に西部の丘陵部内の
湿地や谷戸などに生息する。東部では河川敷
にも見られる。
生態:北海道から九州にかけて分布し、主に
止水域に生息するが流水中の淀みなどにも
見られる。水田周辺の環境変化と共に生息地
が減少していると思われるが、詳細は不明。
生息状況:かつては各地で普通に見られた
が、湿地環境の減少と共に生息地が減少して
いる。
注)注目種のカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照
6.1-10-26
確認状況
時期・項目:秋期任意採集
環境区分:河川樹林地
確認状況:河川沿いの樹林
で複数個体の鳴き声を確
認した。
時期・項目:夏期任意採集
環境区分:河川草地
確認状況:河川沿いのヨシ
草地上で複数個体の鳴き
声を確認した。
時期・項目:夏・秋期任意
採集
環境区分:河川開放水面
確認状況:河川合流部の水
域 内 で 夏 期 ・秋 期 調 査 で 1
個体ずつ採集。
図 6.1-10-13
昆虫類注目すべき種
6.1-10-27
表 6.1-10-11
生息確認昆虫類
調査時期
目名
科名
種名
カゲロウ
ヒトリガカゲロウ
チラカゲロウ
トンボ
アオイトトンボ
オオアオイトトンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
カワゲラ
ゴキブリ
カマキリ
カマキリ
カマキリ
カマキリ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
バッタ
ハサミムシ
ハサミムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
アオイトトンボ
ヤンマ
ヤンマ
オニヤンマ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
トンボ
カワゲラ
ゴキブリ
カマキリ
カマキリ
カマキリ
カマキリ
キリギリス
キリギリス
キリギリス
キリギリス
キリギリス
ツユムシ
ツユムシ
ツユムシ
コオロギ
コオロギ
コオロギ
マツムシ
マツムシ
ヒバリモドキ
ヒバリモドキ
ヒバリモドキ
ヒバリモドキ
ヒバリモドキ
ケラ
ノミバッタ
ヒシバッタ
ヒシバッタ
ヒシバッタ
バッタ
バッタ
バッタ
ハサミムシ
クロハサミムシ
ヒシウンカ
ウンカ
ウンカ
ウンカ
ウンカ
ウンカ
ハネナガウンカ
アオバハゴロモ
ハゴロモ
ハゴロモ
ハゴロモ
セミ
セミ
セミ
セミ
トゲアワフキムシ
コガシラアワフキ
アワフキムシ
アワフキムシ
アワフキムシ
ミミズク
フクロクヨコバイ
フトヨコバイ
オオヨコバイ
オオヨコバイ
ヒメヨコバイ
ヒメヨコバイ
ヒメヨコバイ
ヒメヨコバイ
オツネントンボ
カトリヤンマ
ミルンヤンマ
オニヤンマ
ハラビロトンボ
シオカラトンボ
オオシオカラトンボ
ナツアカネ
アキアカネ
ヒメアカネ
カワゲラ科 の 一 種
ヤマトゴキブリ
ハラビロカマキリ
コカマキリ
チョウセンカマキリ
オオカマキリ
ヒメギス
クビキリギス
ウスイロササキリ
ササキリ
ハヤシノウマオイ
セスジツユムシ
ツユムシ
アシグロツユムシ
タンボオカメコオロギ
モリオカメコオロギ
エンマコオロギ
スズムシ
アオマツムシ
キンヒバリ
クサヒバリ
マダラスズ
シバスズ
ヤチスズ
ケラ
ノミバッタ
トゲヒシバッタ
ハネナガヒシバッタ
ハラヒシバッタ
コバネイナゴ
ヒナバッタ
トノサマバッタ
ヒゲジロハサミムシ
チビハサミムシ
ヤナギカワウンカ
テラウチウンカ
タテヤマヨシウンカ
ハコネホソウンカ
ヒメトビウンカ
セジロウンカ
アカハネナガウンカ
アオバハゴロモ
スケバハゴロモ
ベッコウハゴロモ
アミガサハゴロモ
アブラゼミ
ミンミンゼミ
ニイニイゼミ
ヒグラシ
ムネアカアワフキ
コガシラアワフキ
シロオビアワフキ
ハマベアワフキ
ヒメモンキアワフキ
ミミズク
サジヨコバイ
クワキヨコバイ
ツマグロオオヨコバイ
オオヨコバイ
シロヒメヨコバイ
チマダラヒメヨコバイ
クズヒメヨコバイ
ムツテンヒメヨコバイ
春
季
夏
季
秋
季
開
放
水
面
草
地
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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草
地
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国
RDB
県
RDB
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NT
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○
○
○
○
○
○
○
DD
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6.1-10-28
●
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●
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○
○
○
○
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○
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樹
林
地
●
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○
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○
○
○
水
田
●
○
○
○
畑
地
●
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
樹
林
地
注目種
市
街
地
●
○
○
環境別
農耕地
河川
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
調査時期
目名
科名
種名
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
アミメカゲロウ
アミメカゲロウ
アミメカゲロウ
アミメカゲロウ
アミメカゲロウ
アミメカゲロウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
ヨコバイ
ヨコバイ
ヨコバイ
ヨコバイ
アブラムシ
アブラムシ
アブラムシ
イトアメンボ
カタビロアメンボ
アメンボ
アメンボ
アメンボ
ミズギワカメムシ
メミズムシ
ミズムシ
ミズムシ
マツモムシ
カスミカメムシ
カスミカメムシ
カスミカメムシ
カスミカメムシ
カスミカメムシ
マキバサシガメ
ハナカメムシ
グンバイムシ
グンバイムシ
グンバイムシ
グンバイムシ
グンバイムシ
サシガメ
サシガメ
サシガメ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
ナガカメムシ
メダカナガカメムシ
ホシカメムシ
ホソヘリカメムシ
ヘリカメムシ
ヘリカメムシ
ヘリカメムシ
ヒメヘリカメムシ
マルカメムシ
ツチカメムシ
ツチカメムシ
ツチカメムシ
ノコギリカメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
カメムシ
ヒメカゲロウ
クサカゲロウ
クサカゲロウ
クサカゲロウ
ウスバカゲロウ
ウスバカゲロウ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
オサムシ
アライヒシモンヨコバイ
トバヨコバイ
ツマグロヨコバイ
シロミャクイチモンジヨコバイ
クリオオアブラムシ
エノキワタアブラムシ
ガマノハアブラムシ
ヒメイトアメンボ
ケシカタビロアメンボ
シマアメンボ
アメンボ
ヒメアメンボ
モンシロミズギワカメムシ
メミズムシ
エサキコミズムシ
コミズムシ
マツモムシ
Cylapinae 亜 科 の一 種
アシマダラクロカスミカメ
オオクロセダカカスミカメ
アカスジカスミカメ
ヒョウタンカスミカメ
ハネナガマキバサシガメ
ヤサハナカメムシ
アワダチソウグンバイ
ヤブガラシグンバイ
コアカソグンバイ
ヤナギグンバイ
ツツジグンバイ
ヨコヅナサシガメ
Empicoris 属 の 一種
クロモンサシガメ
ヒメナガカメムシ
ホソコバネナガカメムシ
オオメカメムシ
チャイロナガカメムシ
サビヒョウタンナガカメムシ
チャモンナガカメムシ
コバネヒョウタンナガカメムシ
メダカナガカメムシ
クロホシカメムシ
ホソヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
ホシハラビロヘリカメムシ
オオツマキヘリカメムシ
アカヒメヘリカメムシ
マルカメムシ
ヒメツチカメムシ
ツチカメムシ
フタボシツチカメムシ
ノコギリカメムシ
ハナダカカメムシ
ウズラカメムシ
ツヤアオカメムシ
クサギカメムシ
チャバネアオカメムシ
タマカメムシ
ホソバヒメカゲロウ
ヨツボシクサカゲロウ
ニッポンクサカゲロウ
ムモンクサカゲロウ
ホシウスバカゲロウ
ウスバカゲロウ
アオオサムシ
チビヒョウタンゴミムシ
アトモンコミズギワゴミムシ
ヨツモンコミズギワゴミムシ
キンナガゴミムシ
アシミゾヒメヒラタゴミムシ
クロモリヒラタゴミムシ
オオヒラタゴミムシ
ニセマルガタゴミムシ
ホシボシゴミムシ
クロゴモクムシ
クロズカタキバゴミムシ
アトボシアオゴミムシ
トックリゴミムシ
コヨツボシアトキリゴミムシ
春
季
夏
季
環境別
農耕地
河川
秋
季
開
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水
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調査時期
目名
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
科名
オサムシ
ゲンゴロウ
ゲンゴロウ
ゲンゴロウ
ゲンゴロウ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
ガムシ
シデムシ
シデムシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
ハネカクシ
マルハナノミ
クワガタムシ
クワガタムシ
クワガタムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
コガネムシ
ヒメドロムシ
タマムシ
タマムシ
タマムシ
コメツキムシ
コメツキムシ
コメツキムシ
コメツキムシ
コメツキムシ
コメツキムシ
ホタル
ジョウカイボン
ジョウカイボン
カツオブシムシ
ジョウカイモドキ
ケシキスイ
ケシキスイ
ケシキスイ
ケシキスイ
ケシキスイ
ヒメハナムシ
ヒメハナムシ
ヒラタムシ
ホソヒラタムシ
キスイムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
テントウムシ
種名
コルリアトキリゴミムシ
チビゲンゴロウ
セスジゲンゴロウ
ヒメゲンゴロウ
コシマゲンゴロウ
ウスモンケシガムシ
ケシガムシ
ホソケシガムシ
コマルガムシ
キベリヒラタガムシ
Helochares 属 の一 種
コガムシ
ヒメガムシ
トゲバゴマフガムシ
ゴマフガムシ
コクロシデムシ
オオヒラタシデムシ
アシマダラメダカハネカクシ
コクロメダカハネカクシ
クビボソハネカクシ
Xantholinus 属 の一 種
ヒラタホソコガシラハネカクシ
ヒラタカクコガシラハネカクシ
カクコガシラハネカクシ
ホソチャバネコガシラハネカクシ
シロヒゲアリノスハネカクシ
Cyphon 属 の 一 種
コクワガタ
スジクワガタ
ノコギリクワガタ
ウスイロマグソコガネ
ハイイロビロウドコガネ
ドウガネブイブイ
サクラコガネ
ヒメコガネ
セマダラコガネ
アオウスチャコガネ
マメコガネ
クロハナムグリ
コアオハナムグリ
シロテンハナムグリ
カナブン
クロカナブン
カブトムシ
ツヤドロムシ
ヤナギナガタマムシ
ホソツツタマムシ
ヤナギチビタマムシ
マダラチビコメツキ
サビキコリ
ムナビロサビキコリ
ヒメサビキコリ
クチブトコメツキ
クシコメツキ
オバボタル
ジョウカイボン
セボシジョウカイ
ヒメマルカツオブシムシ
ツマキアオジョウカイモドキ
クロモンムクゲケシキスイ
ナミヒラタケシキスイ
ツヤチビヒラタケシキスイ
ニセアカマダラケシキスイ
ヨツボシケシキスイ
トビイロヒメハナムシ
ヒメハナムシ科 の 一 種
オオキバチビヒラタムシ
ミツモンセマルヒラタムシ
キイロセマルキスイ
セスジヒメテントウ
ババヒメテントウ
カワムラヒメテントウ
コクロヒメテントウ
ヒメアカホシテントウ
ムーアシロホシテントウ
ナナホシテントウ
ナミテントウ
キイロテントウ
春
季
夏
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目名
コウチュウ
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コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
コウチュウ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
科名
テントウムシ
テントウムシ
ヒメマキムシ
カミキリモドキ
アリモドキ
ニセクビボソムシ
ゴミムシダマシ
ゴミムシダマシ
ゴミムシダマシ
ゴミムシダマシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
カミキリムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ハムシ
ヒゲナガゾウムシ
ヒゲナガゾウムシ
ヒゲナガゾウムシ
ヒゲナガゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
ゾウムシ
オサゾウムシ
ミフシハバチ
ハバチ
クキバチ
アシブトコバチ
ナガコバチ
トビコバチ
ヒメコバチ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
アリ
ベッコウバチ
ドロバチ
ドロバチ
種名
ヒメカメノコテントウ
トホシテントウ
ウスチャケシマキムシ
モモブトカミキリモドキ
ムナグロホソアリモドキ
ヤマトニセクビボソムシ
ヒメスナゴミムシダマシ
ヒメコクヌストモドキ
ヒメツノゴミムシダマシ
キマワリ
ウスバカミキリ
ニセノコギリカミキリ
ヒメスギカミキリ
エグリトラカミキリ
ゴマフカミキリ
ナガゴマフカミキリ
アトジロサビカミキリ
トガリシロオビサビカミキリ
アトモンサビカミキリ
ヒメヒゲナガカミキリ
キボシカミキリ
イネクビボソハムシ
キイロナガツツハムシ
バラルリツツハムシ
ドウガネツヤハムシ
ドウガネサルハムシ
コガタルリハムシ
ヤツボシハムシ
フジハムシ
ヤナギルリハムシ
ムナグロツヤハムシ
クロウリハムシ
クワハムシ
クロウスバハムシ
フタスジヒメハムシ
ブタクサハムシ
アトボシハムシ
サンゴジュハムシ
エノキハムシ
ツブノミハムシ
ヒサゴトビハムシ
クワノミハムシ
ジンガサハムシ
マダラヒゲナガゾウムシ
コモンマダラヒゲナガゾウムシ
キマダラヒゲナガゾウムシ
スネアカヒゲナガゾウムシ
イネミズゾウムシ
カシワノミゾウムシ
タバゲササラゾウムシ
ギシギシクチブトサルゾウムシ
タデサルゾウムシ
カナムグラトゲサルゾウムシ
ウスモンカレキゾウムシ
ナカスジカレキゾウムシ
ウスモントゲトゲゾウムシ
キクイサビゾウムシ
チュウレンジバチ
クロムネハバチ
クロバクキバチ
チビツヤアシブトコバチ
フタスジタマゴバチ
トビコバチ科 の 一 種
ヒメコバチ科 の 一 種
クボミシリアゲアリ
ヒメアリ
アズマオオズアリ
アミメアリ
トビイロシワアリ
クロオオアリ
ムネアカオオアリ
クロヤマアリ
クサアリモドキ
トビイロケアリ
アメイロアリ
オオモンクロベッコウ
オオカバフドロバチ
スズバチ
環境別
農耕地
河川
春
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夏
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目名
科名
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
ハチ
シリアゲムシ
シリアゲムシ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
ハエ
トビケラ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
ドロバチ
スズメバチ
スズメバチ
スズメバチ
スズメバチ
スズメバチ
スズメバチ
スズメバチ
アナバチ
ハキリバチ
ハキリバチ
コシブトハナバチ
コシブトハナバチ
ミツバチ
ミツバチ
シリアゲムシ
ガガンボモドキ
カ
ミズアブ
ミズアブ
ミズアブ
シギアブ
アブ
ツリアブ
ムシヒキアブ
ムシヒキアブ
アシナガバエ
アシナガバエ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ハナアブ
ナガズヤセバエ
ミバエ
ヤチバエ
ベッコウバエ
ツヤホソバエ
ミギワバエ
ミギワバエ
クロバエ
クロバエ
ヤドリバエ
エグリトビケラ
ハマキガ
ハマキガ
ハマキガ
ハマキガ
キバガ
イラガ
イラガ
メイガ
メイガ
メイガ
メイガ
メイガ
メイガ
メイガ
セセリチョウ
セセリチョウ
セセリチョウ
シロチョウ
シロチョウ
シロチョウ
シロチョウ
シジミチョウ
シジミチョウ
シジミチョウ
ウラギンシジミチョウ
マダラチョウ
タテハチョウ
タテハチョウ
種名
チビドロバチ
トウヨウホソアシナガバチ
セグロアシナガバチ
キアシナガバチ
コアシナガバチ
コガタスズメバチ
オオスズメバチ
クロスズメバチ
クロアナバチ
バラハキリバチモドキ
マメコバチ
ニッポンヒゲナガハナバチ
ヤマトツヤハナバチ
トラマルハナバチ
セイヨウミツバチ
ヤマトシリアゲ
キアシガガンボモドキ
ヒトスジシマカ
コウカアブ
コガタミズアブ
ネグロミズアブ
クロシギアブ
ゴマフアブ
スキバツリアブ
アオメアブ
シロズヒメムシヒキ
マダラアシナガバエ
アシナガキンバエ
ホソヒラタアブ
ヒメヒラタアブ
ツヤヒラタアブ
キアシマメヒラタアブ
ハイジマハナアブ
ホシメハナアブ
シマハナアブ
ハナアブ
シマアシブトハナアブ
オオハナアブ
ルリイロハラナガハナアブ
ホシアシナガヤセバエ
キバラハマダラミバエ
ヒゲナガヤチバエ
ベッコウバエ
ヒトテンツヤホソバエ
カマキリバエ
ミギワバエ科 の 一 種
ミヤマキンバエ
ツマグロキンバエ
ヤドリバエ科 の 一 種
ニンギョウトビケラ
アトキハマキ
ヨツスジヒメシンクイ
クローバヒメハマキ
オオクリモンヒメハマキ
ミツボシキバガ
イラガ
クロシタアオイラガ
シロツトガ
アヤナミノメイガ
クロヘリキノメイガ
モンキクロノメイガ
シロオビノメイガ
ウスオビトガリメイガ
トビイロフタスジシマメイガ
ダイミョウセセリ
オオチャバネセセリ
コチャバネセセリ
モンキチョウ
キタキチョウ
スジグロシロチョウ
モンシロチョウ
ルリシジミ
ヤマトシジミ
ゴイシシジミ
ウラギンシジミ
アサギマダラ
コムラサキ
ツマグロヒョウモン
春
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環境別
農耕地
河川
夏
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目名
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
チョウ
15 目
科名
タテハチョウ
タテハチョウ
タテハチョウ
タテハチョウ
タテハチョウ
タテハチョウ
ジャノメチョウ
ジャノメチョウ
ジャノメチョウ
ジャノメチョウ
シャクガ
シャクガ
シャクガ
イカリモンガ
スズメガ
ヒトリガ
ヒトリガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
ヤガ
141 科
種名
オオウラギンスジヒョウモン
ゴマダラチョウ
イチモンジチョウ
コミスジ
キタテハ
アカタテハ
コジャノメ
ヒメジャノメ
サトキマダラヒカゲ
ヒメウラナミジャノメ
アトクロナミシャク
エグリヅマエダシャク
ウスキツバメエダシャク
イカリモンガ
モモスズメ
キベリネズミホソバ
ムジホソバ
ナシケンモン
ツメクサガ
アカフヤガ
クロクモヤガ
ウスチャヤガ
キシタミドリヤガ
フタスジヨトウ
ハジマヨトウ
フタテンヒメヨトウ
チャオビヨトウ
スジキリヨトウ
ネモンシロフコヤガ
キシタバ
コガタキシタバ
モンムラサキクチバ
ウンモンクチバ
オスグロトモエ
クロテンカバアツバ
テンクロアツバ
ウスキミスジアツバ
ヒロオビウスグロアツバ
ソトウスグロアツバ
オオアカマエアツバ
427 種
春
季
夏
季
秋
季
開
放
水
面
草
地
○
○
○
○
○
○
○
○
○
環境別
農耕地
河川
○
○
●
●
樹
林
地
畑
地
水
田
●
●
●
●
草
地
●
●
●
樹
林
地
●
●
国
RDB
県
RDB
1
2
●
●
○
○
○
○
○
●
○
○
○
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
●
●
○
●
●
○
○
○
○
○
●
●
●
●
●
○
○
○
○
○
○
○
○
248
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
137
注目種
市
街
地
●
●
●
○
○
○
○
143
注)注目種の選定根拠とカテゴリーは、表 6.1-10-1 参照
6.1-10-33
●
●
23
159
147
85
38
147
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
184
57
6.1-10.2 予測
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、土工、重機の稼動及び改変後の地形)
(1)予測内容
直接的・間接的影響による動物相の概要及び注目すべき種の生息状況の変化の程度とした。
(2)予測地域及び予測地点
調査区域全域とした。
(3)予測時期
工事中及び完了した時期とした。
(4)予測方法
事業計画との重ね合わせによる定性的な予測とした。
(5)予測結果
ア.注目すべき種
注目すべき種ごとの予測結果を表に示す。
表 6.1-10-12
種名
哺
乳
類
鳥
類
予測結果
予測結果
工事中
改変後の地形
耕作地は改変されるが、主要な生息環
主に夜行性であることから、日中の資材
境である河川環境は、移動ルートを確
ニホンイタ
の運搬、重機の稼動が与える影響は少な
保することで、周辺の生息環境と分断
チ
い。
されないことから、生息可能である。
偶 発 的 な 移動 に よ る一 時 的 な確 認 と
偶発的な移動による一時的な確認と考
オシドリ
考えられることから、影響はほとんど
えられることから、影響は少ない。
ない。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
主な生息環境は河川敷であるが、改変
り、工事実施場所の近くを利用しなくな
オオバン
は 最 小 限 にと ど め る計 画 で ある こ と
る場合が考えられるが、離れた場所では
から、影響は少ない。
継続して生息することが予想され、影響
は少ないと考えられる。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
主な生息環境は河川敷であるが、改変
イ カ ル チ ド り、工事実施場所の近くを利用しなくな
は 最 小 限 にと ど め る計 画 で ある こ と
リ
る場合が考えられるが、離れた場所では
から、影響は少ない。
継続して生息することが予想され、影響
は少ないと考えられる。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
主な生息環境は河川敷であるが、改変
り、工事実施場所の近くを利用しなくな
コチドリ
は 最 小 限 にと ど め る計 画 で ある こ と
る場合が考えられるが、離れた場所では
から、影響は少ない。
継続して生息することが予想され、影響
は少ないと考えられる。
現況では、事業区域内に営巣環境はない
が、採餌場所としての利用がある。工事
事 業 区 域 は主 に 餌 場と し て 利用 し て
中は一時的に餌となる鳥類が減少する
いるが、河川区域の水鳥や、市街地に
オオタカ
ため、利用頻度は下がるが、河川の水鳥
生 息 す る 市街 地 性 鳥類 は 生 息す る と
のほか、市街地部に生息するドバトなど
予測されることから、影響は小さい。
の市街地性鳥類は利用可能であるため、
影響は小さい。
6.1-10-34
備考
種名
ツミ
サシバ
ハイタカ
ハヤブサ
サンコウチ
ョウ
爬
虫
類
スッポン
両
生
類
トウキョウ
ダルマガエ
ル
スズムシ
昆
虫
類
キンヒバリ
コガムシ
予測結果
備考
改変後の地形
現 況 で は 周辺 に 天 敵で あ る オオ タ カ
が複数営巣しており、ツミが繁殖に使
工事用車両による一時的な交通量の増
うことはまれであると考えられる。オ
加や重機の稼働による騒音・振動によ
オタカが生息しなくなった場合、街路
り、工事実施場所の近くを利用しなくな
樹 な ど で 営巣 す る 可能 性 は あり 、 ま
るが、現状では確認例が稀なことから影
た、餌となる小鳥類は市街地性鳥類を
響はほとんどない。
中心として生息することから、影響は
小さい。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
現 状 で は 上空 通 過 のみ で 採 餌等 の 利
り、工事実施場所の近くを利用しなくな
用はないことから、影響はほとんどな
る。現状では上空通過のみで採餌等の利
い。
用はないことから、影響はほとんどな
い。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
現 状 で は 偶発 的 な 上空 通 過 での 利 用
り、工事実施場所の近くを利用しなくな で あ る こ とか ら 、 影響 は ほ とん ど な
る。現状では上空通過のみで採餌等の利 い。
用はないことから影響はほとんどない。
工事用車両による一時的な交通量の増
加や重機の稼働による騒音・振動によ
現 状 で は 上空 通 過 のみ で 採 餌等 の 利
り、工事実施場所の近くを利用しなくな 用はないことから、影響はほとんどな
る。現状では上空通過のみで採餌等の利 い。
用はないことから影響はほとんどない。
事業区域内に繁殖環境がなく、偶発的な 事業区域内に繁殖環境がなく、偶発的
移 動 に よ る 一 時 的 な 確 認 と 考 え ら れ る な 移 動 に よる 一 時 的な 確 認 と考 え ら
れることから、影響は少ない。
ことから、影響は少ない。
河床が攪乱される時期の橋梁工事実施
養殖由来
河 床 な ど 河川 の 水 域環 境 の 改変 は 最
場所の近くを利用しなくなるが、離れた
であれば
小限にとどめる計画であることから、
場所に移動することが予想され、影響は
指定対象
影響は少ない。
少ないと考えられる。
外
繁殖場所となる水田は改変区域であり
事業の影響が考えられるが、段階的な施
繁 殖 場 所 とな る 事 業区 域 内 の水 田 は
工で周辺水田への逃避を図ることで、影
全 て 改 変 とな り 事 業の 影 響 が考 え ら
響を抑えられる。また、生息域を重機が
れるが、井野川の河川区域内の改変は
通行する場合、圧死する可能性があり、
最 小 限 に とど め る 計画 で あ るこ と か
冬季に実施した場合は冬眠個体が死滅
ら、引き続き利用可能である。
するため、冬眠時期を避けた工事実施が
必要である。
生息環境は消失するが、公園等を整備
生息場所は改変区域であるが段階的な
す る こ と で新 た な 生息 地 を 補う こ と
施工で周辺樹林への逃避を図ることで、
が可能であると考えられることから、
影響を抑えられる。
影響は少ないと考えられる。
生 息 場 所 の 河 川 区 域 の 草 地 は 残 存 す る 生 息 場 所 の河 川 区 域の 草 地 は残 存 す
ことから、影響は少ない。
ることから、影響を受けない。
本種は移動力が強くよく飛翔すること、
生 息 環 境 で あ る 水 辺 は 改 変 区 域 外 で あ 生 息 場 所 は事 業 区 域内 非 改 変区 域 で
ることから、工事の実施による影響は小 あり、影響を受けない。
さいと考えられる。
工事中
イ.注目すべき生息地
アカギツネは、事業区域中央部の井野川左岸で春季に幼獣を含む複数個体を同時に確認し
ており、巣穴は見つかっていないが、繁殖場所として利用している可能性が示唆された。
アカギツネの繁殖場所付近は改変区域にあたり、工事の実施による影響が考えられる。
6.1-10-35
図 6.1-10-14(1) 注目すべき種確認地点
(哺乳類・両生類・爬虫類・昆虫類)
6.1-10-36
図 6.1-10-14(2)
注目すべき種確認地点
(鳥類)
6.1-10-37
図 6.1-10-14(3) 注目すべき種確認地点
(鳥類 オオタカ)
6.1-10-38
図 6.1-10-15
注目すべき生息地確認地点
(アカギツネ)
6.1-10-39
6.1-10.3 環境保全措置
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、重機の稼動、土工及び改変後の地形)
資材等の運搬、重機の稼働、切土・盛土・掘削等の実施及び改変後の地形により、動物相
及び注目すべき種の消滅の有無・変化の程度を予測した結果、影響を受けると予測された種
のうち、特に注目すべき種を対象に、本事業の実施にあたって、以下の環境保全措置を講じ
ることとする。
(1)環境保全措置の検討方針
ア.動物相及び注目すべき種の消滅の有無・変化
事業区域内に生息する注目すべき種を対象とし、本事業の実施による影響を最小限度にす
ることを保全方針とした。
(2)環境保全措置の検討結果
ア.動物相及び注目すべき種の消滅の有無・変化
注目すべき種の消滅の有無・変化に係る環境保全措置の検討結果を表 6.1-10-13 に示す。
表 6.1-10-13
保全措置
の 種 類
実施内容
実施期間
効果及び
変
化
副次的な
影 響 等
工事及び存在による影響 ( 資材等の運搬、 重機の稼動、
土工及び改変後の地形)に対する環境保全措置
低減
低減
低減
代償
代償
工 事 中 の 大
気・水質・騒
音・振動に係
る環境保全措
置を確実に実
施する。
工事時期の調整を行
い、アカギツネの繁
殖期やトウキョウダ
ルマガエルの越冬時
期を避けて造成や大
規模な橋梁工事を実
施する。また、事業
区域を段階的に施工
することで、周辺環
境への自発的な移動
を促す。
工事実施期間中
施工中も河川区
域の移動路を確
保し、生息地の
分断が起こらな
いような工事計
画とする。
新たに整備する公
園や緑地には、周囲
とつながりを持た
せるような配置や
地域に自生する種
を植栽樹種に選定
し、新たな利用環境
を創出する。
生息環境の改変
は免れず、周囲
への逃避も難し
い場合は、捕獲
して同等の環境
へ移設する。
工事実施期間中
事業計画立案時
工事実施前
事業区域の改変場所
から隣接する残存環
境への自発的な移動
を促すことで、個体
への影響を軽減でき
る。
なし。
移動路が確保さ
れることで、採
餌や繁殖への影
響を軽減でき
る。
事業実施により一
旦逃避した草地・樹
林性の昆虫類やこ
れらを餌とする鳥
類の回帰が期待さ
れる。
なし。
生息地と同等の
環境が確保でき
れば、移設先で
の生息が期待で
きる。
工事実施期間
中
事業区域及び
周辺の動物種
の生息に対す
る影響を軽減
できる。
なし。
なし。
6.1-10-40
既存の生態系に
影響を与える可
能性がある。
6.1-10.4 評 価
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、重機の稼動、土工及び改変後の地形)
(1)回避・低減に係る評価
ア.評価方法
環境保全措置の検討結果を踏まえ、注目すべき種について、それらを保全するために適切
な措置を講じ、影響が、実行可能な範囲内での回避・低減が図られるか否かを評価基準とす
る。
イ.評価結果
工事の実施及び存在による動物相及び注目すべき種・群集への影響について、各種の生態
に応じ工事時期の調整を行うことや、生物の生息に配慮した公園の整備などの環境保全措置
を実施することにより、保全対象種の自発的移動や事業区域への回帰が促され、影響を低減
できるものと評価する。
よって事業者の実行可能な範囲内で環境影響を出来る限り回避・低減するものと評価する。
なお、予測の不確実性に対しては、本事業の工事中モニタリングを実施し、対象種の保全
状況を確認する。
(2)基準や目標との整合性に係る評価
ア.評価方法
以下の事項を目標として、整合性が図られているかを判断する。
・環境省レッドリスト記載種の保全
・群馬県の絶滅のおそれのある野生生物
動物編の記載種の保全
イ.評価結果
工事の実施及び存在による動物相及び注目すべき種・群集への影響について、各種の生態
に応じ工事時期の調整を行うことや、生物の生息に配慮した公園の整備などの環境保全措置
を実施することにより、保全対象種の自発的移動や事業区域への回帰が促され、注目すべき
種が保全されることから、整合が図られるものと評価する。
6.1-10-41
6.1―11 生態系
6.1-11.1 調査の結果の概要
1)調査項目
地域を特徴づける生態系の把握を行った。
2)調査方法
動植物調査及び現地踏査をもとに調査区域の環境類型区分を行い、出現種の状況と重ね合
わせて地域の生態系の状況を把握、地域の生態系を代表する種を選定した。
3)調査地域・調査期日等
調査地域は、事業区域の周辺 200mの範囲とし、動植物調査と同時期に行った。
表 6.1-11-1
群集
植物
調査項目
植物相
植生
踏査
哺乳類
捕獲調査
カメラトラップ
バットディテクタ
踏査
鳥類
ラインセンサス
定点調査
オオタカ調査
両生類
踏査
爬虫類
踏査
昆虫類
踏査・ライトトラップ・
ベイトトラップ
生態系
踏査
調査項目別調査日
調査期日
平成 24 年月 5 日 23、29~30 日
平成 24 年 7 月 13、18 日
平成 24 年 10 月 4~5 日、11 月 22 日、12 月 5 日
平成 24 年 9 月 4~7 日、11 月 22 日
平成 24 年 5 月 28~30 日、平成 24 年 6 月 20~21 日
平成 24 年 7 月 2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22~25 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
平成 24 年 6 月 18~19 日、平成 24 年 10 月 24~26 日
平成 24 年 6 月 20~21 日、平成 24 年 7 月 1~4 日
平成 24 年 10 月 22~26 日
平成 25 年 1 月 15~18 日
平成 24 年 5 月 29 日、平成 24 年 6 月 19 日
平成 24 年 5 月 9~10・28~30 日、平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 8 月 1~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~26 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
平成 24 年 5 月 28~30 日、平成 24 年 6 月 19~20 日
平成 24 年 8 月 2~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~25 日
平成 25 年 1 月 16~18 日
平成 24 年 5 月 30 日、平成 24 年 6 月 18・20~21 日
平成 24 年 8 月 2~3 日
平成 24 年 10 月 22・24~25 日
平成 25 年 1 月 16~17 日
(踏査)平成 24 年 3 月 13~14 日
平成 24 年 4 月 19~20 日
平成 24 年 5 月 28~29 日
平成 24 年 6 月 18 日
平成 24 年 7 月 4~5 日
平成 24 年 8 月 1 日
(定点)平成 24 年 3 月 14 日
平成 24 年 4 月 19 日
平成 24 年 5 月 28 日
平成 24 年 6 月 18 日
平成 24 年 7 月 4 日
平成 24 年 5 月 9・28~30 日、平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 7 月 1~2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22~23 日
平成 24 年 5 月 9・28~30 日、平成 24 年 6 月 20 日
平成 24 年 7 月 1~2・4~5 日
平成 24 年 10 月 22・23~25 日
平成 24 年 5 月 28~30 日、平成 24 年 7 月 30~31 日
平成 24 年 10 月 22~23 日
平成 24 年 5 月 9・29 日
平成 24 年 10 月 25~26 日
6.1-11-1
4)調査結果
(1)環境類型区分の設定
調査地は集落およびその周辺に広がる農耕地を中心とした環境であるが、次第に市街地化
されつつある状況にある。形成される生物の生育生息環境は大きく分けると、河川、農耕地、
樹林地、市街地に分けられる。また、生息生育する生物種の分布様式により、局所的に分布
する種から複数の環境にまたがって分布する種、あるいは調査範囲以外の環境を含めた広い
範囲を利用する種までさまざまである。
面積的には農耕地と市街地の占める割合が高く(調査地の約 84%)、樹林地と河川を合わせ
ても調査地全体の約 16%しかない。
表 6.1-11-2
環境別面積及び割合
環境
面積(ha)
割合(%)
河川
15.5
9
市街地
65.2
38
樹林地
11.9
7
農耕地
78.9
46
ア.河川
調査地中央部を流れる井野川及びその支川調査地北東端を流れる水路がある。井野川につ
いては護岸されていない区域があり、高水敷には低木林や草地が広がる。広沢川については、
コンクリートで護岸された水路であり、農業用水路であることから水量が安定せず、井野川
と比べて生物の利用しづらい水域環境となっている。
イ.市街地
工場と住宅地が主である。また、中央部を東西にはしる道路の交通量は多い。住宅地は新
しく建てられた区域もあるが、多くは昔からの集落であり、住宅地間には小面積ながら植栽
地が多い。
ウ.樹林地
調査地内にはまとまった樹林地はなく、河川沿いにスギ植林地や竹林などが点在するにと
どまる。
エ.農耕地
調査地に広く分布する。南部の井野川沿い及び北東部の高速道路沿いの農地は 2 毛作であ
り、冬に麦類、夏に水田となる。
6.1-11-2
図 6.1-11-1
環境区分図
6.1-11-3
(2)生態系の把握
調査地に形成される生態系を把握するために、まず、前出であげた 4 つの環境類型区分ご
とに生息する生物種を抽出した。次に、これを基に主な種群ごとに整理した食物網模式図を
作成した。
ア.生物種の抽出
各環境類型区分は土地利用・植生等を考慮して樹林地(樹林地)、河川(樹林地、草地、水
域)、農耕地(草地、水田、畑地)、市街地(植栽地)に細分した。
現地調査で確認された生物のうち植物は、植生調査結果を基に各区分に分布する植生タイ
プを抽出し、優占種を抽出した。
動物類は、現地調査での確認位置の回数を環境類型区分ごとに整理した。
表 6.1-11-3
種名
アカネズミ
アズマモグラ
アブラコウモリ
イタチ
イノシシ
アカギツネ
コウモリ 20
コウモリ 50
タヌキ
ハクビシン
確認種(群)数
確認回数計
環境類型区分別哺乳類の確認回数
河川
6
11
1
7
2
1
2
41
1
9
72
市街地
3
5
1
1
4
10
6.1-11-4
樹林地
1
6
2
2
2
5
13
農耕地
4
43
1
3
11
8
3
15
8
88
表 6.1-11-4
種名
アオゲラ
アオサギ
アオジ
アカゲラ
アヒル
イカルチドリ
イソシギ
ウグイス
オオタカ
オオバン
オオヨシキリ
オシドリ
オナガ
オナガガモ
カイツブリ
カケス
カシラダカ
ガビチョウ
カルガモ
カワウ
カワセミ
カワラヒワ
キジ
キジバト
キセキレイ
コガモ
コゲラ
コジュケイ
コチドリ
サシバ
サンコウチョウ
シジュウカラ
シメ
ジョウビタキ
スズメ
セグロセキレイ
セッカ
ダイサギ
ツグミ
ツバメ
ツミ
ドバト
トビ
ノスリ
ハイタカ
ハクセキレイ
ハシブトガラス
ハシボソガラス
ハヤブサ
バン
ヒガラ
ヒバリ
ヒヨドリ
ビンズイ
ホオジロ
マガモ
ムクドリ
メジロ
モズ
ヤマガラ
確認種(群)数
確認回数計
環境類型区分別鳥類の確認回数
河川
9
6
13
1
4
2
2
1
1
1
7
1
5
2
43
13
18
20
7
12
4
6
1
1
8
3
6
1
62
17
5
27
3
1
22
13
2
1
17
30
9
11
2
4
44
424
市街地
1
3
2
1
9
2
8
2
6
2
1
98
3
1
1
9
6
10
8
10
25
1
15
1
2
25
227
6.1-11-5
樹林地
1
2
3
4
2
1
3
13
1
1
5
3
7
7
4
1
10
6
3
20
1
1
2
2
1
4
1
3
2
22
1
1
2
7
1
2
36
150
農耕地
1
7
2
1
1
1
3
3
1
4
1
1
4
7
6
2
1
52
27
27
4
2
1
1
4
10
4
205
4
8
13
46
5
2
2
2
26
27
20
1
90
48
37
43
4
17
46
778
表 6.1-11-5
環境類型区分別爬虫類の確認回数
種名
河川
市街地
樹林地
農耕地
アオダイショウ
-
-
1
-
アカミミガメ
10
-
-
-
スッポン
3
-
-
-
ヤマカガシ
-
1
1
1
確認種(群)数
2
1
2
1
確認回数計
13
1
2
1
表 6.1-11-6
環境類型区分別両生類の確認回数
種名
河川
市街地
樹林地
農耕地
アマガエル
4
12
3
23
ウシガエル
4
-
-
-
トウキョウダルマガエル
8
1
1
7
確認種(群)数
3
2
2
2
確認回数計
16
13
4
30
表 6.1-11-7
環境類型区分別昆虫類の確認種数
河川
目名
農耕地
開放
水面
草地
樹林地
畑地
水田
草地
樹林
地
市街地
カゲロウ
-
-
1
-
-
-
-
-
トンボ
5
6
4
2
3
2
6
1
カマキリ
-
3
3
2
-
2
2
2
バッタ
-
16
8
8
3
11
6
5
ハサミムシ
-
1
-
1
-
1
-
-
カメムシ
8
37
22
16
13
26
24
14
アミメカゲロウ
-
1
4
-
-
-
4
1
コウチュウ
10
47
53
22
10
39
59
-
ハチ
-
16
17
14
2
20
21
9
シリアゲムシ
-
1
2
-
-
-
1
-
ハエ
-
18
15
13
6
17
11
7
トビケラ
-
-
-
-
-
1
-
-
チョウ
-
13
18
7
1
28
50
8
23
159
147
85
38
147
184
47
合計
6.1-11-6
表 6.1-11-8
環境類型区分別生物種
アカネズミ,アズマモグラ,コウモリ類,タヌ
哺乳類
アカネズミ,アズマモグラ,アブラコウモリ,イタチ,キツネ,タヌキ,ハクビシン
キ
ヒヨドリ,スズメ,ガビチョウ,シジュウカラ,
キジバト,メジロ,コゲラ,シメ,カワラヒワ,
ハシブトガラス,ウグイス,コジュケイ,キジ,
スズメ,カルガモ,ホオジロ,ツバメ,ハクセキレイ,カワラヒワ,カワセミ,セグロセキレイ,ヒヨドリ,イカルチドリ,カワウ,ハ
ジョウビタキ,アカゲラ,カシラダカ,ヒガラ,
シブトガラス,キジバト,ムクドリ,アオサギ,マガモ,コチドリ,カイツブリ,キジ,アオジ,コガモ,シメ,カシラダカ,ツグミ,
鳥類 ムクドリ,ヒバリ,ツバメ,オオタカ,ツグミ,
ウグイス,キセキレイ,モズ,シジュウカラ,トビ,オオタカ,オオバン,ガビチョウ,ハシボソガラス,メジロ,イソシギ,オオヨシ
アオジ,ヤマガラ,ハシボソガラス,セグロセ
キリ,オシドリ,オナガガモ,カケス,コゲラ,コジュケイ,ジョウビタキ,ノスリ,バン
キレイ,モズ,ホオジロ,カルガモ,カワセミ,
オオヨシキリ,ノスリ,アオゲラ,サンコウチ
ョウ,ダイサギ,ビンズイ
爬虫類 アオダイショウ,ヤマカガシ
アカミミガメ,スッポン
両生類 アマガエル,トウキョウダルマガエル
アマガエル,ウシガエル,トウキョウダルマガエル
チラカゲロウ,オオアオイトトンボ,オツネントンボ,カト オツネントンボ,ハラビロトンボ,オオシオカラトンボ,ナツアカネ,アキアカネ,ヒメアカネ,コカマキリ,チ オニヤン
リヤンマ,ミルンヤンマ,オニヤンマ,アキアカネ,ハラビ ョウセンカマキリ,オオカマキリ,ヒメギス,クビキリギス,ウスイロササキリ,セスジツユムシ,ツユムシ,エ マ,オオ
ロカマキリ,オオカマキリ,ササキリ,ハヤシノウマオイ, ンマコオロギ,キンヒバリ,マダラスズ,シバスズ,ヤチスズ,ケラ,トゲヒシバッタ,ハネナガヒシバッタ,ハ シオカラ
セスジツユムシ,アシグロツユムシ,モリオカメコオロギ, ラヒシバッタ,コバネイナゴ,ヒナバッタ,チビハサミムシ,テラウチウンカ,タテヤマヨシウンカ,ハコネホソ トンボ,
スズムシ,アオマツムシ,クサヒバリ,アオバハゴロモ,ベ ウンカ,セジロウンカ,アカハネナガウンカ,シロオビアワフキ,ハマベアワフキ,オオヨコバイ,シロヒメヨコ アキアカ
ッコウハゴロモ,ミンミンゼミ,ニイニイゼミ,ヒグラシ, バイ,チマダラヒメヨコバイ,クズヒメヨコバイ,アライヒシモンヨコバイ,ツマグロヨコバイ,ガマノハアブラ ネ,ヒメ
ミミズク,クワキヨコバイ,ヨコヅナサシガメ,ホシハラビ ムシ,モンシロミズギワカメムシ,メミズムシ,アシマダラクロカスミカメ,アカスジカスミカメ,ハネナガマキ イトアメ
ロヘリカメムシ,ノコギリカメムシ,ツヤアオカメムシ,ウ バサシガメ,ヤサハナカメムシ,アワダチソウグンバイ,ヤブガラシグンバイ,コアカソグンバイ,ヒメナガカメ ンボ,モ
スバカゲロウ,アオオサムシ,コクロシデムシ,ヒラタホソ ムシ,ホソコバネナガカメムシ,オオメカメムシ,チャモンナガカメムシ,コバネヒョウタンナガカメムシ,ホソ ンシロミ
コガシラハネカクシ,コクワガタ,スジクワガタ,クロハナ ヘリカメムシ,ホソハリカメムシ,ホシハラビロヘリカメムシ,アカヒメヘリカメムシ,マルカメムシ,ハナダカ ズギワカ
ムグリ,シロテンハナムグリ,カナブン,クロカナブン,ヤ カメムシ,ウズラカメムシ,タマカメムシ,ニッポンクサカゲロウ,チビヒョウタンゴミムシ,アトモンコミズギ メムシ,
ナギチビタマムシ,サビキコリ,クチブトコメツキ,クシコ ワゴミムシ,ヨツモンコミズギワゴミムシ,ニセマルガタゴミムシ,トックリゴミムシ,ウスモンケシガムシ,ケ コミズム
メツキ,オバボタル,ジョウカイボン,ニセアカマダラケシ シガムシ,ホソケシガムシ,コマルガムシ,アシマダラメダカハネカクシ,コクロメダカハネカクシ,クビボソハ シ,マツ
キスイ,ヨツボシケシキスイ,カワムラヒメテントウ,コク ネカクシ,ドウガネブイブイ,サクラコガネ,マメコガネ,コアオハナムグリ,ホソツツタマムシ,サビキコリ, モムシ,
ロヒメテントウ,ヒメアカホシテントウ,ナナホシテントウ,ヒメサビキコリ,ジョウカイボン,セボシジョウカイ,ヒメマルカツオブシムシ,ツマキアオジョウカイモドキ, セスジゲ
ナミテントウ,キイロテントウ,ヒメカメノコテントウ,ト トビイロヒメハナムシ,ミツモンセマルヒラタムシ,キイロセマルキスイ,セスジヒメテントウ,ババヒメテント ンゴロ
ホシテントウ,ヒメコクヌストモドキ,キマワリ,ウスバカ ウ,ナナホシテントウ,ナミテントウ,ヒメカメノコテントウ,モモブトカミキリモドキ,イネクビボソハムシ, ウ,ヒメ
ミキリ,ニセノコギリカミキリ,ヒメスギカミキリ,エグリ キイロナガツツハムシ,バラルリツツハムシ,ドウガネサルハムシ,コガタルリハムシ,フジハムシ,クロウリハ ゲンゴロ
トラカミキリ,ゴマフカミキリ,ナガゴマフカミキリ,アト ムシ,フタスジヒメハムシ,ブタクサハムシ,ツブノミハムシ,イネミズゾウムシ,タデサルゾウムシ,カナムグ ウ,コシ
ジロサビカミキリ,トガリシロオビサビカミキリ,アトモン ラトゲサルゾウムシ,チュウレンジバチ,フタスジタマゴバチ,アズマオオズアリ,アミメアリ,トビイロシワア マゲンゴ
昆虫類
サビカミキリ,ヒメヒゲナガカミキリ,キボシカミキリ,ヤ リ,クロヤマアリ,トビイロケアリ,オオモンクロベッコウ,スズバチ,コアシナガバチ,バラハキリバチモドキ,ロウ,キ
ナギルリハムシ,クロウリハムシ,クワハムシ,クロウスバ マメコバチ,ニッポンヒゲナガハナバチ,トラマルハナバチ,セイヨウミツバチ,ヤマトシリアゲ,コガタミズア ベリヒラ
ハムシジンガサハムシアズマオオズアリ,ムネアカオオアリ,ブ,ネグロミズアブ,アオメアブ,ホソヒラタアブ,ヒメヒラタアブ,ツヤヒラタアブ,キアシマメヒラタアブ, タガム
クロヤマアリトビイロケアリ,アメイロアリ,オオモンクロ ホシメハナアブ,シマハナアブ,ハナアブ,シマアシブトハナアブ,オオハナアブ,キバラハマダラミバエ,ヒゲ シ,コガ
ベッコウ,オオカバフドロバチ,セグロアシナガバチ,キア ナガヤチバエ,ヒトテンツヤホソバエ,カマキリバエ,ツマグロキンバエ,シロオビノメイガ,ダイミョウセセリ,ムシ,ヒ
シナガバチ,コアシナガバチ,コガタスズメバチ,オオスズ オオチャバネセセリ,コチャバネセセリ,モンキチョウ,キタキチョウ,モンシロチョウ,ヤマトシジミ,ウラギ メガム
メバチ,クロスズメバチ,クロアナバチ,トラマルハナバチ,ンシジミ,ツマグロヒョウモン,コミスジ,キタテハ,ヒメウラナミジャノメ
シ,トゲ
セイヨウミツバチ,ヤマトシリアゲ,スキバツリアブ,アオ
バゴマフ
メアブ,シロズヒメムシヒキ,マダラアシナガバエ,アシナ
ガムシ,
ガキンバエ,ホソヒラタアブ,ヒメヒラタアブ,キアシマメ
ゴマフガ
ヒラタアブ,イラガ,クロシタアオイラガ,シロオビノメイ
ムシ,ツ
ガ,イミョウセセリ,コチャバネセセリ,キタキチョウ,ゴ
ヤドロム
イシシジミ,ウラギンシジミ,アサギマダラ,コムラサキ,
シ
オオウラギンスジヒョウモン,ゴマダラチョウ,イチモンジ
チョウ,コミスジ,コジャノメ,ヒメジャノメ,サトキマダ
ラヒカゲ,ヒメウラナミジャノメ,エグリヅマエダシャク,
ウスキツバメエダシャク,イカリモンガ,モモスズメ,ムジ
ホソバ,ナシケンモン,ウスチャヤガ,キシタミドリヤガ,
ハジマヨトウ,キシタバ,コガタキシタバ,モンムラサキク
チバ,ウンモンクチバ,オスグロトモエ
動物
生息
樹林地
草地(河川)
解放水面
環境
植物種
ケヤ
キ林
アイ
グロ
マツ
コナ
ラ
イチ
ョウ
ニセ
アカ
シア
サン
ゴジ
ュ
コセ
ンダ
ング
サ
ヒロ
ハホ
ウキ
ギク
クサ
ヨシ
ヤブ
ガラ
シ
メヒ
シバ
コゲ
オメ
カヤ
ツリ
カナ
ムグ
ラ
エゾ
ノギ
シギ
シ
アズ
マネ
ザサ
クズ
カラ
スウ
リ
ハキ
ダメ
ギク
アレ
チウ
リ
コセ
ンダ
ング
サ
カナ
ムグ
ラ
スギ
ニセ
アカ
シア
カジ
ノキ
クワ
モド
キ
ジュ
ズダ
マ
ヨシ
クズ
キヅ
タ
アマ
マダケ チャ
ヅル
カジ
ノキ
マル
バコ
ウ
セイ
バン
モロ
コシ
クサ
ヨシ
シラ
カシ
カナ
ムグ
ラ
シラ
カシ
アズ
ムクノ
マネ
キ
ザサ
エナ
シヒ
ゴク
サ
ノブ
ドウ
コセ
ンダ
ング
サ
エノ
コロ
グサ
アズ
マネ
ザサ
ヤブ
ガラ
シ
ヤブ
ツバ
キ
フジ
ヤブ
ガラ
シ
ヤマ
グワ
クサ
ヨシ
カナ
ムグ
ラ
テチ
ジミ
ザサ
ヒメ
ムカ
シヨ
モギ
クサ
ギ
カラ
スウ
リ
ケチ
ジミ
ザサ
オニ
ケチジ
ドコ
ミザサ
ロ
マサ
キ
アキ
ノエ
ノコ
ログ
サ
ヒメ
ジョ
ン
タチ
ツボ
スミ
レ
イワ
ニガ
ナ
ジャ
ノヒ
ゲ
ツユ
クサ
ナガバ
ヤブ
ジャノ
ラン
ヒゲ
ツユ
クサ
ツル
マメ
クヌ
ギ
メヒ
シバ
キツ
ネノ
ゴマ
植生
ケヤ
土地利用 キ林
中区分
類型区分
キク
イモ
ニセ
モウソ
アカ
ウチク
シア
ハチ
ク
クロ
マツ
植林
コナ
ラ群
落
ハチ
ク林
樹林地
モウソ
スギ ウチ
植林 ク・マ
ダケ林
ニセ
アカ
シア
群落
ニセ
アカ
シア
群落
カジ
ノキ
群落
アレ
チウ
リ
キュ
ウシ
ュウ
スズ
メノ
ヒエ
オギ
オオ
イヌ
タデ
ヨシ
チガ
ヤ
クロ
カワ
ズス
ゲ
コゴ
メガ
ヤツ
リ
ミゾ
ソバ
マコ
モ
シナ
ダレ
スズ
メガ
ヤ
クコ
ケイ
ヌビ
エ
ジュ
ズダ
マ
カナ
ムグ
ラ
メヒ
シバ
イヌ
ビエ
アメ
リカ
タカ
サブ
ロウ
オオ
イヌ
タデ
イヌ
ビエ
シロ
ザ
ヤブ
ガラ
シ
オオ
クサ
キビ
ホシ
アサ
ガオ
クズ
セイ
ヨウ
ヒル
ガオ
カヤ
ツリ
グラ
ヒレ
タゴ
ボウ
ミゾ
ソバ
アレ
チウ
リ
オオ
イヌ
タデ
ツユ
クサ
ヨモ
ギ
イヌ
ビエ
メヒ
シバ
セイ
ヨウ
ヒル
ガオ
ツユ
クサ
オオ
クサ
キビ
ヨモ
ギ
ヤマ
グワ
タコ
ノア
シ
オオ
オナ
モミ
メヒ
シバ
ホソバミ
ズヒキモ
アメ
リカ
セン
ダン
グサ
クワ
モド
キ群
落
ジュ
ズダ
マ群
落
ヨシ
群落
アレ
チウ
リ群
落
キク
イモ
群落
コセ
ンダ
ング
サ群
落
樹林
ヒロ
ハホ
ウキ
ギク
群落
キュ
ウシ
ュウ
スズ
メノ
ヒエ
群落
メヒ
シバ
群落
草地
河川
6.1-11-7
オギ
群落
オオ
イヌ
タデ
群落
ヨシ
群落
チガ
ヤ群
落
クロ
カワ
ズス
ゲ群
落
コゴ
メガ
ヤツ
リ群
落
ミゾ
ソバ
群落
マコ ホソバミ
モ群 ズヒキモ
落
群落
水路
アズマモグラ,コウモリ類,タヌキ
哺乳類 アカネズミ,アズマモグラ,アブラコウモリ,イノシシ,キツネ,タヌキ
鳥類
スズメ,ヒヨドリ,ムクドリ,ハシブト
ガラス,ヒバリ,ツバメ,カワラヒワ,
キジバト,ハシボソガラス,ハクセキレ
スズメ,ヒバリ,カワラヒワ,ヒヨドリ,ツバメ,ムクドリ,ホオジロ,キジバト,ハシブトガラス,キジ,ハ クセキレイ,ハシボソガラス,モ
イ,シジュウカラ,セグロセキレイ,オ
ズ,ツグミ,シメ,セッカ,ガビチョウ,アオサギ,カルガモ,ドバト,シジュウカラ,メジロ,コゲラ,ジョウビタキ,カシラダカ,セグロセ
オタカ,コチドリ,キジ,シメ,モズ,
キレイ,オナガ,ウグイス,オオタカ,コジュケイ,アオジ,ノスリ,カワウ,トビ,ハイタカ,アカゲラ,カワセミ,オオヨシキリ,アオゲラ,
オナガ,ホオジロ,ツグミ,ガビチョウ,
コチドリ,イカルチドリ,カイツブリ,カケス,アヒル,サシバ,ハヤブサ
メジロ,ジョウビタキ,アカゲラ,セッ
カ
爬虫類 ヤマカガシ
両生類 アマガエル,トウキョウダルマガエル
ナツアカネ,アキアカネ,コカマキリ,オオカマキリ,クビキリギス,ウスイロササキリ,セスジツユムシ,ツユムシ,
タンボオカメコオロギ,エンマコオロギ,マダラスズ,シバスズ,ハラヒシバッタ,コバネイナゴ,ヒナバッタ,ヒゲジ
ロハサミムシ,アオバハゴロモ,ハマベアワフキ,オオヨコバイ,シロヒメヨコバイ,クズヒメヨコバイ,ムツテンヒメ
ヨコバイ,トバヨコバイ,ツマグロヨコバイ,アシマダラクロカスミカメ,アカスジカスミカメ,ハネナガマキバサシガ
メ,ヤサハナカメムシ,ヤブガラシグンバイ,ヒメナガカメムシ,オオメカメムシ,チャイロナガカメムシ,チャモンナ
ガカメムシ,メダカナガカメムシ,クロホシカメムシ,ホソヘリカメムシ,ホシハラビロヘリカメムシ,オオツマキヘリ
カメムシ,マルカメムシ,ツチカメムシ,フタボシツチカメムシ,ウズラカメムシ,アオオサムシ,ヨツモンコミズギワ
ゴミムシ,キンナガゴミムシ,ニセマルガタゴミムシ,ホシボシゴミムシ,クロゴモクムシ,アトボシアオゴミムシ,オ
オヒラタシデムシ,コクロメダカハネカクシ,ウスイロマグソコガネ,ハイイロビロウドコガネ,ドウガネブイブイ,サ
クラコガネ,ヒメコガネ,セマダラコガネ,マメコガネ,コアオハナムグリ,マダラチビコメツキ,サビキコリ,ヒメサ
ビキコリ,ジョウカイボン,ヒメマルカツオブシムシ,ツマキアオジョウカイモドキ,クロモンムクゲケシキスイ,ツヤ
チビヒラタケシキスイ,ミツモンセマルヒラタムシ,ナナホシテントウ,ナミテントウ,ヒメカメノコテントウ,モモブ
トカミキリモドキ,バラルリツツハムシ,コガタルリハムシ,フジハムシ,クロウリハムシ,フタスジヒメハムシ,ブタ
クサハムシ,ヒサゴトビハムシ,ギシギシクチブトサルゾウムシ,タデサルゾウムシ,チュウレンジバチ,クロムネハバ
チ,ヒメアリ,アズマオオズアリ,アミメアリ,トビイロシワアリ,クロヤマアリ,トビイロケアリ,アメイロアリ,オ
オモンクロベッコウ,スズバチ,チビドロバチ,コアシナガバチ,マメコバチ,ニッポンヒゲナガハナバチ,ヤマトツヤ
ハナバチ,トラマルハナバチ,セイヨウミツバチ,ヒトスジシマカ,コガタミズアブ,ゴマフアブ,アオメアブ,ホソヒ
ラタアブ,ヒメヒラタアブ,ツヤヒラタアブ,キアシマメヒラタアブ,ハイジマハナアブ,ホシメハナアブ,シマハナア
ブ,ハナアブ,オオハナアブ,ヒゲナガヤチバエ,ベッコウバエ,ヒトテンツヤホソバエ,ツマグロキンバエ,ニンギョ
ウトビケラ,クローバヒメハマキ,オオクリモンヒメハマキ,ミツボシキバガ,シロツトガ,アヤナミノメイガ,シロオ
昆虫類 ビノメイガ,ウスオビトガリメイガ,ダイミョウセセリ,モンキチョウ,キタキチョウ,モンシロチョウ,ヤマトシジミ,
ウラギンシジミ,ツマグロヒョウモン,コミスジ,キタテハ,ヒメウラナミジャノメ,アトクロナミシャク,キベリネズ
ミホソバ,ムジホソバ,ツメクサガ,アカフヤガ,フタスジヨトウ,フタテンヒメヨトウ,スジキリヨトウ,ウンモンク
チバ,テンクロアツバ,ウスキミスジアツバ
動物
生息環境
草地(農耕地)
フジ
チガヤ
チガヤ
コセン
ダング
サ
オニウ
シノケ
グサ
ユウゲ
ショウ
コセン
ダング
サ
アゼナ
ヨモギ
コサン
ダング
サ
トクサ
イヌビ
エ
チョウ
ジタデ
ヘクソ
カズラ
ヘクソ
カズラ
コセン
ダング
サ
ウキア
ゼナ
ナガイ
モ
オヒシ
バ
コウキ
クサ
マコモ
メヒシ
バ
ミズワ
ラビ
クズ
ウキア オオイ
ゼナ
ヌタデ
エゾノ
ギシギ
シ
ハキダ
メギク
ヒデリ
コ
キカシ ミゾソ
グサ
バ
シロツ
メクサ
カヤツ
リグサ
ホソバ
クサヨ
ヒメミ
シ
ソハギ
ツユク
サ
植生
水田
土地利用
中区分 農耕地
類型区分 河川
マコモ
群落
農耕地
セイタ
カアワ
ダチソ
ウ
セイバ
ンモロ
コシ
イネ
植物種
ヤマカガシ
アマガエル,トウキョウダルマガエル
アキアカネ,コカマキリ,オオカマキリ,
エンマコオロギ,アオマツムシ,ミンミ
ンゼミ,ニイニイゼミ,コガシラアワフ
キ,ヤブガラシグンバイ,ツツジグンバ
イ,ヒメナガカメムシ,クサギカメムシ,
コアオハナムグリ,サビキコリ,ヒメマ
ルカツオブシムシ,ムーアシロホシテン
トウ,ナナホシテントウ,ナミテントウ,
ヒメカメノコテントウ,キマワリ,ムナ
グロツヤハムシ,クロウリハムシ,アミ
メアリ,トビイロシワアリ,クロオオア
リ,クロヤマアリ,トビイロケアリ,オ
オカバフドロバチ,コアシナガバチ,マ
メコバチ,セイヨウミツバチ,アオメア
ブ,ホソヒラタアブ,ヒメヒラタアブ,
ツヤヒラタアブ,シマハナアブ,ハナア
ブ,ツマグロキンバエ,モンキチョウ,
キタキチョウ,モンシロチョウ,ヤマト
シジミ,ウラギンシジミ,ツマグロヒョ
ウモン,コミスジ,アカタテハ
セイバ
ンモロ
コシ群
落
メヒシ
バ群落
放棄水
田
クズ群
落
市街地
イタチ
ハギ
ウシノ
シッペ
イ
コセン
ダング
サ
シロザ
イネ
クズ
ギョウ
ギシバ
スギナ
セイタ
カアワ
ダチソ
ウ
コセン
ダング
サ
チョウ メヒシ ハキダ
シロザ
ジタデ バ
メギク
オトコ
ヨモギ
オニウ
シノケ
グサ
オニウ
シノケ
グサ
ヤハズ
ソウ
アキノ
エノコ
ログサ
アキノ
ノゲシ
アメリ
コウキ カイヌ イヌビ
スギナ
クサ
ホウズ ユ
キ
ネスミ
ムギ
ツユク
サ
コセン
ダング
サ
エノコ
ログサ
マメグ
ンバイ
ナズナ
ヤブツ
ルアズ
キ
クズ
アゼナ
セイタ
カアワ
ダチソ
ウ
エノコ
ログサ
スズメ
ノチャ
ヒキ
ツユク
サ
ヨモギ
ツルマ
メ
ヤブマ
オ
エノキ
グサ
メドハ
ギ
キクイ
モ
オニノ
ケグサ
アレチ
ウリ
フジ群
落
セイタ
カアワ
ダチソ
ウ群落
草地
チガヤ
群落
クワモ
ドキ群
落
イタチ ウシノ
ハギ群 シッペ
イ群落
落
コセン
ダング
サ群落
セイタ
カアワ
ダチソ
ウ
セイバ
ンモロ
コシ
放棄畑
ウメ
イヌビ ウリク メヒシ
ユ
サ
バ
キカシ カジノ
シロザ
グサ
キ
ヒデリ イヌビ ツユク
コ
エ
サ
水田
ウメ畑
農耕地
農耕地
6.1-11-8
ヒメム
トウグ
カシヨ
ワ
モギ
トウグ
放棄畑
ワ群落
低木林
草地
宅地ほか
市街地
市街地
イ.食物網模式図の作成
抽出した環境類型区分別の出現種をもとに、食物網模式図を作成した。
図 6.1-11-2
食物網模式図
6.1-11-9
(3)地域の生態系を代表する種の選定
ア.上位性種
調査地に形成されている生態系上の上位消費者としては、哺乳類のニホンイタチ、アカギ
ツネ及び鳥類のワシタカ類があげられる。ワシタカ類については、オオタカ以外の種は確認
例数が少なく、当該地域を利用する頻度はあまり多くないことから、隣接地で営巣していた
オオタカが適当である。
以上より、地域の生態系を代表する上位性種として、哺乳類のニホンイタチ、アカギツネ、
鳥類のオオタカの 3 種を選定した。
イ.典型性種
調査地に分布する生物種の生育生息環境のうち最も広く分布している環境は草地である。
農耕地も営農状況によっては、草地として機能する。このことから、草地環境に生息する種
が本調査地に形成される生態系を代表する種(群)といえる。これに該当する種としては、
ホオジロ、ヒバリなどの草地性鳥類である。さらに、草地のみに依存するわけではないが、
集落を含んだ農耕地に依存する種としてタヌキがあげられる。
また、調査地中央を流れる井野川は周辺地域に形成される生態系ネットワークを結ぶ重要
な要素となっており、そこに生息するカワセミは河川・水田などの水環境を含む里山を代表
する種である。
以上より、地域の生態系を代表する典型性種として、哺乳類のタヌキ、鳥類のホオジロ、
ヒバリ、カワセミの 4 種を選定した。
(4)地域の生態系を代表する種の現況
ア.上位性種:ニホンイタチ
現地調査では井野川の水際で確認された。カメラトラップ調査結果からも、全 124 回の撮
影枚数のうち、1 回だけしか確認されていないことから、利用頻度は希薄であると考えられ
る。採餌環境としては、餌となるネズミ類が多い草地やアメリカザリガニなど甲殻類の採餌
が可能な水田・水路・河岸などと考えられる。行動圏の広い種であることから、周辺の生息
環境との連続性が特に必要な種である。
イ.上位性種:アカギツネ
現地調査では井野川左岸側の限られた区域で春季に幼獣 2 頭が確認されており、近くで繁
殖した可能性が高い。市街地化の進行に伴い、繁殖場所としての利用は困難になると考えら
れる。行動圏の広い種であることから、周辺の生息環境との連続性が特に必要な種である。
ウ.上位性種:オオタカ
現地調査では、事業区域周辺部 2 箇所で営巣が示唆された。事業区域内には営巣環境はな
いが、採餌環境として機能している。採餌場所としては、農耕地、草地、樹林地などの餌を
抑える被植地が小面積であっても散在すれば、餌自体はある程度市街地化しても市街地性の
鳥類が生息するために利用可能である。
エ.典型性種:タヌキ
現地調査では、井野川水際に多数の足跡が確認されたほか、井野川河川敷 2 箇所および水
田内 1 箇所の計 3 箇所でタメ糞場が確認されたこと、カメラトラップ調査では調査地点 12
箇所中 9 箇所で確認されており、当該地域に生息する個体数は少なくないと思われる。集落
6.1-11-10
と農耕地がモザイク状に散在する里山環境に多く生息する種であり、人為的環境に適応する
が、市街地化が進み、農耕地が縮小すると生息する個体が少なくなることが考えられる。
オ.典型性種:草地性鳥類-ホオジロ・ヒバリ
両種ともに草地性種であるが、ヒバリは草丈の低い草地環境を選択するのに対して、ホオ
ジロは草丈が高い草地環境から疎林にかけての環境を選択する傾向がある。これを反映して、
現地調査では、耕作農耕地にヒバリが、河川敷の高茎草地にホオジロがそれぞれ棲み分けて
いる傾向がみられた。このうち、ヒバリの生息環境が大きく減少するために、受ける影響は
大きいといえる。ホオジロの生息環境への影響は、河川敷を中心にあまり減少しないため、
ヒバリと比較して少ない。
カ.典型性種:カワセミ
現地調査では、井野川の全域で確認され、確認頻度も低くはなかった。また、井野川左岸
の畑の入り口にある崖部に使用痕跡のある巣が確認された。井野川自体には営巣可能な崖地
はほとんどないため、川から離れた場所の崖地や畑地内に掘られた野菜廃棄用の穴の壁面な
どで営巣しているものと思われる。なお、採餌環境としての河川についてはほとんど改変し
ない計画であるが、使用痕跡のある巣の場所については改変されることが考えられる。
6.1-11-11
図 6.1-11-3(1)ニホンイタチ確認地点
6.1-11-12
図 6.1-11-3(2)
点
アカギツネ確認地
6.1-11-13
図 6.1-11-3(3)
貴重種確認地点(鳥類
オオタカ)
6.1-11-14
図 6.1-11-3(4)
草地性鳥類(ホオジロ・ヒバリ)
確認地点
6.1-11-15
図 6.1-11-3(5)
タヌキ確認地点
6.1-11-16
図 6.1-11-3(6)
カワセミ確認地点
6.1-11-17
6.1-11.2 予 測
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、土工、重機の稼動及び改変後の地形)
(1)予測内容
直接的・間接的影響による地域を特徴づける生態系の変化の程度とした。
(2)予測地域及び予測地点
調査区域全域とした。
(3)予測時期
工事中及び供用後とした。
(4)予測方法
事業計画との重ね合わせによる定性的な予測とした。
(5)予測結果
予測結果を以下に示す。
表 6.1-11-9
種名
上
位
性
種
典
型
性
種
ニホンイ
タチ
アカギツ
ネ
予測結果
工事中
主に夜行性であることから、日
中の資材の運搬、重機の稼動が
与える影響は少ない。
主に夜行性であることから、日
中の資材の運搬、重機の稼働が
与える影響は少ない。
オオタカ
工事用車両による一時的な交通
量の増加や重機の稼働による騒
音・振動により、工事実施場所
の近くを利用する頻度は一時的
に減少する。
ホ オ ジ
ロ・ヒバリ
等草地性
鳥類
重機の稼働による騒音・振動に
より、重機の近くを利用しなく
なるが、離れた場所では採餌に
利用することが予測され影響は
少ないと考えられる。
カワセミ
採餌環境である河川では、重機
の稼働する場所では利用頻度が
低くなるが、そのほかの場所で
は現状と変化しないと予測され
る。営巣場所では、重機の稼働
により一時的に営巣しなくなる
可能性があるが、営巣期以外の
影響は少ないと予測される。
主に夜行性であることから、日
中の資材の運搬、重機の稼働が
与える影響は少ない。
タヌキ
予測結果
改変後の地形
耕作地は改変されるが、主要な生息環境である河
川敷は、移動ルートを確保することで、従来どお
りの利用が可能である。
事業区域に繁殖地があり、特に繁殖期に工事を実
施した場合は影響を受けると考えられる。行動圏
が広いため、周辺の生息環境との移動経路が必要
であるが、河川の改変は最小限にとどめる計画で
あるため、影響は少ないと予測される。
事業区域は主に餌場として利用していると考えら
れるため、人為圧の増大により、採餌しづらくな
る。しかし、生息する餌の多様性は減少するもの
の、ドバト、ムクドリといった市街地性鳥類の増
加により、採餌環境は改善されるため、影響は少
ないといえる。
現状で存在する営巣環境は河川敷を除いてほとん
ど消失してしまうため、工事中の営巣期を避けた
施工により自発的な移動を促す必要がある。なお、
新たに整備する公園や緑地には一部の個体が回帰
することも期待される。
採餌環境である河川は改変を最小限にとどめる計
画であることから影響は少ないと予測される。現
在確認されている営巣場所は改変されることが予
測されるものの、新たに整備する公園や緑地に営
巣可能な環境を保持することにより、個体の回帰
も期待される。
市街地化により、人為圧やねぐら場所の減少によ
り、生息密度は減少すると予測される。周辺の生
息環境との移動経路である井野川は改変を最小限
にとどめる計画であることから、井野川を中心と
して生息する個体群は残ると予測される。
6.1-11-18
6.1-11.3 環境保全措置
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、土工、重機の稼動及び改変後の地形)
資材等の運搬、重機の稼働、切土・盛土・掘削等の実施及び改変後の地形により、生態系
構成種等の変化の程度を予測した結果、影響を受けると予測された生態系を特徴づける種
(群)を対象に、本事業の実施にあたって、以下の環境保全措置を講じることとする。
表 6.1-11-10 工事及び存在による影響( 資材等の運搬、土工、
重機の稼動及び改変後の地形)に対する環境保全措置
保全措置
の 種 類
実施内容
実施期間
効果及び
変
化
副次的な
影 響 等
低減
低減
工事中の大気・水質・
騒音・振動に係る環境
保全措置を確実に実
施する。
工事時期の調整を行
い、ヒバリやアカギツ
ネの営巣期を避けて造
成や大規模な橋梁工事
を実施する。段階的な
施工を行い種の周辺環
境への自発的な移動を
促す。
工事実施期間中
工事実施期間中
事 業 区 域 及 び 周 辺 の 事業区域の改変場所か
動 物 種 の 生 息 に 対 す ら隣接する残存環境へ
る影響を軽減できる。 の自発的な移動を促す
ことで、個体への影響
を軽減できる。
なし。
なし。
6.1-11-19
低減
低減
施工中も河川区域の移
動路を確保し、生息地
の分断が起こらないよ
な工事計画とする。
新たに整備する公園や
緑地には、周囲とつな
がりを持たせるような
配置や地域に自生する
種を植栽樹種に選定
し、新たな利用環境を
創出する。
工事実施期間中
移動路が確保されるこ
とで、採餌や繁殖への
影響を軽減できる。
事業計画立案時
事業実施により一旦逃
避した草地・樹林性の
昆虫類やこれらを餌と
する鳥類の回帰が期待
される。
なし。
なし。
6.1-11.4 評 価
1)工事及び存在による影響(資材等の運搬、土工、重機の稼動及び改変後の地形)
(1)回避・低減に係る評価
ア.評価方法
環境保全措置の検討結果を踏まえ、注目すべき種について、それらを保全するために適切
な措置を講じ、影響が、実行可能な範囲内での回避・低減が図られるか否かを評価基準とす
る。
イ.評価結果
工事の実施及び存在による地域を特徴づける生態系への影響について、各種の生態に応じ
工事時期の調整を行うことや、生物の生息に配慮した公園の整備などの環境保全措置を実施
することにより、保全対象種の自発的移動や事業区域への回帰が促され、影響を低減できる
ものと評価する。
よって事業者の実行可能な範囲内で環境影響を出来る限り回避・低減するものと評価する。
なお、予測の不確実性に対しては、本事業の工事中モニタリングを実施し、対象種の保全
状況を確認する。
6.1-11-20