テスト(微分積分)

微分積分学演習第二(U クラス)小テスト略解(1/15)
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t13-1. f (x, y, z) = 2 + 2 + 2 , g(x, y, z) = xyz − 1 とする。束縛条件
x
y
z
g(x, y, z) = 0 のもとで f が極値を取るような点の候補を、Lagrange の乗数
法を用いて求めよ。
(
∇f (x, y, z) = −2
1 1 1
, ,
x3 y 3 z 3
)
,
∇g(x, y, z) = (yz, xz, xy)
となる。A = {(x, y, z) ∈ R ; g(x, y, z) = 0} とおく。
∇g(x, y, z) = g(x, y, z) = 0 となる (x, y, z) があれば、
それが A の特異点である。∇g = 0 より yz = 0 が分かるが、このとき
g = 0 − 1 ̸= 0 となる。g(0, 0, 0) = −1 ̸= 0 となるので、(0, 0, 0) は A の特異
点ではありえない。つまり、特異点は存在しない。
■Lagrange の乗数法
特異点がないので、
∇f (x, y, z) = λ∇g(x, y, z),
λ = −2
(x, y, z) = (1, 1, 1), (1, −1, −1), (−1, 1, −1), (−1, −1, 1)
となり、方程式を満たすことも確かめられる。これらが極値を与える点の候
3
g(x, y, z) = 0
となる (x, y, z, λ) があれば、その (x, y, z) が極値の候補である。つまり、方

−2/x3 = λyz



−2/y 3 = λxz

−2/z 3 = λxy



xyz = 1
を解けば良い。xyz ̸= 0 であるから、
−2
= x3 yz = xy 3 z = xyz 3
λ
となる。
である。xyz = 1 ゆえ x2 y 2 z 2 = 1 となるので、
となることが分かる。xyz > 0 であることに注意すると、
解説. まず、f, g の偏微分を計算しておくと、
程式
x2 = y 2 = z 2
x2 = y 2 = z 2 = 1,
配点:2 点
■A の特異点は?
xyz = 1 を代入すると、
補。なお、そこでの f の値は 3 である。
実は、これは極小値である。
t13-2. f (x, y, z) = xyz, g(x, y, z) = x2 + y 2 + z 2 − 1 とする。束縛条件
g(x, y, z) = 0 のもとで f が極値を取るような点の候補を、Lagrange の乗数
法を用いて求めよ。
同様に、三番目の等式より、y 2 = z 2 。つまり、x2 = y 2 = z 2 が分かる。
g = 0 より、x2 = y 2 = z 2 = 1/3 となり、結局
1
(x, y, z) = √ (±1, ±1, ±1) (複号任意)
3
√
となる。いずれの場合も、λ = sgn(xyz)/(2 3) として、方程式を満たすこと
配点:2 点
解説. まず、f, g の偏微分を計算しておくと、
がわかる。
∇f (x, y, z) = (yz, xz, xy) ,
∇g(x, y, z) = (2x, 2y, 2z)
となる。A = {(x, y, z) ∈ R3 ; g(x, y, z) = 0} とおく。
■A の特異点は?
∇g(x, y, z) = g(x, y, z) = 0 となる (x, y, z) があれば、
それが A の特異点である。∇g = 0 より x = y = z = 0 が分かるが、
xyz = 0 の時を考える。g = 0 より、x = y = z = 0 とはならないことに
注意する。x = 0 とすると、yz = 0 ゆえ、y = 0 or z = 0。y = 0 のときは
z ̸= 0 となるが、xy = 2λz であったから、λ = 0 となる。また、g = 0 より、
z 2 = 1 である。つまり、
g(0, 0, 0) = −1 ̸= 0 となるので、(0, 0, 0) は A の特異点ではありえない。つ
(x, y, z, λ) = (0, 0, ±1, 0)
まり、特異点は存在しない。
■Lagrange の乗数法
となる。これは方程式を満たしていることもわかる。x, y, z についての対称
特異点が無いので、
性を考えれば、
∇f (x, y, z) = λ∇g(x, y, z),
g(x, y, z) = 0
(x, y, z, λ) = (±1, 0, 0, 0), (0, ±1, 0, 0)
となる (x, y, z, λ) があれば、その (x, y, z) が極値の候補である。つまり、方
も解となることがわかる。上記で求めた 14 個の点が、極値を与える点の候
程式
補。なお、そこでの f の値は代入すればすぐにわかる。

yz = 2λx



xz = 2λy

xy = 2λz


 2
x + y2 + z2 = 1
を解けば良い。場合分けして解くことにする。xyz ̸= 0 の時、
2λ =
yz
xz
xy
=
=
x
y
z
であるから、二番目の等式より y 2 z = x2 z を得る。x で割ると y 2 = x2 と
なる。
√
√
実は、f = 1/(3 3) となる点で極大となり、f = −1/(3 3) となる点で極
小となる。それ以外の点では極値をとらない。