病気を予防するために

2014/11/26
平成26年度
体験型リスクコミュニケーション
第4回「安全・安心な農産物生産に
むけての新技術」
生物資源研究センター
病気を予防するために
人の場合
• 体を鍛える
• 規則正しい生活
作物の場合
• 作物に適した栽培環境
• 抵抗性品種
• 手洗い・うがい
• マスクをつける
• 病気にかかっていない種・
苗を植え付ける
• 畑をきれいにする
• 予防接種
• ワクチンを接種
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病気にかかってしまったら
人の場合
• 安静にする
作物の場合
• 作物に適した栽培環境を整
える
• 薬を飲む
• 農薬を散布する
• 手術をする
• 病気の部分を取り除く
農作物の病気

人や動物と同じように、植物も「病気」になる。
(*植物の病気は人には感染しない。)

温暖化によって、病気は年々増加している。
糸状菌(カビ)
キュウリ炭そ病
細菌
ハクサイ軟腐病
ウイルス
キュウリモザイク病
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ウイルス病の被害
えそ
モザイク、奇形
•被害は年間1,000億円以上(推定)。
•ウイルス病に直接効く農薬はない。
予防が大切!
キュウリのモザイク病
CMV+WMV
ZYMV
キュウリモザイクウイルス(CMV)
カボチャモザイクウイルス(WMV)
ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)
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ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)
→ 全国のキュウリで被害が多発
著しい商品価値の低下
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萎凋・枯死も起こる
ZYMV
感染する作物:ほぼウリ科植物に限定
発生拡大:アブラムシ伝染、管理作業での伝染
拡大
汁液感染
(ハサミによる剪定)
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ウイルス病と言え
ば・・・
そこで、キュウリのZYMVに
対するワクチンを作りました。
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ZYMVの弱毒株製剤を生物農薬として平成20年に登録
植物ウイルスの製剤化は世界初
キュービオZY-02
苗にワクチンを接種する
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ワクチン接種苗
ワクチン
ZYMV強毒
株
健全
これがワクチンの防除効果!
無処理
ワクチン
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これがワクチンの防除効果!
無処理
ワクチン
収量は無処理の1.5倍!
トウガラシの場合
万願寺とうがらし
伏見甘長とうがらし
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京都府内のトウガラシの主要産地
舞鶴市 5.0 ha
綾部市 2.6 ha
福知山市 5.0 ha
南丹市 3.0 ha
京丹波町 0.9 ha
京都市 4.6 ha
平成25年度京都府農林水産部農政課資料
宇治市 0.9 ha
伏見とうがらし 12.6 ha
万願寺とうがらし 13.6 ha
精華町 2.4 ha
トウガラシマイルドモットルウイルス
(PMMoV)
全国のピーマン、トウガラシで被害が散見
→もし、万願寺とうがらしで感染したら・・
葉にモザイク
果実にもモザイク、収量も減る
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PMMoV
管理作業での伝染拡大
汁液感染
(ハサミによる剪定)
PMMoV
ウイルスは土壌にも残る!
根に長期に残留し次作での感染源に
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そこで、PMMoVに
対するワクチンを作りました。
ピーマン・トウガラシ類のモザイク病の原因となる
トウガラシマイルドモットルウイルス(PMMoV)
を予防するワクチンとして開発
グリーンペパーPM
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京都生資セ
(株)京都微研
(株)京動検
中央農研
グリーンペパーPM
農林水産省登録第23136号
殺菌剤
苗にワクチンを接種する
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これがワクチンの防除効果!
ワクチン
無処理
ワクチンの省力的接種法の確立
ZYMVワクチンで開発された
苗固定装置+スプレーガン
手接種:トレー1枚当たり30分
感染率は50%
機械接種:トレー1枚当たり 3分
感染率は98%
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ワクチンの省力的接種法の確立
苗が大きくても大丈夫!
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