全般季節予報支援資料 1か月予報 2015年1月8日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2015年1月8日
予報期間:1月10日~2月9日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
なし
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多いでしょう。東・西日本日本海側では、平
年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側では平年と同様に晴れ
の日が多いでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
(3)確率
気温(%)
1か月
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
降雪量(%)
少 並 多
少 並 多
少 並 多
北日本
30:30:40
北日本日本海側
北日本太平洋側
40:30:30
40:30:30
30:30:40
30:30:40
40:30:30
東日本
30:40:30
東日本日本海側
東日本太平洋側
30:40:30
30:40:30
30:40:30
30:40:30
40:30:30
西日本
30:30:40
西日本日本海側
西日本太平洋側
30:40:30
30:40:30
30:30:40
30:40:30
40:40:20
沖縄・奄美
30:30:40
沖縄・奄美
30:40:30
30:30:40
1週目(%)
2週目(%)
3~4週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
20:40:40
30:40:30
30:40:30
東日本
30:50:20
20:50:30
40:30:30
西日本
20:50:30
20:40:40
40:30:30
沖縄・奄美
20:50:30
20:40:40
40:30:30
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(1/1~1/7)は、1 日から 3 日にかけて冬型の気圧配置が強まり、北・東・西日本日
本海側を中心に雪で、大雪になったところもあったほか、東・西日本の太平洋側でも雪になったと
ころがあった。4 日から 5 日は高気圧が本州付近へ移動して冬型の気圧配置が弱まり、太平洋側に
加え、東・西日本の日本海側でも概ね晴れた。6 日は日本付近を低気圧が通過し、全国的に天気が
崩れた。7 日は、再び冬型の気圧配置になった。
気温は、全国的に平年を下回った。降水量は、東日本と北・西日本日本海側で平年を上回り、北・
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西日本太平洋側と沖縄・奄美で平年を下回った。日照時間は、北日本日本海側と東日本で平年を下
回り、北日本太平洋側、西日本日本海側と沖縄・奄美で平年を上回った。西日本太平洋側は平年と
同値だった。
予報資料の解釈
●1か月(1/10~2/6)
・ 500hPa 高度は、日本の北を中心に正偏差の一方、日本の南東海上は相対的に負偏差が予想され
ている。極うずが大西洋から西シベリア付近に偏っており、極東の高緯度の高度場は高い。こ
の大きなパターンに加え、寒帯前線ジェット、亜熱帯ジェット沿いの波列パターンが見られ、
いずれも日本の西で正、日本の東で負偏差となっている。
・ 850hPa 気温は、日本の北西で正偏差、日本の南東で負偏差が予想されている。日本付近は北・
西日本ほど正偏差(約+1℃)である一方、東日本は偏差ゼロ線の近傍。
・ MJO の対流活発位相は、現在は西部太平洋にあり、その後は1週目に東部太平洋、2週目はイ
ンド洋と東進が速く、3週目以降は海洋大陸から西部太平洋で東進が不明瞭になる予想。日本
付近に影響の大きい海洋大陸周辺では、1週目は対流不活発となるが、2週目以降は対流活発
側の位相に位置すると見込む。
・ 海面気圧では、バイカル湖付近で負偏差でシベリア高気圧は弱い傾向。日本付近は正偏差で、
大陸からの高気圧に覆われる時期もある見込み。
●1週目(1/10~1/16)
・ 500hPa 高度は、亜熱帯ジェット、寒帯前線ジェット沿いの波列の位相が南北方向で合うように、
日本の西で正、日本の東で負偏差の予想。これには、亜熱帯ジェット気流沿いの波束伝播が明
瞭になったことと、東シベリアでリッジが西方(バイカル湖の東)へ発達して北日本とその西
側の高度場が上がることが寄与していると考えられ、先週の 1 か月予報資料に比べて偏差パタ
ーンが明瞭となった。
・ 850hPa 気温は、日本付近は西ほど正偏差が明瞭で、北・西日本では+2℃前後。一方、日本の
東は負偏差で、東日本が偏差ゼロ線近傍。
・ 海面気圧は、大陸から日本付近は広く正偏差の予想。東シナ海から本州付近には下層高気圧性
循環偏差の極大が見られ(850hPa 流線関数偏差)、週間予報資料では大陸から本州付近に高気
圧が移動してくる時期も予想されている。全国的に低気圧の影響は小さく、西ほど冬型の気圧
配置も弱いことを見込む。
・ 以上から、全国的に少雨傾向、東・西日本と沖縄・奄美では日本海側を中心に多照傾向を見込
む。
 想定される天候
・
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪の日が少ない。
東日本日本海側では、平年に比べ雪または雨の日が少ない。
西日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が少ない。
北・東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が少ない。
●2週目(1/17~1/23)
・ 500hPa 高度は、極うずが西シベリア付近に偏り、極東の高度場は全体的に高い予想。この中で、
寒帯前線ジェット沿いの波列が見られ、沿海州付近を中心に正、日本の東は相対的な負偏差の
予想。
・ 850hPa 気温は、大陸から日本付近は正偏差、日本の東は負偏差の予想。500hPa 高度偏差は東ほ
ど負で日本付近は北からの寒気の影響が懸念されるところだが、極東域は全体の高度場が高く、
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・
・
・
・
シベリアの下層寒気の蓄積も弱いことから、日本付近でも低温偏差は予想されていない。
海面気圧では、シベリアから中国大陸は負偏差で、シベリア高気圧は弱い。東シナ海から本州
にかけては東西に負偏差域が見られる。
熱帯の循環場は、インド洋から西部太平洋で対流活発、日付変更線付近で対流不活発に関連し
た応答が見られる。日本の天候に関わるところでは、フィリピンの東から太平洋東部にかけて
は下層高気圧性循環偏差で、日本の南は下層南西風偏差。これに関連して、東シナ海から本州
付近は降水量の正偏差域が東西に予想されている。海面気圧でも東西に負偏差が見られること
から、東・西日本と沖縄・奄美では低気圧の影響を受けやすいことが考えられる。
なお、モデルでは西部太平洋の対流活発に対応して日本の南では上層高気圧性循環偏差(高温
に寄与)が見られる一方、インド洋東部は対流活発であるにもかかわらず、それにより日本付
近を低温に寄与させる応答は不明瞭になっている。これまでの実況では、インド洋東部の対流
活発傾向により、モデルで予想されているより高温傾向が弱められることが多かったので、ガ
イダンスより高温確率を小さくする。
以上から、東・西日本太平洋側では多雨・寡照傾向、沖縄・奄美では多雨傾向を見込む。北日
本と東・西日本日本海側はほぼ平年並の天候を見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(1/24~2/6)
・ 500hPa 高度は、アラスカからシベリアでは正偏差が大きく正の高偏差確率域も予想されている
一方、日本の南は負偏差の予想。日本の北の正偏差には、極うずが北欧付近に偏って予想され、
これに関わる寒帯前線ジェット沿いの波列でシベリアが正偏差になること、アラスカから東シ
ベリアでリッジが発達する傾向があることが寄与していると考えられる。
・ 熱帯の対流活動は、海洋大陸から西部太平洋で活発な予想。200hPa 速度ポテンシャルでは、イ
ンド洋から西部太平洋で負偏差(上層発散偏差)、日付変更線付近から東部太平洋で正偏差(上
層収束偏差)の予想。これに関連して、200hPa 流線関数では、ユーラシア大陸南部から日本の
西では上層高気圧性循環偏差であるが、太平洋では上層低気圧性偏差で、日本付近が正・負の
境界に位置している。上述のアラスカからシベリアで高度が高く、日本の南で高度が低くなる
影響も重なり、日本の南では高度が低くなる傾向が見られる。
・ 850hPa 気温は、日本の北で正偏差、日本の南で負偏差の予想だが、日本付近では偏差の大きさ
は小さい。
・ 海面気圧では、大陸では負偏差でシベリア高気圧が弱い一方、アリューシャン低気圧は西側(日
本寄り)で強い予想。しかし、下層気温や下層風偏差に明瞭な偏差が見られないことから、冬
型の気圧配置が強いとは見込まず、全国的に平年並の天候を考える。ただし、高度場や気温場
の予想から、気温は東日本以西では低い傾向を少し考慮する(40:30:30)。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
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○季節予報
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○「向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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