私募 REIT 市場発展に向けた 投資リスク評価手法に関する調査

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Trend
公益財団法人トラスト未来フォーラム 委託研究
私募 REIT 市場発展に向けた
投資リスク評価手法に関する調査
株式会社三井住友トラスト基礎研究所 私募投資顧問部
スクを定量的に把握するためには、
場合のリターンとして算出された指
各銘柄の物件・ファンド収支等に関
標である。以下では、この方法で算
する情報や、それら個別の情報を集
出された指標を「 仮想私募 REIT 」
株式会社三井住友トラスト基礎
計した「 投資リターン指標」が不可
の投資リターン指標と呼ぶ。
研究所は、公益財団法人トラスト未
欠となる。 しかし な がら、私 募
仮想私募 REITのトータルリター
来フォーラムの 委 託 研 究として、
REITに関するそれらの情報は、非
ン
(=インカムリターン+キャピタルリ
「 私募 REIT 市場発展に向けた投
上場であるため一般への開示は限
ターン)を見ると、約―16% ~ +20%
資リスク評価手法に関する調査 」を
られており、また仮に開示されたと
と、広いレンジの中で推移している
行った。
しても、運用開始から歴史が浅く運
ことがわかるが、その変動の大部
本稿は、当該調査の主要テーマ
用実績
( トラックレコード)
の蓄積が
分はキャピタルリターンによってもた
について抜粋・要約したものである。
十分でないことから、
(1)
市況変動
らされており、インカムリターンは安
調査結果の詳細については、公益
のサイクルを十分に網羅したデータ
定的に推移していることが確認でき
財団法人トラスト未来フォーラム
とは言い難い、
(2 )
定量的な分析を
る。
ホ ームペ ージ
( http://www.trust-
行えるほどのデータ件数がクロスセ
mf.or.jp/ )または株式会社三井住
クション方向・時系列方向で確保で
私募 REITという不動産投資商品
友トラスト基礎研究所ホームページ
きない、といった点が懸念される。
のリスク特性を定量的に評価するこ
( http://www.smtri.jp/report_
このようなデータの制約を踏ま
とができる。また、私募 REITとい
column/report/2014_11_10_1924.
え、本調査では、上場J-REITによ
う単一の資産区分にとどまらず、他
html )
を参照されたい。
る約10 年分の開示情報を活用し 、
の主要資産
(株式・債券等)
との比較
私 募 REITの投資リターン指標を
分析を通じて、私募 REITの不動産
仮想的に構築し
( 図表1 )、各種リス
投資商品としての位置付けを明らか
クを定量的に分析することとした。
にするとともに、資産運用における
本指標は、上場J-REITの保有物件
不動産投資の意義をポートフォリオ
が私募 REITによって保有されてい
全体のリスク低減効果の観点から
るとみなし 、エクイティ投資を行った
評 価することができると考えられ
はじめに
1. 私募 REIT 投資における
リターンの特性および
リスク評価手法
私募 REIT 投資における各種リ
このような指標を用いることで、
January-February 2015
67
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図表1 仮想私募 REITの投資リターン指標
30%
キャピタルリターン
インカムリターン
20%
トータルリターン
10%
0%
-10%
2012/12
2012/06
2011/12
2011/06
2010/12
2010/06
2009/12
2009/06
2008/12
2008/06
2007/12
2007/06
2006/12
2006/06
2005/12
2005/06
2004/12
2004/06
2003/12
2003/06
2002/12
-30%
2002/06
-20%
注)
インカムリターン 、キャピタルリターン 、トータルリターンは 6 ヶ月間の収益率(年率換算 )
用途別の投資割合は 、オフィス:住宅:商業施設:物流施設=4:3:2:1とした
地域別の投資割合は 、オフィス・住宅が東京 23 区内:それ以外=8:2 、商業施設は都心型:郊外型=5:5とした
想定 LTV 比率は 40% とした
出所 )
三井住友トラスト基礎研究所
る。
回る部分と下回る部分とがランダム
本調査では、主要資産として国内
かつ対称的に発生するなど、いくつ
株式・国内債券の2 種類、また、不
とりわけ私募 REIT 投資による下方
かの仮定に基づく考え方であるが、
動産投資商品として上場J-REITお
リスクの低減効果に着目した評価
現実の世界では、リーマンショック
よび私募 REIT
( 前節で提示した仮
手法について検討を行った。次節
のような金融危機や、量的金融緩
想私募 REITのリターン指標 )の2
以降では、その結果の概要につい
和政策の影響によって各種資産のリ
種類をそれぞれ用いる。各資産の
て紹介したい。
ターンは大きく変動し 、また、その
トータルリターンの推移を表したも
変動の大きさもばらばらである
(テー
のが図表 2 である。国内株式や上場
ルリスクの存在)
など、現実にこのよ
J-REITのリターン変動幅は仮想私
うな仮定が成立することは稀と考え
募 REITよりも大きく、国内債券は
られる。
仮想私募 REITよりも小さいことが
本調査では、このような観点で、
2. 下方リスクを重視した
個別資産のリスク量推定
68
現代ポートフォリオ理論
( MPT:
実際の資産運用においても、期
確認できる。また、各資産のリター
Modern Portfolio Theory )におけ
待リターンを下回る部分をリスクと
ンは、プラス・マイナスに振れる大き
る平均・分散モデルでは、ある資産
捉えることはあっても、上回る部分
さがそれぞれ異なっており、プラス
のリスク量の尺度として、期待リター
をもリスクと捉えることは実感に合
に振れた部分の影響を排除し 、下
ンからのぶれの大きさ
( 分散 )が用
いにくいであろう。そこで、本調査
方リスクに焦点を当てたリスク量を
いられる。これは、期待リターンを
では、ある資産が期待リターンを下
推定する工夫が求められることが確
下回る部分をリスクと見なすと同時
回る部分のみに焦点を当てた「下方
認できる。
に、期待リターンを上回る部分につ
リスクモデル」の考え方を用いて個
これら各資産について、次の3 通
いても同様にリスクと見なしてしまう
別資産のリスク量を推定し 、資産運
りの手法によりリスク量の推定を試
考え方である。これは、ある資産の
用におけるポートフォリオのリスク評
みた。( 1 )
平均・分散モデルによる
リターンについて、期待リターンを上
価を行う。
リスク量「分散
( Variance )
」は、期
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待リターンの周りでのばらつき度合
図表 2 各資産のトータルリターン推移
いを表す指標であり、期待リターン
120%
を下回る部分だけでなく、上回る部
分についてもリスクと捉える考え方
である。これに対して、
(2 )
平均・下
方半分散モデルによるリスク量「 下
方半分散
( Semi-Variance )
」は、期
80%
国内株式
国内債券
上場 J-REIT
仮想私募 REIT
40%
0%
待リターンを下回る部分の大きさを
モデルによるリスク量「 下方部分積
率( L P M : L o w e r P a r t i a l
Moments )
」は、ある目標リターンを
下回る部分の大きさを表す指標 注 1
と、それぞれ下方リスクに焦点を当
てたリスク量指標である。
各リスク量の推定結果をまとめた
(1)
分散を用
ものが図表 3 である。
-40%
下方リスク
-80%
2000/06
2000/12
2001/06
2001/12
2002/06
2002/12
2003/06
2003/12
2004/06
2004/12
2005/06
2005/12
2006/06
2006/12
2007/06
2007/12
2008/06
2008/12
2009/06
2009/12
2010/06
2010/12
2011/06
2011/12
2012/06
2012/12
表す指標 (
、3 )
平均・下方部分積率
注 ) トータルリターンは 6 ヶ月間の収益率(年率換算 )
出所 )国内株式は東証株価指数(配当込 )、国内債券は NOMURA-BPI(総合 )、J-REIT は東証 REIT 指
数(配当込 )をもとに三井住友トラスト基礎研究所作成 、その他は三井住友トラスト基礎研究
所
図表 3 各資産のリスク量推定値
1,600
いた国内債券のリスク量を100とし
て、各資産についてそれぞれの手法
で推定したリスク量を整理してい
1,200
剰に推定されていることが確認でき
る。また、資産間の比較において
1,185
800
783
資産とした場合、仮想私募 REITは
中程度以下のリスク量を有した資産
723
674
400
400
100 76
0
国内株式
49
国内債券
(1)分散
は、国内債券を低リスク資産、国内
株式および上場J-REITを高リスク
1,362
933
る。下方リスク推定量との比較にお
いては、分散基準ではリスク量が過
(分散基準の国内債券 =100として指数化)
(2)下方半分散
上場J-REIT
298
185
仮想私募 REIT
(3)下方部分積率
注 ) 各リスク量推定値の次元を統一させたうえで 、分散基準における国内債券のリスク量推定値を
100 として指数化
リスク量の推定には、それぞれの資産について2003 年 9月~ 2012 年 12月の時系列データを用いた
下方部分積率のリスク量は、目標リターンを0%とし、次数 k=2として推定した結果である
出所 )三井住友トラスト基礎研究所
であることが確認できる。
なお、下方リスク量を推定する手
いた各種のリスク量推定を行う。
法としては、
( 2 )下方半分 散より
(3)
下方部分積率のほうが、目標リ
ターンを任意に設定できるなど計算
間の相関関係・分散投資効果を加味
3. ポートフォリオのリスク量推
定および運用資産配分
上の利点を有すると考えられるた
め、以下では
(3)
下方部分積率を用
量の推定を踏まえ、本節では、資産
したポートフォリオのリスク量推定
および運用資産の配分決定につい
て考えたい。
前節で行った各資産の下方リスク
前述の 4資産のデータについて、
注1
目標リターンを 0% とし、トータルリターンがマイナスとなる部分すべてをリスクと捉える方法により計算を行った。なお、下方部分積率の計算(以下)
に用いる次数 k は 2 とした(ただし x は目標リターン、r t は事象 t の収益率)。
January-February 2015
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トータルリターンの相関係数を整理
図表 4 各資産間の相関係数
したものが図表 4 である。国内株式
は国内債券と一定の負の相関関係
にあり、上場J-REITとは一定の正
の相関関係 、仮想私募 REITとは
緩やかな正の相関関係にある。ま
た、国内債券は上場J-REITや仮想
私募 REITと緩やかな負の相関関
国内株式
国内株式
J-REITといった不動産投資商品を
ること
( 分散投資効果を発揮するこ
と)
が可能かについて検証する。具
体的には、国内株式 、国内債券へ
の投資比率をそれぞれ 40%, 60%と
したポートフォリオを基準として、仮
想私募 REITあるいは上場J-REIT
0%
0%
国内株式 40%
国内債券 60%
5%
国内株式と国内債券の
ポートフォリオ
10%
15%
20%
25%
注 ) リターン推定は 2003 年 9 月~ 2012 年 12 月の時系列データの平均値により行った。ただし 、
当該リターン推定には一定の推定誤差を伴うことが想定されるため 、以下ではリスク量の推定
に焦点を当てて議論を進める
出所 )三井住友トラスト基礎研究所
図表 6 国内株式・国内債券のポートフォリオに仮想私募 REIT /上場 J-REITを組み入れ
た場合のポートフォリオリスク量
120
100
0
シナリオ① : 仮想私募 REITを組み入れ
シナリオ② : 上場J-REITを組み入れ
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
仮想私募 REITあるいは上場 J-REITへの投資比率
注 ) 国内株式 、国内債券への投資比率をそれぞれ 40%, 60% とした場合のポートフォリオ全体のリ
スク量を 100 とし 、仮想私募 REIT または上場 J-REIT への投資比率を 1% ずつ増加させ 、国内
株式への投資比率を 1% ずつ減少させた場合のリスク量を推計
出所 )三井住友トラスト基礎研究所
上場J-REITを組み入れた場 合を
フォリオ収益率が 0%を下回る大き
ずつ減少させた場合
( シナリオ②)
「 シナリオ②」とした。各シナリオ
さ」として、下方部分積率により計
は、ポートフォリオ全体のリスク量を
算されたものである。
ほとんど低下させず、むしろ上場
におけるポートフォリオ全体のリス
ク量推定結果を整理したものが 図
70
国内債券
国内株式
シナリオ②
リスク
体の下方リスク量のシミュレーショ
組み入れた場合を「 シナリオ①」、
シナリオ①
2%
20
分析について、仮想私募 REITを
上場J -REIT
仮想私募 REIT
4%
減少させた場合のポートフォリオ全
当該枠組みでのシミュレーション
.103
効率的フロンティア
ン
国内株 式への投資比率を1%ずつ
ンを行う。
-.194
8%
80
リ
ス 60
ク
量
40
への投資比率を1%ずつ増加させ、
-.239
1.000
1.000
リ
タ 6%
組み入れた場合に、ポートフォリオ
全体のリスク量をどの程度低減させ
.152
図表 5 各資産のリスク・リターン分布、効率的フロンティア
ある。
オ に 、 仮 想 私 募 REITや 上 場
1.000
.577
注 ) 相関係数の推定には、それぞれの資産について2003 年 9月~ 2012 年 12月の時系列データを用いた
出所 )三井住友トラスト基礎研究所
10%
株式・債券で構築されたポートフォリ
-.621
仮想私募 REIT
仮想私募 REIT
REITは緩やかな正の相関関係に
ここでは、主要資産タイプである
上場 J-REIT
上場 J-REIT
12%
をプロットしたものが図表5 である。
1.000
国内債券
係にあり、上場J-REITと仮想私募
これら各資産のリスク・リターン分布
国内債券
得られ た 結 果 を見 ると、上 場
J-REITへの投資比率 6% 付近を境
表 5 内の矢印および 図表 6 である。
J-REITへの投資比率を1%ずつ増
に、ポートフォリオリスク量を微小な
なお、ここでのリスク量は「 ポート
加させ国内株式への投資比率を1%
がら押し上げる結果となっている。
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私募 REIT 市場発展に向けた投資リスク評価手法に関する調査
これは、国内株式と上場J-REITの
においては分散投資効果を一定程
的であることが視覚的に確認でき
相 関 関 係 が 強 く、ま た、上 場
度発揮できることを意味する。
る。また、図表 5 に示したシナリオ
J-REITは国内株式よりも下方リス
このシミュレーション結果をより
①の矢印の先端
( 国内株式 20%, 国
ク量が大きいため
( 図表 3 )、両資産
わかりやすく確認するために、シナ
内債券 60%, 仮想私募 REIT20% )
間の相関係数が 0.58 程度であった
リオ①および②それぞれについて、
は、効率的フロンティア
(ある期待リ
としても、下方リスクを重視した場
仮 想 私 募 REITあ る い は 上 場
ターンに対応した最小リスク量の集
合においては分散投資効果を十分
J-REITへの投資比率を20%まで引
合)に一定程度近付けることが確認
に発揮できていないことを意味す
き上げ、国内株式への投資比率を
できる。
る。
20%まで引き下げたポートフォリオ
以上の分析結果より、国内株式と
一方で、仮想私募 REITへの投
のトータルリターン推移を見たもの
相関性が低く、また、国内株式と比
資比率を1%ずつ増加させ国内株式
が、図表 7 である。基準となるポー
べて下方リスク量の小さい仮想私
への投資比率を1%ずつ減少させた
トフォリオ
( 国内株式 40%, 国内債
募 REITへの投資は、ポートフォリ
場合
( シナリオ①)では、ポートフォ
券 60% )
のリターンと比較して、ポー
オ全体のリスク量を低減させる、つ
リオ全体のリスク量を一定程度押し
トフォリオ収益率が 0%を下回る部
まりリターンの安定性を高める可能
下げることが定量的に確認できる。
分の大きさは、シナリオ①
( 国内株
性を有することが、定量的に確認さ
こ れ は、国 内 株 式 と仮 想 私 募
式 20%, 国内債券 60%, 仮想私 募
れた。
REITの相関係数が 0.15と低く、ま
REIT20% )では一定程度抑制でき
た、仮想私募 REITは国内株式より
ているのに対し 、シナリオ②
( 国内
も下方リスク量が小さいため
( 図表
株 式 20%, 国 内 債 券 60%, 上 場
3 )、下方リスクに焦点を当てた場合
J-REIT20% )ではその効果が限定
図表 7 仮想ポートフォリオのトータルリターン推移
40%
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
シナリオ① : 仮想私募 REITを20% 組み入れ
2012/09
2012/03
2011/09
2011/03
2010/09
2010/03
2009/09
2009/03
2008/09
2008/03
2007/09
2007/03
2006/09
2006/03
2005/09
2005/03
2004/09
2004/03
-30%
2003/09
下方リスク
シナリオ② : 上場J-REITを20% 組み入れ
国内株式 40%, 国内債券 60%
出所 )
三井住友トラスト基礎研究所
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71
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<参考資料 : 平均・分散モデルおよび
平均・下方部分積率モデルによる結
図表 8 (参考)
平均・分散モデルと平均・下方部分積率モデルによるシミュレーション結
果の比較
120
果の比較>
本調査では、各資産の下方リスク
に焦点を当て、平均・下方部分積率
モデルにより前述のようなシミュ
レーション分析を行った。図表 8 は、
下方リスクに焦点を当てず、平均・分
散モデルによって同様のシミュレー
ションを行った結果である。
仮想私募 REITへの投資
(シナリ
100
リ
ス
80
ク
量
60
40
0%
シナリオ① : 下方部分積率
シナリオ② : 下方部分積率
シナリオ① : 分散
シナリオ② : 分散
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
仮想私募 REITあるいは上場 J-REITへの投資比率
注 ) 国内株式 、国内債券への投資比率をそれぞれ 40%, 60% とした場合のポートフォリオ全体の
リスク量を 100 とした推定値
出所 )三井住友トラスト基礎研究所
オ①)では、下方リスクに焦点を当
てることで、ポートフォリオリスク量
がより低下する
(平均・分散モデルで
ジネーターによる、新たな不動産開
4. まとめ
はリスクを過剰に推定してしまって
72
発のための資金調達手段としての
役割を果たしてきたことを踏まえる
いる)ことが確認できる。また、上
私 募 REIT 投資のリスク特 性が
と、年金基金のような長期資金が不
場J-REITへの投資
(シナリオ②)
で
明らかにされることで、エクイティ投
動産投資市場に流入することによっ
は、下方リスクが高まるような投資
資家が私募 REITへの投資判断を
て、今後、民間資金の循環を活用し
配分の変更であっても、平均・分散
より適切に行えるようになることが
た都市・不動産の開発がより一層進
モデルでは国内株式と上場J-REIT
期待され 、今後の私募 REIT 市場
展することが期待されるなど、不動
のリターンの相関係数が 1.0 未満で
の発展、ひいては不動産投資市場
産投資市場の発展による経済・社会
ある限り、ポートフォリオリスク量が
全般の発展に資するものと考えられ
への貢献も極めて大きいものと考え
低くなる
( 過小に推定してしまってい
る。また、これまで上場J-REIT が
られる。
る)
との結果が確認できる。
不動産デベロッパーや商社等のオリ
ARES 不動産証券化ジャーナル Vol.23