地球のすがた 1

標準新演習 夏期テキスト 直列型 社会中 1 指導のポイント
地球のすがた
1
◆指導ページ P.2 ∼ 5 ◆ 【指導のねらい】
★地球の大陸・大洋の位置関係,地軸の傾きによる気候の特色について理解する。
★地球儀や地図の諸概念を,地球儀や主要な世界地図を比較しながら理解する。
重要事項の確認
1 地球のようす
補足知識・留意事項など
1 地球のようす
⑴ 六大陸と三大洋
⑴ 世界の全体像として , 6つの大陸と3つの大洋の位置を確認
①六大陸…ユーラシア大陸,アフリカ大陸,北アメリカ大陸,
して捉えさせる。
南アメリカ大陸,オーストラリア大陸,南極大陸
・オーストラリア大陸…世界最小の大陸。オーストラリアは,
②三大洋…太平洋,大西洋,インド洋
1つの大陸で1つの国である。
⑵ 「水の惑星」
・南極は大陸である。北極は陸地ではない。
地球の表面積の 70%は海で 30%が陸。陸は北半球に多い。
・ユーラシア大陸…ロシアのウラル山脈を境にアジアとヨー
ロッパに分かれる。
現在の大陸はかつてはパンゲア大陸と呼ぶ一つの陸続きの大
2 地球上の位置
⑴ 緯線…緯度が0度→赤道,南北に 90 度ずつに分ける(→北緯,
陸であった。それが現在の大陸・大洋を形成する過程はプ
レートテクトニクスにより説明される。マントルの対流現象
南緯)。
により,現在も移動している。
⑵ 緯度と季節
①季節の変化…地軸の傾きが原因
②北半球と南半球では逆…日本で夏の時,オーストラリアでは
2 地球上の位置
⑴ 地球の位置を示す経度・緯度を説明し,地球上の主要都市な
冬。オーストラリアのクリスマスは
どの場所を経度と緯度を使って言わせるとよい。
夏に来る。
最も高温の地域…赤道付近
赤道と本初子午線の位置も確認しておく。
子午線(子は北を,午は南を意味する)と経線は同義語。
最も低温の地域…北極や南極
⑵ ①季節ができるのは,地軸が傾いているからである(地球は
③白夜…北極や南極付近で夏に一日中太陽が沈まない現象。
傾いて太陽の周りを 1 年かけて公転している)。太陽が真
⑶ 経線…経度が0度→本初子午線 , イギリスのロンドンを通る。
東西に 180 度ずつに分ける(→東経,西経)。
上の位置に来るのは北回帰線と南回帰線の間だけであるか
ら,日本の真上に太陽が来ることはない。
②北半球と南半球では季節が反対になることも確認しておく。
太陽高度と気温
3 地球の表現 ⑴ 地球儀…地球を縮小したもの。→すべてが正確
日本では,夏至(6月 20 日頃)の時に最も太陽高度が高
⑵ 地図…方位,距離,面積すべてが正しいものはない。
く,冬至(12 月 20 日頃)の時に最も低い。
→太陽の光を最も多く受けるのは6月
①面積が正しい地図
長所…面積をできるだけ体格に表そうとしている。
最も少ないのは 12 月
短所…赤道からはなれるほど,陸地の形がゆがむ。
→気温が最高になるのは7月から8月
最低になるのは1月から2月
②緯線と経線が直角に交わる地図
太陽からの熱を受け気温ができる
長所…経線との角度がわかりやすい。そのため,海図に用い
→熱の受け方は赤道付近が最も多く,高緯度ほど少ない。
られる。
→世界の年平均気温の等温線
短所…赤道からはなれるほど,陸地の面積が実際よりも大き
・赤道付近が高温で高緯度に行くにつれて低下
くなる。
・緯線にほぼ平行
③中心からの距離と方位が正しい地図
・大陸の東岸と西岸を比べると,夏は東岸の方が高く,
長所…地図の中心から目的地までの距離と方位は正確であり,
冬は西岸の方が高い。
その点を直線で結んだものが最短経路となる。
短所…中心以外の地点からの距離と方位は正しく表されない。
中心からはなれるほど,陸地の形がゆがむ。
3 地球の表現
⑴ 地球を縮小した地球儀は正確にあらわしているが,持ち運び
に不便であり,また一方向から全体を表すことはできないとい
う欠点もある。
⑵ 主な図法
①モルワイデ図法→国の大きさが正しく再現されている。
②メルカトル図法→航海図によく用いられる。
③正距方位図法 →緯線が同心円状の地図。航空図によく用い
られる。
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世界のすがた
2
◆指導ページ P.6 ∼ 9 ◆ 【指導のねらい】
★世界の地域区分や国家の三要素,特徴的なおもな国々についておさえる。
★国境・国名・国境の決まり方などについて確認させる。
重要事項の確認
1 世界の国々と地域区分
⑴ 国家の三要素…領土・国民・主権 暗記
補足知識・留意事項など
1 世界の国々と地域区分
⑴ 国家の承認…新たに設立した国を正式に主権のある国家であ
独立国→国家の三要素を満たし,他の国から承認される必要
がある。
ると認めること。
⑵ ヨーロッパから見たアジア
領土…国家の統治権のおよぶ区域。
極東…日本を含む東アジア
主権…国の政治のあり方を最終的に決定する権利。
近東…ヨーロッパに近いトルコ付近
内陸国…海に面していない国。まわりがすべて他国との国境
中東…ペルシャ湾付近
線。
島国
(海洋国)
…まわりを海で囲まれている国。
⑵ 地域区分
(州区分)
→6つの州に分けられる
(南極大陸はのぞく)
→アジア州・ヨーロッパ州・アフリカ州・北アメリカ州・南ア
メリカ州・オセアニア州の6州。
2 面積と人口
2 面積と人口
⑴ 面積の大きい国・小さい国
①面積の大きい国→ロシア連邦・カナダ・アメリカ合衆国・中
国(中華人民共和国)
②面積の小さい国→最小はバチカン市国(イタリア・ローマ市
内)
暗記
⑴ 面積の大きい国
ロシア連邦→日本の約 45 倍
カナダ→日本の約 26 倍
アメリカ合衆国→日本の約 26 倍
中国→日本の約 26 倍
⑵ 人口
州別→アジア州が最も多い。(世界の約 60%) 暗記
国別→中国が最大,インドが第2位。 暗記
3 国境・国名・国旗
⑴ 国境…国と国との境界。
〈国境線〉
・自然物を利用した国境線
( 例 山・川・湖・海)
3 国境・国名・国旗
⑵ 国名の由来
例 インド…インダス川より
エクアドル…国土を通る「赤道」の意味のスペイン語人
例 日本は海を使って国境線が定められている。
名より
・人工物を利用した国境線 ( 例 経線・緯線)
フィリピン… 16 世紀のスペイン皇太子の「フェリペ」
アフリカではヨーロッパ諸国が植民地支配をしたことか
より
ら人工的な国境線が多い。
コロンビア…探検家コロンブスより
⑵ 国名→地名や人名などさまざまな由来をもつ。
⑶ 国旗→国のシンボルを表したもの。
シンガポール…「ライオンの町」という意味。
⑶ 国旗
色の配置や宗教的なデザインなどでそれぞれの国の特
①イギリスと関係が深い国々
徴が表されている。
→イギリス国旗のユニオンジャックを取り入れている。
②三色旗
→ 例 フランス・ドイツ・イタリア
③キリスト教国
→北ヨーロッパを中心に十字を配置する国が多い。
④イスラム教国
→三日月と星をえがく国が多い。
⑤南半球の国
→南十字星をえがく国がある。
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世界各地の気候とくらし
3
◆指導ページ P.10 ∼ 13 ◆ 【指導のねらい】
★世界の気候区分とその特徴についておさえる。
★寒帯・冷帯・温帯・乾燥帯・熱帯における人々のくらしについて理解させる。
重要事項の確認
1 世界の気候区分
補足知識・留意事項など
1 世界の気候区分
⑴ ツンドラ気候…短い夏にこけが育つ。 例 昭和基地(南極)
⑴ 寒帯…年中低温で樹木が育たない気候。
氷雪気候…年中雪と氷におおわれる。 例 バロー(アラスカ)
ツンドラ気候,氷雪気候
⑵ 冷帯
(亜寒帯)
…短い夏と寒さの厳しい冬がある気候。
⑵ 冷帯 例 オイミャコン(ロシア)
⑶ 温帯…中緯度地域。四季があり,気温や降水量も変化に富む
⑶ 温帯 例 シャンハイ(中国),パリ(フランス)
マドリード(スペイン)
気候。
⑷ 乾燥帯…南北回帰線付近。降水量が少ない気候。
⑷ 乾燥帯 例 カイロ(エジプト)
⑸ 熱帯…赤道付近。年中高温で降水量が多い気候。
アリススプリングス(オーストラリア)
⑸ 熱帯 例 クアラルンプール(マレーシア)
ダーウィン(オーストラリア)
2 寒帯のくらし
2 寒帯のくらし
⑴ 白夜…夏に一日中太陽が沈まない現象。
⑴ オーロラ…南北極に近い地方で見られる美しい光の現象。
極夜…冬に一日中太陽が昇らない現象。
⑵ イグルー…雪を固めて積み上げたドーム型の家。
冬にはオーロラを見ることができる。
⑵ イヌイット…カナダ北部で生活する民族。夏は皮製のテント,
冬はイグルーに住む。
3 冷帯
(亜寒帯)
のくらし
⑴ タイガ…寒さに強い針葉樹の広大な森林。
⑵ シベリアのくらし…シベリアは世界で最も寒い場所。頑丈な
二重窓,厚い木の扉のあるログハウスに
3 冷帯(亜寒帯)のくらし
⑴ タイガは寒さに強いまつ,もみ,しらかばなどの針葉樹から
なる。
⑵ シベリアの気温…冬に−30℃を下回る日や,夏に 30℃近く
になる日がある。
住む。
4 温帯のくらし
4 温帯のくらし
⑴ 温帯
(温暖)
湿潤気候…大陸の東岸
⑴ モンスーン(季節風)…日本などの大陸の東岸地域では夏と冬
で風向きが逆になる。
モンスーン(季節風)
の影響を受ける。
夏は高温多雨,冬は寒冷小雨。
⑵ 西岸海洋性気候…大陸の西岸
⑵ 偏西風…中緯度地方に一年中吹く西寄りの風。
⑶ シェスタ…夏の暑い午後の時間帯に昼寝などをして休憩する
習慣。
暖流と偏西風の影響。高緯度でも温暖。
⑶ 地中海性気候
夏は乾燥,冬は多雨。シエスタの習慣がある。
5 乾燥帯のくらし
5 乾燥帯のくらし
⑴ オアシス…さばくの中で水がわき,樹木が生えている場所。
⑴ さばく
一年中雨が少ない。砂漠が広がる。 例 サハラ砂漠
オアシス農業→ 例 アラビア半島,北アメリカ
オアシスで得られる水で農業。
⑵ 遊牧…移動式の住居(ゲル)でくらし,草木を求めて家畜とと
⑵ ステップ
もに移動する。
少量の雨が降る。短い草の草原
(ステップ)が広がる。
さばくの周辺に分布し,遊牧が行われる。
6 熱帯のくらし
⑴ 熱帯雨林…「生物種の宝庫」といわれる森林。一年中雨が多
く,午後の短時間にスコールが降る。
⑵ サバナ…雨季,乾季がある。
樹木のまばらな草原
(サバナ)が広がる。
雨季…雨の多い時期,乾季…雨の少ない時期
6 熱帯のくらし
熱帯地域の島の人々は,ココやしなどの木々の実や葉を利用
して生活している。
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世界各地の人々の生活
4
◆指導ページ P.14 ∼ 17 ◆ 【指導のねらい】
★高地や低地での人々の生活について理解させる。
★世界の主な宗教・言語,世界の主な衣食住の特徴・伝統について捉える。
重要事項の確認
1 高地の生活
補足知識・留意事項など
1 高地の生活
⑴ 自然環境 理解
⑴ 自然環境
山は標高が上がるにつれて気温が下がるため,一年中涼しい。 アンデス山脈・ヒマラヤ山脈周辺が代表的な高地。
→空気がうすいため,高山病にかかる人もいる。
⑵ 高地のくらし ( 例 南アメリカのアンデス山脈の人々)
⑵ 高地のくらし
リャマ・アルパカの家畜を利用する。
・荷物運びに利用。
標高差をうまく利用。
例 山の急斜面→とうもろこし・じゃがいもの畑や牧草地に
・毛は衣類や防寒具に利用。
・ふんは肥料や燃料に利用。
利用。
農業に向かない標高の高い所→家畜の放牧に利用。
2 低地の生活
2 低地の生活
⑵ 低地のくらし
⑴ 自然環境
大河の下流の湿地など陸地の少ない環境。人々の生活と水
高層ビルや高速道路が作られ,景観も変化。
のかかわりが深い。
⑵ 低地のくらし
タイのバンコク
・移動手段…水上バス
・買い物…水上マーケット
・住居…高床式の住居 ←雨季に川が増水し,市街地にはん
らんすることが多いため。
3 宗教・言語と人々の生活
⑴ 世界的規模で広がっている宗教 暗記
三大宗教…仏教・キリスト教・イスラム教
3 宗教・言語と人々の生活
⑴ 世界分布の図で宗教・言語の広まり具合をイメージさせる。
〈各宗教の開祖〉
①仏教 …東南アジア・東アジア
①仏教…シャカ
教典は経。
②キリスト教…イエス・キリスト
②キリスト教…ヨーロッパ・南北アメリカ・オセアニア
③イスラム教…ムハンマド
教典は聖書。
⑵ ヒンドゥー教…牛を神聖な生き物として食べない。カースト
③イスラム教…北アフリカ・西アジアなど。
制度という身分制度と深い関わりがある。
教典はコーラン。聖地はメッカ。
飲酒・豚肉は禁止。
⑵ 特定の民族・地域と結びついている宗教
例 ヒンドゥー教・ユダヤ教
⑶ 世界の言語… 6000 をこえる言語がある。
母語…人が生まれて最初に覚える言語。最も多く使われてい
るのは中国語。
母語以外の第二言語…最も多く使われているのは英語。
4 衣食住
4 衣食住
⑴ 衣服…気候の影響による地域差や素材の差がある。
⑴ 衣服 例 アンデス山中→ポンチョ
⑵ 主食とされている食べ物
朝鮮半島→チマ・チョゴリ
・東アジア・東南アジア→米
インド→サリー
・ヨーロッパ・中国北部→小麦
イスラム教圏→チャドル
・オセアニアの島々→いも類
⑶ 例 ヨーロッパの石造りの家
⑶ 住居…自然環境に合わせたくふうをしている。
乾燥した地域→土や日干しれんがの家
イヌイットのイグルー(3 課)
東南アジア→暑さや湿気を防ぐための高床式の家
他には冷帯などで見られるログハウス
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アジア州
5
◆指導ページ P.18 ∼ 21 ◆ 【指導のねらい】
★アジア州の自然環境
(地形・気候)
,人々のくらしの特徴について理解させる。
★アジア州の各地域の特徴と主な国々について理解させる。
重要事項の確認
1 自然環境と人々のくらし
補足知識・留意事項など
1 自然環境と人々のくらし
資料を見て,主な山脈・高原・川の分布について確認する。
⑴ 地形
①中央部…チベット高原・ヒマラヤ山脈(「世界の屋根」)
②海岸部…大河や平野が広がる。
③内陸部…さばくが広がる。
⑵ 気候
①寒帯・冷帯→シベリア
②乾燥帯→内陸部
③高山気候→中央部の高地
④温帯→東アジアの大部分,季節風
(モンスーン)の影響。
⑤熱帯→東南アジア∼南アジア
⑶ 世界の6割の人口
人口密度が高い
中国→一人っ子政策
インド→出生率が高い。
2 アジアの経済成長
⑴ 1970 年代以降 暗記
韓国・台湾・ホンコン・シンガポール
→アジア NIES
(新興工業経済地域)
となる。
タイ・マレーシア・インドネシアなど ASEAN
(東南アジア
2 アジアの経済成長
⑴ 1970 年代以降
ASEAN
(東南アジア諸国連合)
→東南アジアの国々が経済・政治・安全保障などで協力し合
うため結成
諸国連合)
で工業化が進展
資料を見て,ASEAN の一国であるマレーシアの輸出総額・
⑵ 1990 年代以降 暗記
輸出品の種類別割合を見て,経済成長・工業化が進んでいる
中国・インド→BRICS の一員
華人・インド系の人々が世界中で活躍。
①中国
経済特区
(経済特別区) 例 シェンチェン,アモイ
沿岸部と内陸部の経済格差が社会問題
ことを確認する。
⑵ 1990 年代以降
①中国
経済特区(経済特別区)
→地代や税金を安くし,外国産業を誘致する。
②インド
情報技術産業
(バンガロール)
3 東南アジア
⑴ 農業 季節風
(モンスーン)
の影響→稲作・二期作 暗記
3 東南アジア
⑴ 農業
①プランテーション…現地の人々が経営する大規模栽培農園
①プランテーション→天然ゴム・コーヒーなど
②日本への輸出…養殖エビ,バナナ(フィリピン)
⑵ 急速な都市化と課題
農村からの人口流入・高い出生率→都市部の人口増加
都市問題が発生
( 例 スラム化,交通渋滞)
4 西アジアと中央アジア
⑴ 西アジア
4 西アジアと中央アジア
⑴ 西アジア
イスラム教,アラビア語
OPEC
(石油輸出国機構)
石油の宝庫→ OPEC(石油輸出国機構)結成
→石油の価格や生産量をコントロールする。
⑵ 中央アジア
ソ連の解体後独立
イスラム教
希少金属
(レアメタル)
の輸出で経済成長
シルクロードの歴史的遺産
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ヨーロッパ州
6
◆指導ページ P.22 ∼ 25 ◆ 【指導のねらい】
★ヨーロッパ州の自然環境
(地形・気候)
,人々のくらしの特徴について理解させる。
★ヨーロッパ州の歴史,文化や宗教,産業,近年の動きについて捉えさせる。
重要事項の確認
1 自然環境
補足知識・留意事項など
1 自然環境
⑴ 地形 暗記
⑴ 地形
①アルプス山脈 ヨーロッパ中央部
③国際河川…複数の国を流れ,各国の船が自由に航行できる川。
北側→なだらかな平原,南側→地震が多い。
②フィヨルド…氷河にけずられた複雑な地形。
③国際河川 例 ライン川,ドナウ川
⑵ 気候
暖流の北大西洋海流と偏西風→比較的温暖
地中海沿岸→夏は高温乾燥,冬は雨が多い。
北部→寒冷,夏が短い,ツンドラ気候もある。
2 歴史
⑴ 古代 例 古代ギリシャ文明,ローマ帝国
⑵ 近代
世界各地に植民地形成。
イギリスで産業革命→近代工業が発展。
⑶ 20 世紀以降
2度の世界大戦で大きな被害。
アメリカの発展→ヨーロッパの地位低下。
3 文化と宗教
⑴ 多様な言語
多様民族構成を反映。
⑵ バカンス
例 毎年3週間程度の長期休暇旅行
3 文化と宗教
⑴ 多様な言語
北西部→ゲルマン系言語(英語,ドイツ語)
南部→ラテン系言語(フランス語,イタリア語)
東部→スラブ系言語(ロシア語,ポーランド語)
⑶ キリスト教の信仰
北西部→プロテスタント 南部→カトリック
東部→正教会
⑷ 外国人労働者の増加
アフリカ,トルコなどから移住。イスラム教の信仰。
4 農業
⑴ 地中海式農業
(地中海沿岸)
夏→オリーブ・オレンジ・ぶどう
冬→小麦
⑵ 混合農業
(北西部・東部)
と家畜
( 例 牛・豚)の飼育を組
穀物栽培
( 例 小麦・ライ麦)
み合わせた農業。
⑶ 酪農
(北部・アルプス山脈)
→バター・チーズ
5 進むヨーロッパ統合
5 進むヨーロッパ統合
⑴ ヨーロッパ連合
(EU)
…ヨーロッパ共同体(EC)から発展。
・本部はブリュッセル(ベルギー)
⑵ 加盟国の結び付き
・パスポート検査なしに自由に国境を通過できる。
共通農業政策,共通通貨
(ユーロ)を導入。
・高速道路網( 例 ユーロスター,特急 ICE)を整備。
・1人あたりの国民総所得
6 ロシア連邦
⑴ 広大な国土
国土面積は日本の約 45 倍。
木材資源が豊富
( 例 シベリアのタイガ)
⑵ EU との結びつき
パイプラインで石油や天然ガスを輸出。
→加盟国間で最大 10 倍以上の格差がある。
・工業
→大都市近郊でハイテク産業が成長したのに伴い,その工場を
東ヨーロッパへ移転させる動き。航空機は加盟国で共同生産。
標準新演習 夏期テキスト 直列型 社会中 1 指導のポイント
アフリカ州
7
◆指導ページ P.26 ∼ 29 ◆ 【指導のねらい】
★アフリカ州の自然環境
(地形・気候)
,歴史と文化の特徴について理解させる。
★アフリカ州の産業の特徴,さまざまな問題,近年の動きについて捉えさせる。
重要事項の確認
1 自然環境
補足知識・留意事項など
1 自然環境
資料を見て,アフリカ大陸における主な山脈・高原・盆地・
⑴ 地形 →アメリカ大陸,マダガスカル島
さばく・川の分布を確認させる。
大部分が高原や台地,サハラさばく
(世界最大)
,ナイル川
(世界最長)
⑵ 気候 暗記
赤道をはさんで南北に熱帯・乾燥帯・温帯
サヘル地帯
(サハラさばくの南側)
ではさばく化が急速に進行。
2 歴史と文化
⑴ 歴史 暗記
2 歴史と文化
⑴ 歴史
古代→エジプト文明が栄える
20 世紀前半までアフリカのほとんどの国がヨーロッパ諸国
16 ∼ 19 世紀→奴隷貿易
の植民地。
20 世紀前半まで→ヨーロッパ諸国の植民地
→エチオピアとリベリアを除く。
1960 年→ 17 か国の独立(「アフリカの年」)
民族間の対立が紛争に発展→飢餓や難民の問題
⑵ 宗教
イスラム教
(北アフリカ)
民族独自の宗教
(その他の地域)
キリスト教
(植民地時代の影響)
⑶ 言語 暗記
アラビア語
(北アフリカ)
,スワヒリ語
(東アフリカ),旧宗主
国の言語を公用語
(中央アフリカ,南アフリカ)
3 産業
⑴ 輸出に頼る農業
3 産業
⑶ 鉱工業
ヨーロッパ人によるプランテーション農業
希少金属(レアメタル) 例 ガリウム,コバルト
商品作物 例 カカオ,コーヒー,らっかせい,綿花
資料を見て,鉱産資源は北アフリカ,ギニア湾沿い,南アフ
⑵ 自然に適応した農業 暗記
焼畑農業
(熱帯地域),遊牧(さばく),オアシス農業(外来河
川流域・各地のオアシス)
,地中海式農業(地中海沿岸)
⑶ 鉱工業
リカに集中していることを確認する。
⑷ 不安定な経済 理解
特定の商品作物や鉱産資源の輸出に頼る
→輸出価格の変動が大きく,経済が不安定。
鉱産資源は豊富だが,工業の発達は遅れている。
⑷ 不安定な経済
モノカルチャー経済の国が多い。
4 アフリカの現状
⑴ アフリカの課題
・アフリカ全体の GDP
(国内総生産)が世界に占める割合は3
%未満。
・サハラさばく以南に貧しい国々が目立つ。
・南アフリカ→かつてアパルトヘイト(黒人差別の政策)
⑵ 都市化の進展
農村から都市への移住が進む。
都市部でスラムの拡大が社会問題に発展。
⑶ 地域統合への動き
アフリカ連合
(AU)
⑷ 外国の支援
近年中国との経済的結びつきが強まる。日本の外国への援助
資金の約3割がアフリカ向け。
4 アフリカの現状
⑴ アフリカの課題
GDP …一定期間に国内で生み出された付加価値の総額。
標準新演習 夏期テキスト 直列型 社会中 1 指導のポイント
北アメリカ州
8
◆指導ページ P.30 ∼ 33 ◆ 【指導のねらい】
★北アメリカ州の自然環境
(地形・気候)
,民族と文化の特徴について理解させる。
★北アメリカ州の産業の特徴,地域統合の流れをふくめた近年の動きなどについて捉えさせる。
重要事項の確認
補足知識・留意事項など
1 自然環境
1 自然環境
⑴ 地形
⑴ 地形
ロッキー山脈とアパラチア山脈
資料を見て,北アメリカ大陸の主な山脈・高原・草原・平
2つの山脈の間に,グレートプレーンズ,プレーリー中央平
原・川の分布を確認する。
⑵ 気候
原が広がる。
北緯 40 度以北→冷帯・寒帯・氷雪気候
ミシシッピ川
(北アメリカ大陸最長)
北緯 40 度以南(西経 100 度を境)
⑵ 気候
冷帯
(亜寒帯)
,寒帯,温帯,乾燥帯,地中海性気候
・東部→温帯
ハリケーンによる被害。
・西部→乾燥帯・さばく
・太平洋岸地域→温帯・地中海性気候
2 さまざまな民族と文化
⑴ アメリカ合衆国
→ヨーロッパ人の移民が先住民
(ネイティブアメリカン)から
奪った土地を開拓して建国。
→現在はアフリカ系,ヒスパニック,アジア系の人々も移住。
⑵ カナダ
イギリス系住民とフランス系住民
(ケベック州)
多文化主義の政策
3 アメリカ合衆国の農業
3 アメリカ合衆国の農業
⑴ 「世界の食料庫」…世界有数の農作物の生産国
⑴ 「世界の食料庫」
例 小麦・とうもろこし・大豆
⑵ 適地適作
⑵ 適地適作…地域の環境に適した農作物を生産すること。
①センターピボット方式
360 度回転するスプリンクラーを利用して土地を円形にする
年間降水量(西経 100 度)を境にして,西側の地域
で放牧,東部で農業地帯。
かんがい農業。
例 南東部→綿花
②フィードロット
牛にとうもろこしなどの飼料を与えて効率よく太らせる飼育
五大湖周辺→酪農
場。
中央部→小麦・とうもろこし・大豆
グレートプレーンズ→肉牛の放牧
⑶ 企業的な農業
少ない労働力で広い面積を経営する目的
→農業の機械化,コンピューターによる生産管理,バイオテ
クノロジーの利用。
⑷ アグリビジネス
農業関連産業に進出した企業で特に穀物メジャーは世界の穀
物市場に強い影響をおよぼす。
4 アメリカ合衆国の鉱工業
4 アメリカ合衆国の鉱工業
⑶ 世界への影響
⑴ 工業の発展
・豊富な鉱産資源を利用→工業都市が成長
(五大湖沿岸・大西
洋岸)
・大量生産方式
(流れ作業)
→世界一の工業国
⑵ 新しい産業の発達
先端技術
(ハイテク産業)
が発達
→世界経済のグローバル化を主導。
例 サンベルト地域のシリコンバレー
(カリフォルニア州)
⑶ 世界への影響
多国籍企業が多い。
多国籍企業…アメリカに本社を置き,世界中で経済活動を行
う企業。