News Release

NEWS RELEASE
(2015/02/12)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
〒060-0811 札幌市北区北 11 条西 10 丁目
TEL 011-706-2584 FAX 011-706-4930
E-mail: shomu@fsc.hokudai.ac.jp
URL: http://www.hokudai.ac.jp/fsc/
耕地圏ステーション生物生産研究農場の山田敏彦教授が
日本草地学会賞の斉藤賞を受賞しました
研究成果の概要
家畜飼料やバイオ燃料原料等のバイオマス利用されるイネ科植物の品種育成のために、DNA マーカー
開発やそれを利用した遺伝解析、有用遺伝子の単離・解明および導入などゲノム情報等を利用した基礎的
育種技術に関して国際共同研究を中心に開発研究を行った。一連の研究成果は、わが国草地の基盤となる
安定良質なペレニアルライグラス等の牧草品種育成に有益な知見を提供するとともに、世界のエネルギー
問題解決に向けてわが国の野草であるススキ属遺伝資源にスポットを与えた。
研究成果のポイント
・ イネ科植物向けの DNA マーカーの開発と多型解析による種や品種の変異性の解明
・ 牧草における DNA マーカーの連鎖地図の作成と農業形質に関する量的形質遺伝子座(QTL)の同定
・ 牧草の低温耐性等に関する遺伝子の解析
・ ライグラスとフェスクの雑種であるフェストロリウムに関する育種技術
・ ススキ属遺伝資源の評価と DNA マーカー多型解析による系統地理学的研究
・ 遺伝子組換えススキの作成とバイオマス育種に必要な遺伝子の解析
選考理由
ペレニアルライグラス等の牧草類とバイオマス用作物としてのススキ属植物の育種技術開発研究に、多
くの優れた業績を残したことが評価された。主な業績は、1)イネ科牧草におけるゲノム情報等を利用し
た基礎的育種技術、2)ススキ属植物におけるゲノム情報等を利用した基礎的育種技術であり、これらの
成果はライグラス類牧草やバイオマス用ススキ属植物の新品種育成に重要な基礎的知見として内外で高
く評価されている。関連する著書 18 編、論文 38 編(このうち本学会英文誌は 3 であるが、多くが一流国
際誌)など、極めて多くの業績を上げている。ライグラスゲノム国際コンソシアムへの参画や、バイオマ
ス作物として世界的に注目されるススキ属植物の遺伝資源に関する情報発信などの国際的な貢献に加え、
本学会英文誌編集委員長として国際化にも貢献したことも評価され、斉藤賞に相応しいと判断された。
出典:日本草地学会誌 60 (4): 286 (2015), 学会記事、2015 年度日本草地学会賞選考結果について(報
告)
お問い合わせ先
所属・職・氏名:北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・教授 山田敏彦
TEL/ FAX: 011-706-3644 E-mail: yamada@fsc.hokudai.ac.jp
ホームページ:http://www.fsc.hokudai.ac.jp/farm/agroecosystem/blog/staff/yamada-toshihiko/
http://researchers.general.hokudai.ac.jp/profile/ja.Cx6K0go2mH5dyv9OYCx7fg==.html
生物生産研究農場ではペレニアルライグラスが放牧草地に利用されている。この
牧草は家畜の生産性に優れた牧草であるが、低温耐性が十分でない。札幌市より冬
の寒さが厳しい、北海道の主要な酪農地帯である道東では安定した栽培ができない
ため、低温耐性品種の開発は、北海道の酪農業の発展に重要課題である。そのため、
低温耐性付与などについての基礎的な育種技術の開発を行った。
中国、韓国、日本で収集されたススキ系統(約 600 系統)について、生物生産研究
農場の圃場で形質評価を行うとともに、次世代シーケンサーを用いた DNA マーカー
解析から、系統の遺伝子構造を解明している。さらに、バイオマス育種に必要な遺伝
子の解析や遺伝子組換えなどの技術開発研究から、バイオマス用ススキ属植物の
新品種育成に重要となる基礎的研究知見を得た。