週刊原油

週刊原油
世界の原油情報がここに凝縮されています。
毎週木曜日午後発行
原油価格二日続落
発行日
:
2015/2/12
1月11日のNY原油3月限は▲1.18ドル安の48.84ドル。米エネルギー情報局(EIA)統計での予想以上の在庫増
加や、原油生産が過去最高を更新したことなど引き続き供給だぶつきに圧迫されることとなった。3月限は、夜間取
引終盤に前日の安値(49.86ドル)を割り込むと、立会い開始後は下げ幅を拡大。米石油協会(API)統計での原油
在庫増加や、米石油掘削リグ稼動数の減少も現時点では原油生産に影響をもたらしていないとの見方などが背景と
なった。また、米東部時間午前10時30分に発表されたEIA統計を受け、あらためて供給だぶつきが嫌気され、発表
後には48.05ドルまで下落。EIA統計では原油在庫が事前予想を上回り、受渡場所となるオクラホマ州クッシング原
油在庫は2013年7月19日の週以来の高水準となり、原油生産は週ベースでの過去最高を更新した。その後は一段と
売り込まれるまでには至らなかったが、中盤に50ドルちょうどまで急回復したのが精一杯で、終盤は戻り売りなど
に押さえられた。
石油製品は続落。留出油在庫の予想以上の減少も、原油安やガソリン在庫が予想を大きく上回ったことなどから、下
値を切り下げた。
ブレント原油期近3月限は大幅続落。あす12日に納会を控えるなか、米原油市場に追随する格好となり、EIA統計発
表後には下げ幅を広げると、一時、53.91ドルまで大幅に下落した。
サウジアラビアの国営サウジ通信(SAP)は11日、ヌアイミ石油鉱物資源相の発言を引用し、価格が安定してい
る兆しがあるなか、原油需要が回復していると伝えた。
SAPによると、同相はリヤドでアルジェリアのルス法務大臣と会談し、やや回復する市場について議論し、需要増
加、価格安定と産油国の間での協力の重要性が言及されたとのこと。
ゴールドマン・サックス・グループによると、原油価格の下落は終わっていないかもしれないとのこと。同行は
10日付けメモで、ニューヨーク原油期近が今年の最安値から14%反発することになった米石油掘削リグ稼動数減少
も供給削減には十分でなく、世界市場を再び均衡するためにはさらなら価格下落による米生産の鈍化が必要だとの見
方を示した。アナリストのダミアン・クルバリン氏は、米石油掘削リグ稼動数の減少は引き続き世界石油市場(の需
給)を均衡するために必要な水準にはないと述べた。
EIAが11日発表した2月6日までの週間石油統計は以下の通り。事前予想は原油在庫が前週比375万バレル増加、
ガソリン在庫が20万バレル増加、留出油在庫は125万バレル減少だった。ガソリン在庫は前週比160万バレル増 留
出油在庫は前週比49万7000バレル増・EIA、原油生産は日量922万6000バレル、前週比0.5%増。原油生産は
1983年1月の統計開始以降の高水準 原油在庫は週ベースで1982年8月以来の高水準 原油輸入は日量728万6000
バレル、前週比1.4%減 石油精製は日量1556万4000バレル、前週比0.1%増 製油所稼働率は90.0%、前週比
0.1%上昇 クッシング原油在庫は2013年7月19日の週以来の高水準 ガソリン需要は日量828万2000バレル、前
週比1.9%減 留出油需要は日量430万バレル、前週比16.7%増 (日本先物情報ネットワーク)
TOPICs
米国の石油状況
米国の原油在庫
米国の石油在庫
までの週
在庫量(千バレル)
原油在庫
ガソリン在庫
前週比(千バレル)
留出油在庫
原油
前年同月比(%)
ガソリン 留出油
原油
過去5年比(%)
ガソリン 留出油
203,565 116,850 ▲1,736 +1,805 ▲2,803 ▲0.2%
2014年11月14日 1,072,044 204,599 114,794 +2,608 +1,034 ▲2,056 +0.2%
2014年11月21日 1,073,990 206,424 113,146 +1,946 +1,825 ▲1,648 +0.2%
2014年11月28日 1,070,300 208,567 116,174 ▲3,690 +2,143 +3,028 ▲0.3%
2014年12月5日 1,071,752 216,764 121,751 +1,452 +8,197 +5,577 +0.1%
2014年12月12日 1,070,905 222,014 121,544 ▲847 +5,250 ▲207 ▲0.1%
2014年12月19日 1,078,172 226,097 123,847 +7,267 +4,083 +2,303 +0.7%
2014年12月26日 1,076,418 229,048 125,721 ▲1,754 +2,951 +1,874 ▲0.2%
2015年1月2日 1,073,354 237,163 136,926 ▲3,064 +8,115 +11,205 ▲0.3%
2015年1月9日 1,078,741 240,334 139,851 +5,387 +3,171 +2,925 +0.5%
2015年1月16日 1,088,811 240,922 136,579 +10,070 +588 ▲3,272 +0.9%
2015年1月23日 1,097,684 238,335 132,687 +8,873 ▲2,587 ▲3,892 +0.8%
+0.9%
+0.5%
+0.9%
+1.0%
+3.9%
+2.4%
+1.8%
+1.3%
+3.5%
+1.3%
+0.2%
▲1.1%
2015年1月30日 1,104,017 240,670 134,475 +6,333 +2,335 +1,788 +0.6% +1.0%
2015年2月6日 1,108,884 242,647 131,223 +4,867 +1,977 ▲3,252 +0.4% +0.8%
2014年11月7日 1,069,436
▲2.3%
▲1.8%
▲1.4%
+2.7%
+4.8%
▲0.2%
+1.9%
+1.5%
+8.9%
+2.1%
▲2.3%
▲2.8%
+1.3%
▲2.4%
原油
▲0.0%
+0.4%
+0.4%
+0.3%
+0.7%
+1.1%
+1.7%
+1.9%
+1.7%
+2.4%
+3.0%
+3.2%
+3.6%
+3.8%
ガソリン 留出油
▲1.6%
▲0.8%
▲1.3%
▲1.8%
▲0.1%
+1.4%
+2.2%
+2.8%
+5.2%
+4.8%
+4.5%
+2.5%
+2.9%
+3.7%
▲9.1%
▲10.0%
▲11.0%
▲9.8%
▲7.4%
▲7.4%
▲6.4%
▲7.2%
▲4.9%
▲3.6%
▲4.6%
▲5.9%
▲4.6%
▲5.3%
米国の原油在庫は5週連続で増加。ガソリン在庫は2週増加、留出油は大幅減少。過去5年平均では原油は+3.8%
多い水準で、ガソリンは+3.7%多い水準、留出油は▲5.3%少ない水準である。
米国におけるガソリン在庫量
米国における原油の在庫量
過去
5年
平均
20
12
年
1080000
1060000
20
13
年
1040000
1020000
20
14
年
1000000
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
980000
300000
250000
2012
年
200000
2013
年
150000
100000
2014
年
50000
2015
年
11月7日
11月14日
11月21日
11月28日
12月5日
12月12日
12月19日
12月26日
1月2日
1月9日
1月16日
1月23日
1月30日
2月6日
100000
2012
年
80000
2013
年
2014
年
60000
40000
2015
年
0
出所:EIA
日量千バ
レル
10000
前週比
千バレル 千バレル
9,063
9,004
9,077
9,083
9,118
9,137
9,127
9,121
9,132
9,192
9,186
9,213
9,177
9,226
120000
20000
+91
▲59
+73
+6
+35
+19
▲10
▲6
+11
+60
▲6
+27
▲36
+49
前年同月比
出所:EIA
米国の原油生産量
9000
米国の原油生産量
原油生産量
過去5
年平均
140000
0
20
15
年
原油生産量
までの週
160000
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
1100000
米国における留出油在庫量
過去5
年平均
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
1120000
過去5年比
8000
%
千バレル
%
過去5年平均
千バレル
%
+1.0%
▲0.7%
+0.8%
+0.1%
+0.4%
+0.2%
▲0.1%
▲0.1%
+0.1%
+0.7%
▲0.1%
+0.3%
▲0.4%
+0.5%
+1,082
+1,030
+1,058
+1,072
+1,043
+1,079
+1,016
+1,000
+987
+1,033
+1,134
+1,169
+1,133
+1,094
+13.6%
+12.9%
+13.2%
+13.4%
+12.9%
+13.4%
+12.5%
+12.3%
+12.1%
+12.7%
+14.1%
+14.5%
+14.1%
+13.5%
7,049
7,034
7,072
7,065
7,098
7,105
7,133
7,131
7,144
7,139
7,031
7,058
7,110
7,168
+2,014
+1,970
+2,005
+2,018
+2,020
+2,032
+1,994
+1,990
+1,988
+2,053
+2,155
+2,155
+2,067
+2,058
+28.6%
+28.0%
+28.4%
+28.6%
+28.5%
+28.6%
+28.0%
+27.9%
+27.8%
+28.8%
+30.7%
+30.5%
+29.1%
+28.7%
7000
6000
5000
4000
出所:EIA
米国の原油生産量は2月6日の州も前
年同月比+109万バレル増、過去5年平
均比でも205万バレル増の922万バレ
ルであった。前週からも+約5万バレル
増加している。
米国の石油製品出荷量
石油製品出荷量
までの週
11月7日
11月14日
11月21日
11月28日
12月5日
12月12日
12月19日
12月26日
1月2日
1月9日
1月16日
1月23日
1月30日
2月6日
出荷量(日量千バレル) 前週比(千バレル) 前年同月比(%)
石油製品 ガソリン 留出油
19,844
19,702
20,480
19,831
19,454
20,465
21,037
19,939
19,344
19,224
20,204
20,508
18,635
19,655
9,005
9,194
9,254
9,425
8,549
9,373
9,518
9,614
8,809
8,875
8,851
9,022
8,442
8,282
石油製品 ガソリン
3,967
3,794
4,120
3,574
3,466
4,240
4,304
4,235
2,865
3,943
4,524
4,567
3,684
4,300
留出油
+237 ▲157 +487
石油製品 ガソリン
▲2.2% ▲0.3% +4.7%
▲142 +189 ▲173 ▲3.6% +3.0%
+778
+60 +326
留出油
▲12.4%
+4.3% +3.9% +2.4%
▲649 +171 ▲546 ▲0.7% +6.2% +0.7%
▲377 ▲876 ▲108 +4.9% +2.4% +4.9%
+1,011
+824 +774
▲2.5% +4.0% +3.7%
+64
+2.7% +3.7% +3.2%
+96 ▲69
+4.9% +8.1% +27.8%
+572 +145
▲1,098
▲595 ▲805
▲120
+66
▲1,370
+6.2% +6.5% ▲5.2%
+1,078 +1.9% +10.6% +5.9%
+980 ▲24 +581 +6.6% +9.8%
+304 +171
▲1,873
+43
+19.7%
+2.3% +5.1% +1.0%
▲580 ▲883 ▲2.5% ▲0.1% ▲6.5%
+1,020 ▲160
+616 +6.0%
▲0.5% +17.0%
過去5年平均
過去5年比(%)
石油製品 ガソリン 留出油 石油製品 ガソリン 留出油
19,679
19,404
19,166
18,982
19,047
20,188
19,795
19,317
18,450
18,591
19,248
19,155
18,451
19,048
8,925
8,912
8,838
8,819
8,644
9,047
9,088
8,996
8,425
8,406
8,443
8,541
8,379
8,340
4,089
4,035
3,805
3,651
3,577
4,143
4,008
3,665
3,197
3,663
3,834
4,052
3,715
3,882
+0.8%
+1.5%
+6.9%
+4.5%
+2.1%
+1.4%
+6.3%
+3.2%
+4.8%
+3.4%
+5.0%
+7.1%
+1.0%
+3.2%
+0.9%
+3.2%
+4.7%
+6.9%
▲1.1%
+3.6%
+4.7%
+6.9%
+4.6%
+5.6%
+4.8%
+5.6%
+0.7%
▲0.7%
▲3.0%
▲6.0%
+8.3%
▲2.1%
▲3.1%
+2.3%
+7.4%
+15.6%
▲10.4%
+7.6%
+18.0%
+12.7%
▲0.8%
+10.8%
2月6日の週の石油製品出荷量は、石油製品が前週比100万バレル、留出油が+61万バレル増加したが、ガソリンは
▲16万バレル減少した。過去5年平均比では石油製品が+3.2%増、ガソリンは▲0.7%減、留出油は+10.8%増で
あった。
過去5年平均の数値は、その週までの過去5年平均から、過去5年の同時期(それぞれの年の2月初旬)平均に統一しました。
日量千バ
レル
日量千バ
レル
米国石油製品出荷量
22000
米国ガソリン出荷量
日量千バ
レル
12000
20000
過去5年
平均
2012年
19000
2013年
18000
2014年
17000
2015年
21000
過去5
年平均
2012
年
2013
年
2014
年
2015
年
10000
8000
6000
4000
4500
過去5年
平均
2012年
4000
2013年
3500
2014年
15000
0
2000
TOPICs
OPEC
Oil
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
2500
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
2000
Market
Report
2月号
出所:EIA
2015年
3000
16000
出所:EIA
米国留出油出荷量
5000
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
※
出所:EIA
Highlight
1月のOPECの原油バスケット価格は、15.08ドル約25%下落し平均44.38ドル/バレルと、
過去6年で最も安い価格となった供給過剰と需要の減退は続いており原油価格に重くのし
かかっている。1月のICEブレント原油価格は、▲13.51ドル安の47.33ドル/バレル、ブレン
ト価格とWTI価格のスプレッドは、2.43ドルに狭くなった。
原油価格
2014年の世界経済成長率は、前回と変わってらず、新興諸国や発展途上国の成長率の鈍化に
より2015年の成長率予想は、前回の3.6%から今回は3.4%に下方修正した。OECD諸国の
成長率は2014年が1.8%、2015年は2.2%であった。2015年の中国の伸び率は7.2%から
7%に下方修正され、インドは逆に経済成長の伸びが高まり5.8%から6%に上方修正された。ロシアは、0%成長に
縮小している。ブラジルは前回の1.0%から0.7%に下方修正された。
世界経済
原油需要
世界の原油需要は、2014年は前年比+96万バレル増と前回の予測を据え置いた。
2015年は前年比+117万バレル増と前回の予測を上方修正した。これは米国の
需要増を見込んだものである。
2014年の非OPEC諸国の原油供給量は、少し上方修正され、前年比+199万バレル増
となった。これは、OECD諸国、ブラジル、カザフスタン、及び中国における2014年第4
四半期の増加が寄与し、アゼルバイジャンや他のアジア太平洋地域、オーストラリア、
メキシコの下方修正を補った。2015年の非OPEC諸国の原油供給量は、前年比+86万バレル増で、前回の予測より
も▲42万バレル減となった。2015年のOPECの非原油から生産される原油生産量は、+20万バレル増の603万バ
レルと見込まれる。1月のOPECの原油生産慮は、▲5万3千バレル減の平均日量3,015万バレルとなっている。
原油供給
1月の大西洋地域での石油製品市場は強かった。
石油精製設備稼働率が低く、米国における軽質油・中質油の
クラックスプレッドが押し上げられた。また輸出の機会が
増加したことも欧州市場のサポートとなった。アジアでは、1月は製品市場は少し強気で、ナフサや燃料油の供給不
足が、ガソリンや中間留出油の増加による圧力があったがマージンを押し上げる要素となった。
製品市場と石油精製設備稼働率
Dirtyタンカーの市場は、悪天候や港湾到着の遅れ、船腹不足もあり、
センチメントは一般的に改善している。CleanタンカーのFreightは
East of Suezで改善している。しかひ、Westでは特にMedium-Range
のタンカー市場が弱い。OPECや中近東からの船舶は一カ月前のFreightより上がっており、北米や西アジア到着の
Freightが高くなり、欧州や極東到着のFreightは下落している。
タンカー市場
OECDの民間石油在庫は、12月は1,850万バレル減少し、
26億7,800万バレルになった。この水準は過去5年平均より4,300万バレル
多い。原油が7,800万バレル多く、製品は▲3,500万バレル少ない水準である。
OECD民間石油在庫の需要量見合い日数は58.6日分で過去5年平均より+1.7日分多い水準である。
在庫の動き
原油の需給バラン
OPEC原油生産の必要量は、2014年は前回のレポート同様日量2,909万
バレルであった。2015年は2,920万バレルと予想され、前回より40万
バレル増加している。
世界の原油需給バラン
世界の原油需給
OPEC Oil Market Report 2015年2月号
日量百万バレル 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
①
世界の需要
83.50 84.50 85.74 85.70 84.46 86.93 88.10 88.96 90.20 91.15 92.32
②
非OPECの供給 58.29 53.54 54.44 54.14 55.48 58.41 63.12 58.41 59.88 62.06 63.12
①-②=③ OPECに必要な生産量 25.21 30.96 31.30 31.56 28.98 28.52 24.98 30.55 30.32 29.09 29.20
OPECの実際の生産量 28.04 31.43 30.97 31.21 28.71 29.27 29.79 31.13 30.20 30.03 30.15
④
④-③
需給バランス
+2.83 +0.47 ▲0.33 ▲0.35 ▲0.27 +0.75 +4.81 +0.58 ▲0.12 +0.94 +0.95
※2015年のOPECの生産量は2015年1月のもの
2014年の世界の需要は日量9,115万バレル、非OPEC諸国からの供給はOPEC諸国の非原油からの原油も含めると
日量6,206万バレルとなり、OPECに必要な原油生産量、日量2,909万バレルであった。これは実際のOPECの生産
量の日量3,003万バレルと比較すると日量+94万バレルの生産過剰であった。同様に2015年は需要予想の9,232
万バレルに対し非OPECからの供給は6,312万バレルでありOPECに必要な生産量は2,920万バレルであるが、1月
のOPECの生産量は3,003万なので、このままだと、2015年も日量9,500万バレルの供給過剰の状態となる。
地域別非OPEC諸国の原油供給
非OPECからの供給
日量百万バレル 2009年 2010年 2011年
14.36 14.99 15.55
北米
4.73
4.39
4.06
西欧
0.64
0.60
0.57
OECD太平洋
OECD諸国合計 19.73 19.99 20.18
3.70
3.68
3.63
その他アジア
4.67
4.73
ラテンアメリカ 4.41
1.73
1.78
1.69
中近東
2.61
2.59
2.59
アフリカ
発展途上国合計 12.46 12.71 12.65
2012年 前年比 2013年 前年比 2014年 前年比
+0.56
16.74
3.77
0.56
21.07
+1.19
3.64
4.68
1.47
2.31
12.10
+0.01
13.26
0.14
4.15
17.55
50.75
2.12
5.57
58.41
+0.02
▲0.33
▲0.03
+0.19
▲0.05
+0.06
▲0.09
+0.00
▲0.06
12.96 13.22 13.24
旧ソ連邦
0.14
0.14
0.14
その他欧州
3.85
4.12
4.11
中国
その他地域合計 16.95 17.48 17.49
非OPEC合計 49.13 50.18 50.32
2.10
2.12
プロセスゲイン 2.00
+0.02
4.35
4.90
5.37
非OPEC供給合計 55.48 57.18 57.82
+0.47
OPEC非原油合計
OPEC Oil Market Report 2015年2月号
前年比
+0.00
▲0.01
+0.01
+0.14
+0.02
+0.64
▲0.29
▲0.01
+0.89
▲0.05
▲0.22
▲0.28
▲0.55
+0.00
+0.04
+0.06
+0.43
+0.00
+0.20
+0.59
18.13
3.58
0.48
22.19
3.59
4.78
1.36
2.40
12.13
13.41
0.14
4.24
17.78
52.10
2.13
5.65
59.88
+1.39
▲0.19
▲0.08
+1.12
▲0.05
+0.10
▲0.11
+0.09
+0.03
+0.15
+0.00
+0.09
+0.23
+1.35
+0.01
+0.08
+1.47
19.84
3.58
0.52
23.94
3.52
5.03
1.34
2.41
12.31
13.43
0.14
4.25
17.82
54.07
2.16
5.83
62.06
前年比%
+1.71 +9.4%
+0.00 +0.0%
+0.04 +8.3%
+1.75 +7.9%
▲0.07 ▲1.9%
+0.25 +5.2%
▲0.02 ▲1.5%
+0.01 +0.4%
+0.18 +1.5%
+0.02 +0.1%
+0.00 +0.0%
+0.01 +0.2%
+0.04 +0.2%
+1.97 +3.8%
+0.03 +1.4%
+0.18 +3.2%
+2.18 +3.6%
2,015年 前年比
前年比%
20.73
3.57
0.53
24.84
+0.89 +4.5%
3.54
5.09
1.28
2.41
12.32
+0.02 +0.6%
13.30
0.14
4.31
17.75
54.91
2.17
6.03
63.12
▲0.01 ▲0.3%
+0.01 +1.9%
+0.90 +3.8%
+0.06 +1.2%
▲0.06 ▲4.5%
+0.00 +0.0%
+0.01 +0.1%
▲0.13 ▲1.0%
+0.00 +0.0%
+0.06 +1.4%
▲0.07 ▲0.4%
+0.84 +1.6%
+0.01 +0.5%
+0.20 +3.4%
+1.06 +1.7%
★ 非OPEC諸国からの供給は、北米の伸びが著しい。2012年は前年比+158万バレル、2013年が+139万バレ
ル、2014年は+171万バレル増であったが、2015年は+89万バレル増に伸びが落ちる見込み。
★ ラテンアメリカは、2013年が+10万バレル、2014年は+25万バレル増となっているが、2015年は横ばい。
★ 旧ソ連邦は2012年が前年比▲10万バレル減であったが、2013年は+15万バレル、2014年は+2万バレルで
あり、2015年は再び▲13万バレルの減少となる。
★ OPECによる天然ガス由来等の非原油からの原油生産量が、着実に伸びている。2012年は前年比+20万バレル
増、13年は+8万バレルだが、2014年は再び+18万バレル、2015年も+20万バレル増加する見込み。
地域別世界の需要
世界の原油需要
日量百万バレル
アメリカ
欧州
アジア太平洋
OECD諸国合計
その他アジア
ラテンアメリカ
中近東
アフリカ
発展途上国合計
旧ソ連邦
その他欧州
中国
その他合計
世界の需要合計
OPEC Oil Market Report 2015年2月号
2009年 2010年 2011年 前年比 2012年 前年比 2013年 前年比 2014年 前年比
23.30
14.52
7.33
45.47
9.83
5.88
7.09
3.25
26.04
3.97
0.73
8.25
12.95
84.46
23.62
13.77
8.58
45.98
10.86
6.27
7.59
3.46
28.18
4.41
0.64
9.74
14.80
88.96
24.39
13.31
8.02
45.71
11.53
6.90
8.34
3.83
30.60
4.56
0.86
10.77
16.01
92.32
+0.77
▲0.46
▲0.56
▲0.27
+0.67
+0.63
+0.75
+0.37
+2.42
+0.15
+0.22
+1.03
+1.21
+3.36
23.62
13.77
8.58
45.98
10.86
6.27
7.59
3.46
28.18
4.41
0.64
9.74
14.80
88.96
▲0.77
+0.46
+0.56
+0.27
▲0.67
▲0.63
▲0.75
▲0.37
▲2.42
▲0.15
▲0.22
▲1.03
▲1.21
▲3.36
24.08
13.61
8.32
46.01
11.06
6.50
7.81
3.63
29.00
4.49
0.64
10.07
15.20
90.20
+0.46
▲0.16
▲0.26
+0.03
+0.20
+0.23
+0.22
+0.17
+0.82
+0.08
+0.00
+0.33
+0.40
+1.24
24.18
13.40
8.14
45.73
11.28
6.70
8.06
3.74
29.78
4.54
0.65
10.46
15.65
91.15
前年比%
+0.10 +0.4%
▲0.21 ▲1.5%
▲0.18 ▲2.2%
▲0.28 ▲0.6%
+0.22 +2.0%
+0.20 +3.1%
+0.25 +3.2%
+0.11 +3.0%
+0.78 +2.7%
+0.05 +1.1%
+0.01 +1.6%
+0.39 +3.9%
+0.45 +3.0%
+0.95 +1.1%
2,015年 前年比
24.39
13.31
8.02
45.71
11.53
6.90
8.34
3.83
30.60
4.56
0.86
10.77
16.01
92.32
前年比%
+0.21 +0.9%
▲0.09 ▲0.7%
▲0.12 ▲1.5%
▲0.02 ▲0.0%
+0.25 +2.2%
+0.20 +3.0%
+0.28 +3.5%
+0.09 +2.4%
+0.82 +2.8%
+0.02 +0.4%
+0.21
+32.3%
+0.31 +3.0%
+0.36 +2.3%
+1.17 +1.3%
★ 非OPEC諸国からの供給は、北米の伸びが著しい。2012年は前年比+158万バレル、2013年が+139万バレ
ル、2014年は+171万バレル増であったが、2015年は+89万バレル増に伸びが落ちる見込み。
★ ラテンアメリカは、2013年が+10万バレル、2014年は+25万バレル増となっているが、2015年は横ば
い。
★ 旧ソ連邦は2012年が前年比▲10万バレル減であったが、2013年は+15万バレル、2014年は+2万バレルで
あり、2015年は再び▲13万バレルの減少となる。
★ OPECによる天然ガス由来等の非原油からの原油生産量が、着実に伸びている。2012年は前年比+20万バレル
増、13年は+8万バレルだが、2014年は再び+18万バレル、2015年も+20万バレル増加する見込み。
OPECによる2014年度の需要予想の月ごとの予測推
日量百万バレル
2014年2
月
2014年3
月
2014年4
月
2014年5
月
2014年6
月
2014年7
月
2014年8
月
2014年9
月
2014年の世界の需
要
90.98
91.14
91.15
91.15
91.14
91.13
91.11
91.19
91.19
91.19
非OPEC諸国の原油供給
55.4
55.5
55.6
55.6
55.6
55.7
55.7
55.9
55.9
OPEC諸国の非原
油からの供給
6.0
6.0
6.0
5.8
5.8
5.8
5.8
5.8
非OPECの供給合計
61.4
61.4
61.5
61.4
61.5
61.5
61.5
OPECに必要な生産量
29.6
29.7
29.7
29.8
29.7
29.7
29.6
OPECによる2014年の原油需要予想推移
91.3
91.1
2015年1
月
2015年2
月
91.13
91.15
91.15
55.9
56.0
56.2
56.2
5.8
5.8
5.8
5.8
5.8
61.7
61.7
61.7
61.8
62.1
62.1
29.5
29.5
29.5
29.4
29.1
29.1
OPECによる2014年の非OEPC諸国の
原油供給予想推移
91.19
91.1491.11
91.1391.15
91.2
2014年10 2014年11 2014年12
月
月
月
56.5
56.23
55.9155.95
56
55.69
55.5555.64
55.43
55.2755.32
55.5
55.08
90.98
91
90.84
90.9
90.78
90.890.75
90.7
55
90.6
90.5
54.5
OPECによる2014年の需給予測予想推
移
OPECの実際の生産量
★
★ OPECによる2014年の原油の需要見通しは、そ
OPECによる2014年の原油の需要見通しは、そ
れほど大きく変わっていないが、供給の見通しは年末
れほど大きく変わっていないが、供給の見通しは年末
から今年にかけて増加傾向をたどっている。当初より
から今年にかけて増加傾向をたどっている。当初より
北米の原油生産量の増加幅が大きかったことが見て取
北米の原油生産量の増加幅が大きかったことが見て取
れる。
れる。
OPEC生産必要量
32
5
供給過剰分(▲は不
足)
30
4
30.347
29.61
3
0.737
1
2
0
28
-1
OPECによる2015年度の需要予想の月ごとの予測推
日量百万バレル
2014年8
月
2014年9
月
2015年の世界の需要
92.32
92.38
92.38
92.38
57.0
57.2
57.2
57.2
非OPEC供給
非OPEC諸国の原油供給
OPEC諸国の非原油からの供給
OPEC生産必要量
2014年10 2014年11 2014年12
月
月
月
2015年1
月
2015年2
月
92.26
92.30
92.32
57.3
57.5
57.1
6.0
6.0
6.0
6.0
6.0
6.0
6.0
62.97
63.19
63.19
63.19
63.34
63.52
63.12
29.4
29.2
29.2
29.2
28.9
28.8
29.2
★ OPECによる2015年の原油の需要見通しは、2月になって需要が2万バレル増、非OPECの生産量が▲4万バ
レル減と少しタイト目に調整されたが、日本経済新聞が書くほどの大ゲサなものではない。
OPECによる2015年の原油需要予想推移
OPECによる2015年の非OEPC諸国の
原油供給予想推移
95
94
93
92.38
92.32
92.26
57.6
57.5
57.4
57.3
57.2
57.1
57
56.9
56.8
56.7
56.6
92.32
92
91
90
89
88
57.49
57.31
57.16
57.09
56.96
OPECによる2015年の需給予測予想推
OPECの実際の生産量移 供給過剰分(▲は不足)
OPEC生産必要量
32
5
4
NY原油に対するファンドの建玉
(ネット買い残と価格の相関係数0.85)
3
30
600,000枚
2
28
1
500,000枚
0
400,000枚
-1
300,000枚
$120
$110
$100
$90
$80
$70
200,000枚
$60
100,000枚
$50
$40
までの週
取組高
買い残
11月4日 2,373,870枚 412,129枚
11月11日 2,390,808枚 410,381枚
11月18日 2,074,609枚 400,309枚
11月25日 2,052,379枚 397,158枚
12月2日 2,211,505枚 402,027枚
12月9日 2,285,895枚 406,353枚
12月16日 2,267,373枚 440,503枚
12月23日 2,285,073枚 424,304枚
12月30日 2,343,842枚 429,543枚
1月6日 2,500,091枚 453,041枚
1月13日 2,687,656枚 492,779枚
1月20日 2,497,521枚 486,621枚
1月27日 2,610,239枚 502,295枚
2月3日 2,727,047枚 489,420枚
前週比 +116,808枚 ▲12,875枚
2ヶ月前比 +515,542枚 +87,393枚
売り残
ネット買い残
127,289枚 284,840枚
増減
価格
1月4日
9月4日
11月4日
7月4日
5月4日
3月4日
1月4日
9月4日
11月4日
7月4日
5月4日
3月4日
1月4日
9月4日
ファンドの建玉
11月4日
0枚
TOPICs
NY原油に対するファンドの建
玉
$120.0
(ネット買い残と価格の相関係
$110.0
数0.85)
+2,434枚
$77.2
+4,344枚
124,096枚 276,213枚 ▲12,971枚
$77.9
200,000枚
$74.6
180,000枚
127,148枚 270,010枚
▲6,203枚
$74.1
160,000枚
110,670枚 291,357枚 +21,347枚
$66.9
140,000枚
111,005枚 295,348枚
$63.8
120,000枚
$90.0
100,000枚
$80.0
80,000枚
$70.0
121,197枚 289,184枚
+3,991枚
120,910枚 319,593枚 +24,245枚
ネ
ッ
ト
買
い
買
残
い
残
$55.9
103,967枚 424,304枚 +103,967枚
$57.1
117,841枚 429,543枚 +117,841枚
$54.1
138,137枚 453,041枚 +138,137枚
$47.9
166,645枚 492,779枚 +166,645枚
$45.9
161,979枚 486,621枚 +161,979枚
$46.4
178,114枚 502,295枚 +178,114枚
$46.2
161,369枚 489,420枚 +161,369枚
▲16,745枚 ▲12,875枚
$53.1
60,000枚
40,000枚
$100.0
$60.0
20,000枚
$50.0
0枚
$40.0
+50,699枚 +198,063枚
★ NY原油に対するファンドの建玉は、ネット買い残が増加の一途となっている。すでに12月3日から10週間連
続で買いが増えている。その一方で、売り残も前週からは▲1万2千枚買い戻されたが、まだ16万枚の売りがあ
る。
今後の予想
NY原油は上昇して、その分下落している。米国の原油在庫が積み増されているためであるが、需給が緩んでいる
ことは以前から変わりない。それが、NY原油50ドルが適切であるかどうかという点であろう。ファンドのネット買
い残が増え続けといることから見ると、ファンドは下げ過ぎと見ているのではなかろうか。一方では、ゴールドマン
サックスやシティーバンク等金融機関系のアナリストはまだ下がると述べている。しかし市場心理からは、ここから
さらに売り込むのは自信が無いであろう。おそらくこうした金融機関は売りポジションの買い戻しを狙って売る顧客
を探しているのではなかろうか。世界の景気は徐々に回復しているのであり、原油需要がどんどん少なくなるという
ニュースはない。これまでどおりの需要があり、供給は米国が増産しているという構図である。それは原油価格を押
し上げる勢いはないが、下げ過ぎは是正されるものと思われる。
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