第65号 - 東邦大学医療センター大森病院

平成27年3月10日発行
先端健康解析センター 中嶋 均
教授(昭和54年・弘前大学卒)
PET検診の開始について
当センターは、2011 年 8 月から業務を開始した大森病院での検診業務を担当する部門です。これまで CT
コロノグラフィー、MR マンモグラフィー、女性骨盤検診 MR など最先端の画像検査を駆使した項目に絞っ
てスタートし、現在も進行中であります。今春、大森病院では待望の PET/CT が導入され、稼働いたしま
した。当センターではこれまでの項目に、この PET/CT を加えた検診を計画しており、近日中に地域の皆
様にご提供できる予定です。今回はこの PET 検診を中心にご紹介いたします。
PET/CT の原理を簡単に申しあげますと、シンチグラムと CT 検査をドッキングさせたような検査方法
です。シンチグラムはよく知られていることですが、弱い放射線を放出する薬剤(放射性同位元素を含む)
を注射し、その薬剤が体内に蓄積する部位から病変の存在や質的診断を目的とする検査方法で、現在も大
森病院では日常診療で多用されている放射線科で施行されている検査の方法です。PET/CT はさらにこの
検査(特に腫瘍病変に集積する放射性同位元素を使用)に、これも現在毎日多数の患者さんに受けていた
だいている CT(スキャン)検査を組み合わせた検査方法で、主として腫瘍の診断に用いられる最先端の検
査のことです。この検査により病変の有無および、もし病変が疑われる場合には同時に撮影される CT に
よる断層像からより正確な診断が可能とされています。
我々先端健康解析センターでは、この優れた PET/CT を利用したさまざま検診をご提供いたします。
・がん検診コース
PET検査による画像検査と、採血による腫瘍マーカーやペプシノーゲンの値などのチェックを組み合わ
せた、がんだけを徹底的に拾い上げる検診コースです。
・もの忘れ検診コース
PET検診でがんのチェックを行いつつ、認知症についても不安がある方にお勧めのコースです。
・消化器機能検診コース
PET検診でがんのチェックを行いつつ、呼気試験(呼吸によって出てくる呼気ガスを解析する)を加え
ることにより膵臓の働き、肝臓の働き、吸収不良などに関しても検査ができますので、通常の検査では異
常がないといわれているが、やはりがんをはじめ他の病気がないか心配な方にお勧めです。
区南部では最初に導入されるこの最新鋭の検査装置PET/CTの検診を是非皆様ご利用ください。
先端健康解析センター
03−5763−6707(直通)
(受付時間 月曜日∼金曜日10:00∼12:00、13:00∼16:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター
平成27年3月10日発行
総合診療内科 瓜田 純久
教授(昭和60年・東邦大学卒)
幅広い対応と特徴的な診療を展開する東邦大学総合診療科
総合診療科は全国70大学に存在しますが、その60%以上は入院がなく、1日1ブース程度の外来です。
一度総合診療科で診察を受けた患者さんは、つぎの外来の予約をすることはなく、もっとも適切な診療科
に振り分けられることになります。初診で素晴らしい先生と出会っても、その先生と次の機会にお会いす
ることができないのが辛いところです。また、紹介状がなければ受診できない総合診療科が多く、希望す
る医師の診察を受けるだけでも、患者さんは大変です。
一方、東邦大学総合診療科では初診・救急から入院治療まで行っている、全国で数少ない総合診療科です。
外来患者数、入院患者数は公開している大学病院の中で最も多く、対応させていただく疾患は広範囲に及
びます。多くの疾患や症候は、医師の力量や地域差の影響がないように、国際的な診療指針ガイドライン
が定められ、画一的な診療が進められています。しかし、ガイドラインの通りに診療を進めても、身体の
不調の原因がわからない場合、診断がついても症状がよくならない場合が少なくありません。慢性疾患で
は経過とともに問題点が変化し、異なる治療が必要となる場合もあります。また、高齢化とともに複数の
病気に悩まされる方が多くなるのは容易に理解できます。
東邦大学総合診療科には、複数の疾患に悩む方、そして専門診療科で診察しても原因が明らかではない方、
多くの画像診断で異常がないのに調子が悪い方など、多くの方が北海道から九州までの広い地域から紹介
されてきます。複雑な背景を抱えた方を診療するためには、柔軟な思考力、スムーズな臨床力が必須です。
しかし、限られた時間でそれを鍛え、維持することは容易ではありません。限られた疾患、紹介状のある
方だけに対応していますと、思考回路は限定的になってしまうため、日々の診療で思考回路を鍛えること
は臨床医として極めて重要な点であると考えています。地域医療を担う先生にお手本となる方が多く、地
域との連携は大学病院の医師にとっても極めて重要です。良好な病診連携により、患者さんに提供する医
療の向上を目指しています。
同時に、東邦大学総合診療科では総合的な診療を行うため、循環器・消化器・呼吸器・感染症・栄養代謝・
脳神経・腎・がん治療など、多くの研究を行っています。その成果を臨床現場に反映し、よりよい医療の
提供に繋げるように努めています。
「身近な存在の東邦大学総合診療科で、当たり前のように提供されてい
る医療」が、実は「考え抜かれた最適の医療」である、そんな存在でありたいと考えています。
診療予約
診療日
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医療機関専用電話
パートナー
03−3762−6616(直通)
(受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00)
(休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10)
瓜田 純久 教授:初診/月曜日午前
再診/火曜日午前
水曜日午前・午後
金曜日午前
東邦大学医療センター大森病院
Toho University Omori Medical Center
〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1
03−3762−4151(代表)
http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/
発行元:地域医療支援センター