強制薄膜式リアクターを用いた銀銅ナノ粒子の作製

229
研究論文
J、Jpn、SOC・ColourMater.,85〔6〕,229-234(2012)
強制薄膜式リアクターを用いた銀銅合金ナノ粒子の作製
前川昌輝*,**,↑・本田大介*・榎村虞一*・酒井秀樹**,***・阿部正彦**,***
*エム・テクニック㈱大阪府和泉市テクノステージ2-2-16(〒594-1144)
掌*東京理科大学大学院理工学研究科千葉県野田市山崎2641(〒278-8510)
…東京理科大学総合研究機栂千葉県野田市山崎2641(〒278-8510)
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(2011年11月16日受付;2011年12月31日受理)
要 旨
強制薄膜式リアクターを用いてAgCl1ナノ粒子の作製を検討した。硝酸銀と硝酸銅をAg:Cu=85:15,70:30と50:50(mo1%)
でエチレングリコールに溶解きせた溶液に還元剤溶液を加え,AgCu粒子を同時還元析出させる方法を用いた。還元剤溶液には,還元
剤としてヒドラジンー水和物,pH調整剤として水酸化カリウム,保護剤としてポリビニルピロリドン(M=40,000)をエチレングリ
コールに溶解させた溶液を用いた。作製した粒子を正M-EDS,STEM-EDS,XRD,ICPおよびDSCを用いて分析した。その結果,10
∼20,m程度の粒子径で,原料配合組成をもつAgCu合金ナノ粒子が生成することを明らかにした。
キーワード:ナノ粒子,銀,銅,強制薄膜,マイクロリアクター
般的には均一化しづらいと考えられている原子を均一混合する
1.緒論
銀(Ag)ナノ粒子は,低温焼結性・高電導特性により,プリ
ンテッドエレクトロニクス材料としての研究・開発が進められ
場合においても,その効果が期待される。本研究では,強制薄
膜式リアクターを用いたAgとCuとの同時湿式化学還元法によ
るAgCu合金ナノ粒子の作製について報告する。
ている。しかし,Agはエレクトロマイグレーションを起こしや
2.実験装置および実験方法
すく,実用化に向けて耐エレクトロマイグレーション‘性の改善
が望まれている。また,貴金属であり高価であるため,その代
2.1実験装置
替材料の研究・開発が進められている。銅(Cu)が代替材料の
AgCu合金ナノ粒子の作製に用いた強制薄膜式リアクター
一つであるが,ナノ粒子化すると酸化の問題が懸念される。そ
(ForcedThinFilmReactor:エム・テクニック製:ULREA‐
こでAgCu合金ナノ粒子が検討されている。AgとCuを合金化
SSll,以降FTFRと略記)のフロー図をFig.1に示す。流体A
することで耐酸化性に優れ,かつ耐エレクトロマイグレーショ
はタンクから圧縮空気にて反応部に送液され,流体Bはプラン
ン性を向上した高電導材料が創製できると考えられている。さ
ジャーポンプ(エム・テクニック製)によって反応部に送液さ
らに,耐エレクトロマイグレーション性の向上には,AgとCu
とが原子レベルで均質に混ざり合うことでより性能向上が期待
されることから,固溶体化したAgCu合金ナノ粒子が待望され
れる。本実験では,流体Aが金属源溶液,流体Bが還元剤溶液
ている')。しかし,Ag-Cu二成分状態図からは,AgとCuとは
応部の概念図をFig.2に示す。反応部は,下部の回転ディスク
と,軸方向には可動であるが回転方向には固定された固定ディ
固溶体を形成しないことがわかる2)。一方,Hume-Rothery則や
それらの原子半径などを用いた計算結果からは,準安定相とし
て固溶体を形成することが示されている。また,固溶組成の液
相からの急冷凝固やメカニカルアロイング等によって固溶体が
とした。また,流体Aおよび流体Bは反応部に導入される直前
に,熱交換器によって所定の温度に調節して送液した。次に反
スクからなる。流体Aは,ディスクの内側からディスク間に送
液される。2枚のディスク面に鏡面加工を施しており,運転停
生成することが知られている3.8)。
の与画凸●ーg■
これまでに筆者らは,湿式化学還元法を用いた金属ナノ粒子
の作製に際して,強制薄膜式リアクターが有用であることを見
いだしてきた9)。強制薄膜式リアクターとは,膜厚が数マイク
胤鷺世/-肖序三盆
ロメートル程度の強制薄膜中において混合・反応を行う装置で
ある。この強制薄膜中において液体を混合することにより,急
速な原子・分子レベルでの混合・拡散が起こり,瞬間的な反応
が可能となる。また,通常のバッチ式反応における熱分布や濃
度分布の問題を軽減できる。このようなことから,固相析出を
ともなう反応においては,均一な粒子の作製が可能となり,一
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231
強制薄膜式リアクターを用いた銀銅合金ナノ粒子の作製
ぴWilliamson-Hall法にはPseudoVoigt関数を使用し,非対称性
次にSTEM-EDSを用いて得られた粒子全体のAgとCuの元素
を加えて計算を行った'0)。示差走査熱量測定にはDSC−6C
分布状態を調べた。Fig.4にEX.'およびEX2のHAADF像と,
それらのAgおよびCuのマッピング像を示した。図中のオレンジ
色はAgのマッピング像であり,赤色はCuのマッピング像であ
(DSC,島津製作所製)を用いた。試料セルにはアルミクリンブ
セル(('5.8mm×t1.5mm),標準試料にはo(戸アルミナを使用し,
測定試料は5mgとした。測定条件はN2フロー(30ml/min.),
る。その結果,AgとCuは共存して粒子を形成していたが,そ
れらの分布状態は正確には一致していないことが観察された。
昇温速度20℃/min、である。
3.結果および考察
しかし,一つの粒子のAg:Cuモル比率は仕込み比率とほぼ一
致していることを確認した。これらの結果から,FTFRで作製
30およびEX3でAg:Cu=50:50(mo1%)の仕込み比率に
し,FTFRで作製したAgCu合金ナノ粒子のTEM写真をFig.3に
したナノ粒子はAgCu合金を形成していることが想定された。
そこで本研究で得られたAgCu合金ナノ粒子の結晶構造評価
を試みた。まず,Fig.5にFTFRで作製した粒子および300℃で
示した。左側の写真はスケールバーが50,mのものであり,右
の熱処理後のXRD測定結果を示した。なお,比較のためにAg
最初に,EX1でAg:Cu=85:15,EX2でAg:Cu=70:
側の写真はそれの10倍に拡大したスケールバーが5,mのもの
である。いずれの場合も,粒子内の格子像から5,m程度の結晶
子によって10∼20,mの粒子が形成していることが観察され
籍
た。また,生成した粒子は凝集せず,独立に存在していること
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鴬
EX1AgmappIng
EX1CumappIng
顎画』
がわかった。
霧
寺
そこでTEM-EDSを用いて独立した粒子50個についてのAg:
Cuモル比率の平均値およびICP測定結果をTable2に示した。
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TEM-EDS計測結果とICP測定の結果から,それらの分析値は
A解84.2(、。1%)
仕込みモル比率にほぼ一致していることを明らかにした。
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J、Jpn、SOC、ColourMate1..,85〔6〕(2012)
研 究 論 文
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とCuの試料の回折線も合わせて示した。FTFRで作製した
AgCu合金ナノ粒子の回折線は,広幅化していることが観察さ
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れた。また,いずれも比較試料として用いたAgの回折位置に
近いことがわかった'2)。このことは,AgCu合金ナノ粒子は非
常に微細な粒子で構成され,その母構造はAgの結晶格子に由
HRTEMandSTEM−EDSresultsofAgCunanoparticles
manufaclul・edbyFTFRunderEX3condition[(a)
HRTEMimage,(b)EDSchartwithresultofquanIjtalive
analysis,(c)HAADFimage,GI・eensquareindicatesa
mappingarea.(。)Agmapping,(e)Cumappingl
来することを示唆した。
一方,これらを300℃で熱処理することで得られた試料の回
さらにAgCu合金の格子定数の変化について詳細に検討する
折線は鋭くなり,またFCC構造のCuと一致する回折ピークを
ため,Vegard則から求めた格子定数と急冷凝固にて作製された
含んだAgとの混合体へと分離したように観察された。さらに
Cuと一致する回折ピークは,Cuの仕込み比率が増加するにと
AgCu固溶体の格子定数についてCu比率に対する変化であらわ
もない(Exlから3の順に),その相対強度が強くなった。
次にFTFRで作製したAgCu合金ナノ粒子の結晶構造を詳細
に解析するために,Rietvelt解析およびWilliamson-Hall法を用
いて求めた格子定数,結晶子サイズおよび格子歪みをTable3に
まとめた。また,これらの試料について300℃での熱処理後の
試料についても同様に算出した結果を示した。なお,熱処理した
試料については,AgとCuとの二相として解析した。FTFRで作
した図をFig.6に示し比較した8)。FTFRで作製したAgCu合金
ナノ粒子の格子定数の変化は,Vegard則から求めた格子定数の
変化および急冷凝固にて作製されたAgCu固溶体の格子定数の
変化とは明らかに異なることがわかった。このことは,FTFR
で作製したAgCu合金ナノ粒子は,Ag結晶格子中のAgとCuと
の置換型固溶体では説明できないことを示唆した。また,FTFR
で得られたAgCu合金ナノ粒子の格子定数は母構造のAg結晶格
子よりも大きくなることもわかった。これは結晶格子に,より
製した粒子は,いずれについてもAgの格子定数(0.408611m)8)
と比較して格子定数は大きくなっていることがわかった。また,
大きな格子歪みが生じ,それによって格子が膨張していること
原子半径の小さなCuの仕込み比率の増加とともに格子定数も
そこで一つの粒子内の組成を詳細に調べるためにHRTEMお
小さくなる傾向が示唆された。結晶子サイズは5∼6,m程度で
よびSTEM-EDSを用い,EX3[Ag:Cu=50:50(mo1%)]
で作製した粒子のHAADF像とマッピング結果に加えて,高分
も考えられた。
あり,Fig.3に示したTEM観察結果の一次粒子の大きさに一致
した。また,AgCu合金ナノ粒子には格子歪みを含んでいるこ
解能TEM像とEDSチャートを合わせてFig.7に示した。EDSチ
ャートは,高分解能TEM写真[(a)]で示した粒子全体[(b)-1]
とが示唆された。
−4−
湧粥
強制薄膜式リアクターを用いた銀銅合金ナノ粒子の作製
Table4ResultsofquantitativeanalysisofaImealedsamplesbyXRD.
EX、3afterannealed
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哩一蕊一抑
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郷一恋一皿
蝋引剥﹃︵・弓園︶誇る屠蔦の西
EX・NC
3
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Temp1℃1
Fig.8DSCtracesofAgCunanoparticlesmanufactul・edby
FrFRandalmealedsample.
とスポット[(b)-2=point①,(b)-3=point②]分析の結果を
示した。粒子全体のEDS測定結果から仕込み比率とほぼ一致し
ていることを確認した。また,マッピング像からAgとCuとは
共存して粒子を形成していることがわかったが,(b)-2および
(b)-3に示したように,一つの粒子内部では,Ag:Cu分布の差
異が確認された。このような一つの粒子内部で元素分布の濃度
Fig.9TEMmicrographofaImealedsample(EX3)
差異が生じることによって格子歪みが多く生じていることも想
定され,Table3に示したようにAgCu合金ナノ粒子の格子歪み
の増大の要因とも考えられる。
FTFRで作製したAg結晶格子の格子間位置にCuが侵入した侵入
型固溶体は準安定相として生成し,その大きな格子歪みのエネル
以上のことを総合的に検討した結果,本研究のFTFRで得ら
ギーを解放するために,200∼350℃の熱的刺激により,固溶体
れたAgCu合金ナノ粒子は,FCC構造のAg結晶格子の格子間位
の分解とAgとCuとの二相の結晶化による反応がDSCに発熱ピ
置にCuが存在する侵入型固溶体を形成し,その格子歪みを増
ークとして生成したものと想定した。さらにはTable3に示した
大させているものと考えた。
ようにこの現象によって格子歪みの低下の要因を裏付けた7,'1)。
一方,熱処理後の試料の格子定数の値は,すでに示した
一方,これらのDSCの結果を換言すれば,FTFRで作製した
Table3の加熱処理前のそれとはまったく異なり,AgとCu
(0.361511m)s)のそれぞれの単一相の格子定数とほぼ一致した。
侵入型固溶体であるAgCu合金ナノ粒子は,少なくとも約
200℃までは熱的に安定に存在するとも言える。
また,熱処理後の試料のXRD回折線から求められる結晶子サ
そこで熱処理後の結果を用いてAgとCuの定量分析を行った
イズはAg:Cuモル比率の仕込み比率の変化とともに大きくな
結果をTable4に示した。熱処理後の試料の分析値も仕込みの
り,逆にそれらの格子歪みは小さくなることがわかった。この
Ag:Cuモル比率とほぼ一致する値が得られた。また,Fig.9に
ことは,FrFRで得られた侵入型固溶体であるAgCu合金ナノ粒
代表例としてEX3の熱処理後の粒子のTEM観察結果を示した。
子は,この侵入型固溶体が準安定相として存在していること,
写真から明らかなように,熱処理後の試料においても粒子径は
また300℃での熱処理によってAgCu固溶体組成からAgとCu
10∼201'm程度であり,熱処理前からの粒子径の変化は見られ
との二相に分解し結晶化することで格子歪みを解放しているこ
なかった。また,これらの粒子径はTable3に示した熱処理後の
とが想定された。
AgおよびCuの結晶子サイズに一致していた。よってFTFRで
このように300℃での熱処理によってAgCu固溶体組成から
AgとCuとの二相に分解していることから,FTFRで得られた
AgCu合金ナノ粒子についてDSC測定による熱的評価を行った。
作製した粒子は,300℃の熱処理によって同一粒子内部でAgCu
合金が分解し,結晶化しながらAgとCuとがそれぞれに粒成長
したものと考えられる。
Fig.8にAgCu合金ナノ粒子のDSC測定結果を示す。FIFRで
以上の結果より,FTFRを用いて作製したAgCu合金ナノ粒子
作製した粒子について200∼350℃付近に非常にブロードな発
は,原料調合組成どおりにCuが15∼50(mo1%)程度までAg
熱ピークが確認された。また,この発熱ピークのうち高温側の
250∼350℃のピークはCuの仕込み比率が増加するにともない
と混ざりあった10∼20,m程度のAgCU合金ーノ粒子であるこ
とがわかった。その合金の結晶構造は,Agの構造中にCuが侵
高温度側にシフトし,ピーク面積は増大する傾向を示した。一
入した侵入型固溶体の形成を明らかにした。
方,最上段に示したように一度熱処理した試料は再測定を行っ
4.まとめ
ても発熱などのピークを確認することはできなかった。よって
本研究で作製したAgCuナノ粒子は,Cuが15∼50(mo1%)
熱的に不可逆的な変化が起こっていることがわかった。これは
−5−
234
研 究 論 文
程度でAgと混ざりあった10∼20,m程度のAgCu合金ナノ粒子で
J・JpnSoc、ColourMater.,85〔6〕(2012)
−(2002).
あり,その合金組成は仕込み比率で調整できることを明らかに
3)S、Xiong,W、Qi,B,Hua、9,M.Wang:CAem.PAys・Chel".,12,
した。また,その合金構造は,Ag結晶格子の格子間位置にCuが
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侵入した侵入型固溶体の形成をXRD測定・解析,DSC測定等
1317(2011).
から明らかにした。AgCu合金ナノ粒子は粒子同士の凝集性も
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なく,200℃程度の耐熱性も有することから,今後のプリンテ
6)S,Zgha1,M.』・Hytch,』.-P,Chevalier,R,Twesten,RWu,P・
(
2
0
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)
.
ッド配線材料開発において有用な知見を与えるものと考える。
Bellon:AC、ノVarer.,50,4695(2002).
本報告から,FTFRは原子レベルで混合した合金金属粒子の
作製において有用であることが示唆された。また,FIFRは今
7)H、W、She、9,G.Wi】。e,EMa:AaaMarer・’50,475(2002).
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後の新規複合材料の研究・開発において非常に強力なツールで
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9)前川昌輝,荒木加永子,青柳志保,荒木和也,榎村興一,酒井
あると考えられる。
秀樹,阿部正彦:〃α膨riaI死ch"olIogy,28(6),(2011).
10)L、W,Finger,,.E,COX,A、P,Jephcoat:』.A”1.Oysr.,27,892
文 献
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9
9
7
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.
12)草田康平,山内美穂,小林浩和,北川宏:lPO30,分子科学
討論会予稿集(2008)07.
l)谷口彰敏:“導電性材料ノウハウ集",情報機構(2007).
2)長崎誠三,平林漠:“二元合金状態図集,,,アグネ技術センタ
FabricationofSilver-C0pperc0mpositi0nNan0particlesbyForcedThinFilmReact⑪r
MasakiMAEKAwA*,**,↑,DaisukeHoNDA*,MasakazuENoMuRA*,
HidekiSAKAI**,***andMagahikoABE**,***
率M-たcノmi9I4eCb.,L極,2-2-I671gch"osmge,上”"i,O”“5”-ノノ“,、ノヒw〃
聯*G、血α花SchcoノqfScjelzcgα"α母18伽eer航9,7bAyoU"jl'e応jlyq/Scje"Ce,2“ノynmqznkj,ノVり”,αl肋α278-85ノ0,J””
***ReseaJ℃h伽s”re/brSciellceα"d形ch"oノogy,Tbbo酌zive応jjyq/・Scjg"“,2“ノyt1mazaAj,ノVb血,Cハルα278-85ノ0,J“α〃
fCb向穆spo"伽9A”AC脇E-F”ルノ7meAzzwq@m-だch抑j9Ⅲe、cpJp
(ReceivedNovemberl6,2011;AcceptedDecember31,2011)
Abstract
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nitrateandcoppemitmte[Ag(NO3)andCu(NO3)2.3H20inethyleneglycol,Ag:Cu=85:15,70:30,50:50(mo1%respectively)]were
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