基礎講座 第3回 ステップ式PQ図・BS図

基礎講座
第3回
ステップ式PQ図・BS図
1.ステップ式PQ図
変動損益計算書に、キャッシュフローに大きな影響を与える項目(簡易キャッシュ
フローシート)を付け加えたものがステップ式PQ図です。
(1)税金
利益には税金がかかりますので、経常利益から税金を引きます。税金は経常利
益の40%の概算税率で計算します。税金を支出して残ったのが税引後利益です。
(2)減価償却費(支出のない費用)
固定資産の購入で支出した金額を、何年かかけて費用化していくのが減価償却
費です。損益上は費用として固定費に含まれますが、キャッシュの支出を伴わな
い費用ですので、キャッシュフロー上はプラスの項目となります。
(3)借入金返済(費用にならない支出)
金融機関等などからの借入金の返済について、支払利息は費用として処理され
ますが、元金部分の返済は費用にはなりません。費用にはなりませんが、キャッ
シュは出ていきますのでキャッシュフロー上はマイナスの項目となります。
経常利益から税金を引いた税引後利益に減価償却費を足し、借入金の元金返済額を
引いた残りが実際に増加した資金です。
キャッシュフローに影響を与える項目は必要運転資金等、他にもたくさんあります
が、最も影響が大きい項目として上記3項目が簡易キャッシュフローシートです。
2.増やしたい資金からつくる間違いのない数値計画
ステップ式PQ図で過去の実績を把握する場合には、上(売上高)から下(増加し
た資金)に数字を埋めていけば良いのですが、将来の計画を立てる場合にはまずは増
やしたい資金を決め、そこから売上高へ逆算していきます。
逆算で出来上がった数値計画を様々な角度から検証し、何度も繰り返しシミュレー
ションすることでより良い計画となります。
3.貸借対照表・B/S図
貸借対照表とは、会社の一時点の財政状態(資産、負債、純資産)を表したもので
す。貸借対照表の特徴として①時点計算②調達と運用③ワンイヤールール、の3点が
挙げられます。
貸借対照表を図に表したものがB/S図です。B/Sは、大きく分けると、流動比
率150%超・自己資本比率30%超の理想型、流動比率100未満で自己資本比率
も小さい不安定型、自己資本がマイナスの債務超過型の3タイプがあります。実際の
面積比でB/S図を書いてみることで、自社がどのタイプなのかがわかります。