星光 PMC - 東京証券取引所

星光 PMC
(4963・東証 1 部)
2014 年 4 月 8 日
(西暦)
足元では原料高が厳しいが、中期的に業績は拡大へ
アップデートレポート
13/12 期は数量減と採算悪化で営業減益に
13/12 期(13 年 4 月~12 月。決算期変更に伴う変則決算)の連結業績
は、売上高が 168 億円、営業利益が 6.6 億円で着地した。前年同期間
(株)QBR
伊藤 健悟
との比較では、売上高が 2%増、営業利益が 25%減だった。国内の紙・
板紙の生産量は、円安進行による輸入紙の減少もあって堅調に推移し
主 要 指 標 2014/4/4 現 在
たものの、主要顧客の工場閉鎖の影響が大きく、同社の製紙用薬品の
出荷量は落ち込んだ。また、期後半には原料であるロジンの輸入価格
株
価
年初来高値
年初来安値
1,336 円
が高騰して採算が悪化。円安と合理化などの効果で海外では増収とな
1,978 円
(3/4)
474 円
(1/7)
り、赤字幅も縮小したが、製紙用薬品事業全体で苦戦を避けられなか
った。印刷インキ用・記録材料用樹脂事業も原料高の影響で減益とな
り、連結ベースで営業利益は大きく落ち込んだ。
高付加価値品の伸びや新規事業の寄与で収益は拡大へ
発行済株式数
30,743,604 株
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
41,073 百万円
予 想 配 当
12 円
を避けられそうにないが、好採算製品の拡大や値上げの浸透、海外で
39.58 円
の拡販などの効果により、製紙用薬品事業を中心に営業利益は回復す
続く 14/12 期の連結業績について QBR では、従来の見通しを微修正
し、前年同期間比で売上高が 18%増の 254 億円、営業利益が同 15%増
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
2.01 倍
直前のレポート発行日
の 11 億円を予想する。期前半は原料ロジン高騰の影響で利益面で苦戦
る見通し。売上高については、14 年 4 月に子会社化した KJ ケミカルズ
が大きく寄与する。15/12 期についても、国内での大幅な需要増などは
見込めないが、海外を中心とした数量増と、ソリューション提供型の
事業の拡大、高付加価値品の伸びなどにより、業績は着実に伸長する
ベーシック
2013/12/17
と考える。中期的には、セルロースナノファイバーなど新規事業も徐々
に収益に貢献しよう。
業
績
動
向
売上高
百万円
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
2013/03
通
期
実
績
21,122
-7.0
1,139
7.6
1,215
9.8
2013/12
通
期
実
績
16,750
-
656
-
923
-
627
-
20.70
新 ・会 社予 想
26,160
-
1,100
-
1,180
-
730
-
24.07
新・アナリスト予想
25,400
-
1,060
-
1,140
-
1,200
-
39.58
旧・アナリスト予想
24,600
-
1,070
-
1,150
-
1,200
-
39.58
28,000
10.2
1,500
41.5
1,580
38.6
(2014 年 2 月発表)
2014/12
通
期
(2013 年 12 月発表)
2015/12
通
期
新・アナリスト予想
アナリストレポート・プラットフォーム
727 108.0 24.00
980 -18.3 32.32
1
業
績
●営業利益は落ち込むが、一時要因で経常利益、純利益は拡大
13/12 期は数量
 会社概要
減と採算悪化で営
業利益が落ち込む
13/12 期(13 年 4~12 月。この期から決算期を従来の 3 月末→12 月末に変
更したため、9 カ月の変則決算)の連結業績は、売上高が 168 億円、営業利
益が 6.6 億円、経常利益が 9.2 億円、純利益が 6.3 億円で着地した。前期実
績との単純な比較は出来ないが、決算期変更の影響を調整した前年同期間の
実績との比較(以下、同様)では、売上高が 2%増、営業利益が 25%減、経常
利益が 8%増、純利益が 26%増だった。円安による海外での売上高の手取り
増やオフセットインキ用樹脂などの好調で売上高は全体で微増を確保した
ものの、主力の製紙用薬品は国内での出荷数量が低迷。ロジンをはじめとし
た原材料価格高騰による採算悪化も厳しく、営業利益は大きく落ち込んだ。
一方、期中に円安が進行したことで為替差益が大きく増加したため、経常利
益は増益に。過年度の研究開発費に関する税額控除が認められ、税金費用が
減少したこともあって、純利益は大幅増となった。
表1.13/12期の連結業績
(単位:百万円)
13/12期
実績
伸率
11,997
2.3%
10,496
0.0%
1,643
22.4%
-142
4,753
2.3%
13/3期
実績
14,971
13,738
1,342
-109
6,150
12年
4~12月
11,722
10,495
1,342
-115
4,648
21,122
16,370
16,750
2.3%
873
977
-88
-16
266
674
769
-88
-7
199
521
612
-78
-13
135
-22.7%
-20.4%
-32.2%
営業利益
1,139
経常利益
1,215
純利益
727
(注)13/12期の伸び率は、12年4~12月の実績との比較
(出所)決算資料などよりQBR作成
873
855
498
656
923
627
-24.9%
8.0%
25.9%
製紙用薬品事業
国内
海外
調整
印刷インキ用・記録材料用樹脂事業
売上高
製紙用薬品事業
国内
海外
調整
印刷インキ用・記録材料用樹脂事業
●製紙用薬品事業は数量減と採算悪化で大幅減益に
製紙用薬品事業は売上高が同 2%増、営業利益が同 23%減だった。漸減傾
向が続いていた国内の紙・板紙の生産量は、円安進行により輸入が減少に転
じたこともあり、同 3%増加。一方で、同社の主要顧客が合理化策の一環と
して一部工場を閉鎖したことが大きなマイナス要因となり、主力のサイズ剤
などの国内向け出荷は減少を余儀なくされた。数量減の影響をカバーするた
め、高付加価値製品の拡販に注力したものの、国内向けの売上高は前年同期
間並みにとどまった。中国を主力とする海外では、現地メーカーとの競合が
厳しい低採算品の販売を絞り込んだため、現地通貨ベースでは伸び悩んだが、
アナリストレポート・プラットフォーム
2
業
績
円安進行が追い風となって売上高は大きく増加。製紙用薬品事業全体で小幅
ながら増収を確保した形だ。
 会社概要
図1.紙・板紙の国内生産量
(万トン)
3,500
3,000
2,500
板紙
2,000
1,500
紙
1,000
500
20
03
年
20
04
年
20
05
年
20
06
年
20
07
年
20
08
年
20
09
年
20
10
年
20
11
年
20
12
年
20
13
年
0
(出所)経済産業省生産動態統計よりQBR作成
利益面では、国内での数量減の影響に加え、原料ロジン市況の急騰が大き
な圧迫要因となった。ロジンの市況は期前半は比較的安定的に推移していた
ものの、13 年夏場から産地である中国での収穫量減少と円安の影響で輸入
価格が大きく上昇。製品価格の値上げに努めたが、3Q を中心に大幅な採算
の悪化を避けられなかった。海外では、高収益品へのシフトやコスト削減な
どの効果で赤字幅が縮小したものの、国内事業の落ち込みをカバーできなか
った。
図2.ロジンの輸入単価の推移
(円/kg)
350
300
250
200
150
100
50
11
月
20
13
年
1月
13
年
20
3月
12
年
20
5月
11
年
20
7月
10
年
20
9月
09
年
20
08
年
20
20
08
年
1月
11
月
0
(出所)財務省貿易統計よりQBR作成
●印刷インキ用・記録材料用樹脂事業も苦戦
印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は売上高が同 2%増、営業利益が同
32%減。国内の印刷インキの生産量は前年同期間を若干上回った。その中で
アナリストレポート・プラットフォーム
3
業
績
同社は、オフセットインキ用樹脂と水性インキ用樹脂の販売が堅調に推移し
たものの、事務機器の需要低迷でプリンター・コピー機向けトナー用樹脂の
 会社概要
販売が苦戦したため、事業全体で売上高は小幅な伸びにとどまった。利益面
では、ここでもロジンに加えて石化系原材料の市況も高騰したため、大幅な
減益を避けられなかった。
●売上高、営業利益とも 2 桁増を見込む
14/12 期は実質
2 桁営業増益へ
続く 14/12 期の連結業績について QBR では、売上高が 254 億円、営業利益
が 11 億円、経常利益が 11 億円、純利益が 12 億円を予想する。原料ロジン
市況の上昇などを反映して売上高を小幅増額したものの、各利益段階の予想
については微修正にとどめた。決算期変更の影響を考慮した前年同期間との
比較では、売上高が 18%増、営業利益が 15%増、経常利益が 11%減、純利
益が 40%増となる。会社計画は、売上高が 262 億円、営業利益が 11 億円、
経常利益が 12 億円、純利益が 7.3 億円。
14 年 4 月 1 日付で、興人フィルム&ケミカルズ社から化成品事業を買収
(KJ ケミカルズとして連結子会社化)しており、これが 2Q 以降の印刷インキ
用・記録材料用樹脂事業の業績に寄与する。また、買収に伴って負ののれん
が 10 億円程度発生する公算が大きく、QBR ではこれの一括償却に伴う特別
利益を予想に織り込んだ(従来予想にも織り込み済み)。会社計画は売上高、
営業利益の段階では大きな違和感はないが、負ののれんについては金額算定
が困難だとしてこれを算入していないため、純利益の見通しの差異が大きく
なっている。なお、経常利益が減益となるのは、前期発生した為替差益が剥
落するため。
表2.14/12期、15/12期の連結業績予想
13/12期
13年
実績
1~12月
14/12期計画・予想
会社
QBR
QBR
計画
前回
今回
17,260
15,830
16,600
14,913
13,700
14,500
2,524
2,200
2,280
-177
-70
-180
製紙用薬品事業
11,997
15,265
国内
10,496
13,764
海外
1,643
1,643
調整
-142
-142
印刷インキ用・記録
4,753
6,237
8,900
材料用樹脂事業
売上高
16,750
21,502
26,160
製紙用薬品事業
521
720
967
国内
612
811
839
海外
-78
-78
60
調整
-13
-13
68
印刷インキ用・記録
135
202
133
材料用樹脂事業
営業利益
656
923
1,100
経常利益
923
1,283
1,180
純利益
627
856
730
(注)14/12期の伸び率は、13年1~12月の実績との比較
(出所)決算資料などよりQBR作成。予想はQBR
アナリストレポート・プラットフォーム
伸率
8.7%
5.3%
38.8%
-
(単位:百万円)
15/12期
QBR
伸率
予想
17,500
5.4%
15,000
3.4%
2,700 18.4%
-200
-
8,770
8,800
41.1%
10,500
24,600
835
820
20
-5
25,400
910
800
42
68
18.1%
26.4%
-1.4%
-
28,000 10.2%
1,270 39.6%
1,100 37.5%
100 138.1%
70
2.9%
235
150 -25.7%
1,070
1,150
1,200
1,060 14.8%
1,140 -11.1%
1,200 40.2%
230
19.3%
53.3%
1,500 41.5%
1,580 38.6%
980 -18.3%
4
業
績
●徐々に値上げが浸透して採算が改善、海外事業は黒字化へ
製紙用薬品事業については、売上高が同 9%増、営業利益が同 26%増を予
製紙用薬品事業が
 会社概要
想する。為替水準などに大きな変化がなければ、景気が緩やかな回復軌道を
原料高を吸収して
増益に
辿る中、国内の紙・板紙の生産量は横ばいから微増程度のペースで推移し、
同社の製紙用薬品の出荷も小幅増加する公算が大きい。一方で、先述の原料
ロジン価格の高騰が採算の圧迫要因となり、短期的に利益率の低下を避けら
れそうにないが、足元ではロジン価格はほぼ横ばいとなっていることもあり、
期中に製品価格の値上げが浸透することで採算も徐々に改善し、年間では国
内で売上高が小幅増、営業利益も前年同期間並みの水準を確保できそうだ。
海外では、現地の中小製紙メーカー向けを含めて出荷が着実に増加するとと
もに、合理化も進んで営業損益が黒字に転換し、製紙用薬品事業全体で大幅
な営業増益になると予想する。
一方、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業については、売上高は同 41%
増となるものの、営業利益は同 26%減となる見通し。先述の KJ ケミカルズ
社の新規連結に加え、前期苦戦したプリンター・コピー機用トナー向け樹脂
を含め、販売数量は堅調に推移し、売上高は大きく増加しよう。しかしここ
では、需給環境などを考慮すると、原料高に対する製品価格値上げが難しい
とみられ、今期は大幅な減益が避けられないと予想する。なお、KJ ケミカ
ルズについては、今期は営業利益段階では収支均衡を見込んでいる。
図3連結売上高と営業利益の推移
(億円)
20
(億円)
300
18
250
16
14
200
12
150
10
100
8
6
50
売上高(左)
営業利益(右)
0
4
2
0
10/3期
11/3期
12/3期
13/3期
13/12期
14/12期予 15/12期予
(出所)会社発表資料よりQBR作成。予想はQBR
●国内需要は低迷続くが、業績は着実に拡大へ
15/12 期は大幅
営業増益を見込む
15/12 期については、売上高が前期比 10%増の 280 億円、営業利益が同
42%増の 15 億円を予想する。国内では製紙用薬品、各種樹脂とも需要の大
幅な増加は見込めないが、製紙メーカーの操業性向上や品質安定、省資源化
に資するソリューション提供、印刷インキの水性化・低揮発性物質化に対応
アナリストレポート・プラットフォーム
5
業
績
した製品の拡販による高付加価値製品へのポートフォリオ転換などにより、
業績は底堅く推移すると考える。中国を中心とした海外でも、需要の伸びと
 会社概要
新規顧客の開拓に応じた販売数量の増加で業績を拡大、KJ ケミカルズ社が
この期は通年寄与することもあって、売上高、営業利益は大きく増加する見
通しだ。
図4.中国の紙生産量の推移
(万トン)
12,000
10,000
その他の紙・
板紙
8,000
板紙
6,000
4,000
紙
2,000
0
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
(出所)RISIなどの公表データよりQBR作成
●CNF などの本格化と M&A、海外展開の強化に期待
同社は現在、中期経営計画「CS VISION-I」に取り組んでいる。当初は 13/3
中期的には新事業
なども寄与へ
期~15/3 期を対象としていたが、為替市況や原料ロジン価格の変動など経
営環境の大幅な変化と決算期変更などの影響を考慮して、最終年度を 15/12
期に変更、数値目標も当初の連結売上高 271 億円→288 億円、営業利益 26
億円→18 億円に変更したもの。厳しい事業環境の中、成長分野・製品への
経営資源の重点配分、地域・業務分野両面での事業領域の拡大、外部資源の
活用、筋肉質の企業体質への転換を図っていく考えだ。KJ ケミカルズの買
収はこうした方針に沿った施策の 1 つであり、18/12 期の経営目標とする連
結売上高 350 億円、営業利益 35 億円の実現へ向けて、業績拡大を目指して
いく方針。
表3.中期経営計画
15/3期
当初目標
既存事業
22,882
海外事業
3,080
新規事業
1,118
売上高
27,080
営業利益
2,620
営業利益率
9.7%
(出所)会社発表資料よりQBR作成
アナリストレポート・プラットフォーム
15/12期
修正計画
21,363
3,113
4,304
28,780
1,800
6.3%
構成比
74.2%
10.8%
15.0%
(単位:百万円)
18/12期
経営目標
構成比
24,500
70.0%
7,000
20.0%
3,500
10.0%
35,000
3,500
10.0%
6
業
績
中期的な業績拡大へ向けて新規事業の育成にも取り組んでおり、現在、セ
ルロースナノファイバー(CNF)と銀ナノワイヤの 2 つに注力している。CNF
 会社概要
は、これを各種樹脂と複合化することで、高い強度を持つ素材を得られ、低
燃費化を目的とした軽量化が重要になっている自動車向けで、既存の樹脂製
品の代替や、金属部材の置換などが期待されるほか、家電、モバイル機器な
どでも採用拡大が見込まれる。銀ナノワイヤは、柔軟性を併せ持った導電性
材料で、タッチパネルやフレキシブルディスプレイへの展開が期待される。
両製品ともに、今期からようやくサンプル供給が本格化する段階で、収益へ
の寄与は 15 年~16 年以降になるが、新たな M&A や新地域への展開を含めた
海外事業の一段の拡大を含め、業績の着実な伸びが期待される。
図5.セルロースナノファイバー
セルロー スナノフ ァイバー 改質 ⇒ 親水性のセルロー スと疎水性の樹脂の親和性向上
セルロー スナノフ ァイバー
各種樹脂
【セルロースナノファイバーの特徴】
・地球上で最も豊富に存在する有機物
・ナノサイズの直径
・鋼鉄の1/5の軽さ、5倍の強度
・ガラスの1/50の低熱膨張性
再生可能資源、環境材料
セルロースナノファイバー (CNF)
NEDO・グリーンサステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発
~セルロースナノファイバー強化による自動車用高機能化グリーン部材の研究開発~
各種樹脂の高強度化
樹脂との
複合化
解繊
木材繊維(パルプ)
繊維径:数十μ m
CNF
繊維径:数十nm
・鋼板部材の置換
・部材薄肉化
軽量化
→燃費向上
ガラス繊維等の補強部材の置換
・再生可能な天然資源の利用
・易リサイクル性(不燃材料→可燃材料)
(出所)会社説明会資料
アナリストレポート・プラットフォーム
7
(出所)㈱QUICK
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上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2012/03
株 価 推 移
2013/03
2014/12 予
(アナリスト)
2013/12
株価(年間高値)
円
350
400
548
-
株価(年間安値)
円
246
278
327
-
月間平均出来高
百株
3,539
4,295
17,169
-
高
百万円
22,716
21,122
16,750
25,400
売
上
営
業
利
益
百万円
1,059
1,139
656
1,060
経
常
利
益
百万円
1,106
1,215
923
1,140
百万円
349
727
627
1,200
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
11.54
24.00
20.70
39.58
R
O
E
%
1.8
3.7
3.1
5.8
流動資産合計
百万円
16,526
17,061
17,825
-
固定資産合計
百万円
9,910
9,629
10,069
-
資
百万円
26,437
26,690
27,895
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
6,681
6,457
6,943
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
448
372
818
-
負
百万円
7,129
6,829
7,762
-
株主資本合計
百万円
19,456
19,774
20,038
-
純 資 産 合 計
百万円
19,307
19,860
20,133
-
営業活動による CF
百万円
429
2,228
941
-
投資活動による CF
百万円
-154
-1,748
-708
-
財務活動による CF
百万円
-334
-410
-363
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
427
531
448
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
計
アナリストレポート・プラットフォーム
8
リ
事
関
ス
ク
す
業
る リ
 会社概要
分
析
に
ス ク
 需要動向
同社の製品の出荷量は、国内製紙メーカーや各種印刷用インキメーカーの
生産量に大きく左右される。これらの製品の需要は、出版物の発行部数減少
や新聞の頁数減少、デジタル化の進展などの影響で漸減傾向にあり、今後も
国内の総需要が大きく増加しない中での販売競争が続く見込み。また、円高
が進行すると紙の輸入量が増加し、国内生産が減少することになるため、需
要低迷に一時的に拍車がかかることになる。
 競争環境
国内の製紙用薬品の市場は同社を含む 3 社でほぼ寡占状態となっており、
新規参入によるシェア低下などのリスクは小さいが、3 社間での競合のほか、
顧客である大手製紙メーカーの合理化・生産設備統廃合などの影響による販
売減少などには注意を払っていく必要がある。
 海外事業
国内需要の伸び悩みを受けて、同社は中国をはじめとした海外市場での製
紙用薬品の拡販を図っている。マクロ経済の成長を追い風に、中国での紙の
生産は拡大を続けているが、低価格品に強みを持つ現地メーカーを含めて製
紙用薬品の販売競争は厳しく、今後の事業展開にも予断を許さない。
 原料市況
製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂とも、ロジン、アクリル
アマイドなど原燃料市況の変動に採算が大きく左右される。特にロジンは天
然物であるため、原産地である中国での市況変動が大きいうえ、為替市況の
影響も避けられない。これが製品価格に転嫁できるまでには一定のタイムラ
グが発生するため、原料高局面では一時的に採算が大きく悪化する傾向があ
る。
 新製品
新規事業として、セルロースナノファイバーと銀ナノワイヤの早期事業化
に取り組んでいるが、特にセルロースナノファイバーでは、海外の大手製紙
メーカーを含めて競合が厳しい。同社は技術力を活かしたライセンス供与の
ような形での事業展開も視野に入れている模様だが、規模の点では競合相手
に劣るため、今後は事業展開のスピードが一段と重要になる。
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デ ィ ス ク レ ー マ ー
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