アルミ合金製三連はしごの開発について(第 2報)

消防科学研究所報 31号(平成6年)
アルミ合金製三連はしごの開発について(第 2報)
Developmento
fAlminumA
l
l
o
y Extension Ladderwith3Sections (
S
e
r
i
e
s2)
孝
・
矢ケ崎
目黒公一郎日
米田雅-*
概 要
平成 3年度に試作したアルミ合金製三連はしごについて、さらに軽量化を図るためコンビュータシミュレーションに
基づく構造及び部材形状の見直しを行った。その結果、現用の鋼管製三連はしごと比較して同等以上の強度を有し、か
つ、約 40%の軽量化を図った重量約 245N (
2
5
k
gf)のアルミ合金製三連はしごを開発した。
Al
i
g
h
tw
e
i
g
h
tf
i
r
el
a
d
d
e
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sn
e
e
d
e
df
o
rt
h
epromptande
f
f
e
c
t
i
v
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i
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g
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n
g
.
Throught
h
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l
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g
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l
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a
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d
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x
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o
nl
a
d
d
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rr
e
d
u
c
e
dt
h
ew
e
i
g
h
to
ft
h
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n
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s
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0p
e
r
c
e
n
tandi
s2
4
5
Ni
nw
e
i
g
h
t.
2 はしごの諸元
l はじめに
2号機及び l号機の諸元・性能の比較を表 1に示す。
三連はしごの軽量化については、素材面と構造面から
それぞれ検討を進めてきたところであるが、素材面では
表 1 諸元・性能比較表
これまでにコスト面で非常に有利な「炭素鋼製」、耐食性
等に優れた「チタン製」及び「ステンレス鋼製」、比重が
炭素鋼の約 3分の lの「アルミ製」などについて検討し
てきた。構造面については、それぞれの素材の持つ特長
j
J
l
l
アルミ 2号峻
アルミ l号軽量
伸てい長さ(四)
8
.
7
4
0
8
.
7
1
0
結てい
3
.
5
5
0
3
.
5
6
0
組
を生かしつつ伸縮する三連はしごの機構を十分に考慮し
各
た上でコンピュータシミュレーシュンにより構造等につ
の
τ
f
第三研究室では、平成 3年度に素材にアルミ合金を使
等
その結果、平成 4年 3月現用の鋼管製三連はしご(以下
「現用鋼管」という。)と比較して約 30%の軽量化を図っ
4
3
4
』
隠さ(田)
2
3
0
←
幅(皿)
3
8
8
/
[
j
.さ(凹)
1
8
5
幅
(
m
m
)
3
4
2
』
厚さ(咽)
1
2
5
←
横さんの間隔(醐)
3
2
5
←
盤鼠
N (
k
gf
)
2
4
5(
2
5
)
2
9
4(
3
0
)
7
0
0
0系(アル 7
ミ
0
三T
元
6
)
合金管
ZK-
7
0
0
0系アノレ ミ三T
元
6
)
合金管
(ZK-55
(MPa)
4
4
9
4
0
1
'
l
'
i 引蛋強度 (MPa)
4
6
9
使用材質
平成 4年度は、素材を同じアルミ合金としたまま、 l
材
に軽量化の可能性があるか検討を行った。その結果、現
用鋼管と比較して約 40%の軽量化を図ったアルミ合金製
特
三連はしご(以下 r2号機」という。)を開発した。
性
ここに、 2号機についての開発概要と強度等の確認実
耐力値
断
状
形
蘭
寸
法
験結果について報告する。
円管 <
$
2
0l=2.0
裏主かん(四) 円管 <
$2
0l=1
.5
円管 <$20l=2.0
横さん
(凹) 円管 <
$
2
0l=2
.
0
.1
.5
円管 <
$
2
0l=2.0
支かん
{醐) 円管 <
$
2
0l=2.0.1
.0
円管 <
$
2
0l
=1
.5
斜かん
(皿) 円管 <
$
1
7
.
5l=1
.0
円管<$1
5 l=1
.5
1
8
0
k
g
f
*断面形状・寸法は、代表的なものを示す。
“査察課
(
7
7
)
4
4
1
表主かん(凹) 円管 <
$
2
0l=1
.5
許容荷量(75度架てい )一局所
- 第三研究室
←
三連目
た三連はしご(以下 r1号機」という。)を開発した。川
号機についての構造及び部材形状の詳細な見直し、さら
』
二週目
法
用して三連はしごの軽量化についての研究に着手した。
幅(阻)
一週目
部
いて検討してきた。
(
岡
田
)
』
はしごの寸法は、 2号機及び l号機ともほぼ同じであ
る(写真 1参照)。重量 は、使用部材の外径及び肉厚等の
変更により、約 49N (5kgf)の軽量化を図 っている。使
用材質は、 2号機及び l号機とも溶接構造用の A
I
Z
n
-Mg系の三元合金を使用しているが、 2号機は、 l号機
0を使用している。
の材質より強度の高い ZK一7
許容荷重は、消防用積載はしごの構造及び機能等に係
る安全基準(以下「安全基準」という。)及び東京消防庁
7
6
4N (
l8
0
k
gf)を満
内部基準に基づく設定で、一局所 1,
足している。
3 実験内容
可
(
)i
実験場所
消防科学研究所総合実験室
(
2
) 実験方法
ア
実験項目
安全基準及び当庁基準に定める強度等について測
定し、更に過去に製作した積載はしごの実験結果と
比較検討をするため、別表 l~別表 2 に示す項目と
した。
イ
写真 l アルミ合金製三連はしご(2号機)
ひずみゲージの取付位置
ひずみゲージの取付位置を図 Iに示す。取付位置
の選定については、既実験の結果及び応力シミュ
レーション解析結果に基づき、大きな応力の発生が
﹁
一
予想、される部分とした。
8R 8C
j 1
"
J~
l
ぺtl.~.: : : :. L. . . . I . .:. . . .:, .I I " Ff
一連
0
斗P♂土
目
/え-lJ│プ l
f
:
:
:
7
1
1
J
J
1
7
│プ
ニ
迎
目
│/ドレつジイレペレペ│クペシペレ句シペシペl
三
迎
目
図 1 ひずみゲージ取付位置等の概要因
(
7
8
)
4 実験結果
表 2 実 験 項 目 (2号機・静荷重)
てい 荷重位置
実験Na イ巾てい 架角度
土
を
さ
1
1
l辿目、
I
I段目
J
2
2連目
1
9
段目
円て
子
6
5度
~
J
4
*2
ト一一一一
J
5
2
J
*J
ワ
:
子
。
。
2
5
0
k
g
f 中央 l箇所
3連目、
2
2段 目
1
8
0
k
g
f
裏目、
J;
8段 目
7
5度
。
2連目、
J
4段目
ト一一一一
22
*1
荷重条件
(
1
) 6
5度架てい、一連上端(11
段目)荷重(実験N
o
.
l
l
)
5
0
m
m
幅の分布荷重 で横さん
3
6
0
k
g
f 2筒所、間隔は約 2
5
0
m
m
実験結果を図 2、図 3及び表 4に示す。
ア 3,
5
2
8N (
3
6
0
k
gf)荷重時、一連目上部表主かん表
各段に単
独負荷
全伸長
ト一一一一
荷重 量
2連目、
1
4段目
u2) に
側面(ゲージ N
5
0
m
m
幅の分布荷重で織さん
I先端側面(ゲージ N
u1)に 2,2
7
8
μ
ε のひず みが
ん下倶J
それぞれ発生している(図 2、表 4参照)。
全 装 備 体 重9
0
k
gf
の隊 員が
織さんに両足立ちで静止
9
0
k
g
f
7
0
m
m幅の分布荷重で横さん
中央箇所
。
~:l ~
5
4
0
k
g
f
k
g
f
1
5
0
0
3連目 、
2
2段目
昨
J
,
2
連盟
合J
O
段目
*2
円
てT
水平
日
上
*2
*1 安全 基準関係
ゲージNoI
1
0
0
0
5
0
m
m帽の分布荷重で横さん
J
O
O
k
g
f
中央 1箇 所
2連目、
1
4段目
8
0,
9
0,
1
0
0
k
g
f
2,
3適 温
合1
8
段目
J
O
O
k
g
f
*2
2,6
8
8
μ 、一連日下部支か
~ 5
0
0
み
(με)
0
5
0
0
1
0
0
0
1
5
0
0
当庁基準関係
2
0
0
0
ー
2
5
0
0
表 3 実 験 項 目 (2号機・動荷重)
3
0
0
0
長
て
さ い 架角度
てい
実験トh 伸
4
J
荷
9
0
k
g
f
6
5度
4 ~2
条件
1
0
0
0 2
0
0
0 3
0
0
0 4
0
0
0 5
0
0
0 6
0
0
0 7
00
0
'8
0
0
0
基てい部からの距離 (
m
m)
速さは J
O
O段/分
、
一人登降て L
全{
中長
ト一一一一
重
9
0
k
g
f
速さは 1
0
0
段/分
二人同時笠降てい
間隔は、約 2m
0:2号機
口 l号犠
図 2 ひずみ測定結果の比較
(全仲てい, 6
5度集て¥>,一連上端, 3
5
2
8
N荷f
f
i
)
荷重負荷条件
ウ
ゲージト
l
n
2
関 実 験N
o
1
.1及びN
o
.
l2は
、 5
0
m
m幅の スリン グベルト
2本を用いて横さん中心から左右 1
2
5
m
m、2
5
0
m
mの間
隔に重りを吊るして負荷した。
表4 6
5
度架てい、寸車上端荷重実験結果
(イ)実験N
u
1すから N
o
.
l4及びN
O
.
3
1から N
O
.
33は、横さ
ん中央に 5
0
m
m幅の治具を用いて l本のスリングべ lレ
トにより重りを吊るして負荷した。
3
6
0
k
g
f5c
m幅
2点分散荷重
実験N
u
2
1から N
u
2
3は、横さん中央に 7
0
m
m幅の治
{
工
〉
2 号機
号機
1
1段 5c
m2点 1
1段 5c
m2点
具を用いて l本のスリングベルトにより重りを吊る
して負荷した。
(
3
) 測定機器等
ア ひずみゲージ
エ動ひずみ計
オ
1
9
0
0
一連表主かん
たわみ量m
m
イ 静ひずみ測定機:共和 UCAM-8BL
スキャナ ー
2
6
8
8
一連表主かん
:共和 KFG-51
2
0
C12
3
L5
M 3R
ウ
ひずみ量 (
μ
ε
)
測定箇所
1
5
8
m
m
1
9
9
m
m
:共和 USB-50A
:共和 D PM-600
データレコーダ:TEAC XR5
0
0
0
カ ノ fソコン
:NEC PC
9801
キ
:N EC PR
201J
プリンター
ク ペンレ コーダ
:理化電気
イ 最大たわみ量は、 3,5
2
8N (
3
6
0
k
gf)荷重時 1
5
8
m
m
で、最も多くたわんだ位置は荷重点である 1
1段目で
ある。残留たわみはない(図 3、表 4参照)。
R-50
(
7
9
)
イ 最大たわみ量 は
、 3,
5
2
8N (
3
6
0
k
gf)荷重時 1
5
2
m
m
で、最も多くたわんだ位置は荷重点である 1
9段目及
た
わ
5
0
み
び1
4段目である。残留たわみはない(図 5、表 5参
照
)
。
(
m
m
)
1
0
0
表5 6
5度架てい、二連上端荷重実験結果
一1
5
0
2
0
0
o
3
6
0
k
g
f5c
m幅
2点分散荷重
1
0
0
0 2
0
0
0 3
0
0
0 4
0
0
0 5
0
0
0 6
0
0
0 7
0
0
0 8
0
0
0
'
基 Cい音1
[からの距離 (mm)
0:2号機
口
2 号機
1
9段 5c
m2点分散
号機
1
9段 5c
m2点分散
l号機
図 3 たわみ測定結果の比較
(
全
仲
て
い
, 65度架てい.一連上,
端 3528N荷市)
~
(
2
) 6
5度架てい、二連上端(19
段目)荷重(実験N
.
ol
2
)
ε
ひずみ 量μ
2
4
2
7
μ
ε
測定箇所
三連下部表主かん
ー
2
0
6
7
μ
ε
三連下部表主かん
圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 ' ー ー ー ー ー ー ・ 戸 - ..
--- -ー・--ー・
0.2%耐力比%
33%
28%
たわみ 量m
1
5
2
m
m
1
l7
m
m
3,
528N (
3
6
0
k
gf)荷重時、三連目下部表主かん表
ア
O
.
6)に
側面(ゲージ、 N
2,
4
2
7
μ
ε のひずみが発生して
いる(図 4、表 5参照)。
(
3
)6
5度架てい、二連中央(14
段目)荷重(実験N
o
.
l3
)
2
5
0
0
ア
2
0
0
0
ロ
ハ
O
.
2)に一 1,
6
5
6
μ
ε 、一連目下部支かん
側面(ゲージ N
1
5
0
0
O
.
1)に 1,
0
2
7
μ のひずみがそ
下側先端側面(ゲージ、 N
JVJ
ぬ
Z500
(με)
ゲ
ひ 1
0
0
0
2,
450N (
2
5
0
k
gf)荷重時、一連目上部表主かん表
れぞれ発生している。
。
6
5
度架てい、 2連目中央荷重時、 1
4段目横さん中
イ
5
0
0
o
.
l4C
)は
、 1
,
7
6
4N (
18
0
k
gf)荷重
央下面(ゲージ N
ー1
0
0
0
5
3
4
μ
ε 、 2,
4
5
0N (
2
5
0
k
gf)荷重時で4,
8
4
5
μ
εの
時で3,
1
5
0
0
ひずみが発生した。
2
0
0
0
ウ
2
5
0
0
で、最も多くたわんだ位置は荷重点である 1
4段目で
3
0
0
0
o
最大たわみ量 は
、 2,
4
5
0N (
2
5
0
k
gf)荷重時 1
1
8
m
m
ある。
(
4
)6
5
度架てい、三連中央 (
2
2段目)荷重(実験N
.
ol
4
)
1
0
0
0 2
0
0
0 3
0
0
0 4000 5000 6
0
0
0
' 7
0
0
0
' 8
0
0
0
基てい部からの距離 (
m
m
)
0 :2号機
口
ア
号機
1,
7
6
4N (
18
0
k
gf)荷重時、一連目上部表主かん表
O
.
2
) に5
1
2
μ
ε 、三連目下部表主かん
側面(ゲージ N
図 4 ひずみ測定結果の比較
(
全
仲
て
い
, 65度架てい, 二連
上
端
, 3528N荷:
!
l
i
:)
O
.
6
) に8
6
7
μ
ε のひずみがそれぞれ発
表側(ゲージ N
生している。
,
7
6
4N (
18
0
k
gf)荷重時 5
2凹
イ 最大たわみ量は、 1
で、最も多くたわんだ位置は荷重点に近い二連目上
た 子5
0
わ
9段目である。
端である 1
み
厳
1
0
0
(四) -
(
5
) 7
5
度架てい、一連8
段目荷重(実験N
O
.
2
-1
)
ア
ー1
5
0
5,
2
9
2N (
5
4
0
k
gf)荷重で二連目下部表主かん表側
O
.
3)に、一 1,
6
2
3
μ
ε 、一連目下部支かん
面(ゲージ N
o
.
l
)
に
、 2,
8
5
3
μ
ε のひずみが
下側先端側面(ゲージ N
2
0
0
発生している。
1
0
0
0 2
0
0
0 3
0
0
0 4
0
0
0 5
0
0
0 6
0
0
0 7
0
0
0 8
0
0
0
.
基てい部からの距離 (
m
m
)
O
.
8
C
)は
、 2,
940N (
3
0
0
イ 横さん中央下面(ゲージ N
0:2号 機 口 号 機
k
gf)荷重付近で0.2%耐力値に達した。その後、 4,
4
1
0
図 5 たわみ測定結果の比較
上
端
, 3528N荷量)
(
全
伸
て
い
, 65度架て P,二連
7
0
4
N(
4
5
0
k
gf)付近まで増加率はあまり変わらず、 4,
(
8
0
)
N (
4
8
0
k
gf)を超えると急激に高くなる。
5
.
2
9
2N (
5
4
0
k
gf)で主かん及び横さんとも変形し
たが、 5分間経過後も亀裂・破損には至らなか った
。
横さん左右上面(ゲー ジN
o
.
8L、ゲー ジN
u8R
)の
ひずみ量 は、中央のひずみ量と比較すると増加する
2
0
0
0
0
じ、
度合いが緩やかで、かつ、左右均等であった(図6
参
ず
み
照
)
。
(
μ
ε)
1
5
0
0
0
1
0
0
0
0
2
5
0
0
0
5
0
0
0
ird
/
イ
2
0
0
0
0
1
-
ひ
ず
み
(
μ
ε)
1
5
0
0
0
一
・
1
0
0
0
0
0
1
9
6
0
2
9
4
0
3
9
2
0
4
9
0
0
(
5
0
0
)
5
8
8
0
(
6
0
0)
r
.
;
i
1
U (N)
,[ )内 U:kgf
O ゲージNo.1
4L 口 ・ゲー ジNo.1
4C ム
1
0
1
4R
ゲー ジト
図 7 横さんひずみ測定結果
5
00
0
。
o
9
8
0
(
全
(
申 てい , 7
5
1
主架てい, 二週 目中央 1
4段 目横 さん中央荷i
f
i)
9
8
0
(
1
0
0
)
1
9
6
0
(
2
0
0
)
荷
2
9
4
0
∞
(
3
3
9
2
0
(
4
0
0
)
4
9
0
0 5
8
8
0
(
5
0
0
) (
6
0
0)
m(N). ( 1内は kgf
0 :ゲー ジト
1
0
8L ロ
8
ゲ ー ジNo C ム
8
ゲ ー ジNo. R
荷重除去後、はしごはわずかながら変形したが、
容易に収納できた。
図 6 横さんひずみ測定結果
最大たわ み量は、 5
.
2
9
2N (
5
4
0
k
gf)荷重時 1
8
0醐
ウ
(
全{
申てい . 7
5
J
!
f
.架てい, 一連目 8段目 櫛さ ん中央荷重)
で、最も多 くたわんだ位置は荷重点である 1
4段目で
荷重除去後、はしごはわずかなが ら変形したが、
あった 。
(
7
) 7
5度架てい、三連中央 (
2
2段目)荷重(実験N
u
2
3
)
容易に収納できた。
最大たわみ量 は
、 5
.
2
9
2N (
5
4
0
k
g
f
) 荷重時 1
3
6
m
m
ウ
5.292N (
5
4
0
k
gf)荷重で三連目下部表主かん表側
ア
で、最も多くたわんだ位置は荷重点に近い 1
1段目で
0
6
)に、-2.
1
0
3
μ 、二連目上部表主かん
面(ゲージ N
あった 。
表側面(ゲー ジN
0
5
)に、一 1.
5
9
1
μ
ε のひずみが発生し
(
6
) 7
5度架てい、二連中央(14
段目)荷重(実験地 2
2
)
ア
ている 。
5.292N (
5
4
0同f)荷重で一連目上部表主かん表側
横さん中央(ゲー ジN
u
2
2
C
)は
、 3,528N(
3
6
0
k
gf
)
イ
o
.
2)に、 -2.413μ 、一連目下部支かん
面(ゲージ N
荷重付近で0.
2%耐力値に達した。その後、 4.410N
下側先端側面(ゲー ジN
o
.
l
lに
、 2
.
0
1
8
μ のひずみが
(
4
5
0
k
gf)付近まで増加率はあまり変わらず4,410N
発生している。
2
9
2N (
5
4
0
(
4
5
0
k
gf)を超えると急激に高くなる 。 5,
イ 横さん中央下面(ゲー ジN
o
.
l4
C)は
、 2.940N(
3
0
0
k
gf)荷重時、主かん及び横さんとも変形したが、 5
k
gf)荷重付近で0.2%耐力値に達した 。その後、 4
.
4
1
0
分間経過後も亀裂・破損には至らなかった。横さん
N(
4
5
0同f
)付近まで増加率はあまり変わらず4
.
4
1
0
左右(ゲー ジN
o
.
22L、ゲー ジN
o
.
2
2
R
) のひずみ量は、
N (
4
5
0
k
gf)を超えると急激に高くなる。
中央のひずみ量と比較すると増加する度合いが緩や
かで、左右ほぽ均等であった(図 8
参照
)
。
5
.
2
9
2N (
5
4
0
k
g
f
)で主かん及び横さんとも変形し
たが、 5
分間経過後も亀裂・破損には至らなかった。
荷重除去後、はしごはわずかなが ら変形したが、
横さん左右(ゲージ N
u14L、ゲージ N
o
J
4
R
)のひず
容易に収納できた。
み量は、中央のひずみ量 と比較すると増加する度合
ウ
最大たわみ量 は
、 5.292N (
5
4
0
k
g
f
) 荷重時 1
1
8
m
m
で、最も多 くたわんだ位置は荷重点である 2
2段目で
いは緩やかかで、左右ほぽ均等であった(図7
参
照
)
。
あった 。
(
8
) 水平架てい、二連中央(14
段目)荷重(実験N
u
32
)
ア
(
81
)
最も大きなひずみが発生したのは、 980N (
lO
O
k
g
表 6 静荷重及び動荷重実験結果
2
5
0
0
0
90k
ず
gf静 荷 重
ひ みi
i
1
(a)
9
ひ
Ok
ず
z
み
f
動
i
i
l
荷重
ゲージNo
.
I
1
0
2
5
μ
ε
2
4
0
8
μ
ε
2.35
2
8
9
4
μ
ε
ゲージNo.2
9
3
2
μ
ε
1
6
5
5
μ
ε
1
.7
9
2
2
1
7
μ
ε
ゲージN
.
o3
-8
2
6
μ
ε
1
3
9
7
μ
ε
1
.69
1
6
3
3
μ
ε
ゲージ尚 4
8
5
5
μ
ε
一1744με
2
.
0
4
1
7
1
7
μ
ε
ゲージN
o5
-723με
1
4
6
2
μ
ε
2.02
-2068με
ゲ ジ Nα6
8
7
9
μ
ε
-1615με
1
.83
2
1
4
5
μ
ε
ゲージN
u
ひ 2
0
0
0
0
ず
み
(b)
倍率
90人
k
gfX
二 樹J
荷量 ひ
b/a ずみ量
(με)
1
5
0
0
0
1
0
0
0
0
5
0
0
0
0
9
8
0
(
1
0
0
)
1
9
6
0
(
2
0
0
)
2
9
4
0
(
3
0
0
)
3
9
2
0
(
4
0
0
)
4
9
0
0
(
5
0
0
)
5
8
8
0
(
6
0
0
)
術館 (N),( )内は k
g
f
0:ゲージNo.22L
1
.92
ロ ーゲージ N
u22C ム ゲ ジ N o .2
2R
図 8 横さんひずみ測定結果
(
全l
jれてい, 7
5
度梨てい, 三道
I目2
2段目横さん中央荷重)
f)荷重時、一連目上部表主かん表側面(ゲージ N
.
o2
)
と、はしごの主要構造部材の肉厚を 0
.
5
m
m薄くし 1
.
5
m
m
に、ー 1
,
3
5
0
μ
ε のひずみが発生している。
としたことが、要因と考えられる。
たわみ量 は
、 8
8
2N(
9
0
k
gf)荷重時9
1
m
m、980N(
10
0
イ
また、ひずみ量の絶対値の最も大きい箇所の値は、
.2%耐力値に対して小さく
塑性変形に至る値である 0
0
0
m
mであった。
k
gf)荷重時 1
(
9
) 水平架てい、各連重合部(10段目及び 1
8
段目)荷重
強度上全く支障ないと考えられる。
(
2
)6
5
度架てい、二連上端(19
段目)荷重(実験N
o
.
l2
)
(実験地3
1、N
.
o
3
3
)
1
0段目 9
8
0N (
10
0
k
gf)荷重時、最も大きなひずみ
たわみ量をみると、アルミ 2号機が最も大きくたわん
が発生したのは、一連目上部表主かん表側面(ゲー
でいるが、測定最大ひずみ量 は、塑性変形に至る値で
ジN
.
o2
)に
はないといえる。
ア
1,6
5
0
μ
ε のひずみが、 1
8
段目 9
80N(
10
0
(
3
)6
5
度架てい、二連中央(14
段目)荷重(実験地 1
3
)
主要構造部の測定最大ひずみ量の 0
.2%耐力比は、 66%
k
gf)荷重時、最も大きなひずみが発生したのは、三
O
.
6)に
連目上部表主かん表側面(ゲージ N
1,6
0
0
μ
ε
に留まっており、塑性変形に至る値ではない。
のひずみが、それぞれ発生している。
イ
たわみ量は、 1
0
段目 9
8
0N (
10
0
k
gf)荷重時 9
0
m
mと
なり、 1
8
段目 9
80N (
10
0
k
gf)荷重時9
1凹であった
荷重箇所である横さん左右端表側の測定最大ひずみ
量についても、塑性変形に至る値ではないといえる。
0
Q
O
)6
5
度 架 て い 、 各 段8
82N (
9
0
k
gf)静荷重(実験
No. l-5) 、毎分 100段一人登降てし ~882N
(
4
)
(
9
0
k
gf)動荷
重(実験No.4- 1)、毎分 100段二人連続登降てし ~882N
6
5度架てい、三連中央 (
2
2段目)荷重(実験N
o
.
l-4)
測定最大ひずみ量は、塑性変形に至る値ではないとい
x
える。
(
5
)7
5
度架てい、一連8
段目荷重(実験N
o
.
2
l
)
二人 (
9
0
k
g
fx2
) 動荷重(実験N
.
o
4
2
)
実験結果を次表に示す。各段8
82N(
9
0
k
gf)静荷重
測定最大ひずみ量は、塑性変形に至る値ではないと
,
0
2
5
μ
ε 、一人登降てい時は、最大で
時では、最大で 1
いえる。
2,4
0
8
μ
ε 、二人連続登降てい時は、最大 2,8
9
4
μ
εで
3,7
2
4N (
3
8
0
k
gf)荷重付近で荷重箇所横さん中央下
面のひずみ量が0
.2%耐力値に達したが4,410N(
4
5
0
k
g
f)荷重付近まで増加率はあまり変わらず 4
,
998N(
5
1
0
9
2N (
5
4
0
k
gf)荷
k
gf)を超えると急激に高くなる。 5,2
あった(表6参照)。
5 考察
重時、目視上は横さんが中央が約 7
m
m
変形するのみで主
(
1
)
6
5
度架てい、一連上端(11
段目)荷重(実験N
o
.
l
l
)
かんに変形はみられず、荷重除去後も収納可能であっ
た。安全基準の 3倍の安全率で算出すると 1
,
764N(
18
0
たわみ量をみると、 1号機より 2号機が大きくたわん
k
gf)となり、当庁仕様を十分に満たしている。
(
6
)7
5
度架てい、二連中央(14
段目)荷重(実験ぬ2
2
)
でいる。これは、アルミ合金のヤング率が炭素鋼の 3
分の lであり、柔らかい弾力性のある材質であること
(
8
2
)
3.528N (
3
6
0
k
gf)荷重付近で荷重箇所横さん中央下面
5
0凹幅)分布荷重
(
2
) 6
5度架てい、横さん中央一局所 (
.410N(
4
5
0
k
gf
)
のひずみ量が 0.2%耐力値に達したが4
.450N(
2
5
0
k
gf)荷重においては、はしご本体に特
の2
5
0
k
g
fを超えると急
付近まで増加率はあまり変わらず 4
に異常は認められず、また横さん中央部のひずみ発生
激に高くなる。 5
.292N(
5
4
0
k
gf)で、目視上は横さん
量 も問題なく、当庁基準を十分満たしている。
0
m
m変形するのみで主かんに変形はみられ
が中央が約 1
(
3
) 6
5度三連中央 (
2
2段目) 1.764N 080kgf)荷重(横
さん中央 5
0
m
m幅分布荷重)においては、はしご本体に
ず、荷重除去後も収納可能であった。
.
7
6
4
よって、安全基準の 3倍の安全率で算出すると 1
特に異常は認められず、主要構造材のひずみ発生量も
N (
1
8
0
k
g
f
) となり、当庁基準を十分に満たしている。
(
7
) 7
5度架てい、三連中央 (
2
2段目)荷重(実験N
u
2
3
)
問題な く、当庁基準を十分満たしている。
(
4
) 7
5
度架てい、横さん中央一局所 (
7
0
m
m
幅)分布荷重
4.116N (
4
2
0
k
gf)荷重付近で荷重箇所横さん中央下面
においては、二連目の横さん荷重時が最も高いひずみ
.
7
0
4N (
4
8
0
k
gf
)
のひずみ量が 0.2%耐力値に達したが4
量 を示し変形したが、 5分間経過後も亀裂・破損には
.410N (
4
5
0
k
g
荷重付近まで増加率はあまり変わらず4
至らず、荷重除去後、はしごはわずかながら変形した
f)を超えると徐々に高くなる。目視上は横さんが中央
ものの、容易に収納でき、安全基準の 3倍の安全率で
m変形するのみで主かんに変形はみられず、荷
が約 5m
算出すると許容荷重 1
.
7
6
4N (
1
8
0
k
gf)となり、当庁基
重除去後も収納可能であった。
7
5度架てい時、許容荷重 1
.
7
6
4N 080kgf)を十分
準 (
6
4
よって、安全基準の 3倍の安全率で算出するとし 7
N(
1
8
0
k
gf)となり、当庁仕様を十分に満たしていると
に満たしている。
(
5
) 水平架てい状態でのたわみ量は、一・二連重合部9
8
0
N(
1
0
0
k
gf)荷重で9
0凹、二・三連重合部980N OOOkg
いえる。
(
8
) 水平架てい、二連中央 04段目)荷重(実験地3
1
)
f)荷重で9
1
m
mであり、当庁基準の 1
0
0
m
m以下に適合す
たわみ量をみると、安全基準の値 1
0
0
0分の 1
5
(
1
3
0
.
5
m
m
)
る。残留たわみ量は 1~ 2凹で、当庁基準の 1
0
m
m以下
以下を十分に満たしている。測定最大ひずみ量は、 l号
を十分満たしている。
9
0
k
gf)荷重ではしご全体の
また、二連中央 882N (
機とほぼ同等に留まっており、塑性変形に至る値では
3
0
.
5
m
m
) 以下という安全基準については、 9
1
1
.5% 0
ないといえる。
(
9
) 水平架てい、各連重合部 00段目及び 1
8段目)荷重
m
mであり、支障なし当。
(実験N
u
3
2
)
たわみ量をみると、当庁基準の 1
3
0
m
m以下を十分に満
7 まとめ
たしている。測定最大ひずみ量は、塑性変形に至る値
各種測定実験の結果、 2号機のはしご強度及びたわみ
ではないといえる。
6
5
度架てい、毎分 1
0
0段一人登降てい動荷重(実験
5度 架 て い 時 で 許 容 荷 重
量は、当庁使用基準に定める 7
N
u
4
-1
)6
5度架てい 、毎分 1
0
0段二人連続登降てい動荷
1
.
7
6
4N 080kgf)において安全基準及び当庁基準の全て
重
を満足した。
側
静荷重に対する毎分 1
0
0段一人登降てい時に生じる
また、 1号機開発時に使用することができなかった複
から 2.
3
倍である。各ゲージ
各ゲージごと倍率は、l.7
数の管形状の製作が可能となり、強度上無駄な質肉と落
の倍率の平均値は、 l号機 (
2
.
6倍)より小さい1.9
倍
とすことにより、 1号 機 と 比 較 し て 約 49N (
5
k
g
f、
に留まった。
17%)、現用鋼管と比較して約 176N08kgf、42%)軽量
2
5
k
gf)の画期的な軽量三連はしごを
化した重量約 245N(
はしごを登降する被検者は同ーとし、各測定条件を
可能な限り同様としたことから、 l号機と 2号機の倍
開発することができた。
平成 6年 3月、立川消防署(立川 C) 及び蒲田消防署
率の差が生じた原因は、はしご形状の変更及びそれに
(空港 C) にそれぞれ実用配置し運用中である。
伴うはしごの揺れなどの影響から起因するものと推測
される。
8 今後の課題と対策
6 結論
はしごの強度の定義は、安全基準を基本とし、かつ、
(
1
) 2号機のひずみの発生量及びたわみ量 は、アルミ l
当庁基準を満足するものでなければならない。 2号機は、
号機よりやや大きい値を示したが、安全基準を全て満
今回の実験結果から安全基準に定義されている 3倍の安
足するもので、主要構造材のひずみ発生量についても
全率で算出すると許容荷重が 1
.
7
6
4N (
l8
0
k
gf)というこ
問題なく、強度上全く支障ない。
.470N0
5
0
k
g
f
) より優れ、当庁
とになり‘現用鋼管の 1
(
8
3
)
基準も十分に満足する o
いては今後の課題として研究していくこととする。
静荷重時のたわみ量についても、安全基準及び当庁基
準を十分満足しているが、静荷重時におけるたわ
告 参考文献
誕来のはしごと比較してやや大きいことから、動荷重時
における揺れも大きく感じられる。従って、はしご登降
(
1
) 消院科学研究所報第2
9号
1
9
9
2
.
9
「アルミ合金製三連はしごの開発について」
てい時の縮れが操作性にどのような膨響を及ぼすかにつ
(
8
4
)