講演会 - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

<スペシャル・レポート>
2015年2月5日
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
講演会「ニュージーランドへの投資の魅力」を開催② (全2回)
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社では、2015年1月下旬に 「ニュージーランドへ
の投資の魅力」と題する講演会を開催しました。その内容を踏まえて、スペシャル・レポートの形
式で2回に分けてご紹介します。
第2回は弊社投信営業部の湯浅による講演「ニュージーランド市場の現状と見通し」をご紹介
いたします。
図1:各国10年国債の利回りと格付け
債券の利回り・格付けは相対的に高い水準
ニュージーランド債券の大きな魅力の一つは、国債の利
4
回りが他の主要先進国よりも高いことです(図1)。
世界的に長期金利の低下が顕著となるなか、ニュー
ジーランドの10年国債は2015年1月末時点で3.2%と、他
の主要先進国と比較して利回りが高い水準にあります。
さらに、信用リスクの観点から一般的に「債券の利回りが
投信営業部 部長
湯浅 光則
(%)
3.2
3
2.4
2
1.6
1.3
1.3
1
高いほど、格付けは低くなる」という特徴がみられますが、
国債の格付も遜色ない水準となっています(図1下表)。
ニュージー オ-スト
ランド
ラリア
ニュージーランド・ドルは対米ドルで底打ちの兆し
2014年後半にかけて、ニュージーランド・ドル(NZドル)は
対米ドルで弱含んで推移してきました(図2)。
英国
カナダ
ドイツ
日本
Aaa
Aaa
Aaa
Aa1
Aaa
Aaa
A1
AA+
AAA
AA+
AAA
AAA
AAA
AA-
(出所)ブルームバーグ、2015年1月末現在
※格付は上段:Moody’s、下段:S&P(ともに自国通貨建長期債)
図2:NZドル相場と乳製品の国際市況(米ドル建て)
( 米ドル)
1,200
ニュージーランドの主要輸出品目である乳製品価格と
1,000
国内生産の減少を補うため大量の乳製品を輸入した結果、
800
0.85
12月以降
約17%上昇
つと考えられます。
そして乳製品価格が下落した理由のひとつは、中国が
0.90
対米ドル為替
(右軸)
NZドル(対米ドル)は長期的に近い動きをする傾向がみら
れ*、最近のNZドル安も乳製品価格の下落が主要因の一
米国
格付
り、良好な財政状況も同国の信用力向上に寄与している
ものと考えられます。
0.3
0
ニュージーランド政府は2015年度(2015年7月~2016
年6月)の財政収支(対GDP)を0.2%の黒字と計画してお
0.3
NZドル高
0.80
在庫が過剰となり需要が減少したためです。
しかし最近では、中国の過剰在庫の解消期待から乳製
品価格は上昇に転じ始めています。NZ乳製品大手フォン
テラ社が主催する乳製品の国際入札によれば、2月3日
現在、昨年12月の安値から約17%上昇しています。
1月下旬以降、インフレ率の低下や中央銀行の金融政
策方針の中立化などからNZドル安に推移していますが、
今後乳製品価格が堅調に推移すれば、NZドルも上昇トレ
ンドに向かうことが期待されます。
600
NZドル安
0.75
Global Dairy Trade価格指数(左軸)
(乳製品の総合価格指数)
400
'14/5
0.70
'14/7
'14/9
'14/11
'15/1
(年/月)
(出所)ブルームバーグ、GlobalDairyTrade
(期間)2014年5月1日~2015年2月4日
*2014年3月20日付マーケット・レター
「国際競争力を持つニュージーランドの乳製品輸出」参照
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて
作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証す
るものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びこ
こに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で
配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。
<スペシャル・レポート>
レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社
【日本と異なる環境の通貨を持つということ】
以下のようなニュージーランドの中長期的な成長性・財
務健全性を考慮すると、ニュージーランド・ドルは魅力的な
図3:ニュージーランドの総人口の推移
5
(百万人)
投資対象であると考えています。
① 成長する先進国
4
ニュージーランドの人口は、高い出生率による自然増と
移民の純流入により、長期的に増え続けています。
少子高齢化に伴う社会保障費の増加、そして国債発行
3
の必要性に迫られる日本とは状況が異なり、人的資源の
面で優位な状況にいると考えられます。
2
1990
② 豊富な食物資源
1995
2000
2005
2010
2015
(年)
(出所)ファクトセット
(期間)1990年~2019年(2014年以降は予測値)
ニュージーランドは185%(2010年、カロリーベース)の食
糧自給率を誇る、牧畜業が盛んな国です。世界の食市場
図4:世界の食市場の規模
はアジアを中心に拡大しており、豊かな食物資源を有する
同国は恩恵を受けやすい立場にいると考えられます(図4)。
(単位:兆円)
アジア
その他
③ 中央銀行の健全性
229
日本銀行および米連邦準備制度理事会(FRB)は、イン
フレ政策の一環として量的金融緩和を行った結果、資産
規模が急増しています(図5)。
82
そして欧州中央銀行(ECB)も2015年1月に量的金融緩
和策を発表し、今後は資産規模の膨張が予想されます。
今後は日欧マネーの流通量が拡大することで、日欧の通
2009年
貨に下落圧力が高まりやすくなると考えられます。
2020年
(予測値)
(出所)農林水産省
アジア:中国、香港、インド、韓国、ASEAN諸国の合計
一方、ニュージーランド経済は堅調に成長しており、中央
銀行(RBNZ)が紙幣の増刷を行う必要はなく、NZドルは日
欧の通貨に対して強含んで推移することが期待されます。
451
258
図5:中央銀行の資産規模
600
FRB
500
519
400
日本
銀行
300
200
ECB
271
190
100
2007年1月末を100として指数化
RBNZ
114
0
100名近い関係者が出席した講演会の様子
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (年)
(出所)ブルームバーグ、RBNZ、現地通貨ベース
(期間)2007年1月末~2015年1月末(RBNZは2014年12月末)
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて
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