PCB廃棄物の期限内処理完了に向けた北九州市の取組み(PDF形式

資料6
PCB廃棄物の期限内処理完了に向けた北九州市の取組み
[ポイントと教訓]
① 未処理機器の把握は平成 13 年度より使用中機器の届出を、平成 20 年度よりほぼ毎年
度掘り起こし調査等を行ってきたが、当初約束期限の最終年度(今年度)でもなお未把
握の機器が存在していた。
⇒ 掘り起こし調査をはじめ、未処理機器の把握は可能な限り早期かつ複層的に行う必要。
② 平成 13 年度より立入時に早期処理を求め、平成 25 年度当初より JESCO 営業課と連
携した集中的な指導等を行ってきたが、今年度末にようやく処理完了が見込まれる状況。
⇒ 集中的な確認・指導を行っても、全ての完了までは3年程度の期間が必要であり、か
つ、処理能力に余裕があることが前提となるため、なお早期の対応が必要。
③ 市役所分は、平成 23 年度から一括して環境部局で管理し、複数年に渡って周知・照会
を行い4ヵ年で処理完了するよう予算措置を行ったが、今年度でも未処理機器が新たに
発見された。
⇒ 予算準備は前年度中に行っておくこと必要があり、処理費用も多額に上る可能性があ
ることから、確実に把握するための総ざらいの照会を早期に行い、計画的かつ確実に予
算を確保する必要。
1. 未処理機器の把握
(1)使用中も含めた届出
〇 PCB 特措法施行後、平成 13 年度より保管中の PCB 廃棄物に加え、使用中の PCB 含有機
器についても、行政指導で届出を求めてきた。
(2)掘り起こし調査
〇 平成20年度から平成24年度にわたり計4回の掘り起こし調査を実施(詳細は別紙
2参照)。
延べ 53,616 事業所に対し調査票を送付、26,164 事業所より回答
トランス 185 台、コンデンサ 175 台(それぞれ平成 20 年度分届出数比約3%、約2%)
が判明
(3)広報
〇 幅広い媒体を活用して、処理期限の周知と PCB 保有の確認と処理の徹底を求める広報
を実施(平成 25 月8月∼9月)。
① 市の広報紙(市政だより)
② 新聞への広告掲載(市内で発行される新聞5紙)
③ 公共交通の車内広告(市内で運行する路線バス、モノレール及び私鉄電車の中吊り
広告)
④ 商工会議所の広報誌へ掲載
1
⑤ 中小企業団体連合会ホームページへの掲載
⑥ 公益財団法人北九州産業学術推進機構のメールマガジンへ掲載
(4)総ざらいの通知
〇 市内全事業者対象に、PCB 含有機器及び PCB 廃棄物把握及び処理の徹底を求める通知
を発出(平成 25 年9月、平成 27 年1月)。
① 平成 25 年は市内に本社、営業所及び支店等がある約 18,500 事業者に、
② 平成 27 年は①に市内の自家用電気工作物届出事業者、産業廃棄物排出事業者を加え
た約2万事業者に対して、それぞれ通知を行った。
2. 期限内処理の確保
(1)立入・指導
〇 平成 13 年度から保管事業者の立入を毎年行っており、適正保管の確認と併せて早期
処理の指導を実施。
〇 平成 25 年度より未処理機器保有事業者を重点的に立入り、処理予定時期の確認と計
画的に処理完了に向けたスケジュールを立てることを指導。
〇 平成 26 年4月には、未処理機器保有事業者に対して、
「高濃度PCB廃棄物処理意向
調査票」(別紙3参照)を市へ提出するよう指導。
(2)早期処理説明会
〇 JESCO と連携して市内の未処理機器の全保有事業者を対象に、早期処理を求める説明
会を開催(平成 23 年 10 月及び平成 25 年8月)。
(3)JESCO 営業課との連携
〇 平成 25 年度より、期限内処理に向けた JESCO 営業課との定期的な協議(当初は月1
回。現在は週1回)を実施。
① 未処理機器及び保有事業者のリストを共有化し、新規又は未届・未登録を問わず、
把握漏れを防止しつつ進捗管理を徹底。
② 事業者の進捗度合いと背景に応じて、JESCO(営業)と行政(指導)の役割分担によ
り事業者に応対し、懸案事例には集中的かつ共同して対処。
③ JESCO からの要請も踏まえた市内事業者への文書発出(平成 25 年9月、平成 26 年
4月)。
3. 市役所分の確実な処理
(1)一括管理・予算措置
〇 平成 23 年度から市役所各施設の保有機器を環境部局で一括して保管・管理し、4ヵ
年で処理完了するよう予算措置を行った。(総額:約8億2千万円)
(2)把握処理の徹底照会
〇 市役所分の総ざらいのための通知・照会を平成 22 年、25 年及び 26 年に実施。
2
(以上)
別紙1
PCB廃棄物の処理完了に向けた対応年表
北九州市
年度
未処理機器の把握
期限内処理の確保
進捗率
市役所分の確実な処理
・PCB特措法に基づく届出は保管中・使用
・立入時に保管状況の確認とともに、期限内の早期処理を
H13 中の両方を求める(行政指導。以降毎年
指導(毎年度)
度)
トランス類 コンデンサ類 安定器等
-
-
-
22%
9%
-
H16
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り
H17
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(53件)
59%
41%
-
H18
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(96件)
75%
68%
-
H19
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(69件)
80%
70%
-
H20
・掘り起こし調査①(従業員10人以上、市
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(28件)
内全区、8,912事業者)
77%
75%
21%
H21
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(45件)
75%
80%
27%
H22
・掘り起こし調査②(従業員5人以上、市内
・新規保管、多量保管事業者を中心に立入り(28件)
全区、17,700事業者)
・22.8∼ 市全部局に対する保
有機器の把握・意向調査
83%
84%
37%
H23
・未処理機器保有事業者を重点的に立入り(47件)
・掘り起こし調査③(従業員5人未満、市内
・環境局で一括して保管・予算
・23.10 未処理業者を対象とした早期処理に関する説明会
東部、14,467事業者)
措置(4ヵ年で処理完了)
①
87%
87%
53%
H24
・掘り起こし調査④(従業員5人未満、市内 ・未処理機器保有事業者を重点的に立入り(76件)
西部、12,537事業者)
・JESCO営業課と連携し、役割分担した指導・営業を実施
89%
90%
66%
・25.7 市全部局に対して未処
理機器の有無の確認及び期限
内処理に徹底の通知
89%
90%
77%
・未処理機器保有事業者を重点的に立入り(9件)
・26.4 未処理機器保有事業者へ処理意向書の提出を指導 ・26.4 市全部局に対する未処
・JESCO営業課と協働での、集中的な指導・営業
理機器の最終確認調査及び年
・26.11∼週一程度のペースでJESCO営業課との情報交 度内処理の依頼
換、処理の進捗管理
99%
98%
90%
・未処理機器保有事業者を重点的に立入り(45件)
・25.4∼ 月1回程度のペースでJESCO営業課との情報交
換、処理の進捗管理
・25.8∼9 幅広い媒体を活用した広報
H25 ・25.9 市内18,608事業者にPCBの把握・ ・JESCO営業課と協働での、集中的な指導・営業
処理の徹底を通知①
・25.7 未処理業者に対する早期処理の要請文書の発出
・25.8 未処理業者を対象とした早期処理に関する説明会
②
H26
・27.1 市内約2万事業者にPCBの把握・
処理の徹底を通知②
PCB処理施設(1期)稼動開始
PCB処理施設(2期)稼動開始
別紙 2
市内事業所に対するPCB廃棄物・含有機器の保有調査について
新たに判
年度
時
期
対
象
対象数
回答数
明した保
新たに判明した
有事業所
保有台数
数
(高濃度)
トランス :73台
20
平成21年
年度
1∼2月
従業員10人以上
市内全区
8,912
5,128
88
コンデンサ:84台
(微量)
トランス :28台
コンデンサ:
0台
(高濃度)
トランス :
22
平成23年
年度
2月
従業員5人以上
市内全区
17,700
8,965
50
0台
コンデンサ:31台
(微量)
トランス :54台
コンデンサ:12台
(高濃度)
23
平成24年
年度
2月
トランス :
従業員5人未満
市内東部(門司、
14,467
6,235
10
小倉北、小倉南)
2台
コンデンサ:12台
(微量)
トランス :13台
コンデンサ:
5台
(高濃度)
従業員5人未満
24
平成25年
年度
1月
市内西部(若松、
戸畑、八幡東、
12,537
5,836
21
八幡西)
トランス :
1台
コンデンサ:
9台
(微量)
トランス :14台
コンデンサ:22台
合
計
※ 平成20年度分届出数
トランス :185台(平成20年度分届出数比約3%)
コンデンサ:175台(平成20年度分届出数比約2%)
トランス:6,818台 コンデンサ:7,977台
17
26
9
PCB
PCB
JESCO
PCB
27
3
31
PCB
27
3
31
JESCO
26
6
JESCO
26
8
26
12
JESCO
PCB
PCB
803-8501
TEL 093-582-2178 FAX 093-582-2196
JESCO
TEL 093-522-8588
3
8
1
PCB