「日刀保たたら」火入式及び操業開始

 操業回数は本年度も三 代 ( 三 回 ) 行
い、伝統技術の円滑継承 と 各 養 成 員 の
ました。
り、火入式が行われ、操 業 が 開 始 さ れ
たたら」において、本年 度 初 の 火 が 入
(水)
、
去る平成二十七年一月二十一日
島根県仁多郡奥出雲町大 呂 の 「 日 刀 保
操業回数は、復活以来一五〇回に迫ろ
その三代の操業を経て日刀保たたらの
及び養成員は体調管理に苦労しました。
目・二代目はほとんど雪もなく、村下
上に降雪に恵まれない年となり、一代
えることができました。本年は昨年以
日までその操業を行い、この負託に応
背負った「日刀保たたら」は、二月七
っております。このような重い使命を
午前十一時三十分に、今年度初の砂
鉄である「初種」が木原明村下と渡部
町勝田康則町長らが出席されました。
代表取締役社長が、地元からは奥出雲
株式会社日立金属安来製作所佐坂克郎
本事業に技術援助として運営してきた
貞利刀匠が出席され、操業開始以来、
た、奈良県指定無形文化財保持者月山
德川康久宮司と野崎竜太権禰宜が、ま
たらを運営していた靖国神社からは、
て、日刀保たたらの前身である靖国た
で幕を明けました。この他に来賓とし
黒滝哲哉たたら課長の列席のもと神事
ノロの排出
存です。
たら関係者は日々研鑽を積んでいく所
技術の重要性を再認識し、これを着実
ものづくりの原点のひとつであり、
かつ最前線としての「たたら」という
成に大いに寄与しています。
身につけつつある後継者の順調なる育
また、木原・渡部両村下の薫陶を受
けた村下代行二人体制は、高い技量を
ら侍」への期待などが語られました。
玉鋼が生み出されること、映画「たた
た地下構造改修工事に言及し高品質の
式典中の小野裕会長の挨拶では、関
係者への謝辞と共に昨年来行われて来
が始まりました。
着実な技量向上が育まれ 、 後 継 者 も 育
勝彦村下により装入され、三代の操業
火入式は、一月二十一日午前十時三
十分、小野裕会長、飯田俊久学芸部長、
っており、文化財保護法第一四七条「選
うとしています。
三上・堀尾両村下代行による砂鉄装入
平成二十六年度
「日刀保たたら」火入式及び操業開始
定保存技術」の趣旨に則 し た 運 営 を 行
木原・渡部両村下による砂鉄装入
に継承し前進させるために、日刀保た
小野会長による挨拶
29 刀剣美術2015.3(698号)