shiori2014

タイでの安全のしおり
在タイ日本国大使館領事部
在チェンマイ日本国総領事館
タイでの安全のしおり
目
次
第1 はじめに
1.はじめに
1
2.海外生活における安全対策上の基本的心構え
(1)自分と家族の安全は自分達全員で守る
(2)予防が最善の危機管理
(3)いざという時に備える
(4)タイの法律を遵守し、タイ固有の文化・風習や価値観を尊重する
(5)精神衛生と健康管理に留意する
第2 防犯の手引き
3
1.侵入窃盗に対する防犯
(1) 防犯上から見た住居の選び方
(2) 住居の一般的な防犯方法
2.強盗に対す防犯
(1) 強盗事件の傾向
(2) 防犯対策
3.スリ、置き引きやひったくり等に対する防犯
(1) スリ、置き引きやひったくり事件の手口
(2) 防犯対策
4.詐欺事件に対する防犯
(1) 詐欺事件の手口
(2) 防犯対策
5.性犯罪に対する防犯
6.交通事故対策
(1) 交通事故の防止
(2) 交通事故発生時の措置
7.健康上の留意事項
(1) 注意を要する病気
(2) タイの医療環境
第3 タイ国での犯罪発生状況
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1.タイ国の犯罪発生状況
(1) 日本人の犯罪被害状況
(2) 日本人が被害者となった特徴的事例(手口解説)
(3) 日本人が逮捕される事例
(4) 注意すべきその他のトラブル
第4
タイ国の近年の情勢
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1.爆弾事件
2.反政府デモ
(1) 概要
(2) 対策
3.国境紛争
(1) 概要
(2) 対策
第5
緊急事態への備えと対応
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1.平素からの心構え
(1) 旅券の保管
(2) 食糧及び現金の準備
(3) 連絡網等の確立
2.緊急事態発生時の対応
(1) 情報の入手
(2) 安否確認等の実施
(3) 避難・退避の実施
第6
おわりに
1.大使館・総領事館からのお願い
2.連絡先
3.主要連絡先
(1) 日本人関係団体
(2) 警察関係
(3) 火災及び救急車
(4) 主な病院(救急車の要請可)
(5) 主な航空会社
4.いざという時のための簡単タイ語
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第1
はじめに
1.はじめに
みなさんは安全対策についてどのようにお考えでしょうか。海外では自ら努力
しなければ安全は手に入りません。海外で安全に暮らすにはみなさん自身が常日頃
から安全対策を意識し、実行することが大切です。
タイでは、銃器や薬物が比較的容易に入手できる現状等を背景に、日本の数倍
の割合で殺人、強盗、強姦事件等の凶悪犯罪が発生しております。また、在タイ日
本国大使館の邦人援護活動件数が他国に比べて大変多いということは、日本人が事
件事故に巻き込まれる確率が他国よりも非常に高いということです。
在タイ日本国大使館及び在チェンマイ日本国総領事館では、関係者の協力を得
つつ、在留邦人及び旅行者のみなさんが安心してタイに滞在していただけるよう努
力しておりますが、みなさんご自身におかれましてもタイの実情を良く把握し、情
報収集を怠らないよう、日頃からの安全対策を積極的に心がけていただくようお願
いいたします。
2.海外生活における安全対策上の基本的心構え
海外においては、みなさんが滞在される国の実情に合わせて安全対策を講ずる
必要があります。タイで安全に生活するための基本的な心構えとしては次のものが
挙げられます。
(1)自分と家族の安全は自分達全員で守る
比較的に治安の良い日本に住んでいた私達は、外国に出ると安全への配慮が足
りないとよく言われます。海外ではなによりも自分達の安全は自分達で守るという
強い心構えが必要です。
現地に到着した当初は安全に気を配っていても、何ヵ月、何年と生活し、慣れ
が生じてくると、当初注意していたことを忘れがちになり、思わぬ被害に遭うこと
があります。家族全員、会社全体で気持ちを引き締める機会を定期的に持ちましょ
う。
また、最新かつ正確な情報を入手し、危険を回避する、防止する、軽減するよ
う努力しましょう。
(2)予防が最善の危機管理
【警備員や警備システムの導入、部屋の鍵の二重ロックなどの防犯】
日本とは言語・習慣・補償も異なる異国で、事件・事故・災害に巻き込まれて
からでは遅いのです。予防こそが最高かつ最重要の危機管理であることを認識し、
予防のために必要な努力と経費は惜しまないことです。家族、社員全員が無事に帰
国できれば、その安全のための経費は最も価値ある投資といえましょう。
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【防犯対策・犯罪防止3ない用語】
●近づかない
「危険な場所」には不用意に近づかない、夜間の外出や一人歩きを避けるという用心
が大切です。タイ、特にバンコクにおいては、歓楽街や繁華街やスラム街が混在しま
す。それらに近づかなければ、犯罪被害に遭う確率は格段に下がります。
●慌てない
不幸にも犯罪が身に降りかかってきた場合の対処です。先ずは、生命の安全を第一
に考え、場合によっては、犯人の要求に抵抗しない態度を示すことが必要です。なお、
その際、後に警察等に被害届けを出すときのために、犯行の状況をできるだけ記憶し
ておくことが大切です。
●楽観視しない
一般的に他の外国に比較して、「タイは安全、治安が良い」と言われていますが、
それでも日本国内と比較すれば、市街地におけるスリ・詐欺事件などの犯罪から、発
砲事件、爆発事件等に至るまで、様々な事案が多く発生しています。「タイなら大丈
夫、安全」と自分の中に勝手な安全基準を持って、タイの犯罪情勢を楽観視してはい
けません。
(3)いざという時に備える
「備えあれば憂いなし」国外にいる時は常に災害・事件・事故・その他万一の緊
急時に備え、必要最小限の物は直ちにスーツケース等に詰め込めるよう整理及びメ
モを作成しておきましょう。いざというときに慌てることなく、迅速に行動できま
す。また、海外旅行保険に加入して事故・病気に備えましょう。
(4)タイの法律を遵守し、タイ固有の文化・風習や価値観を尊重する
タイと日本の価値観の違いを認識し、無用のトラブルが生じないよう注意しま
しょう。また、会社の従業員、メイドや運転手など、タイの人々の間で良好な関係
を保つように努めることも大切です。我々外国人は、タイ国に住まわせてもらって
いるという謙虚な気持ちを忘れてはいけません。
(5)精神衛生と健康管理に留意する
生活環境や習慣の異なる海外での生活は、長期間にわたる緊張を余儀なくされ
ることが多く、精神面や肉体面の自己管理が重要です。体調に異変を感じたり、精
神的に不安を覚えたりしたときは、手遅れにならないよう早め早めのチェックを受
け、また、心配事はどんな小さな問題でも決して一人では悩まず、家族や信頼でき
る友人等に良く相談し、精神的に追い込まれていると感じた場合は、早い段階で日
本への帰国を決断することも大切です。
2
第2
防犯の手引き
一部の不可避的な事件を除き、ほとんどの事件・事故はちょっとした注
意を払うことにより防ぐことが可能です。防犯対策等について、次のアド
バイスを参考にしてください。
1.侵入窃盗に対する防犯
屋内に侵入する窃盗犯人は、家人に発見されると居直り強盗に豹変する
可能性があります。この種の犯行を防ぐには、家屋自体の防犯設備を強化
することや、管理人や隣人との関係を良好に保ち、異変を早く察知できる
ことが重要です。
(1)防犯上から見た住居の選び方
・守衛が24時間体制で勤務し、出入者チェック等が機能している。
・監視カメラ等の不審者対策が取られている。
・死角になる箇所が少なく、十分な照明が設置されている。
・玄関や寝室等の扉や鍵は頑丈な構造で設置されている。
(2)住居の一般的な防犯方法
犯人は一般的に犯行前の下見をし、十分様子を窺っています。防犯装置
は外観上も設置していることが明らかな装置を設置し、犯人にこの家は入
り難い、面倒だと思わせることも大切です。
また、次のようなことに気をつけましょう。
・元の住人やその使用人が合鍵を持っている可能性があるため、可能な限り
「錠の取り換え」「錠の増設」を検討する。
※錠カバーを設置することで、侵入盗を抑止する可能性がある。
・メイドには、主人の許可なしに外部の人間を家の中に入れないよう十分に
指導する。
*ケーブルテレビ会社などを装い点検と称して室内に入ろうとする場合が
あります。
・手癖の悪い使用人が現金や宝石などを盗む可能性がないとは言えません。
大切なものは保管方法をよく検討し、決して目に付く場所に放置しないよ
うにする。
・長期間留守にする場合、信頼のおける知人等に留守時の点検を依頼する。
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2.強盗に対する防犯
(1)強盗事件の傾向
・帰宅等の際に尾行し、コンドミニアム(ホテルの客室)等に入る際に一緒に入り込み、
エレベータ内や室内で犯行に及ぶことがある。
・修理工、配達人を装い家人がドアを不用意に開けたところを一気に押し入る例がある。
・深夜単独歩行中やタクシー乗車後に、拳銃やナイフ等を突きつけ金品を強奪される例が
ある。
(2)防犯対策
・入室時は周囲に不審な人物がいないか十分警戒する。
・来訪者と応対する際はドアチェーンを付けドアを全開にしない。
・予定外の訪問者には身分証の提示を求め、関係会社へ電話するなどして確認する。
・深夜の単独歩行、タクシーの利用を控える。
3.スリ、置き引きやひったくり等に対する防犯
(1)スリ、置き引きやひったくり事件の手口
*第3、1、(2)日本人が被害を受けた特徴的事例(手口解説)(11頁)を参照。
(2)防犯対策
・バイクに乗って後方からバックをひったくるケースが多いため、歩行する際はバックを
道路と反対側に持つようにする。
・レストランでの食事の際、テーブル、イスなどにハンドバッグやカバンを置いたまま席
を立たない。数人の場合には必ず荷物を監視する人を残す。イスの背もたれに掛けてお
くと盗まれたり、忘れたりすることが多い。
・銀行やATM機を利用したあとは、不審人物が周囲にいないか十分警戒する。
・財布や貴重品は、ズボンの後ろポケットやバッグのすぐ取り出せるところに入れない。
・空港、ホテルの手続き中、瞬時たりとも荷物から目を離さない。
・貴重品はセフティーボックスに預け、持ち歩かない。
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4.詐欺事件に対する防犯
(1)詐欺事件の手口
【見せ金詐欺】
主に中東系犯罪グループによるもの。親しげに「日本人ですか?今度日本に行き
ます。円のレートを教えて下さい。その前に日本円を見せて下さい。」など英語と
日本語を近づいてくる。会話するうちに財布の中から現金が抜き取られる。
【振り込め詐欺】
ある日突然メールが届き、「ネット宝くじに当選しました」「所得税の一部が還
付されます」などと騙し、「賞金受け取りのための手数料」「還付手続」と称しお
金を振り込ませたり、ATMで操作させたりします。
【ネットを利用した詐欺】
投資を募るサイトやネット上で知り合った人物からいい投資話があると持ちかけ
られ、お金を振り込んだあと連絡がつかなくなる。ネット上で知り合った人物から
プレゼントを送付したとメールが入った数日後、現地のクーリエ会社や関税局を装
い、通関手数料、税金などと称しお金を振り込ませる。
【商取引詐欺】
「貴社の商品に関心がある」などと接触し、非常に好条件で大きな取引を交わす
ことになるが、契約の段になり契約書作成手数料や印紙代と称し、数万円から数十
万円のお金を請求する。
【ブラックマネー詐欺】
黒いコーティングがされた米ドル札のコーティングを溶かす薬液を購入する代金
を立替えてくれれば高額の報酬を渡すという内容の詐欺。
(2)防犯対策
タイでも日本同様、あらゆる種類の詐欺事件が発生しています。いかなる内容で
あれ、金銭が関わる場合は、信頼できる人に相談するなど、安易にお金を振り込ん
だり、渡したりしないよう注意しましょう。うまい「儲け話」など決してありえな
いことを十分認識しましょう。
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5.性犯罪に対する防犯
夜間、不必要に出歩かないということが基本になりますが、どうしても出
かける必要がある場合には、なるべく一人歩きを避け、遠回りでも幹線道路
など明るくて広い通りを利用するように心掛けてください。
また、肌を露出した服装をしない、相手が勘違いするような曖昧な態度を
取らないなど自らの行動に責任を持ちましょう。
夜間、女性が一人でタクシーやバイクタクシーに乗車した際に、車内で運
転手からけん銃やナイフなどの凶器で脅かされたり、わいせつ目的で連れ回
される事件が発生しています。また、旅先で親しくなった男性から突然わい
せつ行為を受ける事案も発生しています。
強制わいせつ等の性犯罪は、プーケット、クラビー、パンガー島等のビー
チリゾートで発生しており、女性旅行者が、被害者となるケースが多いと言
われています。パンガー島に渡る船の中での女性旅行者を狙ったわいせつ行
為やビーチボーイと呼ばれる海岸で働く若い男が、砂浜で女性を物色し、
マッサージや飲食物等サービス行為を行う中、性的関係を強要するという事
案があります。性犯罪は、女性が恥ずかしがり被害を申告しないことが多く、
バンコク都内でも性犯罪は発生しています。なお、最近はバンコク都内の電
車内及び長距離鉄道内での痴漢行為が発生しています。
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6.交通事故対策
(1)交通事故の防止
当地の運転マナーは一般的に良いとは言えず、運転技術が劣る人も相当多いこ
とやスピードもかなり出していることから、交通事故の発生も多く、死亡・重傷事
故も多くなっています。また、車優先の交通社会のため、道路の歩行や横断に際し
ては細心の注意が必要となります。日本とはルールも環境も異なることを十分留意
の上、現地の人たちがやっているからといって危険な行為は絶対に真似しないよう
にしてください。事故に遭う可能性を少なくするために、以下の点に十分注意して
身を守ってください。
【歩行者の留意事項】
・歩行者優先の意識が低いため、道路を横断する際には、例え青信号であっても左
右の安全を十分確認する。
・タクシーを降りる際、後方からくるバイクに十分気をつける。
・交通事故の被害者となってもタイでの保険・補償金は日本と比べ極めて低く、加
害者に補償能力がない場合もあるため、自身でも保険に加入しておく。
【運転者の留意事項】
・交通事情が悪いので自動車の運転はできるだけ避けた方が賢明ですが、やむを得
ず運転する際は次の点に留意してください。
・バンコク市内やチェンマイ市内は一方通行の個所が多くあり、時間別の交通規則
を採用していることから、通行方向や走行車線が一定せず複雑であるため、事前に
走行ルートをよく確認するとともにタイの交通法規を遵守し安全運転に努める。
・バイクが車両の隙間をぬって走行しているため、車線変更の際は十分気をつける。
・車線変更時にウィンカーを出さない自動車が多いので予測運転を心掛ける。
・車間距離不足による追突事故、車線変更時の接触事故が多いので、車間距離を十
分取るようにする。
・事故が発生してしまった場合、怪我人があれば救護措置をとり、警察へ通報を行
う。また、加入している保険会社に連絡し、事後処理を依頼する。
(2)交通事故発生時の措置
・不幸にして交通事故の当事者となったり巻き込まれたりした場合は、負傷者の救
護を優先させ、早急に警察に通報する。
・警察(191番)
救急車も要請可
現場の保存のため可能な限り車両は動かさない。やむを得ず移動させる際は路
面に印をつけるか、カメラ等で現場の状況を撮影しておく。
言葉の問題、事後処理の面からもタイ人スタッフや通訳人の派遣を要請する。
警察から書類に署名を求められた場合、内容を良く確認した上で署名する。
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7.健康上の留意事項
タイ国土の大部分は熱帯モンスーン気候に属し、雨期(6月~10月)と乾期
(11月~5月)に大きく分かれ、特に3月から5月ごろは一年中で最も暑く、季節
は高温多湿であるため、身体的にも精神的にも疲れがたまりがちです。日頃から無
理をすることなく、十分な休養と睡眠を取ることが大切です。
(1)注意を要する病気
【デング熱】
バンコクを含む全土で、昼間に吸血するネッタイシマカ又はヒトスジシマカを介
して、主に雨季(6月~10月)に流行が見られます。2013年には15万人が
罹患し133例の死亡例がありました。北部チェンライ県、メーホンソーン県、
チェンマイ県、プーケット県、クラビ県で罹患率が高くなっています。ワクチンは
なく長袖シャツ、長ズボンを着用する等、蚊に刺されないようにすることが重要で
す。デング熱に感染すると、急性期には発熱、頭痛、関節や筋肉痛、発疹が現れま
す。1週間ほどで回復する病気ですが、約10%の割合で出血を伴う「デング出血
熱」を呈することがあります。この場合、急にショック状態に陥って死に至るおそ
れもあるため、感染の疑いがある場合は、必ず医師の診察を受けてください。
【マラリア】
夜間に吸血するハマダラカを介して、主に雨季に患者数が増加します。 2013
年には1万4千人が罹患し9例の死亡例がありました。罹患者のほとんどが国境に
接する県に集中しており、ヤラー県、ラノーン県、ターク県、メーホンソーン県、
チュムポーム県で罹患率が高くなっています。2012年の1万6千例の内訳は、
熱帯熱マラリアが43%、三日熱マラリアが35%%、両者の混合タイプが1%、不
明が20%でした。予防薬としてメフロキン又はクロロキンとプログアニールの併
用が有効ですが、カンボジア、ミャンマーとの国境付近ではメフロキン耐性熱帯熱
マラリアが発生していますが、ドキシサイクリンは有効です。ドキシサイクリン、
メフロキンは日本でも入手可能です。上記流行地域に出かける場合は、あらかじめ
専門医にマラリアの予防内服の必要性について相談してから出かけるようにして下
さい。 バンコクなどの都市部で感染する可能性はまずありません。
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【細菌性下痢】
細菌性下痢はタイで最も多い病気の一つで全土で発生が見られます(2013年1
07万例)。原因菌としてサルモネラ属、プレジオモナス属菌、エロモナス属菌、大
腸菌、が主な原因菌です。 常日頃から次のことに注意してください。
①生もの(特に魚介類)は控える
②生ものは熱を通してから食べる
③調理した後は速やかに食べる
④調理場や食器類などは乾燥させておく
⑤外食の場合には衛生的な飲食店を選ぶ
【アメーバ赤痢】
2013年には3226人の罹患者が発生しました。一年を通じて発生が見られま
す。北部ミャンマー国境に接している県で多く発生しており、メーホンソーン県、
ターク県、シーサケット県で罹患率が高くなっています。アメーバに汚染された飲食
物で感染しますので注意してください。
【腸チフス】
2013年には2450人の罹患者が発生しました。5月から感染者数が増加し、
7月から8月にかけて最多になりその後減少、12月の感染者数が最低となっていま
す。ナラティワート県、メーホンソーン県、パッタルン県で罹患率が高いようです。
汚染された加熱不十分な肉類から感染することが多く注意してください。
【HIV感染症・エイズ】
1989年6%だったセックスワーカーの罹患率が1994年には34%に達し国
を挙げての「100%コンドーム使用キャンペーン」の結果2012年には1.6%
まで下降しました。性感染症を持つ男性の罹患率は2.3%です。また妊婦における
罹患率は0.5%です。感染者は20歳から39歳までの年齢層が最も多くなってい
ます。感染経路として最も多いのは性行為で、薬物中毒患者の注射行為に依るものも
多くみられます。感染ルートについて正しく理解し、慎重かつ節度ある行動が要求さ
れています。
【狂犬病】
2013年のヒト狂犬病発症例は6例で、全員死亡しています。2012年赤十字
の狂犬病センターに持ち込まれた1583検体のうち155検体が狂犬病ウイルス陽
性で、内、犬が90%を占めています。赤十字の医師によると2から4%の野犬が感
染していると推定されるそうです。万一、素性のわからない犬に噛まれた場合には狂
犬病ワクチンの暴露後接種が必要です。速やかに医療機関を受診する必要があります。
【結核】
2013年11月までに全土で5950例の新規肺結核患者が発生し、10万人当
たり9.37人の罹患率です。更に結核性髄膜炎157例、その他臓器結核(リンパ
節、脊椎、骨・関節、腹膜、泌尿器、不明)2601例も報告されています。B.C.
G接種を受けていない場合、感染の危険が高まりますので注意してください。
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(2)タイの医療環境
バンコクの代表的な私立病院の医療設備は、日本の病院と比べて遜色なく、優秀な
医師も多数勤務しています。また、日本に留学経験のある医師も多く、タイの医師免
許を取った日本人医師が居る病院もあります。日本人スタッフや日本語通訳者を常駐
させている所もあり、日本語での問い合わせも可能です。地方の主要都市の代表的な
私立病院も、医療設備はおおむね整っています。
私立病院の医療費はしばしば高額となりますので、渡航前に海外旅行保険に加入す
ることをお勧めします。
なお、日本語・英語が通じる主な病院の連絡先は26頁を参照ください。
(3)煙害(ヘイズ)
毎年乾期の後半、即ち2月から5月位を中心として、タイ北部各県において、山
焼きや野焼きに起因すると思料される煙害(ヘイズ)が発生しています。ところによ
り、タイ政府が定める安全基準を大幅に上回る大気汚染が発生しており、健康被害を
引き起こす可能性が排除されません。タイ環境省公害管理局は、地域住民、特に子供、
高齢者、気管支等疾患者に対して、煙害が激しい場所における活動は極力避け、外出
の際はマスクを着用し、家のドアや窓を閉め、体調不良になった場合は医師に相談す
る旨、注意喚起をしています。
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第3
タイ国での犯罪発生状況
1.タイ国の犯罪発生状況
タイ警察が発表した2012年の犯罪統計によれば、殺人事件(未遂含む)の発
生は8,789件、傷害事件が13,422件、強姦事件が3,555件、強盗事
件が408件、盗難事件等が45,560件発生しております。また、銃器不法所
持事案では32,556人、薬物犯罪事案では400,494人がそれぞれ検挙さ
れており、薬物や銃器の氾濫が殺人事件(未遂を含む)などの凶悪事案の多発の要因
とも言われています。一方、タイにおいて日本人が巻き込まれる被害の圧倒的大多
数は窃盗、詐欺等であり、この数年間において日本人が殺人事件などの凶悪事案に
巻き込まれる事例は少ないものとなっておりますが、タイにおける凶悪事件発生率
は、日本と比べても非常に高い水準で推移しておりますので、十分注意してくださ
い。
(1)日本人の犯罪被害状況
2013年大使館に報告があった日本人の犯罪被害で、最も多かった被害は
スリ・置き引き被害の124件で、次いでひったくりの30件となっており、財
産被害の6割近くを占めています。スリや置き引きの手口は多様化していますが、
複数名がグループになり被害者の注意をうまくそらせた上で犯行に及ぶケースが
ほとんどです。また、荷抜き、客盗等は11件、ホテル荒らし、空き巣、車上荒
らしは合わせて9件、睡眠薬等薬物を使用した窃盗は9件、いかさま賭博被害3
件となっています。宝石・洋服のキャッチセールス被害は11件の報告がありま
した。旅券は、明確な盗難が114件、紛失(盗まれたものか明確でないものも
含む)が122件で合計236件が同年中に無くなっています。
(2)日本人が被害を受けた特徴的事例(手口解説)
【集団スリ(複数の人物がグルになり犯行に及ぶ)】
バンコク都内のデパート、駅等において、被害者がエスカレーターを利用した際
に、スリグループが前後を挟み、エスカレーターの降り口の直前で、前方の者がつ
まずくふりをして、被害者が立ち止まるような状況をつくります。その後、後方の
仲間が将棋倒しになって被害者に体を押しつけ、その際に被害者のポケットやウエ
ストポーチ等から財布を抜きとるという手口です。なお、前後を挟む犯人グループ
は女性の場合もあります。また、バンコク都内を中心に、窃盗団によると思われる
盗難事件が発生しています。窃盗団は、5人から10人位の人数で、チームワーク
が良く、役割分担が出来ており、リーダーを中心に、被害者を見つける役、見張り
役、逃走を助ける役、受け取り役等がある。代表的な手口として「実行役」が、口
の中に小型の刃物を仕込んで、被害者に近づき、バック等を切り裂き、中から財布
等金品を抜き取り、「受け取り役」に品物を手渡し、それぞれが連携して、犯行現
場から立ち去ります。これらの犯罪は、有名寺院、王宮の周辺等で発生しています。
なお、被害者は、外国人観光客が主な犯罪のターゲットになる傾向があります。
●事例1 デパートやBTSスカイトレイン等のエスカレーターで、前方の人
物が物を落としたり、転んだふりをしたりして行き先を塞ぎ、慌てていると、後
方から数人の仲間が突き当たってポケットや鞄内の旅券、財布等を盗みとる。
●事例2 市場などの人ごみや電車車内などで複数の人物に取り囲まれ、鋭利
なものでバックを切られ財布等の貴重品をスリ盗られる。
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【抱きつきスリ、物売りスリ】
●事例1 歩行中、数名のオカマがなれなれしく身体に触れたり、抱きついたりして気
をそらせ、ポケットから財布や携帯電話を盗みとる。
●事例2 複数の物売りがしつこく付きまとい、拒否している隙にポケットやバックか
ら貴重品を盗みとる。
【道尋ねスリ】
●事例1 タクシーの後部座席に座った外国人女性が「○○○に行きたいが、運転手に説
明してほしい」「○○○の場所を教えてほしい」などと言って車内に引き込み、広げた地
図の下でバックやウエストポーチ内の財布等を盗みとる。
【置き引き】
チャトチャック市場(ウイークエンド・マーケット)やデパート、ホテル、空港、バス等の
混雑する場所において、バッグを切り裂かれ、中の貴重品を抜き取られる事件が発生してい
ます。また、ホテルのビュッフェ形式のレストランやロビーにおいて、貴重品から目を離し
た隙に、バッグ等を盗まれる事件が発生しています。タイ北部では、チェンマイ市内旧市街
のワローロット市場、サンデーマーケット等混雑する場所において、スリ置き引きの被害が
発生しています。中東又は西洋人風の男性(私服)が警察官を装って近づき、外国人の事件
を捜査中であると言いつつ、持ち物を点検する際に、財布から現金を抜き取るという手口で
す。
●事例1 ホテルのブッフェ形式の朝食やデパート内のフードコートで、席を確保するた
めバックや買い物荷物等をテーブルや椅子においたまま席を外したところ、ほんの僅かの隙
に何者かに持ち去られる。
●事例2 レストランやコーヒー店等で座っていると時間やトイレの場所を尋ねられたり、
お金が落ちていますなどと声をかけられたりし、気を取られている間に視界からはずれた
鞄を仲間が持ち去る。
●事例3 スーパーなどのショッピングカート上に置いていた鞄が、商品を選んでいるほ
んの一瞬のうちに盗まれる。
【バイクによるひったくり】
ひったくりは、歩行中、バイクに乗った犯人が後ろから近づき、ハンドバッグ,ショル
ダーバッグ等を奪い取っていくものです。抵抗すると引き倒され、背後から刃物で刺される
事件が発生しています。近年、バンコク都内を中心に、「デックウェン」と呼ばれる若者集
団(暴走族)が社会問題となっています。彼らの無軌道振りは、新聞等でも記事になること
があり、夜間、バイクの爆音を響かせて、走行し、強盗、殺人、恐喝、窃盗、薬物等の犯罪
を一般市民に対して行う他に、デックウェン同士が抗争を行い、死者が発生することもあり
ます。路上強盗は、夜間、裏通りや人のいない公園を歩いている際に、いきなり棒で殴られ
たり、ナイフで脅されて所持品を奪われたりするケースが報告されています。
●事例1 歩道を歩いているとバイクがすれ違いざまに手提げカバンやショルダーバック
をひったくり逃走する。歩道のない路地などで昼夜問わず発生しています。
●事例2
る。
トゥクトゥクに乗車中、後方から来たバイクがバックなどをひったくり逃走す
●事例3 観光地などで自転車のかごにバックなどを入れていたところ後方から来たバイ
クがバックをひったくり逃走する。
12
【長距離バスでの盗難】
●事例1 長距離バスに乗車した際に、バス下部の荷物室に預けた荷物を中に潜ん
でいた人間が物色し、貴重品を盗みとる。車内で寝ている最中、身につけている貴
重品を盗みとる。特にタイ南部とカオサン間を運行する長距離バスに多い。
【いかさま賭博】
様々な手口で賭博に誘われ、金品をとられるケースです。例えば、「妹が日本に留
学するので、日本の事情を話してあげてほしい。」等と親しげに話し掛けられ、自宅
と称する建物に巧みに案内されるが、家に着いても妹はおらず暇つぶしにトランプ
ゲーム(ブラックジャック)に誘われ、さらに「上手な勝ち方(いかさま)を教える。
まもなく金持ちのブルネイ人がブラックジャックをするために来るので一緒にそいつ
からお金を巻き上げよう。」といかさま賭博に誘われるケースがあります。被害者が
話に乗りゲームを始めると最初は勝ち続けるものの最後の勝負で多額の金額を賭ける
こととなります。ゲーム中、所持金では足りなくなることからクレジットカードで貴
金属を購入して現金化し、莫大な金額を賭けるが最終的に負けるか又は勝ったところ
で「続きは明日やろう。」等と言われます。そして、賭け金や担保となる貴重品(時
計、カメラ、パソコン及び携帯電話等)をその場に残すよう言いくるめられてホテル
に送られるが翌日の約束の時間になっても迎えに来ないといったケースもあります。
(これらの手口は状況により変わることもあるようです。)
●事例1 「親戚が日本に留学するが、書類が日本語でよくわからない」「日本語
を勉強している」「日本の事情を教えてほしい」などと言葉巧みに近づき、タク
シーで移動した家まで連れて行かれ、カードゲームに参加することになる。(場合
によっては参加しなくても、一時的にお金を貸すはめになる)スタート当初は大勝
するが、ラストゲームで見せ金がないと賭けた分すべて取られてしまうなどと言い、
キャッシングをさせたり、金を購入させたりする。ゲームが突然お開きになり翌日
に持ち越すことに、そして金品は金庫に保管したように見せかけ、翌日ゲームを再
開する約束で待ち合わせをするが、誰も現れず騙されたことに気づく。
【見せ金詐欺】
中東系犯罪グループによる、通称、「見せ金詐欺」という手口による窃盗犯罪があ
ります。昼夜を問わず、スクンビット界隈で発生しています。声掛け役の犯人、主に
男性ですが、親しげに「日本人ですか?今度、日本に行きます。1ドルは日本でいく
ら位ですか?その前に日本のお金見てみたい。OK?」等と英語と日本語を交ぜなが
ら近づいて来ます。つい、財布を渡してしまうと相手が「これが日本のお金ですか」
等と言って、会話をしている内に、その男性の知り合いと思われる男性が1,2人現れ
ます。実は、この男たちが、被害者の視界を遮り、財布からお金を抜くのです。そし
て、最後に何事もなかったように「ありがとう。」と言って被害者に財布を返します。
財布を返してもらった日本人は、暫くして財布の中身を確認すると、お札が数枚無く
なっていることに気がつきます。
13
【詐欺盗】
●事例1 カオサンや空港などで旅行者を装ったアジア人男性から「私もタイは初
めてなので一緒に行きましょう」「ホテルをルームシェアして安く宿泊しよう」な
どと持ちかけられ、ホテルにチェックインするが、シャワーを浴びている間や就寝
中に貴重品すべてを持ち去られる。
●事例2 フィリピン航空のスチュワートや航空会社の社員などと偽ったアジア人
男性と親しくなり、すっかり信用させられたあと無料航空券があるので一緒に旅行
しよう、あるいは無料航空券をあげると申し出を受ける。航空券の発券手数料が必
要と言われ、航空会社の職員を名乗る者に電話口でカードの暗証番号を伝えたり、
プッシュしたりしてしまう。その後も何の疑いも抱かず共に旅行を続け、別れたあ
とに、クレジットカードが不正に使用されていることが判明する。
●事例3 旅行者(日本人と欧米人など)と親しくなり、行動を共にすることにな
るが、外出する際に持ち歩くと危険と言われ、貴重品をまとめて宿のフロントのセ
フティーボックスにまとめて預けようということになり、何も疑いを持たず渡して
しまう。同人らと別れたあと、クレジットカードが不正に使用されていることが判
明する。
【睡眠薬強盗】
有名な観光スポット等において、親しげに声を掛けられ、飲食(酒類、ソフトド
リンク)を共にして気を許したころに睡眠薬入りの飲み物を勧められ、知らずに飲ん
で意識が朦朧となったところで、現金やクレジットカード等を奪われるケースです。
中には、盗まれたクレジットカードを不正使用され、後刻、同カード会社より多額の
請求を受けたというケースもあります。また、最近では、バックパッカー的若者が集
まるカオサン通り、パタヤでは、親しくなった外国人(犯人グループ)と食事をして、
飲食物に薬物を混入され、意識が混濁しているうちに現金や所持品を奪われ、意識が
混濁しているときにバンコク都内から地方の県に運ばれ、路上に放置されたという事
件も発生しています。
●事例1 「いいホテルを知っている」「観光案内をしてあげる」などと言って近
づき、勧められた飲み物やカップ麺等を食べたあと、あるいはレストラン等で食事
した直後意識が朦朧とし、その間に金品を盗まれる。朦朧としているが、昏睡する
わけではないため、犯人が言うままにキャッシングをさせられるケースもある。
●事例2 パブなどから連れだした女性や客引きをしている女性等をホテルの自室
に連れ込んだところ、飲み物に睡眠薬等を入れられ、眠り込んだところで金品を盗
まれる。
14
【宝石及び洋服オーダーメイドのキャッチセールス・悪質な旅行代理店】
宝石・洋服のキャッチセールは、タクシーやトゥクトゥクの運転手が、有名な観
光スポットである王宮や寺院等の周辺で、声を掛けるケースが殆どです。そして、
宝石店や洋服(オーダーメイドのスーツ等)店に連れて行かれます。店員は、「タ
イ北部で産出した貴重な宝石です。日本で高く売れます。」、「カシミア(タイシ
ルク)100パーセントのスーツ(シャツ)です。」等強気に商品を売り込みます。
勢いに負けて商品を購入(洋服であればオーダー)し、商品を冷静に調べると、粗
悪品や自分の希望と異なる商品を購入したことに気がつきます。このようなケース
は、商取引上トラブルとして、タイ警察も扱うことが殆どであり、店側から返金を
受けることは難しいのが、実際です。このようなキャッチセールスには乗らず、信
用のおける店舗で購入し、スーツや宝石に限らず商品の購入はあくまでも自己責任
であると理解し、慎重に検討した上で、購入して下さい。なお、キャッチセールス
を行う者はタイ人だけではなく、最近は、アジア系外国人、白人系外国人も増えて
きています。
●事例1 行く先々で出会う口裏を合わせた人物たちの「タイ政府主催の宝石フェ
アー」「ディスカウントセールの最終日」「日本の有名宝石店と取引がある」「日
本で高く売れる」等の言葉を信用してしまい、安物を高く購入させられる(くず石
や安物の石でも購入者が自身で選んだ商品のため、詐欺罪の立証は難しい)。宝石
は返品が困難なようにEMS国際郵便で送付されてしまい、スーツは生地を裁断済
みといわれキャンセルもできない。
●事例2 警察官や政府職員を装った人物が「有名な仏像巡りが30バーツ」などと
勧誘し、数か所観光したあと宝石店やテーラーなどに連れて行かれる。店では店員
らに取り囲まれ、プレッシャーを感じて購入してしまう。
●事例3 フアランポーン中央駅や寺院付近でタイ政府観光庁の職員のふりをして、
最寄りの観光庁の出先機関と誤解を与えるような名前の旅行代理店にて、格安の
パッケージツアーを売りつけます。後刻気が変わってキャンセルを申し入れても一
切返金されません。
【自称・台湾人(香港、シンガポール人等を称する場合あり)女性による寸借及び振り
込め詐欺】
●事例1 日本人が多く居住する地域(スクンビットエリア)で、自称・台湾人
(香港、シンガポール人等を称する場合あり)女性から、タイに仕事等で来たが、
旅券を含む貴重品すべてを盗まれてしまった。家族からインターネットバンキング
で送金を受けたいが、クレジットカードも盗まれてしまった。あなたの銀行カード
(もしくはクレジットカード)に送金させてほしいのでカード番号を教えてほしい
と頼まれる。インターネットが使用できる場所へ移動し、日本人に対しあたかも送
金が完了したかのような文面を確認させたあとに、ATM機を操作させ数万バーツ
を引き出させる(実はカードでキャッシングをしているだけ)。
●事例2 アソーク駅~トンロー駅付近で、自称・台湾人女性から、旅券を含む貴
重品すべてを盗まれてしまったと迫真の演技で泣きつかれる。保険金を受領するた
めに、保険金額の数パーセントを手数料として先払いする必要があるなどと騙し、
数十万バーツを振り込ませる。
15
【偽警官・偽店員や観光客を装った詐欺】
●事例1 警官と称し旅券の提示を求めたり、所持品検査を行ったりするすき
に、財布など貴重品を盗みとる。
●事例2 レストランの入り口付近に立ち従業員のふりをして席まで案内した
あと、注文を取る際に「プロモーションなのでこの分は現金先払い」「現金先
払いで特別割引」などと騙し、受け取ったお金を持ち去る。店側にはツアーガ
イドと思わせているため、店側に抗議してもほとんどが取り合ってもらえない。
●事例3 フアランポーン駅付近で2人組の女性から「プーケットから観光に
来た」「一緒に観光に回ればタイ人料金で安くなる」などと声をかけられ、タ
クシーにて船着場まで移動する。貸切ボートに乗せられ何箇所かの寺院を回っ
たあとに法外な値段(一人4000バーツなど)を請求され、同女性らは自身も払
うのであなたも払わざるをえないといってお金を出させる。船頭と同女性らは
グルになっていると思われる。
(3)日本人が逮捕される事例
【薬物犯罪】
軽い気持ちで大麻、覚醒剤、合成麻薬(通称ヤーバー)等の薬物に手を出したと
ころ、パブなどの一斉捜査やおとり捜査等から薬物所持で逮捕される日本人がいま
す。
タイ国の薬物に対する処罰は大変厳しく、販売目的の所持、密輸であった場合、
死刑、終身刑です。
【空港免税店での万引き】
空港免税店において、日本人が万引きで逮捕される事例が時折報告されています。
空港免税店側は万引きに対し厳しく対応しますので、小額商品であっても警察に引
き渡され、裁判が行われるまで刑務所に収監されます。裁判の結果、数か月から数
年の禁固刑を言い渡される場合もあります。
【偽造出入国スタンプ・偽造査証】
「査証取得手続き代行」「滞在許可延長」等の手続きを業者に依頼していたとこ
ろ、偽造出入国スタンプや偽造査証が押されていたため、出国の際に偽造公印行使
の罪で逮捕され1年間の懲役刑を受けた事例があります。
16
(4)注意すべきその他のトラブル
【不法就労】
労働許可証を申請中に就労していた駐在員が当局の摘発を受け、拘束されるケース
があります。また、出張者が会議や監査に来タイし数日事務所等に出る場合でも、
「15日以内の緊急業務」として労働省雇用事務所に事前の届を行う必要がありま
す。
【不法滞在】
日本国旅券所持者は、入国目的が観光である場合に限り、陸路及び空路の入国方法
を問わず、ビザなしで30日間の滞在が認められています。仮に期限を超えて滞在し
た場合は、出国時に1日当たり500バーツの罰金を支払うことで出国を認められて
いますが、まれに警察官の職務質問を受けた際に旅券の提示を求められ、不法滞在が
判明したことにより身柄拘束され、強制送還となるケースもあります。
更には、ビザ免除措置を使い出入国を繰り返し、事実上長期滞在を行っているケー
ス(所謂,ビザラン)が増加しているとして、入国管理局がその取り締まりを強化し
ており、再入国を拒否されるケースも起きていますので、必ず滞在目的に合ったビザ
を取得するようにご留意ください。
【90日レポートの提出】
当地に連続して90日以上滞在する場合、90日ごとに入国管理局にて居住地を届
け出る必要があります。同手続きを怠っていると、出入国時や滞在許可延長時にこれ
を指摘され、最高で4,000バーツの罰金が科せられます。
【パスポートの携帯】
警察官又は入国管理局職員により職務質問された際、パスポートを携帯していない
場合、罰金や身柄を拘束される可能性もあります。パスポート(最低でもパスポート
のコピー)を携帯し、職務質問を受けた場合には直ちに提示できるようにしておいて
ください。
【入国拒否】
入国審査時に、入国管理局係官等に対し大声を出したり、カウンターを叩くなどし
て抗議したことで、事態を悪化させ、入国拒否を受けたり警察に引き渡され罰金を支
払う事態になった事例が報告されています。また、旅券のページが欠落していたため
に入国を拒否されたケースがあります。
17
【たばこの不法持込みによる摘発】
タイ物品税局では、たばこの不法所持、不法持込みについての摘発を強化しており、
違反者に対し高額な罰金(2012年8月より1カートン当たり4,785バーツ)を
科しています。免税たばこの持込みは1カートンまでとなっていますので、一人の人が
まとめて購入したり、所持したりしないよう十分注意が必要です。
【貨幣や金の持ち出し】
タイバーツの持ち込みに制限はありませんが、持ち出しは5万バーツ(近隣国へは
50万バーツ)、外貨は持ち込み・持ち出し共2万米ドル相当までとなっており、制
限を超えた持ち込み・持ち出しは事前に申告し許可を得る必要があります。金(板
状・延べ棒など)は量に関わらず申告しなければなりません。知らずに持ち出そうと
して、没収される事案が発生しました。
【希少動物の持ち出し】
サンデーマーケットで購入できる亀やサル等の希少動物を無許可で持ち出すことは
できません。空港で発見された場合、タイ国内法の野生動物保護法違反となり逮捕さ
れ、刑事罰が科せられます。小動物を持ち出す場合は事前に動物検疫所に問合せした
上で、手続きを取る必要があります。
【無免許運転】
日本国運転免許証のみで運転することはできません。国際運転免許証やタイ国運転
免許証を持たずに運転し、不幸にして事故に遭った場合、無免許運転として取り扱わ
れ、罰金対象になるだけでなく海外旅行傷害保険に加入していても、運転資格のない
者の事故として、保険適用になりません。
【喫煙】
喫煙が可能な場所は制限されていますが,2008年2月から更に規制が強化されました。
例えば、公共交通機関や、レストラン、カラオケスナック、バー等のエアコンの効いた屋内飲
食店は全面禁煙、公共の建物、ウィークエンドマーケット等は喫煙所を除き禁煙となっていま
す。違反者には最高2,000バーツ、店舗等の責任者には20,000バーツ(参考:20
14年4月,1バーツ約3円))の罰金が科されます。また、禁煙令とは別に、路上でたばこ
の「ポイ捨て」を行った場合は、2,000バーツ以下の罰金が科されます。
18
【男女トラブル】
近年、外国人と国際結婚をされる方々が増えていますが、なかには結婚生活に
破綻を来し、一方の親が他方の親に無断で子供を国外に連れ出してしまうよう
なケースも増加しており、国際問題になっています。タイにおいても、配偶者
の同意を得ずに子供の居所の移動を行った場合には、タイの国内法上、違法な
行為とみなされますので、十分ご留意願います。なお、国境を越えた子供の不
法な連れ去りが発生した場合の手続き等を定めた「ハーグ条約」にタイは加盟
しています。日本も2014年1月24日に加盟し、同年4月1日より発効し
ています。条約の具体的な内容については、外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/gaiko/hagueを参考にして下さい。また、タイ人との交
際について、「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが、その後、連絡
が取れない。」、「結婚前提に交際していたタイ人に家や土地、車購入の資金
を渡したが、逃げられた。」等の男女トラブルが発生しております。
【保険の加入】
当地では交通事故で死亡しても車両保険で補償される額が非常に低く、タイ
人が補償できる額も、日本の補償額とは比較になりません。また、突然病気
になったときに、意図せず高額医療の病院へ搬送され、1日当たり数十万円
の医療費が発生する場合もあります。自分の身は自分で守るためにも、海外
旅行傷害保険等に加入することをおすすめいたします。
19
第4
タイ国の近年の情勢
1.爆弾事件
タイ深南部地域にはタイからの分離独立運動を標榜するイスラム系武装集団
が依然として存在しており、主にナラティワート県、ヤラー県及びパッタニー
県に拠点を設けて活動を続けています。これまでに同集団によるとみられる襲撃、
爆弾事件が続発しており、死傷者は、軍・警察関係者ばかりでなく,教員を含む
公務員やその他一般市民,外国人に及んでいるほか、仏教徒のみならずイスラム
教徒も被害に遭っています。2004年1月1日から2013年8月31日までに5,235人が
殺害され、9,704人が負傷するなど、多数の市民が犠牲となっています。
●ナラティワート県では、2014年5月、同県ルエソ郡、スンガイコーロック郡、
タークバイ郡内の複数箇所で、武装勢力の犯行と思われる爆弾や銃撃によって、
死傷者を伴うテロ事件が幾度となく発生しています。
●ヤラー県においても、2014年5月、グロンピナン郡、ターントー郡、バンナン
スター郡、ハヤー郡、ヤラー郡において、イスラム過激派の勢力による犯行と思
われる爆弾による爆破事件、放火事件が起き、死傷者が出ています。
●パッタニー県では、2014年5月に、県内の十数カ所(軍関連施設、電力公社、
ガソリンスタンド、コンビニエンスストア等)で武装勢力の犯行と思われる爆弾
や銃撃によるテロ事件が発生し、多数の死傷者が出ています。
●ソンクラー県では、2013年12月にサダオ郡において警察署前やホテル・商業
施設前に停められていたバイクや自動車に爆発物が仕掛けられ、20名以上の負傷
者が発生する爆弾事件がありました。また、2014年5月にハジャイ市内の複数箇
所にて同様の爆弾事件が発生し、負傷者が出ています。
2.反政府デモ
(1)概要
2006年のクーデター以降、タクシン元首相を支持する勢力と、同元首相に反
対する勢力との間の対立が解消されないまま2011年に行われた下院総選挙の結果、
タクシン派のタイ貢献党が第一党となり、タクシン元首相の妹であるインラック
氏を首班とする政権が発足しました。政治的対立を背景に2006年から2010年まで
に生じた事件に係る刑罰を包括的に免除する内容の「大赦法案」提出を直接の契
機として2013年11月以降、タイ野党民主党の元副党首が主導する大規模な反政府
デモが継続しており、一連のデモ活動に関連して多数の死傷者が発生しています。
(2)対策
反政府デモ等が行われる際には、大使館よりお知らせを出し、注意喚起を行
いますが、交通渋滞が予想されることも含め、事前に報道等から最新情報の入手
に努めるとともに、不測の事態に巻き込まれないよう、デモ集会が開催されてい
る付近には近づかない等の安全確保に十分注意を払ってください。
事態が深刻化した場合には、注意喚起が行われている区域に近寄らない、速
やかにその場所から待避するなど、状況をよく見極めて行動するようにしてくだ
さい。
20
3.
国境紛争
(1)概要
【ターク県のミャンマーとの国境付近】

現在,この地域に危険情報は発出されていませんが,同地域へ渡航・滞在され
る際には下記情勢に注意してください。

●タイ北部のミャンマーとの国境付近では,国境そのものが確定していない場所
もあり,同地域に誤って入った場合,陸軍等に身柄を拘束されるおそれがありま
す。

●タイとの国境付近のミャンマー側では,反政府少数民族武装勢力と政府軍との
間で戦闘が散発している状況であり,2010年11月には,ミャンマーの国境付近で
発生した争乱により,タイの国境の街メーソットにおいて,ミャンマー側から飛
来した爆弾が爆発したり,ミャンマー側から一時的に多くの避難民が流入したり
する事態が発生しました。また,国境付近のミャンマー側における薬物問題や少
数民族問題は完全には解決していません。

●2013年10月現在,ミャンマーとの陸上の国境は,メーサイ(チェンライ県),
メーソート県等において出入国が可能となっています。今後も情勢の変化によっ
ては,国境の開閉が繰り返される可能性があります。
【シーサケット県とカンボジアとの国境付近のプレアビヒア寺院周辺地域】

タイとカンボジアの国境地域においては,両国の主張する国境線の相違による
緊張状態が続いています。特に世界遺産に登録されているプレアビヒア寺院(タイ
側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)周辺のカンボジアとの国境地域では,2008
年以降,タイとカンボジア両国軍の衝突(銃撃戦等)が断続的に発生し,双方に
死傷者が出ています。現在,同地域には立ち入り制限が設けられています。

2012年7月18日以降、タイとカンボジアの両軍はプレアビヒア寺院周辺の地域か
ら軍の撤退を実施し、2013年4月には、国際司法裁判所において、タイとカンボ
ジアの国境紛争をめぐる審理が始まり、10月にはプレアビヒア寺院周辺はカンボ
ジアに帰属するとの法的な解釈が示されました。現在、事態はおおよそ沈静化し
ていますが、同地域には立ち入りの制限が設けられており、今後も衝突等不測の
事態が発生する可能性が排除されません。
(2)対策
軍事衝突等が発生した場合は、同付近には近寄らない、速やかに脱出する等、
状況をよく見極めて行動するようにしてください。
21
第5
緊急事態への備えと対応
大規模災害やテロなどの緊急事態は、いつ発生するか分りません。万が一緊急
事態が発生した際には、邦人の皆様への迅速な情報提供や安否確認等を行ってい
きますが、何よりも重要なことは、邦人の皆様各自が、日頃からの事前の準備を
行い、発生の際に、その下で慌てず冷静に対応していくことです。
1.平素からの心構え
(1)旅券の保管
旅券の有効期間が6ヶ月以上残っていることを確認しておくとともに、緊急時
にすぐ持ち出せるよう自身で管理してください。
なお、タイ国の再入国許可は常に有効なものにしておくようにしましょう。
(2)食糧及び現金の準備
少なくとも家族全員が10日間生活できる程度の飲料水及び食糧、現金を常時用
意しておきましょう。
(3)連絡網等の確立
ア.連絡網の整備
緊急事態が発生した場合には、日本及び当地の人々からの安否の確認が殺到す
ることが考えられますが、当地所在の会社がそれぞれ社員及び家族の安否を取り
まとめて日本側の本社や日本の家族・関係者に連絡がなされるよう予め体制を整
えておくことが望まれます。また、会社内で決定した一時避難場所、退避時期を
伝達する際にも、本連絡網が重要となります。
●会社内(家族を含む)の連絡網の整備
●会社内の非常時責任者等の選定
●電話が不通になった際のお互いの連絡方法の確認
イ.情報入手方法の確立
緊急事態が発生した場合には、正確な情報を入手することが重要となります。
平素から各種情報の入手先やラジオ放送の周波数等を確認するなど、入手方法の
確立に努めてください。
ウ.在留届の提出
旅券法第16条に基づき海外に3か月以上滞在する場合には在留届の提出が義
務付けられています。緊急事態が発生した際に、日本国大使館・総領事館から在
22
留邦人の方々に安否確認、緊急連絡等を行うため、在留届がその基礎資料となり
ますので、必ず提出するようお願いします。
また、こうした緊急事態が発生した際には、何よりも迅速な対応が必要とな
るため、円滑な安否確認、緊急連絡が行えるよう、転居等による住所変更や帰国
による転出等があれば必ずお知らせ願います。
2.緊急事態発生時の対応
(1)情報の入手
ア.テレビ、ラジオ等からの情報の入手
緊急事態が発生した際には、事態の状況、タイ政府の措置等に関する正確な情
報を入手し、冷静に行動することが重要です。テレビ、ラジオ、インターネット
等から最新の情報を入手するよう努めてください。
イ.在タイ日本国大使館、在チェンマイ日本国総領事館からの情報提供
在タイ日本国大使館、在チェンマイ日本国総領事館では、メールマガジン(大
使館情報メール、総領事館情報メール)登録者や在留届提出者に対する緊急メー
ルの配信やホームページ上での情報提供を行います。こうした情報提供が受けら
れるよう、長期滞在される方は在留届を提出するようお願いいたします。詳細は
ホームページの領事関連情報より確認ください。なお、総領事館情報メールの登
録に関しては、在チェンマイ日本国総領事館に直接お問い合わせください)
●在タイ日本国大使館のホームページ
(http://www.th.emb-japan.go.jp)
●在チェンマイ日本国総領事館のホームページ
chiangmai.th.emb-japan.go.jp)
(http://www.
ウ.海外危険情報の確認
「危険情報」は、渡航・滞在先にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域
に発出される情報で、その国の治安情勢やその他の危険要因を総合的に判断し、
それぞれの国・地域に応じた安全対策の目安をお知らせするもので、外務省の海
外安全ホームページに掲載されております。
●外務省海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp)
危険情報では、対象地域ごとに4つのカテゴリー(下記参照)による安全対策
の目安が冒頭に示されます。また、本文中には危険情報を出している地域ごとの
詳細な治安情勢や具体的な安全対策などのきめ細かい情報を掲載しています。
ただし、危険情報それ自体には、国民の渡航・滞在を制限するような強制力は
ありません。あくまでもその国・地域の安全対策の目安を示したものです。最終
的に渡航や退避の判断をするのは皆さん自身となりますので、その際にはこの危
険情報を参考に適切な判断をしていただきたいと思います。
23
【安全対策4つの目安(カテゴリー)】
「十分注意してください。」
その国・地域への渡航、滞在に当たって特別な注意が必要であることを示
し、危険を避けていただくよう、おすすめするものです。
「渡航の是非を検討してください。」
その国・地域への渡航に関し、渡航の是非を含めた検討を真剣に行ってい
ただき、渡航される場合には、十分な安全措置を講じることをおすすめするもの
です。
「渡航の延期をお勧めします。」
その国・地域への渡航は、どのような目的であれ延期されるようおすすめ
するものです。また、場合によっては、現地に滞在している日本人の方々に対し
て退避の可能性の検討や準備を促すメッセージを含むことがあります。
「退避を勧告します。渡航は延期してください。」
その国・地域に滞在している全ての日本人の方々に対して、滞在地から、
安全な国・地域への退避(日本への帰国も含む)を勧告するものです。この状況
では、当然のことながら新たな渡航は延期することが望まれます。
(2)安否確認等の実施
緊急事態が発生した際には、構築した連絡網に従い、当地所在の会社がそれ
ぞれの社員及び家族の安否を取りまとめて日本側の本社等に報告してください。
単独滞在、短期滞在及び在留届未提出の方は、速やかにその所在を大使館又
は総領事館に連絡願います。
また、各人から日本の家族への連絡は、事態が落ち着き電話回線の混乱が回
復した後にするようにしましょう。
(3)避難・退避の実施
ア.避難の実施
事態が悪化した場合は、情勢を見極め、ホテル、または各企業等が決めた一
時避難場所へ避難してください。
生命、身体、財産に危害が及び、または及ぶ恐れがある場合は、管轄警察署
に通報し、救護を求めるなどの措置をとるとともに、その状況を大使館または総
領事館に通報してください。
なお、情勢次第では、自宅で待機する方が安全なケースもあることから、軽
挙妄動は慎み、テレビやラジオ等で正確な情勢の把握に努めてください。
24
イ.退避の実施
日本政府から退避勧告があった場合や、それ以前において事態が悪化し、危
険が急迫している場合は、各自の判断や所属先の判断等により、帰国または第三
国への退避を検討し、可能な限り速やかに退避してください。
外務省では、原則として一般商業機が運航されている間に退避勧告を発出し
ます。一般商業機が運航されている間に、タイミングを失することがないよう、
退避を行うよう努めてください。一般商業機が利用できない場合、状況により政
府のチャーター機、自衛隊機等の派遣を行います。その際には、ラジオ、テレビ、
当館や外務省のホームページ、電子メール、電話等でお知らせしますので、情報
入手方法を確保しておきましょう。
なお、各人または所属先の判断により国外に退避する場合は、退避手段や退
避先をご連絡ください。退避時に連絡が困難な場合は、帰国後速やかに外務省領
事局海外邦人安全課にご連絡ください。
●外務省領事局海外邦人安全課
03-3580-3311(外務省代表)
03-5501-8160(直通)
25
第6
おわりに
1.大使館・総領事館からのお願い
不幸にして犯罪の被害に遭ったり、特異な体験をしたりした場合には、
警察等に事件を通報または相談するとともに、当館領事部邦人援護班まで
お知らせください。お知らせいただいた情報を今後の予防広報等の参考に
させていただきます。
2.連絡先
在タイ日本国大使館
電話
:0-2207-8500、0-2696-3000(代表)
0-2207-8502、0-2696-3002(領事部邦人援護班直通)
FAX:0-2207-8511(領事部専用)
在チェンマイ日本国総領事館
電話
:0-5320-3367
FAX:0-5320-3373
緊急電話:0-2204-4583
3.主要連絡先
(1)日本人関係団体
タイ国日本人会
電話:0-2236-1201(代表)、FAX:0-2236-1131
チェンマイ日本人会
5320-6979
電話:0-5320-6980(平日14:00~17:00)、FAX:0-
プーケット日本人会 電話:0-7623-4446、FAX:0-7623-4446
チョンブリ・ラヨーン日本人会
http://www.crja.org/
泰日協会学校
バンコク日本人学校
電話:0-2314-7797、0-2314-7798、FAX:0-2319-2251
シラチャ日本人学校
電話:0-3833-9973、FAX:0-3833-9978
(2)警察関係
タイ国家警察(救急車の要請可)
観光警察
入国管理局
1155
191(全国共通)
1178
被害申告センター:0-2356-0583、0-2356-0584
本部:0-2287-3101~10
入国管理局第1課(滞在許可関係):0-2141-9889
トンロー警察署
0-2390-2240~3、0-2381-8853、0-2392-9027
ルンピニ警察署
0-2255-5993~7、0-2251-0579
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チャナソンクラーム警察署
0-2282-2323
チェンマイ県警本部
0-5324-2234、 0-5324-5578
チェンマイ市警察署
0-5381-4313~4
チェンマイ観光警察
0-5321-2146
入国管理局チェンマイ事務所
0-5320-1755~6
プーケット県警本部
0-7621-2046
プーケット市警察署
0-7621-2115、0-7621-6856
プーケット観光警察
0-7622-3891~2
(3)火災及び救急車
火災通報(タイ警察の消防部門)
199
救急車要請(タイ保健省管轄「ナレントンセンター」)
1669
(4)主な病院(救急車の要請可)
バンコク病院
0-2310-3000(代表)
バムルンラード病院
0-2755-1666(日本語専用)
0-2667-1000(代表)
サミティヴェート病院
0-2711-8000(代表)
プララーム9病院(ラーマ9世病院)
クルアイナムタイ病院
BNH病院
0-2667-1500, 1501(日本語専用)
0-2711-8786(日本語専用)
0-2202-9999(代表)
02-769-2000(代表)
0-2686-2700(代表)日本語窓口:内線2742
チェンマイ・ラム病院
0-5392-0300
ラジャヴェート・チェンマイ病院
ランナー・チェンマイ病院
バンコクプーケット病院
バンコクパタヤ病院
0-5380-1999
内線777
0-5399-9777
0-7625-4425
0-3825-9999
サミティヴェートシラチャー病院
0-3832-0300
(5)主な航空会社
日本航空(JL)0-2131-3300(座席予約・案内)001-800-811-0600(日本語フリーダイヤル)
全日本空輸(NH)0-2238-5121(予約センター)
タイ航空(TG)0-2545-1000
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4.いざという時のための簡単タイ語
男性は語尾に「カッ(プ)」、女性は「カー」とつけると丁寧になります。
「助けて」
「チュアイ・ドゥアイ」
「警察を呼んで」
「リアッ(ク)・タムルアッ(ト)」
「泥棒」
「カモーイ」
「火事」
「ファイ・マイ」
「車の事故」
「ウバティヘー(ト)・ロッ(ト)・ヨン」
「ビルから転落」
「トッ(ク)・トゥ(ク)」
「大けが」
「バーッ(ト)・ジェッ(プ)・サーハッ(ト)」
「重病」
「プアイ・ナッ(ク)」
「意識がない」
「溺れる」
「マイ・ルー・スッ(ク)・トゥア」
「ジョム・ナーム」
「名前は○○です」
「チュー・○○」
「今○○にいます」
「トーン・ニー・ユー・ティー・○○」
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