30P-am155

30P-am155
翻訳調節因子 YB-1 の骨格筋細胞における転写調節機構の解析
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◯西川 泰史 1 ,
馬毛 雅光 1 ,
田中 融 1 ,
大橋 祥世 1 ,
小林 俊亮(
日本大薬)
YB-1 は、動物の様々な組織の細胞質でポリソームと相互作用し、翻訳調節因子として機能
しているが、その発現パタンは動物の一生の間で組織毎に大きく異なっている。このこと
から、YB-1 は組織毎に必要な時期に供給され、その時に必要な mRNA の翻訳の調節を行
っていることが示唆される。したがって、各組織における YB-1 の転写調節機構とそれぞれ
の組織で YB-1 が翻訳調節する mRNA を解析することは興味深い。今回は骨格筋細胞にお
ける YB-1 遺伝子の転写調節について調べた。マウス骨格筋での YB-1 の発現は特徴的で、
生後数日でほとんど存在しなくなる。YB-1 遺伝子のプロモーター領域に GFP 遺伝子を融
合したレポーター遺伝子とマウス骨格筋由来の筋芽細胞 C2C12 を用いて解析した結果、骨
格筋細胞における YB-1 遺伝子の転写には E2F と Sp1 が関わっていることがわかった。
C2C12 細胞を分化誘導すると核内の E2F および Sp1 の減少が起こり、それに伴って細胞
質の YB-1 も減少した。さらに、生後のマウスの骨格筋の発育過程においても E2F タンパ
ク質の減少と YB-1 の減少の間には明らかな相関性が見られた。骨格筋の YB-1 は、筋肉組
織の発達に必要な mRNA の翻訳調節を行うために、E2F タンパク質による転写の調節を受
けて生後数日まで発現し、その後急激に減少すると考えられる。