中野セントラルパークレジデンス

No.05-026-2013作成
中野セントラルパークレジデンス
発注者
中野駅前開発特定目的会社
設計・監理
KAJIMA DESIGN
施工
鹿島建設
卓越風
新築
集合住宅
NAKANO CENTRAL PARK RESIDENCE
卓越風
春・秋・冬:北側から
春・夏:南側から
カテゴリー
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
エアライトコート
エアライトコート
緑の中のレジデンス/究極のSI住宅の実現
JR中野駅北口に広がる警察大学校等跡地再開発区域内に計画された
バルコニー
エアライトコート
広大な都市公園に隣接する17戸の賃貸住宅。フラットスラブ構法に
よる住戸間取りの可変性を備えた完全2重床2重天井の、究極の長寿
卓越風
命化を図るSI住宅である。外周部に繊細なPC柱によるアウトグリッ
ドフレームに包まれたバルコニーを全周に配することで緑豊かな外
部環境をインテリアに取り込む天井高2.5mフルフラットの開放的な
エアライトコート
住空間を実現している。また、東西2カ所に設けられたエアライト
コートにより3面採光を確保し、卓越風による自然換気を効果的に
促している。バルコニー軒天のPC板として、製造時におけるCO2排
S
出量を実質ゼロ以下にするCO2吸収コンクリート(CO2-SUICOM)が建
N
自然換気ダイアグラム
築工事へ初めて適用された。社会の良質なストックとなる住宅の新
北側全景
たなプロトタイプとしての集合体をめざした。
エアライトコートによる自然採光・換気の促進
光と風が抜けるエアライトコート
東西2カ所に設けられたエアライトコートにより、3面採光を確
長寿命SI住宅
保し、卓越風による自然換気を効果的に促している。東側オフィ
住戸及び共用部は全てフラットスラブによる二重床・二重天井と
ス棟と西側大学キャンパスの高層建築に囲まれた風の谷となる立
している。階高3,450mmにより床フトコロ300mm、天井フトコロ
地環境を踏まえ、南北からの卓越風を利用した住戸換気を実現し
350mmの設備スペースを確保し、梁貫通が全くなく可変性のある乾
省エネルギー性能の高い計画としている。
式戸境壁により、将来マーケットの変化に対応したフレキシビリ
超高層建築技術を低層建築へ応用した構造架構
ティの高いすまいを実現した。設備スペースをエアライトコート
主な耐震要素をコア周りに集約配置し、8m×24mのアンボンドPCス
に面し集約して配置することにより、設備機器が置かれていない
ラブを採用することで、住戸内に柱・梁の出ない将来の可変性に
開放感のある実用的なバルコニーを実現した。管理者が居住空間
柔軟に対応するフルフラットな空間を構築している。躯体全般に
を通過せずにメンテナンスを行えるという点からも、賃貸住宅の
高強度材料(コンクリート強度最大Fc50、せん断補強筋785N/mm2)
維持管理のしやすさを向上させている。 ダクト
CH=2500
PS・MB
フルハイト開口
H=2500
住戸
軒天 PCF 版
ベントキャップ (CO₂-SUICOM)
バルコニー
階高 3450
350 300
全周バルコニー
フラットな出入口
住戸
眺望を阻害しない
構造フレーム
住戸
環境配慮に向けた新たな取り組みとして、製造時にCO2を強制的に
吸収させることによりCO2排出量を実質ゼロ以下にできるコンク
ガーデンシンク
菜園スペース
自然採光・換気を促す
エアライトコート
風の抜けるルーバー手摺
エアライトコート 設備機器
置場
設備機器
エアライトコート
置場
設備機器の集約配置
プライバシーを確保する
基準階内部廊下
三面採光の住戸環境
住戸
リート「CO2-SUICOM」をバルコニー天井部分に採用している。普
通コンクリートに比べて大幅なCO2排出量の削減効果(264kg/m3)を
外部環境を取り込む
フルハイトサッシュ
300
排水・給水・給湯
CO2排出量削減に貢献するCO2-SUICOMの採用
得ている。CO2-SUICOMは土木分野の外構材料として利用されてい
る技術だが、建築分野では本建物が初適用である。
住戸
受賞歴:第三回鈴木禎次賞優秀賞
バルコニー
設計担当者 統括:北典夫/建築:田村慎一、江島嘉祐、小野和幸/構造:福岡篤信、花岡和弘、池嵜大輔
フラットな天井・配管ルートの自由度を実現する二重床・二重天井
省エネルギー性能
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
基準階平面計画 S=1:600
東京都中野区
2012 年
937 ㎡
1,747 ㎡
RC造
地上5階
品確法省エネ対策等級 等級4
LCCO2削減
27 %
CASBEE評価
Sランク
BEE=3.2
2008年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
3.2
65
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
20
50
L
100
コンクリート 1 ㎥あたりの CO 排出量
(kg/ ㎥)
2
の低層建物への応用により、究極の長寿命化を図るSI住宅を実現
している。
電気・冷媒
フルフラットなスケルトン(施工中写真)
を採用し耐震要素の集約配置など、超高層建築で用いられる技術
全周バルコニーによる開放的なインテリア
300
CO2
259
250
材料変更による
セメント量削減
200
セメント硬化体
自由水
混和材
炭酸ガスの浸透
127
150
炭酸化
100
CO2との反応
137
50
0
-50
炭酸化による緻密化
-5
Fc30 普通コンクリート
(W/C:50%)
Fc30 CO2-SUICOM
製造時におけるCO2削減量
ClCa
物質遮断性、溶解抵抗性の向上
炭酸化による高耐久化
設備/中村康隆、松田圭輔、村松和彦
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2.
Q2. 3.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR2.2.
耐用性・信頼性(高強度コンクリート、住宅性能表示劣化対策等級3、主要内装材)
対応性・更新性(スケルトン&インフィル、階高のゆとり、給排水管の更新性)
建物の熱負荷抑制(省エネルギー対策等級4、全面ペアガラス、全周バルコニーによる深い庇)
自然エネルギー利用(エアライトコートによる自然換気、3面採光)
設備システムの高効率化(LED照明、オール電化、エコキュート)
非再生性資源の使用量削減(タイルカーペット、ビニル床シート、パーティクルボード)
サステナブル建築事例集/一般社団法人日本建設業連合会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します