シリコンカーバイドを半導体素子として用いた次世代パワーデバイス封止材料 には、長期的に200℃の連続使用に耐える高耐熱性が必要とされます。大阪市 立工業研究所では、マレイミド樹脂の反応性を利用して、低熱膨張性と強靭性 を兼ね備えた次世代パワーデバイス封止材料に対応可能な高耐熱性樹脂を 開発しました。 開発品の物性 耐熱性 (℃) 500 423 400 355 熱膨張性 405 360 412 375 62 60 51 288 300 52 51 40 40 200 マレイミド (ppm) 80 399 343 隣接するカルボニル基の 影響で反応性に富む 二重結合の利用 180 ■ ガラス転移温度 100 ■ 熱分解温度 20 0 0 開発事例 1 開発事例 2 靱性 開発した封止材料(フィラー配合)の物性 ガラス転移温度 a (℃) 324 熱分解温度 (℃) 464 熱膨張率 (ppm/℃) 10 難燃性 b 高耐熱性・低熱膨張性・ 難燃性の実現 a by V-0 TMA 反応性 接着性 高耐熱性 改質剤として 添加 多官能ポリチオールTEMPIC b UL94規格 硬化物の外観(透明) 難燃剤なし 開発した樹脂(樹脂のみ)の物性 耐熱衝撃試験 ((-40℃/30min ⇔ 200℃/30min)/cycle)後のSAT観察 試験前 開発品 高耐熱性・低熱膨張性・ 強靱性の実現 100cycle 1000cycle 長期耐熱性 の実現 評価パッケージ マレイミド 樹脂 エポキシ樹脂 系量産品 (住友ベークライト株式会社との共同研究) はく離 TEMPIC添加量 マレイミド樹脂 0.1モル 0.2モル ガラス転移温度 c (℃) 295 311 305 熱分解温度 (℃) 443 435 435 熱膨張率 (ppm/℃) 44 46 45 破壊靭性 (MPa・m1/2) 0.95 1.20 1.30 c by DMA (堺化学工業株式会社との共同研究) 本研究の一部は、平成23年度JST A-STEP 探索タイプ (AS232Z01810D)、および平成25~27年度科研費基盤研究 (C) (25420748) の助成を受けて実施 されたものです。
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