tb。 中部運輸局鉄道部 平成27年3月10日発表 連絡先 中部運輸局 鉄道部 計画課 加藤、大木 《同時発表》 国土交通省鉄道局 TEL 052-952-8033 FAX 052-952-8086 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく 鉄道事業再構築実施計画の国土交通大臣認定について (近畿日本鉄道:内部線及び八王子線) 四日市あすなろう鉄道㈱及び四日市市から申請がされていた鉄道事業再構築実施計画 (※)の認定申請について、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律第24条の規定 に基づき、平成27年3月11日付けで認定を行いますのでお知らせします。 この認定を受け、沿線自治体の四日市市が鉄道施設及び車両等を保有する第三種鉄道事 業者となり、第二種鉄道事業者となる四日市あすなろう鉄道㈱に鉄道施設及び車両等を無 償で貸し付け、四日市あすなろう鉄道が運行を行うこととなります。(「公有民営方式」) 計画の概要は別添のとおりです。 なお、同日付で本件のほかに1件(北近畿タンゴ鉄道:宮福線及び宮津線)の鉄道事業 再構築実施計画の認定を予定しており、同計画の認定件数は、これまでの4件と合わせて 計6件となります。 (地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第 41号)が平成26年11月20日に施行された後としては、全国で第1号となります。) 認定書については中部運輸局長から以下のとおり申請者へ交付予定です。 【交付日時】 平成27年3月11日(水)17:00~ 【交付場所】 中部運輸局 局長室 (※)鉄道事業再構築実施計画について 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に規定する鉄道事業再構築事業を実施するための計画で す。鉄道事業再構築事業とは、最近の経営状況に鑑み、その継続が困難又は困難となる恐れがあると認 められる鉄道事業を対象として、経営の改善を図るとともに、地方公共団体等の支援を受けつつ、上下 分離等の事業構造の変更を行うことにより、その路線における輸送の維持を図るための事業です。 ○ 取材について 取材を希望される報道機関におかれましては、3 月 11 日(水)12 時までに上記連絡先へ電話にて、 ①報道機関名、②ご氏名、③連絡先、④取材人数をお知らせ下さい。取材の際は、報道機関名がわかる 取材者証(腕章)などの着用をお願いします。 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく 鉄道事業再構築実施計画の国土交通大臣認定について 〔近畿日本鉄道 内部線及び八王子線〕 平成 27 年 3 月 10 日 国 土 交 通 省 1.鉄道事業再構築事業について 鉄道事業再構築事業は、継続が困難又は困難となるおそれがあると認められる旅客鉄道事 業について、地方公共団体等の支援を受けつつ、上下分離等の事業構造の変更を行うことに より、その路線における輸送の維持を図ることを目的とし実施する事業である。地方公共団 体等及び鉄道事業者の合意により「鉄道事業再構築実施計画」を作成し、国土交通大臣の認 定を経て実施される。 国土交通省においては、鉄道事業再構築事業を実施する事業者に対し、事業構造の変更に 必要な許可等の法的手続きの簡素化等の特例措置、予算・税制特例等の総合的なパッケージ による支援措置を講じている。 2.四日市あすなろう鉄道内部八王子線に係る鉄道事業再構築実施計画に ついて (1)背景 内部線及び八王子線は、近鉄四日市駅から四日市南部を走る近畿日本鉄道(株)の支線であ り、沿線は比較的平坦な市街地で、住宅団地や高校、事業所などが立地している反面、幹線 鉄道と駅勢圏が重複するほか、路線バスとも競合し、乗客数は減少傾向にあることから恒常 的に赤字が続いている。また、在来の一般的な鉄道と異なる特殊狭軌線であるため、老朽化 による車両更新に対して通常より多額の設備投資が必要となっている。 こうした状況を踏まえ、四日市市と近畿日本鉄道㈱等が共同で、抜本的な経営改善等の検 討を行い、四日市市による地域公共交通網形成計画の策定を経て、今般の「鉄道事業再構築 実施計画」の策定に至ったもの。 (2)鉄道事業再構築実施計画について 本計画においては、近畿日本鉄道㈱が、四日市市へ鉄道施設及び車両を無償譲渡、鉄道用 地を無償貸与し、四日市市は鉄道施設及び車両を保有して維持・管理費用を負担し、四日市 あすなろう鉄道㈱(近畿日本鉄道㈱と四日市市の出資により設立。)は無償で鉄道施設及び 車両を借り受けて運行を行う事業構造の変更( 「公有民営方式」 )と、沿線地域と連携した利 用促進策が柱となっている。 本計画に基づく鉄道事業再構築事業の実施により、四日市あすなろう鉄道㈱は鉄道施設等 の維持・管理に要する費用の負担軽減が図られることとなり、事業運営による利益が発生し た場合は、その相当額を四日市市内部・八王子線基金に拠出し、逆に損失が発生した場合は 四日市市が基金等を活用してその相当額を支援するという上下一体の収支構造を新たに整 えることにより、長く安定的に事業を継続できる体制が構築され、沿線地域と連携した利用 促進・増収策の展開などと合わせ、四日市あすなろう鉄道㈱の経営の安定化を図ることで、 計画期間中を通じて安全で安定した運行の維持が期待される。 本事業の概要は別紙のとおり。 別 紙 【本事業の概要】 1.鉄道事業再構築事業を実施する路線 近畿日本鉄道 内部線及び八王子線 2.旅客鉄道事業の事業構造の変更の内容 現行、第一種鉄道事業者である近畿日本鉄道㈱が、第三種鉄道事業者となる四日市市に鉄 道施設及び車両を無償譲渡、鉄道用地を無償貸与し、第二種鉄道事業者となる四日市あすな ろう鉄道㈱(近畿日本鉄道㈱と四日市市の出資により設立。 )は、四日市市から鉄道施設、 車両及び鉄道用地を無償で借り受けて運行を行う。 3.鉄道事業再構築事業の実施予定期間 ・事業開始予定:平成27年4月1日 ・事業終了予定:平成37年3月31日(10年間) ※5年を経過した時点で実施計画の内容の見直し等について検討 4.鉄道事業の経営改善に関する事項 (1) 安全な輸送サービスの確保 ・施設整備の着実な実施 ・車両の計画的な更新 ・安全管理の積極的推進 (2) 持続可能な経営体制の構築 ・第二種鉄道事業者と第三種鉄道事業者が一体となった収支構造の新設 第二種鉄道事業者である四日市あすなろう鉄道(株)が事業運営により利益が発生した 場合はその相当額を四日市市内部・八王子線基金に拠出し、逆に損失が発生した場合は第 三種鉄道事業者である四日市市は基金等を活用してその相当額を支援するという上下一 体の収支構造を新たに整えることにより、長く安定的に事業を継続できる体制を構築。 (3) 沿線地域と連携した利用促進活動の実施 ・内部・八王子線利用促進協議会(学識経験者、沿線自治会、沿線高校、四日市商工会議所、 四日市観光協会、NPO 法人等で構成)と連携した各種利用促進活動を実施することによっ て、マイレール意識の醸成及び利用者増に繋げる取り組みを進める。 5.地方公共団体その他の者による支援の内容 (1) 新たに第三種鉄道事業者となる四日市市が鉄道用地を借り受け、鉄道施設・車両を取得、 保有し、新たに第二種鉄道事業者となる四日市あすなろう鉄道㈱に無償で使用させる。 (2) 四日市市が計画的に鉄道施設・車両の設備更新を行う。 (3) 四日市市による利用促進・増収策の推進 ・駅前広場の整備による利用増進等の実施 (内部線・八王子線の端末駅となる西日野駅、内部駅で駅前広場の整備を行い、キス& ライド等の実施体制の構築) ・沿線地域と連携した利用促進・増収策等 (関連グッズ販売、駅の美化活動の実施など) 6.鉄道事業再構築事業の実施により想定される効果 事業構造の変更(公有民営方式)による四日市あすなろう鉄道㈱(第二種)のインフラ維 持管理コストの大幅な軽減及び関係者の利用促進・増収策の展開などにより、四日市あすな ろう鉄道㈱の経営の安定化を図ることで、計画期間中を通じて安全で安定した運行の維持が 期待される。 【内部線及び八王子線の概要 内部線及び八王子線の概要】 】 ■路線図 ■鉄道事業者 ◇現 行:近畿日本鉄道(株)(第一種鉄道事業者) 変更後:四日市あすなろう鉄道(株)(第二種鉄道事業者) 四日市市(第三種鉄道事業者) (参考:四日市あすなろう鉄道(株)の概要) ◇設 立:平成26年3月27日 ◇住 所:三重県四日市市鵜の森1丁目16番11号 ◇代表者:代表取締役社長 田淵 裕久 ◇資本金:5,000万円 ◇株 主:近畿日本鉄道株式会社75%、四日市市25% ■検討経緯・スケジュール ■路線概要 ◇平成25年 9月 ◇営業キロ ・内 部 線(あすなろう四日市~内部) 5.7㎞ ・八王子線(日永~西日野) 1.3㎞ ◇運行本数 150本/日 四日市市と近鉄が公有民営方式に 移行して鉄道を存続する方向で合意 ◇平成26年 3月27日 四日市あすなろう鉄道株式会社設立 ◇平成26年 7月 7日 法定協議会の設置 ◇平成26年12月12日 地域公共交通網形成計画の策定 ◇平成26年12月26日 鉄道事業再構築実施計画の認定申請 ◇保有車両 14両 ◇輸送実績 359万人/年(平成25年度) ◇平成27年 4月 1日 鉄道事業再構築事業の開始(予定) ▲247百万円(平成25年度) なお、再構築事業開始後、運行本数等は変更しないが、運賃は変更を予定 (例)普通運賃:170円→200円(1~3キロ区間) 230円→260円(4~6キロ区間) ◇経常損益 ◇平成27年 3月11日 同実施計画 大臣認定(予定) 【内部線及び 内部線及び八王子線 八王子線】 】鉄道事業再構築事業の概要 鉄道事業再構築事業実施スキーム 具体的施策と効果 (計画期間:平成27年4月~37年3月) 効 果 四日市あすなろう鉄道㈱ ■計画期間中を通じて第二種鉄道事業者と第三種鉄 道事業者が一体となった収支構造を構築し、利用 促進策による増収施策と鉄道施設及び車両の計画 的な整備を行うことにより、安全・安定した運行を維 持。 《第二種鉄道事業者》 運 行 国 鉄道施設及び車両の 維持管理業務 鉄道用地・ 鉄道施設・ 車両の 無償貸付 ■安全で快適な輸送サービスの確保 ◇鉄道施設の維持修繕の着実な実施 [10年間:394百万円] ◇鉄道施設の老朽更新等の着実な実施 [10年間:2,072百万円] ■一体となった収支構造の構築 ◇四日市あすなろう鉄道に利益が発生すれば、四日 市市の基金へ拠出 ◇四日市あすなろう鉄道に損失が発生すれば、四日 市市が基金等を活用し補填 ■四日市市による利用促進・増収策の推進 ◇駅前広場の整備による利用促進 鉄道施設及び車両の 維持管理費用の負担 四日市市 《第三種鉄道事業者》 鉄道施設及び車両の 維持管理費用の負担 具体的な施策 ・西日野駅、内部駅における駅前広場の整備による利便性向上 ◇地域と連携した利用促進 設備投資・修繕費用 の補助 (費用の1/3補助) 鉄道施設及び車両保有 四日市市に対する 財政支援 鉄道用地保有 (設備投資・修繕費用 の1/6補助) ・イベント列車の運行、遠足や社会見学における利用促進 等 ■沿線地域と連携した利用促進・増収策の実施 三重県 ・駅を発着とするハイキング等による観光客の誘致 ・枕木オーナー制度の導入 ・駅名のネーミングライツの実施 ・関連グッズの企画・販売 ■その他 ◇高校生等による駅の美化活動の実施 ◇鉄道の乗り方講習の実施(将来の利用者発掘) 鉄道事業再構築事業の概要 ○ 継続が困難又は困難となるおそれのある旅客鉄道事業を対象 ○ 地方公共団体等と鉄道事業者が共同で計画を作成し、実施 内容 目的 当該路線における 輸送の維持 経営の改善 地方公共団体等の支援 + 事業構造の変更 例: 上下分離 事業構造の変更の 実施パターン 若桜鉄道 のケース 内部・八王子線 のケース 公有民営の例 既存事業者 新設事業者 福井鉄道のケース 重要な資産の 譲渡の例 国土交通大臣による計画の認定 鉄道事業再構築事業 北近畿タンゴ鉄道 のケース 新設事業者 特例措置 1.鉄道事業法の許可等を受けなければならないもの 等について、計画の認定により一括で許可等を受け たものとみなす等の特例 2.現行の鉄道事業法では実施できない「公有民営」 方式の上下分離(※)について、同法における事 業許可基準のうち事業採算性に係るものを適用 しないことにより、その実施を可能とする特例 (※)地方公共団体が鉄道線路を保有し、これを運行 事業者に無償で使用させるもの 支援措置 鉄道設備整備に対する『地域公共交通確保維持改 善事業費補助金』の予算、税制特例等を含む総合的 なパッケージにより重点的に支援。 上下分離の例 既存事業者 既存事業者 運 行 (無償貸与) 自治体 (3種事業者 3種事業者)) 運 行 運 行 鉄道施設保有 (無償貸与) 自治体 (3種事業者 3種事業者)) (無償貸与) 土地保有 土地・近鉄保 有/ 無償借入 運 行 (賃貸) 既存事業者 既存 事業者 運 行 鉄道施設保有 土地保有 (賃貸) 新設事業者 新設 事業者 自治体 土地保有 新設事業者 新設 事業者 運 行 (事業譲渡) 既存事業者 運 行 鉄道施設保有 鉄道施設保有 事業譲渡の例 鉄道施設保有 鉄道施設保有 鉄道施設保有 土地保有 土地保有 土地保有 鉄道事業再構築実施計画の認定による上限運賃設定認可について (地域公共交通の活性化及び再生に関する法律第25条に基づくみなし認可) 1.上限運賃を設定する者:四日市あすなろう鉄道株式会社 2.設定しようとする旅客運賃の上限を適用する路線 内部線 (あすなろう四日市~内部間) 八王子線 (日永~西日野間) 5.7㎞ 1.3㎞ 3.設定運賃 普通運賃(円) 営業キロ程 通勤定期運賃(円) 通学定期運賃(円) (㎞) 現行(近鉄) 1 170 200 4,860 6,800 1,860 2,780 2 170 200 5,490 7,590 2,280 3,380 3 170 200 6,120 8,350 2,710 3,980 4 230 260 6,810 9,040 3,180 4,450 5 230 260 7,380 9,610 3,500 4,770 6 230 260 7,960 10,190 3,810 5,080 42.7% 38.4% 81.2% 70.1% 現行(近鉄) 割引率(1か月平均) 現行(近鉄) ※現行の近鉄(内部・八王子線)と比較して、運賃平均上昇率26.3% 4.鉄道事業の収入原価 (単位:百万円) 科 目 平成27年度 旅客運賃・料金 収 平成29年度 計 368 368 367 1,103 83 83 83 249 6 6 6 17 計 457 457 455 1,369 人件費 258 258 258 774 修繕費・経費・諸税 198 197 196 591 2 2 2 5 458 457 456 1,370 9 9 9 26 ▲9 ▲9 ▲9 ▲27 98.1% 98.0% 98.0% 98.0% 鉄道施設等維持 ・修繕業務受託収入 運輸雑収等 入 合 原 平成28年度 雑支出 価 配 当 合 計 所 要 差 収 額 引 支 率 ※端数処理のため、合計値と一致しない場合がある。
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