世界はどう動くのか 英米のユーラシア戦略 ビル・トッテン 日本の動き: TPP 集団的自衛権 米国の同盟国 歴史を振り返り英米の戦略を知る 2 世界には大陸がいくつありますか? 3 世界は7大陸 アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセ アニア、南極 4 アジアとヨーロッパは陸続き 世界は6大陸 ユーラシア、アフリカ、北米、南米、オセアニ ア、南極 5 スエズ運河以前はアフリカとユーラシアも陸続き 世界は5大陸 アフロユーラシア、北米、南米、オセアニア、南極 6 南北アメリカを区切るパナマ運河が できたのは100年前 世界は4大陸 アフロユーラシア、アメリカ、オセアニア、南極 7 中南米 8 米国による中南米各国への 軍事的または敵対的介入 アルゼンチン グアテマラ ボリビア ハイチ ブラジル ホンジュラス チリ メキシコ コロンビア ニカラグア コスタリカ パナマ キューバ パラグアイ ドミニカ共和国 ペルー エクアドル ウルグアイ エル・サルバドル ベネズエラ 20カ国 68介入 9 世界は5大陸 アフロユーラシア、北米、南米、オセアニア、南極 10 もし世界が5大陸なら 大きな世界島とその周辺の島々のように見える 11 数字で見る大陸 - 世界に占める割合- 大陸 面積 人口 名目GDP アフロ ユーラシア 北米 中南米 南極 オセアニア 56% 16% 13% 9% 6% 83% 8% 9% 0% 0% 62% 28% 8% 0% 2% 合計 100% 100% 100% 12 マッキンダー理論 東欧 => ユーラシア ユーラシア => 世界島 世界島 => 世界 13 最盛期のローマ帝国 (117年) 14 清王朝 15 モンゴル帝国 16 大英帝国 17 19世紀欧州の戦争 ギリ シ ャ 独立戦争 フ ラ ン スのス ペイ ン 侵略戦争 ロ シ ア ・ ペルシ ャ 戦争 ロ シ ア ・ト ルコ 戦争 ハン ガリ ー革命と 独立戦争 第一次シ ュ レ ース ヴィ ヒ 戦争 第一次イ タ リ ア 独立戦争 第二次イ タ リ ア 独立戦争 第三次イ タ リ ア 独立戦争 ク リ ミ ア 戦争 第二次シ ュ レ ース ヴィ ヒ 戦争 オース ト リ ア ・ロ シ ア 戦争 普仏戦争 ロ シ ア ・ ト ルコ 戦争 セビ リ ア ・ブ ルガリ ア 戦争 ギリ シ ャ ・ト ルコ 戦争 (1821-1832) (1823) (1826-1828) (1828-1829) (1848-1849) (1848-1851) (1848–1849) (1859) (1866) (1854–1856) (1864) (1866) (1870-1871) (1877–1878) (1885) (1897) 18 同盟の形成 ドイツ オーストリア・ハンガリー イタリア の三国同盟 19 英国がドイツを敵視した理由 1. ドイツは工業、軍事そして海軍力で19世紀末 に急速に台頭 2.ドイツがロシアと同盟を組みユーラシアを 支配することを防ぐ 3.ロシアは広大なテリトリーと多くの天然資源 を持っていたが、経済と軍事面でドイツは 英国にとって、より強力な競争相手だった 20 三国同盟に対し 英仏露は三国協商を締結 21 1914年 オーストリア・ハンガリーで サラエボ事件 オーストリアはセルビアに宣戦布告 セルビアとロシアは同盟国 ⇒ ロシアはオーストリアに宣戦布告 三国協商(英仏露)⇒ 三国同盟に宣戦布告 22 三国協商(英仏露)は三国同盟(独墺伊 )の 面積は12倍、人口は5倍、経済は3倍、兵士は2倍 23 第一次世界大戦 1914年 開戦 1917年 ロシア革命 1917年 米国参戦 1918年 休戦 24 1917年 各国の思惑 ドイツ ロシアと戦争をやめたかった 「レーニンならやめるだろう」 英国 ロシアが戦争を続けて欲しかった 「ロシア皇帝はドイツとの和平を求めて いた」 米国 ロシアの資源を米国が搾取したかった 「レーニンの政府なら弱体となるだろう」 25 当時、米国の世論の9割は 欧州戦争に参戦することに反対 英仏露に巨額の融資をしているウォール街 の銀行家は、英仏露が三国同盟に負けると 困るので参戦したい ↓ さまざまなプロパガンダキャンペーンを 展開 26 欧州戦線の犠牲者 戦死者 三国同盟 三国協商 米国 *米国/全体 4,390,544 民間人 含む 犠牲者 民間人 犠牲者 の割合 犠牲者 /人口 6,349,352 8,341,264 9,646,038 47% 34% 6% 1% 116,708 117,465 1% 0% 1% 1% 27 第一次大戦後の英国の戦略 ドイツを侵略も支配もできず、倒せなかった ので徹底的にドイツを破壊し、征服するため: *社会不安を作り、右翼政府を樹立させる *右翼の政府は左翼のソ連政府と戦うだろう *右翼のドイツ政府を武装させ、ソ連と戦争 させる 28 ドイツの内情 第一次大戦でドイツは巨額の国債を 抱えた 国債を買っていた多くはドイツに居住 していない金持ちで、1919年末までに 彼らは全体の35%の国債を売り払って 他の国の通貨に換えた 29 ドイツの内情 米国は英仏に第一次世界大戦で 融資した巨額の貸付の返済を迫った。 米国に返済するには、英仏はドイツに 賠償金を要求するしかなかった。 ドイツは賠償金を、金または英仏の 通貨で支払わなければならなかった。 30 ドイツのハイパーインフレ 31 ハイパーインフレは ドイツ国民を貧困に追い込み、 英国の期待どおり社会不安が起きた しかしそれによってドイツは、英仏が要求 した賠償金を支払うことができなくなった 32 ドーズ・プラン 米国の銀行家チャールズ・ドーズにより賠償金 の支払いが緩和され、ウォール街の銀行は 賠償金支払いのためにドイツ政府に融資をした ドイツマルクを1918年よりもずっと安い価値で 安定させることで、米国や他の外国の銀行に とってドイツは絶好の融資・投資先となった 33 大戦前・中、ドイツを支援した 英米の金融機関 J Pモルガン・チェース シティバンク ニューヨーク連邦準備銀行 イングランド銀行 国際決済銀行(BIS) 34 大戦前・中、ドイツを支援した 米国企業 ゼネラル・モーターズ ゼネラル・エレクトリック エクソンモービル ダウ・ケミカル ランダムハウス フォード ITT テキサコ デュポン コダック 35 米大企業 ナチスの兵器庫 合成ゴム 毒ガス 爆薬 乗用車 合成ガソリン 軍用機 戦車など 染料 プラスチック 火薬 航空ガソリン 軍事用トラック 軍用機エンジン サイクロンB 36 フォード自動車の創業者 ヘンリー・フォード 『国際的ユダヤ人- 世界の問題』 ”ヨーロッパにユダヤ人がいなかったら、 と想像してみよう。 今のような悲惨な出来事が起きただろう か、起きなかっただろう。 いつか彼らは、自分たちが蒔いた種を 刈りとらなければならない。” 37 1933年 ヒトラー内閣が発足 “ヘンリー・フォードは私を鼓舞してくれる” “Henry is my inspiration” 「わが闘争」の参考にした 38 優生学 Eugenics ヒトラーは優生学を信奉していた ドイツ民族を「世界で最優秀な民族にするため」、 「支障となるユダヤ人」を 絶滅する以外に、長身・ 金髪碧眼の結婚適齢期の男女を集めて強制的 に結婚させ、「ドイツ民族の品種改良」をする 民族衛生の旗の下に実施された様々な優生計画 を通して、純粋ゲルマン民族を維持する試みが 行われた 39 ホロコースト いかにしてユダヤ人大量殺戮が行われたか? 1.ユダヤ人を判別 国勢調査データから名前・住所・家系・職場 などの情報を参照 2.職場から追放 3.資産没収:銀行口座、保険、株、不動産他 4.ゲットーに集める 5.強制収容所に入れる 6.処分:特別任務、労働、処刑 この巨大なデータ処理の任務を行ったのが 米国のコンピュータメーカのマシンだった 40 第二次世界大戦 欧州戦線 1939年 ドイツ ナチス党がポーランド侵攻 1940年 ドイツがデンマーク、ノルウェー、フランス、 ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、 ルーマニアに侵攻 1941年 ドイツがユーゴスラビア、ギリシャに侵攻 ドイツがソ連を攻撃 1942年 最初の米軍が英国に到着 1943年 ソ連軍がスターリングラードを包囲し、 ドイツ軍が降伏 1944年 ソ連軍がポーランド侵攻 ノルマンディー上陸: 連合軍がナチス ドイツ占領下のフランスに侵攻 ドイツ降伏 1945年 ソ連がベルリンへ、ヒトラー自殺 ドイツ無条件降伏 41 第二次世界大戦 1941年 開戦 1944年 米軍、欧州に上陸 1945年 終戦 ■ソ連は常に9割以上のドイツ軍と戦った ■死傷、捕虜になった全ドイツ兵の7割はソ連軍によ るもの ■米軍が戦ったのはわずか1割未満のドイツ軍だった 42 武器製造台数 武器 輸送機 迫撃砲 マシンガン 大砲 貨物自動車 タンク 練習機 戦闘機 連合国(a) 枢軸国(b) (英米組) (ドイツ組) a/b 43,000 4,900 9倍 658,000 73,000 9倍 4,744,000 674,000 7倍 915,000 180,000 5倍 3,060,000 565,000 5倍 227,000 52,000 4倍 103,000 28,500 4倍 417,000 146,000 3倍 43 欧州戦線の犠牲者 国 ポーランド ユーゴスラビア ソ連 ドイツ オーストリア フランス ギリシャ 英国 米国 死者数(人) 人口比 6,123,000 17% 1,706,000 11% 20,600,000 10% 6,850,000 10% 480,000 7% 810,000 2% 520,000 2% 388,000 1% 500,000 0% 44 戦争が米国にもたらした 好景気 米国企業が製造した武器: 連合軍の6割 全体の4割 米国のGDP: 1929年〜39年 1939年〜45年 米国人の生活水準: 1939年〜45年 ー11% +240% +50% 45 第二次世界大戦 人口 1941年 米 対 日本 2倍 米 対 ドイツ 2倍 ソ連 対ドイツ 2倍 連合国 対 枢軸国 面積 26倍 14倍 32倍 経済 5倍 3倍 1倍 2倍※ ※ 開戦時に枢軸国 の2倍だった連合国 の経済は終戦時には 5倍になった。 46 最盛期の大英帝国 ↓ 1945年、大英帝国は米国の属国に成り果てた 47 インディアン戦争 1622年 2014年 米国先住民 米国先住民 1600万人 (100%) 400万人 (1%) 48 南北戦争 出荷量(トン):16倍 労働者数: 12倍 工場: 6倍 人口: 2倍 穀物生産: 2% 綿花生産: 1% 49 米西戦争 (1898年4月~8月) スペイン 軍力: 犠牲者: 米国 339,783 530,000 60,000 5,000 戦果: 米国は、キューバ、フィリピン、 プエルトリコ、グアムを領有 50 米国は弱い国を苛める、 強い国と戦争はしない キューバ イラク ラオス シリア イラン チリ 朝鮮半島 アフガニスタン リビア ハイチ グレナダ パナマ セルビア ベトナム カンボジア フィリピン メキシコ ボスニア 51 1776年の建国以来、米国が戦争 をしなかった年はわずか21年 52 マッキンダー以降の英米政策 1910年以前: 1910年~1917年: 倒す ロシア拡大を阻止する ロシアとドイツを離す、ドイツを 1918年~1945年: ロシアとドイツを戦争させる 1930年~1945年: 日本の中国支配を防ぐ 1947年~1991年: ソ連と中国が組むのを阻止する 1991年~: ロシアを分割し世界を支配する 53 分割統治 分・別 競争 資本家 資本 ドイツ イスラエル プロテスタント ヒンズー教 シーア派 白人 対 対 対 対 対 対 対 対 対 対 共・一緒 協力 労働者 社会 ロシア アラブ カトリック イスラム教 スンニ派 その他 54 エボラ出血熱の支援 キューバはこの危機に256人の 医療団を派遣 アメリカはこのチャンスに3000人の 米兵を派遣 55 軍用機(B-2)1機の値段 958億円 運用費 1600万円/1時間 56 (1ドル 118.246円で換算) アンクルサムと7人の小人たち 英国 日本 カナダ イスラエル オーストラリア サウジアラビア ニュージーランド 57 面積 人口 GDP (百万km²) (百万人) (兆ドル) 米国 + 7 31 600 29 BRICS 39 3000 16 上海協力機構 30 1600 12 BRICS,上海協力機構 +候補国 61 4700 26 58 BRICS、上海協力機構 および候補国 59 日本の動き: TPP 集団的自衛権 米国の同盟国 その代わりに … 60 結論 – 1 米国は強い国と戦争をしたことがない 日本は弱い国の攻撃から守ってもらう 必要はない 日本が太平洋戦争で敗戦したのは、 自給自足できない食料とエネルギーを 封鎖されたからである 61 結論 – 2 現代の戦争は空爆が中心 日本の経済は東海道に沿って 集中した複雑な通信網に 依存している 62 結論 – 3 日本国憲法を冒涜し、米国の侵略戦争の奴隷 として機能するための軍事予算を増やす前に、 我々はすべきことがある: ■失業者または十分な仕事に就いていない人々を 採用し、耕作放棄地で有機農業を行い、食料の 自給自足を達成する ■太陽光発電などの再生可能エネルギーに投資 する ■東海道に空爆を受けても日本が壊滅しないよう、 経済と社会を全国に分散させる 63
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