原油価格下落のサービス企業への影響 - JOGMEC 石油・天然ガス資源

原油価格下落のサービス企業への影響
2015年3月19日
調査部エネルギー資源調査課
片山 治
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テーマ
1. 石油会社による支出削減状況
2. 石油サービス産業の部門別動向
3. 石油サービス企業の利益創出力強化
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原油価格推移(ブレント・スポット)
2013年
1月
2014年
1月
2015年
1月
3
コスト推移
2008・2009年油価下落後高止まり
近年は部門によっては下落傾向
グラフ
IHS Upstream Capital Cost Index
(著作権により配布資料には不掲載)
グラフ
IHS Upstream Capital Cost Index
(著作権により配布資料には不掲載)
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メジャー5社上流部門用途別投資額
(~2013年)
開発費の上昇が顕著
2014年は決算報告待ち
出所:メジャー5社アニュアルレポート等
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メジャー5社純利益推移
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2015年投資支出見通し
(百万ドル)
企業名
2014年上流
資本支出
2015年上流
資本支出
上流資本支出
2014年→2015年
差額
変化率
BP
22,900
20,000 ‐ 2,900
‐13%
Chevron
Eni
37,115
13,986
31,600 ‐ 5,515
11,860 ‐ 2,126
‐15%
‐15%
Shel l
Sta toi l
37,300
18,500
34,000 ‐ 3,300
16,500 ‐ 2,000
‐9%
‐11%
Tota l
23,000
20,000 ‐ 3,000
‐13%
Ana da rko
8,500
5,800 ‐ 2,700
‐32%
BG
9,400
6,500 ‐ 2,900
‐31%
ConocoPhi l l i ps 16,700
Occi denta l
8,657
11,500 ‐ 5,200
5,800 ‐ 2,857
‐31%
‐33%
Woods i de
1,160
971
189
19%
2015年の支出額は原油価格・費用の推移次第で見直される
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サービス企業部門別市場状況
部門
近年推移
2014年第4四半期
(対2014年1~3四半期)
沖合リグ
2013年第4四半期比、需 下落
給緩和
陸上リグ、EPIC*、鋼材
2013年第3四半期ピーク 第4四半期(微)減
建設人件費、ヤード内加 2014年第4四半期まで緩 2014年第4四半期横ばい
工、沖合搬入船、バルク やかに上昇
資材、機器
海底
上昇
ピークとなるも下落緩やか
*EPIC ‐ 設計・調達・契約・据付
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震探
• 探鉱費は石油会社が最も支出裁量のある項目
• 2014年既に削減が進んでいたが2015年はさらに進むと考え
られる。
• Schlumbergerは第4四半期に減損を計上(8億ドル)
• 子会社WesternGeco社保有震探船のうち老朽化もしくは
高操業コストの船を優先的に処分
• 震探船の不稼働により、年末までに保有する震探船23
隻を13隻に減らす。
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EPCI(設計・調達・契約・据付)サービス関係
計画後ろ倒しもしくはキャンセル例
• マージナルな浅海プロジェクト
• 大規模深海プロジェクト(ブラジル、アンゴラ、東南アジアなど)
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浮体式リグ需給関係推移(2005~2014年)
The Platou Report 2015を発行者の許可を得て転載
11
ジャッキアップ式リグ市場需給関係推移
(2005~2014年)
The Platou Report 2015を発行者の許可を得て転載
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リグ・タイプ別デイレート推移
(2005~2014年)
(超大水深)
The Platou Report 2015を発行者の許可を得て転載
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北米リグ稼動数と原油価格
(米EIA)
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米シェールリグ稼働数とリグあたり生産量
リグ稼動数 点線
リグ当たり生産量 原油-破線、ガス-二重破線
総生産量 原油-実線、ガス-二重線
15
米シェールリグ稼働数とリグあたり生産量
リグ稼動数 点線
リグ当たり生産量 原油-破線、ガス-二重破線
総生産量 原油-実線、ガス-二重線
(米EIA)
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米シェールリグ稼働数とリグあたり生産量
リグ稼動数 点線
リグ当たり生産量 原油-破線、ガス-二重破線
総生産量 原油-実線、ガス-二重線
(米EIA)
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(米EIA)
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米シェールリグ稼働数とリグあたり生産量
リグ稼動数 点線
リグ当たり生産量 原油-破線、ガス-二重破線
総生産量 原油-実線、ガス-二重線
前4スライドが示唆するもの
 2014年後半リグ数低下も、1リグ当たり生産量増
 ハイグレーディングで低採算箇所のリグをリリー
ス、高採算箇所で1リグあたりの坑井数、仕上(水
圧破砕)量増
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掘削作業・その他坑井内サービス(メンテ・操業含む)
 増えつつあるソリューション型ビジネスモデル
⇒技術力向上で顧客が得る付加価値を分け合うことによって成立
 現在の石油会社支出削減・リストラクチャリングにおける、
作業のコスト削減、生産効率改善にサービス企業が貢献
 例 シェールにおけるハイグレーディング(原油価格下落で生産性・経済性
の低い構造・エリアから高いところへシフト)
 更なる生産性の向上
 新技術の導入とイノベーション
 リーン生産(無駄のない生産)
 サプライチェーンの改善を含むオペレーション・マネジメント改革
 このような付加価値創造型のビジネスモデルは比較的原油下落の影響は
少ない。
 資本支出・操業費・管理費(人員削減)は起きている
 一方、利益創出におけるR&Dの果たす役割は極めて重要
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