短期予報解説資料1 2015年 3月19日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①500hPa5700m 付近のトラフは 西日本・東日本を通過中。水蒸気 画像で 500hPa より高高度のトラ フに対応する暗域が明瞭で、 西日 本付近を東進。12 時に福島県沖 に低気圧が発生し、 日本海の低気 圧は不明瞭化した。前線は、西日 本・東日本の南岸を東進中で、波 動が四国付近。 前線の暖域側の高 度 800m では午前中 40~45kt の WSW 風を観測した。海上を中心に [W]級の強風が吹き、西日本の太 平洋側で約 3m の高波を観測。強 風や高波に注意。 ②09 時高層観測、潮岬の下層で θe 約 327K の暖湿を観測。前線近傍では南西斜面を中心に 1 時間雨量は 25mm 前後を観測。雷も検知。 短時間強雨や落雷・突風に注意。前線の南海上でも発達した対流雲が東進中で、伊豆諸島方面を指向。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①のトラフは、19 日夜遅くには関東・伊豆諸島の東へ抜ける。低気圧は三陸沖を東進し、前線 は 19 日夜には東日本南岸を進み、20 日朝にかけて伊豆諸島付近を南下する。前線上の波動はトラフが 先行するため、20 日は次第に不明瞭化する。前線南側や周辺の[W]級の強風や高波に注意。 ②1 項②の西日本に流入した下層の暖湿気は、東日本の南海上を進み、伊豆諸島に流入する程度。この ため、東日本では、短時間強雨や落雷のポテンシャルは西日本より低いが、トラフが通過するまで、 前線周辺や南側では、1 時間 30mm 前後の短時間強雨や落雷・突風のおそれがある。 ③20 日夜から 21 日朝にかけ 5580m 付近のリッジが日本海から東北・東日本を通過。これに伴い日本海 で高気圧が発生し、北陸付近へ移る。北日本で 20 日夜に 5460m 付近のトラフが通過し、北海道では日 本海と千島近海の高気圧の間の気圧の谷場となるが、下層の風速も弱く、安定度も悪くないため、影 響は小さい見込み。850hPa 気温 0℃線は東北北部に停滞するため、積雪の多い地域では融雪やなだれ に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①主要じょう乱は、最新初期値の GSM を基本とする。②高潮:大潮期間。九州では注意報級のおそれ。 副振動にも留意。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):多いところはないが、1,2 項の短時間強雨に注意。②波(明 日まで): 近畿 4m、東海・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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