1.計画の基本的事項(PDF:475KB)

1.計画の基本的事項
(1)計画の目的
我が国は、生活水準や保健・医療の進歩等により、平均寿命が伸びています。しかし
ながら、急速に高齢化が進む中、生活習慣病等が増加しており、医療費や介護給付費等
の社会保障費の増大が懸念されています。
このような中、特定健康診査(以下、「特定健診」という。
)の実施や診療報酬明細書
等(以下「レセプト等」という。)の電子化の進展により、保険者が健康や医療に関する
情報を活用し、加入者の健康課題の分析、保健事業の評価等を行うための基盤の整備が
進められています。
本市は、これまでレセプト等を活用して大村市国民健康保険被保険者(以下、「被保険
者」という。
)の特定健診や特定保健指導、その他の保健事業を実施してきました。今後
はさらに、レセプト等や統計資料のデータの分析を行い、その結果に基づいた健康課題
に対して、ポピュレーションアプローチからターゲットを絞った重症化予防までを網羅
した保健事業を展開し、糖尿病等の生活習慣病の発症予防や重症化予防を始めとする被
保険者の健康増進を図ることを目的に策定します。
(2)計画の考え方
本計画は、被保険者が自主的に健康増進を図ることや、生活習慣病の発症予防、重症化
予防に取り組めるよう、被保険者の特性を踏まえたPDCAサイクルによる効果的かつ効
率的な保健事業の実施を図るための計画です。また、計画策定や事業評価については、被
保険者の特定健診の結果やレセプト等のKDBシステム等のデータを活用します。
計画(Plan)
【データ分析】
集団全体の健康課題の特徴をデータ分析
【健康課題の明確化】
集団の優先的課題を選択
どのような疾病にどれくらいの医療費を要しているか?より高
額な医療費の原因、それらが予防可能な疾患なのか等を検討
【目標の設定】
最も効果が期待できる課題を重点的課題として設定し、
事業終了後評価ができるよう、できる限り数値目標を設定。
実施(Do)
【対象者の明確化】
【効率的・効果的な保健指導】
支援方法・優先的順位等を検討し、対象
者のライフスタイル等に合わせた指導
【保健指導の評価】
検査データの改善度
生活習慣の改善状況等評価
よ
り
効
率
的
・
効
果
的
な
方
法
等
に
改
善
改善(Action)
検証結果に基づく
課題解決に
向けた計画修正
健康課題をより
明確にした
戦略的取組の
検討
評価(Check)
生活習慣病の有病者・予備群の減少
生活習慣病関連の医療費の適正化
資料:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)
」
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(3)計画の位置づけ
本計画は、「国民健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」に基づく保健事
業実施計画です。大村市国民健康保険での保健事業の中核をなす「大村市国民健康保険第
2期特定健診等実施計画」(以下、
「特定健診等実施計画」という。
)や、本市の健康増進
施策の基本的な計画である「第2次健康おおむら21計画」との整合性を図ります。
特定健診・特定保健指導と第2次健康日本21
-特定健診・保健指導のメリットを活かし、第2次健康日本21を着実に推進‐
特定健診・特定保健指導の実施率の向上
地域・職場のメリット
● 各地域、各職場共有の
健康課題がわかる。
● 予防する対象者や疾患を
特定できる。
【レセプトを分析すると】
● 何の病気で入院しているか、
治療を受けているか、なぜ
医療費が高くなっているか
知ることができる。
データの分析
個人のメリット
未受診者への
受診勧奨
● 自らの生活習慣病のリスク
保有状況がわかる。
● 放置するとどうなるか、どの生
活習慣を改善すると、リスクが
減らせるかがわかる。
● 生活習慣の改善方法がわか
り、自分で選択できる。
健康のための資源
(受診の機会、治療の機会)
の公平性の確保
◎ 発症・重症化が予防できる。
◎ 医療費の伸びを抑制できる。
◎ 発症・重症化が予防できる。
◎ 死亡が回避できる。
メタボリックシンドロームの減少
脂質異常症の減少
虚血性心疾患死亡率の減少
糖尿病有病者の増加の抑制
糖尿病性腎症による
新規透析患者数の減少
高血圧の改善
脳血管疾患死亡率の減少
健康格差の縮小
資料:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)
」
(4)健康課題の設定(対象疾病)
本計画は、特定健診等実施計画や第2次健康おおむら21計画と共通する「メタボリッ
クシンドローム」
、「高血圧」、
「糖尿病」
、
「脂質異常症」
、及びこれらの重症化によりおこ
る「虚血性心疾患」
、「糖尿病性腎症」
、「脳血管疾患」を対象疾患とし、被保険者の健康課
題として設定します。
(5)計画の期間
計画期間は、特定健診等実施計画の期間と合わせ、平成27年度から平成29年度までの
3年間とします。
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