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談合疑惑シリーズ(第8回)
町長が「逮捕者を免職にしない」のは、
「免職にしたら自分の責任も問われる」からです。
「贈賄」を認めた人を免職にしないのは、
条例・規則を無視することです。
この度の課長補佐の逮捕によって、私が取り上げてきた「疑惑」の一つは
疑惑ではなく事実である事になりました。他方、町長は記者会見で関係職員
の「免職処分」を見送り「起訴休職」を公言したとのことです。
これは、町長が「自分の辞職を回避」する為に行った「保身の措置」です。
言うなれば、職員を「盾」にして保身を図る為以外の何ものでもありません。
しかし、この判断は、「懲戒の手続き及び効果に関する条例」とそれにつな
がる「懲戒処分等に関する手続き(懲戒処分規程)」をないがしろにするも
のです。明らかな「条例・規則違反」です。
1,「免職」を回避する「起訴休職」は、
求められている「行政処分(懲戒処分)」を
法廷にまで持って行き、
「延命」の時間稼ぎをする作戦です。
新聞報道によると、3月19日、職員の再逮捕を受けた町長は、翌日の記者会見で
「職員の処分と自身の処分」について「今やっても(処分が)軽かったと言う事にな
るかも知れない」として、処分の先送り表明しました。
また、会見では、逮捕を受けた職員に対しては「起訴休職」の扱いとする旨の考えを
表明したと伝えられています。
(1)町長に求められているのは、関係職員に対する「懲戒処分」(行政処分)です。
以前、町長は「横領」を告発せずに(裁判にせずに)、職員を「免職」(懲戒処
分)しました。 これは当然の措置でした。
この度、役場職員が行ったのは、「贈賄」です。
つまり、行政処分と刑事処分の両方が対象となる事案です。
町長がやらねばならないのは、「懲戒処分」(行政処分)です。
裁判所が決めるのは、「刑事処分」です。
町長は、違法行為を確認出来れば、刑事処分とは別に、
「行政処分」ができます。
この件に関して、町長には、すでに、体験済みの実例があります。
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「安平職員の着服問題」(平成22年発覚)です。この時、町長は、「横領は免
職」と定めた規則に基づき「免職処分」にしています。当然の判断です。
しかし、その時、刑事告訴はしておりません。つまり、町長は、「刑事処分」を
求めなかったのです。裁判における結論を求めずに行政処分の「免職」にしてい
ます。これはこれとして、「一つの判断」です。(賛否は別にして)
(2)「贈賄」がはっきりしているのに、なぜ、規則通り「免職」にしないのか?
以前と同じ「免職」該当の非違行為なのに、なぜ、今回のケースを特別扱い
するのか?
安平町の「職員の懲罰処分等に関する規則」では、「贈賄」は「免職」と規定
されています。この度、課長補佐が行ったのは、「贈賄」です。
事実関係は、町の懲罰審査委員会では、確認出来ませんでした。
正確に言えば、「本人の言い分を全て正しい」と判断し、疑問を持って何一つ
調査していない「身内のなれ合い調査」で、「事実の隠蔽」に一役買ったいい
加減な「懲罰審査委員会」でした。あれほど、疑問や問題点を指摘してきたのに
です。
しかし、警察における事実調査では、その役場職員は「贈賄の事実を認めた」と
報道されています。
それなのに、なぜ、「職員の懲罰処分等に関する規則」に従って、「免職」の処
分をしないのでしょうか?
もし、事実関係を町としても再確認したいのであれば、警察の調査を確認すれば
良いことですし、必要なら本人に面会して確認すれば良いことです。
そしてその上で、事実を確認し、粛々と「免職」すればよいことです。
しかし、町長は「今やっても(処分が)軽かった事もあるかも知れない」と
言ったと報道されていますが、町長はその様にいつも「人をごまかす言葉や態度」
をとり続けるから、町長が「職員を免職しないのは、すれば、自分の処分もしな
ければならなくなるからだ。それを避けているのだ。」との見方が、巷(ちまた)
に生まれるのです。「免職」より重い処分はないのです。
また、町長の場合、「辞任」より、重い選択はありません。
その決断を私は求めて来ました。すでに町長宛に申し入れをしています。
2,「休職」は、「懲戒処分」ではありません。
なぜ、「休職」にして、給与を払い続けるのでしょう?
町長は、記者会見の席で、関係職員を「起訴休職」の扱いにすると
言ったと伝えられています。
町長は、なぜ、刑事事件にもなっている職員の処分を、懲戒処分ではなく、「病気の
職員と同じ扱い」(休職)にするのでしょうか。
誠に不思議なことです。背景には何があるのでしょうか?
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3,起訴休職に関して
少しややこしい話になりますが、インターネットに示された判例を整理しておきます。
①「実際に休職処分にするかどうかは、任命権者の自由裁量であり、犯罪の成否、
身体の拘束その他の事情の有無を問わない。」
(東京高裁 昭和35年2月26日)
②「職務の内容、公訴事実の具体的内容及び起訴の態様を勘案してはじめてけ決せ
られるもの」
「休職すべきか否かは、具体的事案に即して個別に決められるもの」
(東京高裁 昭和45年4月27日)
③「必要限度においてのみ「起訴休職処分」をなし得るものと解すべきであり、
裁量権の行使について、その範囲を逸脱したりこれを乱用してなされた処分は、
違法として取り消しを免れ得ない。
(東京地裁 昭和49年6月28日)
以上、昭和45年・49年の「裁判判例」に立っと、この度の瀧町長の「起訴休職」と
する「分限処分」は、不適切な「裁量権の乱用」であると言わざるを得ません。
「休職」に異議あり!
(1)坪田課長補佐の「起訴休職」の分限処分は、警察で「贈賄」行為が認定さ
れたにも拘わらず、又、自らの再調査を行わず、懲戒処分をせずに済ませ
ていることは、「公訴事実の具体的内容」を十分調査されたとは言い難く
「分限処分」に逃げ込んだ不当な「扱い」は、裁量権の乱用と言えます。
(2)安平町の「懲戒処分規程」では、同じ「免職」に相当する行為が、片や
規定通り「免職」となり、片や「起訴休職」とする今回の処分は、著しく
公平さを欠く処分であり裁量権の乱用と言わざるを得ません。
(3)安平町の「職員の給与に関する規則」によれば、休職者は、(病気によら
ない今回のケーズの休職者も)、1日も勤務することなくとも、6割とは
言え報酬・期末手当等を得ることが出来ます。
いかに、身内かばいの役場組織とは言え、町民の納得のいく措置とは、
思われません。公正さに欠け、これも裁量権の乱用に当たります。
注:安平町職員の給与に関する条例(第26条4)
(4)この問題は「分限処分」(休職)ではなく、「横領事件」と同じく「懲戒
処分」(免職)にすべき問題です。
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