生体腎移植術における凝固系の経時的変化と 輸血;pdf

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生体腎移植術における凝固系の経時的変化と
輸血・出血量についての検討(後ろ向き研究)
【はじめに】
生体腎移植術は術中輸液投与量が多くなる手術の一つですが、それに伴い血
液が希釈されて凝固能(血の固まりやすさ)も低下します。それに加え、術前
に血漿交換を行う患者さんは凝固能が更に低下することが予測されます。手術
中は手術室搬入前の採血の値や手術中の出血の程度で血液製剤(献血由来の血
小板や新鮮凍結血漿)を投与していますが、術中の凝固能、線溶能(血の固ま
りにくさ)の値をリアルタイムに測定して輸血を考慮することは本手術におい
てはできていません。さらに手術中の輸液量と血漿交換に伴う凝固能、線溶系
の低下や亢進について検討はなされていませんでした。
今回、私たちは生体腎移植術中の凝固・線溶系の検査結果と、術中の輸血・
出血量との関係について麻酔記録やカルテから(後ろ向きに)検討し、凝固能
低下の発生頻度や発生時期について調査します。ホームページで本研究の実施
について公表し、本研究への苦情や問い合わせ、参加取り消しの申し出等がで
きるようにすることによって、改めてインフォームド・コンセントを頂くこと
に替えさせて頂きます。
【対象】
九州大学病院手術部において平成 26 年(2014 年)1 月 1 日から平成 27 年(2015
年)1 月 31 日までに生体腎移植術を受けられた方のうち、約 80 名を対象に致
します。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
【研究内容】
生体腎移植術を全身麻酔下で受けられた患者さんの麻酔記録、カルテを見直
し、血液凝固(凝固時間:血が固まり始めるまでの時間、血餅形成時間:血が
固まるまでの時間、最大血餅硬度:血の塊の強さ)
・線溶系(血餅衰退割合:一
定時間内での血の塊が溶ける割合)のデータ、手術中および手術後の輸液・輸
血量と出血量のバランスを調べます。得られたデータをもとに、術前血漿交換
を行う患者さんと術前血漿交換を行わない患者さんで、輸血・出血量の違いを
解析します。
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることは
ありません。
【個人情報の管理について】
個人情報漏洩を防ぐため、九州大学病院手術部においては、個人を特定できる
情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、
第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者
さんを特定できる情報は一切含まれません。
【データの二次利用について】
この研究において得られた測定結果、麻酔記録・カルテの情報等は原則としてこ
の研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院麻酔・蘇生学分
野において同分野教授・外 須美夫の責任の下、5年間保存した後、研究用の番号
等を消去し、破棄します。
しかし、この研究で得られた測定結果、麻酔記録・カルテの情報等は、将来計画・実
施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、希
望されない場合を除き、前述の期間を超えて保存し、将来新たに計画・実施される医
学研究にも使用させていただきたいと考えております。これを「データの二次利用」と
いいます。なお、データの二次利用を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査
委員会において審査し、承認された後に行います。
【研究期間】
研究を行う期間は平成 27 年(2015 年)2 月 1 日より平成 28 年(2016 年)3
月 31 日まで
【医学上の貢献】
本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありません
が、将来研究成果は生体腎移植中の血漿交換に伴う凝固能低下に対して適切な
治療法を検討することにより、手術中の出血を防ぐ一助になり、多くの患者さんの治
療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。
【研究機関】
九州大学大学院麻酔・蘇生学
教授
外 須美夫(責任者)
九州大学病院手術部
助教
白水 和宏
九州大学大学院麻酔・蘇生学
講師
辛島 裕士
九州大学病院 腎疾患治療部
診療講師 北田 秀久
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九州大学病院 胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科
特任助教 栗原 啓
連絡先:〒812-8582
福岡市東区馬出 3-1-1
Tel:092-642-5714
担当:白水和宏
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