エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) 特集 NTT Comが実現する究極のグローバルICTマネージドサービス “Global Management One” 1 インタビュー マネージド(運用管理)を グローバルでサービス化。 全世界に拡大中。 「グローバルクラウドビジョン」に基づくシームレス ICT ソリューション実現の中 核部隊として設立された NTT コミュニケーションズ(以下、NTT Com)のマネ ジメントサービス部。 現在、お客さまのすべての ICT 環境を一元的に運用管理する サービス「Global Management One」を全世界に展開し、リカーリング収益/利 益拡大に注力している。 最近の取組み状況について、 北畠茂部長にうかがった。 NTTコミュニケーションズ株式会社 理事 マネジメントサービス部長 北畠 茂氏 全世界で ICT 環境におけるマネージ ド(運用管理)ニーズが増々拡大 界全体での市場規模は、2014 年に は約 30 兆円に達し、2017 年まで して、それに合わせた運用体制を確 には 37 兆円規模に成長する見込み 立し、その機動組織として MS 部が です。成長が鈍化傾向にある国内市 新設されました。そして、企業がグロ トサービス部(以下、MS 部 ) 部長に 場に比べ、グローバルのマネージド ーバルに展開する広範な ICT システ 就任されました。はじめに、MS 部設 市場は右肩上がりで伸びており、特 ムを、全世界共通のサービスメニュー・ に北米は先進国エリアの中で最も大 品質・料金・プロセスでサポートする きな成長が期待できます。 高品質のワンストップ ICT マネジメン —昨年 8 月、新設されたマネジメン 立の背景からお聞かせください。 北畠 企業の ICT 環境は、グロー バルへの事業展開に伴う拠点増・ そのようなマネージド市場をにら ト サ ー ビ ス「Global Management M&A などにより多様化し、柔軟な み、全世界の企業に ICT システムの One」 (以下、 「GMOne」 )を昨年開発・ クラウドサービスなどを利用するこ 運用/監 視/保守をご提供すべく、 提供を開始しました。 「GMOne」は、 とで、共通の仕様や管理を実現しつ サービス化に取り組みました。従来か 全世界に広がるお客さまの ICT 環境 つあります。一方、企業のシステム ら、NT T Com の日本及び海外現地 をアプリケーションからクラウド、ネ 部門がカバーする範囲は拡大し、特 法人は、独自のメニュー/ツールでマ ットワークまで、弊社の経験豊かな に海外では、IT スタッフの頻繁な ネージドを提供していましたが、全体 エンジニアがワンストップで提供する 転職、マニュアル化されず個人のス 最適と競争力強化を図るためにグロ マネージドサービスです。お客さまは、 キルやノウハウに帰属した引き継ぎ ーバルでサービスを共通化/標準化 用途や環境に応じて必要なメニュー を選択、組み合わせる 困難な運用など、システム運用に伴 う負担の増大は共通の課題となって おり、システム部門の負担を解放し、 限られたリソースを戦略的な業務に 割り振ることは、更なる事業拡大を 進める企業の命題になっています。 こうした背景から、ICT アウトソ ーシングを含むマネージド(運用管 理、以下マネージド)サービスの世 28 End users ‒ ヘルプデスク NW 統合 オペレーション BHECCloud 他社サービス UNO 新たな提案 オンプレミス、自社/他社 サービスの運用を受託 On Premise SI EOL/Replace 内在する課題 システム追加 ことで利用できます。 —NTT Com の中核組 織ともいえる MS 部の 主要ミッションは ・・・・。 北畠 NT T Com がグ ローバルシームレスに 図 1 「グローバルクラウドビジョン」での運用管理の役割 提供する各種サービス に加え、企業が自社で ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.4 エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) 構築したオンプレミス機器や、他社 旧、原因究明、対策検 サービスも含めた広範な IC T 環境の 討、変更管理などに加 運用保守を実施する「GMOne」をグ え、上位レイヤのアプ ローバルに展開し、リカーリング収 リケーションのマネージ オペレーション自動化 プラットフォーム※ 益/利益を拡大することです。 ドサービスまで拡大し 高スキル エンジニアチーム 他 社 サ ー ビ ス 利 用 で あ っ て も、 ました。近い将来には、 日々の運用を行う中で、様々な課題 パートナリング等を視 が見え、その解決に向けて、NTT 野に、更に上位の BPO グローバルに点在するお客さまICTシステムを 24時間365日ワンストップで一元的に運用/監視/保守する新メニュー カスタマー ポータル サービス マネージャー レポート イベント通知 改善提案 お客さま ※DRサイト有 (ほかの国) Com が提供するクラウド(BHEC) (ビジネスプロセスアウ 24時間365日の運用/監視/保守 ネットワーク クラウド アプリケーション 他社、オンプレミス機器 など 図 2 「Global Management One」の特長 やネットワーク(UNO)サービス トソーシング)などのコンサルティン リエイトの活用はとても有効です。 の利用など、新たな提案を行うこと グ領域にまで拡大していく考えです。 現在、Atlas IT(スペイン)、Emerio で、運用起点からのアプローチを実 オペレーション自動化プラット フォームとアフィリエイト連携 によるサービス体制が特長 施していきます (図 1 参照) 。加えて、 MS 部は、システムエンジニア(SE) とサービスマネージャ(SM)の一 (マレーシア)、Netmagic(インド)、 DTSI Group( フ ィ リ ピ ン ) な ど、 実績の豊富な海外アフィリエイト各 社が連携して、広範囲のサービスメ 体体制を持っており、提案∼構築∼ —「GMOne」の強み・特長は ・・・・。 ニューを提供します。多言語対応や 保守を一気通貫体制で、個社別に手 北畠 グローバルでサービスを共通 ローカル言語ももちろん可能です。 厚い対応等も可能です。 化/標準化し、その中核となるのが、 私自身、法人分野での大型案件の オペレーション自動化プラットフォ プロジェクトマネージャー(PM)、SE、 ームと NTT Com グループの海外ア SM として、約 100 社を担当し、トラ ブル対応では、謝り侍でした。これ らの経験・ノウハウ、志を生かして、 MS 部の舵取りを実施しています。 サービス保守へのゲームチェンジ をコンセプトにした「GMOne」 フィリエイトの高スキルエンジニア —最後に、2015 年度の重点施策と チームの活用です(図 2 参照)。 ビジネスの抱負をお聞かせください。 オペレーション自動化プラットフ 北畠 グローバルで、お客さまがア ォームには、海外で多くの運用実績 ウトソーサを選定する一番の理由は を持ち高い評価を受けている IPSoft 社のオペレーション自動化ツール 「IPCenter」を活用しています。障 —「GMOne」の詳細は本インタビ 害検知から復旧対応までの運用管理 ューに続く各論の頁でご紹介しますが、 プロセスのうち、人手によるオペレ 基本コンセプトをお聞かせください。 北畠 「GMOne」は、従来のお客さ まごとに要件を聞き個別対応するカス タマイズ保守から、既に既製品化さ れているサービス保守へのゲームチェ ンジを意図したワンストップ ICT マネ ジメントサービスです。提供範囲も、 ネットワークやデータセンター等の基 盤インフラ領域の監視、トラブル復 ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.4 着実に実績を積み上げ、将来グ ローバルベスト 3 を目指す ーション部分を自動化し、コスト削 減、ヒューマンエラー削減による品 質向上、さらに障害対応速度を高め ることが可能になりました。 一方、システムで自動化できない 部分を、海外アフィリエイトの高ス キルエンジニアチームが対応しま す。またコスト削減の観点からも、 オフショア拠点として、海外アフィ 「実績」です。昨年度は海外での実 績を積み上げることに注力し、着実 に実績をあげてきましたが、2015 年度は更にこの取り組みを本格化 し、欧米、APAC での販売拡大に加 え、日本でも「GMOne」への移行 を加速し、全世界で利用を大幅拡大 する『ダイナミック GMOne』を実 現したいと思います。 さらに、将来はグローバルマネー ジドサービス市場でベスト 3 を目 指していきます。 —本日は有難うございました。 (聞き手:特別編集委員 河西義人) 29
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