「ごあいさつ」 私ども道総研は、平成27年4月より第二期を迎えました。第一期の5年間では、皆さ まの多大なご協力とご支援をいただき、この場をお借りし、心より感謝いたします。 さて、いま、「地方創生」が大きなキーワードとなっています。背景には、少子化、高 齢化という大きな社会問題があります。しかし、地方独自の大きな課題は、地方から都会 への人口流出、とくに、若者の流出にあるものと考えます。なぜ、若者が都会へ流出する のかについては、種々の議論がありますが、われわれができることは、若者に魅力的な、 力強い、安定した雇用を地方に生み出すことにあると考えているところです。北海道の未 来に、夢と希望を抱くことができる、働く場があり、働き易い、住みやすい、住み続けた くなる地方をつくること、これが、われわれの使命であると考えます。 工業試験場では、「ICTなどの工学技術との融合による、一次産業の競争力の強化」、 「基盤技術力やQCD対応力の向上による、自動車関連ものづくり産業の地場調達率の向 上」を大きな二本柱として取り組んでいます。 「一次産業の競争力の強化」では、第一期に、関係する担当機関との連携体制を強化し、 すでに、一部、共同研究を開始しているところです。今後は、スピード感を持って、早急 に目に見える成果へと繋げ、さらには、工業試験場が持つあらゆる工学技術を投入し、一 次産業の競争力の強化を図るとともに、新たな周辺産業として構築して行きたいと考えて います。 また、「自動車関連ものづくり産業」では、約12%とまだまだ低い地場調達率を少し でも向上させること、これは継続する地道な活動となります。一方で、今後おおいに伸張 が期待される、自動車の軽量化分野に向け、アルミニウムの利活用、CFRPの加工技術 の導入にも注力していきます。ちなみに、2013 年度、北海道の製造品出荷額が約6兆4 千億円と過去最高を記録し、また、輸出額は 4,800 億円と、ここ十年で倍増しています。 さらには、自動車関連ものづくり産業に関連する雇用は6千人を超えたことが報じられて います。このように、ものづくり産業は、とくに北海道では、まだまだ伸び代が大きいも のと考えてます。 最後になりますが、夢と希望のある北海道の構築に向け、引き続き、皆さまのご協力と ご支援をお願いいたします。 北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 場長 工業試験場 蓑嶋 裕典
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