ポリアミド11 ポリアミド vs ポリアミド12 ポリアミド アルケマ株式会社 京都テクニカルセンター 1 ポリアミド11について ひまし油由来のポリアミド11 ひまし油由来のポリアミド (PA11) 樹脂 Rilsan®( (PA11) )は60年以上の歴史をもつ 年以上の歴史をもつ ひまし油由来の まし油由来のPA11樹脂 樹脂 (樹脂の炭素成分は100%植物由来 %植物由来) (樹脂の炭素成分は %植物由来) 自動車・通信・スポーツ・ガス・油田など幅広い用途展開が可能 自動車・通信・スポーツ・ガス・油田など幅広い用途展開が可能 ポリアミドの優れた耐熱性、耐薬品性 ポリアミドの優れた耐熱性、耐薬品性、耐燃料性 優れた耐熱性、耐薬品性、耐燃料性とポリエチレンの優れた 、耐燃料性とポリエチレンの優れた加工性 とポリエチレンの優れた加工性を併せ持つ 加工性を併せ持つ 類似の石油由来のポリアミド (PA12) に比べて優れた特性を持つ 類似の石油由来のポリアミド12 ポリアミド に比べて優れた特性を持つ ポリアミド11とポリアミド12の比較 ポリアミド11がポリアミド12より優れている点 柔軟性 低温衝撃性 耐熱性、耐熱老化性 耐劣化燃料性 ガス及び燃料バリア性 耐屈曲疲労性 耐磨耗性 植物度 1. 合成 合成 1947~ ひまし油 リシノール酸メチル アミノウンデカン酸(PA11のモノマー) 重合 & コンパウンド Rilsan® (PA11) 1970~ 原油 ナフサ ブタジエン ラウリルラクタム(PA12のモノマー) 重合 & コンパウンド Rilsamid® (PA12) PA11 • 植物由来なので、極めて高い“ 再生可能な炭素) 植物由来なので、極めて高い“植物度” 植物度”を持つ( を持つ(100%再生可能な炭素) • 高機能エンジニアリングプラスチック 2. 結晶構造 結晶構造 PA11 と PA12 の単位格子 O N C a c b c.sinβ β PA11(奇数PA) :三斜晶(a triclinic) PA12 (偶数PA): 単斜晶(g monoclinic) => =>よりコンパクトな結晶単位 水素結合のために主鎖がねじれる構造をもつ 単位格子が球晶構造に大きく影響 結晶構造 球晶構造 PA11:規則的な環状の球晶構造 PA12:やや粗大な球晶構造 • 球晶構造の違いにより、PA11はPA12に比べ、耐薬品性、耐熱 性等に優れる • PA11の結晶化速度はPA12のそれに比べ4倍速い 3.基本物性 柔軟性の違い Flexibility & plasticizer% 1300 1200 無可塑 1,000 1,200 Flexural Modulous ISO 178 (MPa) 1100 PA11 PA12 1000 900 中可塑(P20) 可塑 (P40) 450 350 550 400 800 700 600 500 400 PA 12 P 10 300 P 20 200 P 30 PA 11 P 40 100 0 0 5 10 15 20 25 Plasticizer content (mass %) PA11の柔軟性はPA12に比べ高い 30 衝撃強度の違い 高可塑グレードの衝撃強度 高可塑グレードの衝撃強度 強化グレードの衝撃強度 強化グレードの衝撃強度 50 16 NON CASSE シャルピー衝撃強度ノッチ付 ( KJ/m2) シャルピー衝撃強度ノッチ付 ( KJ/m2) Charpy Impact Energy (kj/m2) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 PA 11 PA 12 PA 11 14 12 10 PA 12 8 6 4 2 0 1 - 40°C 0 -40 • • -30 0 2 - 30°C 3 - 0°C 23 各温度において、PA11の衝撃強度はPA12に比べ高い 特にPA11の低温衝撃性はPA12よりも優れる 4 23°C 短期的耐熱性の違い DMAカーブ 3 POINT BENDING MODE - 10rad/s 融点 ガラス転移点 熱変形温度 0.45 MPa 荷重 貯蔵弾性率 E'(Pa) 1,E+10 E' 1,E+09 E' 融点 PA11 1,E+08 PA12 ガラス転移点 1,E+07 -140-120-100-80-60-40-20 0 20 40 60 80 100120140160180200 温度 (°C) PA11 PA12 PA11 185℃ ℃ 46℃ ℃ PA12 175℃ 37℃ 155℃ ℃ 140℃ ⻑期耐熱性の違い PA11 PA12 常用温度 125℃ 100℃ ピーク 150℃ 125℃ • サンプル:押出チューブ(外径8mm, 厚さ1mm) • 試験方法 1. 熱老化試験 常用温度:1000時間 ピーク温度:16時間 2. -40℃にて落錘衝撃試験 • 破断しない限界温度を上の表に記載 (PA11において、125℃1000時間、150℃16時間の熱老化後にその傾向がみられる) PA11はPA12より、長期的耐熱特性に優れる 劣化燃料性の違い 劣化燃料試験 (Fuel CM15, PON 200) 溶液粘度の保持率 (%) ℃ 1 週間後 2 週間後 3 週間後 4 週間後 PA11 40 96.9 96.3 94.4 93.8 PA12 40 81.6 65.8 53.9 42.8 PA11はPA12より耐劣化燃料性に優れる ガス透過性の違い ガス透過性 T=23°C PA11 可塑化 PA12 可塑化 ガス透過性 CH4 CO2 CH4 CO2 HDPE (高密度ポリエチレン) 10-9 cm3.cm/cm2.s.bar 温度(° 温度 °C ) 天然ガス PA11 (可塑化) PA12 (可塑化) 0,6 6 1,6 12 50 3,5 7,4 20 75 12 16 55 PA11はPA12に比べガス透過性に優れる 100 35 53 120 耐屈曲疲労性の違い MIT試験機による屈曲疲労性 試験機による屈曲疲労性 23℃、荷重 1kg、270°屈曲、 180回/分 試験片 : プレスシート 0.8mm、120℃1日熱処理後 PA11 PA12 破断までの回数 3700 560 PA11は、 は、PA12より屈曲疲労性に優れる より屈曲疲労性に優れる は、 耐摩耗性の違い TABER Abrasion Test results Weight loss (mg) 25 20 15 10 5 0 Rigid P20 type Plasticized PA 12 P40 type Plasticized PA 11 PA11は、 は、PA12よ より耐摩耗性に優れる は、 ポリアミド11とポリアミド12の比較 ポリアミド11がポリアミド12より優れている点 柔軟性 低温衝撃性 耐熱性、耐熱老化性 耐劣化燃料性 ガス及び燃料バリア性 耐屈曲疲労性 耐磨耗性 植物度 19
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