概要報告pdfダウンロード - SPAR2015J 第 11回 3次元計測フォーラム

SPAR International 2015 報告
スパーポイントリサーチ 河村幸二
恒例の第 12 回世界大会が 3/29-4/2 ヒューストン Hilton Aemericas において開催された。冒頭の SPAR Point
Grp 代表の Lisa Murray 氏のあいさつで、参加者が年々拡大をつづけ、今回は初めて 1000 人を超えたむね発
表された。出展ブースの数も 100 を上回り、盛会であった。
1.
基調講演
1.1 ARC Ralph Rio
科学技術系のシンクタンクとして世界的に著名な ARC の Ralph Rio 氏が「Global 3D
Market Trends」というテーマで講演した。
1) 3 次元マーケット全体の成長率
ARC では short range(1m 寸法検査、リバースエンジ、文化遺産・人工物),middle
range(30m 設備、資産管理、考古学、裁判関連、アミューズメント), long
range(1000m 土木、農業、水利)に分けてとらえている。
2014-2018 の成長率は年率 11%とみて
いる。全産業の成長率は 3.5%とみられ
ていることから、高い成長率の分野で
あるといえる。
short range および middle range は、
今後とも順調に成長を続けるが、公共
事業を中心とする long range は、予算
制約からさほど成長しないとみてい
る。
2) 分野別シェア
産業別では自動車
産業がトップで、エンジニアリング関連が
それに次ぐ規模である。
3) ワークフローの改革が要
計画・設計・調達・建設・運転・保全・改
造の設備ライフサイクルにわたり、情報が
一貫して流れることがシステム化のねらい
であるが、3 次元計測によるリアルとバー
チャルルの融合により、こうした情報がシ
リーズに流れるだけではなくて、パラレル
もしくはフィードバックがリアルタイムに
かかり、ワークフローそのものが抜本的に
変わることが最大の効果である。
1
4) 加速因子と抑止因子
大きな効果が得られるとはいえ、業務改革
はそう簡単に進むわけではない。
大衆化
加速因子と抑制因子の凌ぎあいの中で進んで
いくであろう。ハードの価格低下は、マーケ
ットサイズからみると、プラスでもありマイ
ナスでもある。
カニバリゼーション(共食い)
ユーザ経験不足
旧製品の共食い
サービスプロバイダ力量不足
ハード・ソフト操作性向上
ハード
ワークフロー不完全
価格破壊
構造化光進歩
経済・政治の不安定
3D プリンタとの相乗効果
1.2 DAQLI Andy Lowery
今回の大きな話題の一つが AR による現場作業用ヘルメットである。Lowery 氏は現場
でトラブルを起こす最大の要因は、ヒューマンエラーであることを強調し、そのエラーが DAQLI
で大幅に減らせることを説明した。
これまで、オフィス業務は頭脳を使った
ホワイトカラー、現場の作業は手足を使う
ブルーカラーなどと言われてきたが、こう
したヘルメットの登場で、頭脳を使う(考
える)現場作業者の層が生まれてくる。
ブラウンカラー?
(ただしコンセプトは素晴らしいが、製品とい
う意味ではまだ開発途上にあると感じられ
た:KK)
1.3 BP
Dave Truch
BP は、大手プラントオーナとして久しぶりの登場であるが、今回は運転段階での3D 活
用に焦点をしぼって発表した。 ただし運転段階といっても運転オペレータの仕事だけで
はなく、日常の保全や検査まで含めた活用に力を入れている。
慣れ親しんだ仕事のやり方を末端まで含めて改革すること
が、いかに困難であるかといいながらも、さまざまな意欲的
なトライをおこなっている。
右図は 3 次元モデルをきめ細かくクラス化(類別と相関付
け)し、ユーザの目的に応じて、必要な情報が浮き上がる
例。RBI( risk based inspection)で層別された 3 次元モデル
2
2. トピックス
1) ホログラムルーム
今回のもうひとつの大きな話題を呼んだ展示は、オース
トラリアの euclideon 社のホログラムルームである。
VR(virtual reality)と AR(augmented reality)が一緒
になったようなもので、やはりゴーグルのような眼鏡を
かけるのであるが、視野全部がバーチャル空間に囲ま
れ、迫力のある3D の中に没入できる。膨大な(無制限
と称している)点群データを高速で処理し、リアルな空
間を人の動き合わせて映し出すものである。
日本には(株)きもと により紹介されることになるであろう。
2) UAV
展示としては、物珍しい時期は過ぎたが、ごく普通の普及したツールとして各社特徴を出して出展してい
た。当初は小型軽量センサーの必要性からフォトグラメトリーが中心であったが、Velodyne が開発したよ
うなライダー搭載も増えてきそうである。リーグル社の本格的な RiCoptor が人目をひいた。
UAV による計測サービス会社も育ってきており、AirGon,
Altavan,Phoenix Aerial System, Sky-
Future, XACT 5 社によるセッションに参加したが、それぞれ豊富な実績を有しており、特に安全問題
に関しては細心の準備と体制づくりに力を入れていることが伺いしれた。これらの会社は、SPAR
International には初めての出展であり、まさに新しいビジネス領域が確立されつつあることが分かる。
3)点群処理ソフト
本ビジネスが立ち上がった⒑数年前から各社とも開発にしのぎを削っているが、いまだに衰える気配はな
い。つまり取扱いデータ量の増大に対応して、まだまだ大量高速処理のニーズが尽きない。新しいアイデ
アとアルゴリズムで新規ベンダーも登場してきている。熾烈な競争が、まだ当分続きそうである。
4)姿を消したモバイル自動車の展示
6,7年前から登場し、ホテルの前に十数台のモバイル車が並んだ時期があったが、昨年あたりからすっ
かり影をひそめた。ひところは重装備な億円オーダーのツールであったのが、小型軽量化し特別な車体で
なくても可能になったからである。この分野の最大手であった MDL 社はブース展示からも姿を消してい
る。マーケットが変わってしまった典型であろう。
5) Japan Meeting
日本からの出席者 エリジオン(2)、北海道大学(2)、イエイリラボ、みるくる、三徳商事、きもと、SPARJ の9人で
初日の夕方に情報交換を行った。
3
3. 出展社概要
1) 出展社数推移
協会・メディアを除くスポンサー数が 39(2012) → 45(2013) → 48(2014) → 71(2015)と急増し
た。このうち過半数の 40 社が新規出展である(昨年は新規が 23 社)。その多くは初めて聞く名前
のところが多く、明らかにビジネスの構造が変わりつつある(変曲点を迎えた)と思われる。
2)フロアープラン
建築 IT ジャーナリスト 家入氏による SPAR Point
Grp 代表 Lisa Murray 氏へのインタビュー
4
SPAR International 2015 Sponsors
by SPARJ <Prem> premium sponsor #xxx ブースNo.
(New)3D プリンター
#628
(New) 航空マッピング
GeoCueグループ#624
(New) シンクタンク、科
学技術、エンジニアリング
IT化調査大手 #TT3
Smart Glasses
(New)InteractiveAR
(AiR™)をアピール。画面
上に手が合わせて表示さ
れ物体を操作 #206
(New)ドローン固定翼&マ
ルチコプタ#622
(New)画像処理用カメラ
#214
Reality
<Prem> ReCAP360として
向上。CAD基盤として各
社システムから取り込み
#503
<Prem> 建築、プラント
に注力、acute3D(日本
ではみるくる がサポート)
買収
#308
大きな話題の
ひとつ。基調講
Edgewise5.
地理情報データ処理、UAV
プレイバックツール#203
点群処理と形状抽出、建
物、プラント・・ 長年開発。
日本では 3DGeokosmos
#429
(New)CurvSurf 韓国、創
立1.5年
点群から3D形状認識 #2
16
(New) ARを用いた現場
作業支援用ヘルメット。ま
だ開発途上か #723
(復帰) フォトグラメトリー3
D生成、VLS™ (Video
Laser Scan) #724
タブレットスキャナー、
DPI8発表。Tom Greaves
Trimbleに提供発表。
#213
(New) 固定翼タイプド
ローン 発射スライド
(New) 航空画像から3D
#702
(New) 測量機器メーカ
Topcon, Sokkia #422
InfiPoints点群処理
InfraDoctor #210
(New) 石油プラットフォー
ムトップサイドのエンジニア
リング #727
地理情報システム
ArcGIS世界トップ 3Dへ
#703
1
大きな話題のひとつ。
ホログラムルーム展
(New) SOLIDSCANリア
Focus3D X330 展示
<Prem> ・kubit買収
・ハンディスキャナ展示
#416
(New) ZEB1:ハンディ首
ふりスキャン (日本窓口:
みるくる) #217
(New) FAROはじめ各
種スキャナーのレンタルと
教育 #218
(New) 製品安全と品質
確保の指導、コンサル。
以前のHICAD社 #628
(New) CADデータ変
換、PLM #705
FAROの傘下に
建築、プラント
AutoCADベース #722
BIMサービス #709
<Prem>Hexagon傘下
#303
<Prem> AVEVAの傘
下に。元Z+Fの点群ソ
フト #302
小型携帯、モバイルマッピング
ハード #704
(New) 車載モバイル
マッパーMAVERICK、
orbitソフトでビュー #719
大規模ライダーデータの
ビューワ #317
<Prem>カナダ
宇宙、航空、 #316
ルな3D生成。大規模デー
タを瞬時にビュー(日本窓
口:きもと) #225
ColourCloud :
自動生成ソフト
(New) 点群からプラント
内部や建物群の3次元モ
デル生成 #717
(New) 360度イメージカ
メラ iSTAR (日本窓口:
3DGeokosmos) #603
2
点群ソフト、鉱山、土木、
測量、街並み #220
(New) レーザマシンビ
ジョンハードウェア #329
(New) スキャナーやUAS
採取プロセスと統合、短時間
で3Dモデル化 #718
道路・交通などインフラ
管理、ハード&ソフト
#211
会社名 :Arithmetica
(New) UAVライダー
Phoenix AL3 #523
(New) 画像処理用高性
能小型カメラ #716
(New) Topcon,
SOKKIAを使ってソ
リューション提供 #721
ライダー搭載大型UAV
Ricoptor 発表
上
(New) 配管腐食検査、寸
点群ソフト、建物、モバイル
対応 #222
(New)Autodesk,XERO
X,Canonなどの製品販売
とサポート #708
<Prem>長距離高精度
VZ-400
#617
フォトグラメトリーGISマッピ
ング、航空ライダーサービ
ス #529
ターゲット球などのアクセサ
リー部品、治具など #309
(New)eXom ( ドロー
ン),eBee(固定翼)
#422
(New) 地元ヒューストンの
サービスプロバイダ #725
(New) フォトグラメトリー
ソフト Correlator3D™
マッピング、地形モデル
#226
(New) UASを使ったオ
イル&GAS設備の検査
サービスなど #525
サービスプロバイダ、教
育,スキャナのレンタル
#728,729
(New) ボーイングの子会
社、各種光学センサー、
ソーラセル、#715
車載、モバイルマッピン
グ、測量グレード #428
法情報管理(DC)、スキャン
から3Dモデル #710
マルチスレッド(6)
で
3
(New) Summit
Engineering and
Design エンジニアリング+
レーザスキャン #713
<Prem>
モバイル小型軽量IP-S3
UAV(飛行機)SiriusPro
#517
<Prem>高精度、頑強ス
キャナー ER_100HSX
#609
(New) 3Dスキャンソフト
ウェア、建築、文化財、工
場、地形モデル #
(New) 映画製作画像ソ
フトウェア(Avatar, Tron
・・・)から産業に進出。画
面がリアル #224
<Prem>
IndoorMapping
UAV飛行機タイプ
#309
プラントなどのレーザから3D
モデル化および設備管理へ
の活用 #202
マッピングの情報加工、地
理情報システム #712
会社名:VirtualGid
(New) オイル&ガスその
他の調査サービス #629
ライダーセンサー
UAV用の小型軽量も #707
(復帰) モバイルマッピング
用スキャナ、SLAMを使った
室内用(手押し車)も #711
点群データの分類、抽出、
メッシュ化、修復、加工
#208
位相差方式
中距離高密度、高精
(New) 航空機用各種画
像センサー、3次元取得含
む。iOneシリーズ。ワークフ
ローを支えるソフトウェア
#717
(復帰) 3次元ホログラム
プリント。用途:建築、オイ
ル&ガス、医療、自治体、
国防・・・ #209
(大手)
新製品:IMAGER5010X
ナビゲートが簡単に
#509
4