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家 具
主査
戸引 一則 先生
(埼玉県立川越高等技術専門校)
Cabinetmaking
木製の「家具」を製作する技能。
木製家具を綺麗にしかも能率的に製作する技能を競います。私達になじみ
深い木製の家具は、たんすや書棚のように板材が主体の「箱物類」と、机や
椅子のように角材が主体の「脚物類」に大別されます。例えば、たんすや書
棚は箱部・引き出し・扉など、机は甲板・脚・引き出しなど、椅子は脚と座
第51回技能五輪
競技課題例
のほか背板やひじ掛けなどで構成されています。箱物類と脚物類では、構成
部材や加工機械・工具が異なりますが、
「切る」
「掘る」
「削る」という共通
した技術・技能によって作られています。
魅 力
木のぬくもりに癒される。
私達の身のまわりには、さまざま
な木製家具があります。ストレスの
多い現代社会では、木の肌ざわりや
木 目 の 模 様 が 人 の 心 を 癒 し ま す。
「家具」職種は、木の性質や加工方
法についての知識と技術を活用し
て、「ものづくり」の腕前(技能)
を試しますが、そこには木の特徴を
活かし、お
客様に喜ん
でもらえる
製品作りに
向けた、創
造の楽しみ
第51回技能五輪 競技風景
競 技 の ポ イ ン ト
いつまでも愛される、確かな製品づくりのために。
熟練の技で、課題に挑む。
と完成時の
喜びがあり
ます。
将 来 性
競技では、
「木づくり」から「仕
扉部及び引き出し部により構成さ
上がり調整」に至る一連の工程を経
れ、箱物類と脚物類の両要素が組み
これからも、人々に愛される
製品づくりのために。
て、12 時間以内(標準時間 11 時間
込まれています。どの部材から手が
家具製作の技術と技能は、日々進
30 分)に課題のキャビネットを作
け、どのような手順で工作するかが
歩しています。この大会の課題には、
り上げます。課題は、脚部、箱部、
ポイントのひとつです。加工に使用
従来からの加工技術に加えて、最新
する主な機械と電動工具は、丸のこ
の接合方法や機器も採用していま
盤、角のみ盤、卓上ボール盤、スラ
す。各種の家具作りに対応するには、
イド丸のこ、電動ルータ、電動トリ
新しい優れた技術を進んで取り入れ
マ、電動溝切機(ジョイントカッタ)
る意欲が必要です。人の心を癒し、
などですが、これらのなかには選手
環境にもやさしい木製家具は、これ
が交代で使用するものもあり、手待
からも人々に愛され続けることでし
ちが生じない作業の段取りが重要に
ょう。私達家具職人は、そのための
なります。
製品作りに日々努力し進歩します。
The 52th National Skills Competition
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